Creepy Nutsのお二人が2020年7月21日放送のニッポン放送『Creepy Nutsのオールナイトニッポン0』の中でPUNPEEさんの『The Sofakingdom』について話していました。
(DJ松永)じゃあ、Rさんの日本語ラップ紹介コーナーにまいります。
(R-指定)はい。今回紹介したい曲はですね、曲っていうかアルバムですね。前々回とかもアフタートークとかでちょっと話したんですけど。PUNPEEさんの新しいEP『The Sofakingdom』。
(DJ松永)めっちゃよかったよね! 超よかった。
(R-指定)その中で、当然KREVAさんとの『夢追人』も最高なんですけども、兄弟でやっている曲がありましてね。
(DJ松永)ああっ、めちゃくちゃいい!
(R-指定)PUNPEEさんは皆さんご存知のラッパーでプロデューサーなんですけども。弟の5lackさんも超すごいラッパーなんですよね。で、この兄弟でやっている曲、今までにも何曲もあるんですけども。今回のEPにもあって。それが超よかったんで。一旦、まずは聞いてもらいましょうか。PUNPEEさんで『Wonder Wall feat. 5lack』です。
PUNPEE『Wonder Wall feat. 5lack』
(R-指定)はい。ということでね、なんか近年のPUNPEEさんってよりこの歌い上げる感のメロディー、ヤバいっすよね。めっちゃいいよな。なんか、しかもちょっとズルいな。兄弟揃って2人とも才があるというか。
(DJ松永)本当ですよね。天才兄弟。
(R-指定)天才兄弟。ホンマやな。この1バース目のPUNPEEさんがすごい好きで。「薄い壁1枚隔てて別の星めがけ」っていう。それで「玉々(たまたま)同じの穴兄弟です」っていう、意外とね、こういうのを入れ込んでくるんですよね。
(DJ松永)上手いね、ここね(笑)。
(R-指定)で、「東京端くれ板橋 違うよ、最先端」っていう。この「端くれ」と「最先端」の「端」をかけるっていう。それでPUNPEEの結構特徴なんですけども、「ビーバス・アンド・バットヘッド」とかアメリカのアニメやサブカルがリリックに結構登場しているから、そういう意味で俺が全然気づけていない仕掛けみたいなのがいっぱいあるはずなんですよね。結構トラックもラップも微に入り細に入り、かなり細かい仕掛けをする人じゃないですか。
(DJ松永)いや、すごい……なんかもう本当に元々持ち合わせているセンスもものすごい上に、とてつもない努力もしているんだろうなって思ってしまう。
(R-指定)だからホンマにね、「クッ!」ってなんねん。良すぎて。
(DJ松永)本当に、天才が努力していると一番……(笑)。
(R-指定)で、「アナログばっか掘って」っていうのがPUNPEEさんのことで、「君は刺青ばっか彫って」っていう、これは5lackさんのことで。そういうのとかもあって。それで最後の部分。最初に「薄い壁1枚隔て」って始まったバースが「薄い壁隔てて俺のAV勝手に盗むなよ For Real」っていうオチで終わるのもいいし。
(DJ松永)いいよね。
(R-指定)で、これがまたシャレてるのがこの『Wonder Wall』っていう曲名。これってオアシスの名曲なんですよ。で、オアシスはノエルとリアムのギャラガー兄弟。その「兄弟」っていうところと自分らのPUNPEE&5lack兄弟っていうところもかけていて。
(DJ松永)粋だなあ!
(R-指定)ちょっと……最高!
(DJ松永)フハハハハハハハハッ!
(R-指定)いいよな?(笑)。
(DJ松永)ちょっと怒ったわ……(笑)。
(R-指定)良すぎてな。あるんですよ、これ(笑)。
(番組終了後のMixchannel配信限定トークで……)
(DJ松永)あのPUNPEEさんのアルバム、よかったね。
(R-指定)よかったですね。『The Sofakingdom』。ソファキン、めっちゃよかった。
(DJ松永)そう略すんだ。ダセえ(笑)。
(R-指定)でも1曲目から……たぶんPUNPEEさんあるあるなんやろうけども。「素敵に元気に延期」って言っていて。たぶんPUNPEEさん、作り込みすぎるからさ。アルバムを出すのも超時間がかかったりっていうのを自分でもよう言ってはったりするやんか。それを今回のやつでも1曲目でネタにしていて。「おっ、これはファン的にも上がるやろうな」って。「久しぶり世界の優しいPファン 甘やかした結果 素敵に元気に延期なPUNPEEです」みたいな感じで言っていて。でも、時間がかかるよな!
(DJ松永)でもあの作品ってそうだよね。作り込みが音もラップもすごいじゃん? 音へのこだわりがたぶん尋常じゃないじゃん!
(R-指定)あと、なかなかPUNPEEさんとかが解説をしてこんかったのはなかなかこの、たぶん俺もすごい理詰めでラップを作っているけど、それとは全く別のタイプの理詰めというか。わかる? 理詰めやねんけど、全然こだわっている場所が違うみたいな。メロディーの感じとか、持ってくる言葉の引き出しも全然違うところやねん。だからこそ、すごいみたいな。
(DJ松永)なんか本当に、Rさんはラップに特化していて。PUNPEEさんは曲作り全体でたぶん設計図を描いているから。だからこだわりが違ってくるんだろうね。
(R-指定)メロとか、この人は重ね方とかも……声の重ね方、エグいよな。
(DJ松永)たしかに。
(R-指定)ボーカルを重ねたりするんですけども、それで出す気持ちよさとかも……。
(DJ松永)本当ですよね。そうかと思えば、さっきかけた曲とかはサビ、あえて1本でゆるく歌ったりとか。ピッチも直したりせずにゆるく歌うみたいなやつでしょう?
(R-指定)だからたまに俺らみたいな同業はさ、PUNPEEさんを聞かれへん時期があるよな? 聞いちゃうと、その、悔しくなるから。
(DJ松永)落ち込むから。
(R-指定)あるねん。
(DJ松永)俺、毎作聞いて……もう全作チェックしているよ。全部。昔から今まで、全部チェックして聞くたびに「いいな、チクショーッ!」って。
(R-指定)俺なんか『MODERN TIMES』、発売されからちゃんと聞くまで、結構時間かかったよ。で、なんか2年ぐらい経ってから「聞こう……」みたいな感じになるぐらい。落ち込むんですよね。
PUNPEEの作品が良すぎて落ち込む
(DJ松永)マジで本当に。でも本当に、PUNPEEさんの作品がサブスクで聞けるっていうのはいい時代になったなって思う。だって昔なんかさ、全国流通の作品すら出さなかったんだから。
(R-指定)そうやねん!
(DJ松永)それも超売れきった後なのに、ひたすら手売りのミックスCDしか出さないっていう。
(R-指定)それこそまさに加山雄三さんとの『お嫁においで 2015』の中でも自虐的に自分で語っていたけども。まさにあの通りやったんですよね。
(DJ松永)そうなんですよね。いや、また次の作品も楽しみですね。
(R-指定)どうせいいしな(笑)。
(DJ松永)どうせいいし。よくなかった試しなんかないんだから。
(R-指定)フフフ(笑)。
<書き起こしおわり>