R-指定 般若とのラスボス継承バトルを振り返る

R-指定 般若とのラスボス継承バトルを振り返る Creepy Nutsのオールナイトニッポン0

R-指定さんがニッポン放送『Creepy Nutsのオールナイトニッポン0』で般若さんとのフリースタイルダンジョン・ラスボス継承バトルを振り返っていました。

(R-指定)でね、先週ね、ホンマはそんな松永さんの自意識ラジオをやっている場合じゃなかったんですよ。先週の放送のラスト、クレームのメールが来たでしょう? 「おい、お前ら、ラスボス般若との試合の話をしろよ!」っていう。

(DJ松永)俺、ずーっと頭の片隅にありましたよ。「あれ? いいのかな?」って思いながら番組時間が過ぎていくっていう(笑)。

(R-指定)妄想の彼女を作ったりっていう話をしていましたけども。でも先週ね、なにがあったかっていうとフリースタイルダンジョン。私、R-指定が出ている番組でそのラスボスだった般若さんが引退する。そして二代目のラスボスとして私、R-指定を選んでいただいて。それで般若さんと僕、R-指定が戦うというバトルがあったんですよ。先週のオールナイトの前に。それで先週は話さなかったんですけども、「話を聞きたかったです」とか「そのことを話せよ!」っていうのがあったから。話せる場があるから話そうと思って。

(DJ松永)そうだね。

(R-指定)話したいと思うんですけども……実は俺、フリースタイルダンジョンの初期のメンバー、一発目のモンスターとして出ていたんですけども。それで俺らが卒業するタイミングでモンスターが二代目と入れ替わる。その時に「R、二代目ラスボスになる?」ってZEEBRAさんから言われていたんですよ。

(DJ松永)だいぶ早い段階で。

(R-指定)でも、俺は「やっぱり般若さんは音源でちゃんと成果も出しているし、ライブも続けているし、長年戦い続けている人やからあの位置に座れると思うんです」って1回、断ったんですよ。「俺はまだ早いと自分で思うんです」ってことで2年ぐらい前に断ったんですよ。

(DJ松永)そうね。そんなことがあったね。

(R-指定)で、その間に俺はいろいろとクリーピーとして活動したり、いまラジオをやらせてもらったりとかして。その流れで何回かフリースタイルダンジョンに出たりもしていたんですけども。やっていくうちに心境の変化というか。般若さんはそもそも誰が見てもラスボスの位置ですけど、ハナからああいう場所があるわけじゃなくて、番組立ち上げの当初にラスボスになった。ということは、マジで般若さんも不安やったと思うんですよね。

テレビでMCバトルをやるとか、そこに自分がボスという立ち位置で、最後にギンギンにかかった挑戦者に100万を取らせないっていう立ち位置を選ぶというのはすごい、かなり般若さんの中でもいろいろとあったと思うんやけど、それを引き受けた。引き受けて、正直般若さん、超ベテランなんで若いバトルMCとか知らないんですよ。で、若いラッパーにバーッてディスられても、相手は般若さんのことを知っているけど、般若さんは相手のことを知らん。その状態でいきなりパッと放り出されて「はい、100万を守ってください」って言われるわけですよ。

(DJ松永)難しいな……。だって言うこと、ないよね。

(R-指定)若手のラッパーに言うことなんてないんですよ。もう般若さんぐらいのレベルになると。でも、それでもあれをやって。般若さんは自分のライブもやって、アルバムも年に1枚作っていて。で、俳優もやっていてめちゃくちゃ忙しい中でラスボスという立ち位置もやっている。つまり、どういうことか?っていうと用意されたイスに「お前はそのレベルだからどうぞ」ってことで座らされるということではなくて、誰もできないようなところを請け負って、それを背負って戦うっていうところがラスボスなのかな?っていう風に、なんとなく自分の中で心境の変化があって。

で、般若さんから1年、半年ぐらい前から徐々に「次、もしラスボスになるとしたらお前に任せるわ」って般若さんから言っていただいていて。そこの中で俺も「般若さんからそう言われたんやったら、般若さんのラスボスとしての背中も近くで見てきたから、じゃあわかりました」みたいな話をしていたんですよ。あの収録の日はそもそも般若さんとバトルをやるとか聞いてなかったんですよ。「引退だけ発表する」っていう話を般若さんがしていて。「次の収録で俺、引退を発表するから」って。

(DJ松永)ああ、そうなんだ。本当にR、マジで急に「はい、いますぐバトルやれ」って感じだったんだ。

(R-指定)そう。で、「引き継ぎとかはあるんですかね?」って言ったら「それはまだ決まってねえ」っていう状態で。スタッフもジブさんも全員知らなかったの。

(DJ松永)えっ、あれはマジで般若さんが?

(R-指定)発表するっていうことだけはみんな知っていて。そこからどうするかはみんな、「どうなやるんやろう?」みたいな感じで。

(DJ松永)マジで般若さんしか……っていうこと? すごいね!

(R-指定)たぶん。で、発表された時は俺、「発表しはったわ」って思って。それで「これまでに9回しかダンジョンでバトルをしていない。最後の1回、10回目のバトルをしてバトルから完全に引退したいと思います。その相手を二代目、次のラスボスになるやつとやりたいと思います」って言われた時にドキーン!ってなって。俺はもうその日、収録で全バトルを撮り終えて。呂布さんとタッグチームで全勝したから「ウエーイ! 俺、最強! 俺ら、最強!」みたいな感じでバトルのスイッチを切っていて。

(DJ松永)そうだよね。

(R-指定)あとはヘローッとしているだけやと思ったら急に般若さんにそんな、もう「バトル」って言われてドキーン!ってなって。「えっ、マジで? マジで?」みたいな。で、「R-指定くん」って言われて。だから映像で見てもらえればわかると思うんすけど、すっごい俺、変な顔をしていて。笑うでもなくて、焦るでもなく。

(DJ松永)なんかね、ボケーッとしてたのよ。スイッチも顔に入っていないし。「よし、やります!」っていう感じじゃなくて「えっ、えっ、えっ?」みたいな(笑)。バカみてえな(笑)。

バトルは誰も知らされていなかった

(R-指定)そう。「嘘!?」みたいな。で、実際にバトルになるんですけども。まあ、正直バトルのモードも切っているし。でも、やっぱり般若さんという相手。すごい尊敬している先輩との初のバトルがその現場っていうところで、焦りもありましたけども。まあ正直、自分の中で納得がいくような上手いラップなんか全くできていないんですけども。とにかく、その自分の気持ちしか吐き出せなかった。本音というか。なんか、韻もほとんど踏んでいないし、フロウも上手いフロウなんかしていないんですけども。とにかく般若さんに対するリスペクトとか、般若さんがやってきたことを引き受けるということの気持ち。ただ単なる気持ちを音に乗せて言っただけみたいな。

(DJ松永)でも、結果それがよかったと思うけどね。たぶんあそこでめちゃめちゃ入り組んだフロウとかをしていたら、それはもう違うと思うんだよね。結構2人とも実直なオーセンティックなフロウだったじゃん? たぶんそうじゃないとあそこまでの感動は生んでいなかったから。たぶん結果……Rが途中で噛んだところとかもさ。

(R-指定)いや、マジで噛んだから。「やっちまった!」って(笑)。

(DJ松永)噛んだところ、めっちゃ泣けるよ。本人からしたら悔しいんだろうけど。でも、ちゃんと本人が悔しがったところもまるっと見て、すげえよかったもん。

(R-指定)でもあれはホンマにいま思えば般若さんからの「ラスボスってこういうことやぞ」っていうメッセージなのかなとも思って。だから般若さんからしたら、ライブや俳優っていう忙しい中でポンと収録があって、いきなり名前も知らんようなチャレンジャーと「はい、どうぞ! 100万をかけた戦いをやってください! 歴史に残るバトル、お願いします」みたいにポンと出されるわけですから。そんぐらい……。

(DJ松永)しかもね、あんだけ一線を退いた人がもう1回出てくれってなって。一線を退いているのに「負けちゃダメ」って言われるとか。

(R-指定)「それぐらいラスボスって厳しいものだぞ」っていう般若さんからのメッセージなんだなって俺は受け取って。すげえ感慨深かった。あのバトルは。で、バトルが終わって、その日の収録も終わって。結果とかじゃなくて、とにかく般若さんとちゃんと本音をビートの上でぶつけ合えたのが嬉しくて。

(DJ松永)いや、あれはすごかったね。あれはだって全部さ、台本もなにもないわけでしょう?

(R-指定)まったくない。

(DJ松永)あんなきれいな台本みたいな話、ないよ。マジでその場で起こった出来事でしょう?

(R-指定)俺も正直、バトルが終わってからは感覚があんまり……「ホンマに般若さんとやったんや。っていうか俺、もう二代目か!」みたいな。感覚も追いつかんまま、収録も終わって各々が帰るんですけども。「いや、すごかったな!」「すごいバトル、したな!」みたいにみんなに言われるんですけど、自分的には全くそんな感覚もなくて。で、ちょうど収録が終わって、その時に二代目モンスターのACEさんと輪入道さんと飲みに行こうみたいな話をしていたんですよ。収録の前から。

(DJ松永)うんうん。

(R-指定)で、収録が終わってメシに行こうって飲みに行ったら、飲みに行った場所。ACEさんの家の近くのバーにすごいACEさんの知り合いの女の子とか、きれいな女性がいっぱいおって。輪入道さんとACEさんと俺、ラッパーと美人の女の子で。「あれ? ちょっと今日は乱痴気騒ぎなのかな?」みたいな。

(DJ松永)おお、ラッパーですね。

(R-指定)二代目になった景気づけでエロい夜っていうか、まあラッパーらしくなってきたな!って思ってて。「じゃあ、乾杯しましょうか」って飲んでいたら、輪入道さんに般若さんから電話がかかってきて。で、輪入道さんがバーッと騒いでいる喧騒の中を通り抜けて俺のところに来て、「R、なんか般若さんが三茶で飲んでいるらしいけど、どうする?」って言われて。俺の天秤の中で「エロ・女の子、般若さん」「エロい夜、熱い夜」って……「今日は般若さんだろ、これ!」ってなって。

(DJ松永)おおっ、よかった! 俺、エロだったらどうする?って思った(笑)。

(R-指定)ほんのコンマ何秒ですけど天秤にかけて。それで輪入道さんに「行くっしょ、三茶!」って。

(DJ松永)三茶で般若さんと飲むの熱いな!

(R-指定)そう。三茶が般若さんの地元なんですよ。で、タクシーで三茶まで行って。それで般若さんと般若さん行きつけの地元のバーでイスを並べて般若さんと輪入道さん、俺とで飲むわけですよ。それで結構熱い話もしてくれて。それでもうベロベロに……俺も珍しくめっちゃ飲んだんですよ。般若さんのペースに合わせて一緒に飲んで。で、熱い話をして。「ここからはお前が好きなようにやればいいから」って。

すごいいろいろとアドバイスももらって。で、ベロベロになって「帰ろうか」ってなった時に、その時に般若さんのバックDJのDJ FUMIRATCHさんが俺の耳元で「R、お前ちょっと般若さんに『カラオケ行きたいです』って言えよ」「いやいや、もう帰る空気になっているじゃないですか」「いや、あれは般若さん、まだ帰りたくねえんだよ。この感じは」「マジっすか?」「バカのふりして1回、言ってみろ?」って言われて。

(DJ松永)うん。

(R-指定)で、般若さんが帰ろうとしている背中に俺が「般若さん、カラオケ行きたいっすわ!」って酔っ払った感じで言ったら般若さんがパッと振り向いて「しょうがねえな。行くか」っつって。で、全員でタクシーに乗り込んで。でも、「タクシーに乗り込んでっていうか、三茶の駅前にいっぱいカラオケがあるのに、なんでや?」って思ったら、タクシーに乗り込んでブワーッて恵比寿に向かうんですよ。それで恵比寿の地下に入っていくんですけど、そこが般若さんの友達が経営しているバーなんです。で、それがバーなんですけど、なぜかカウンター全員がバニーガール。

(DJ松永)ええーっ!

(R-指定)バニーガールがいっぱいおる、カラオケのついている友達のバー。で、他のお客さんがおるんですけど、全員帰らせて。カウンターにラッパーたちがブワーッて揃って。で、バーカウンターにはバーカウンターがブワーッて揃って。「あれ? エロいのも熱いのも両方あるやん!」って。

(DJ松永)よしよしよし!

(R-指定)で、その中でなにをしたのか?っていうと、般若さんの前で般若さんの曲をカラオケで熱唱するという。みんな、般若さんの『猿』とか『サイン』般若さんの名曲を歌ったりして。で、盛り上がって。「最後、この曲で締めましょうよ!」って俺が般若さんの『あの頃じゃねえ』っていう曲を入れるんですよ。

(DJ松永)フゥーッ!

般若『あの頃じゃねえ』で締め

(R-指定)で、『あの頃じゃねえ』っていう今日はいまの般若さんの代表曲なんですけども。すごい有名なフレーズで曲の最後に「同じ 時代 生きてて ありがたい すべて 感謝 般若!」って言って終わる曲なんですよ。で、俺はブワーッて歌って。横におる般若さんの前で般若さんの歌を熱唱して。最後に盛り上がってきて。「同じ 時代 生きてて ありがたい すべて 感謝……!」っつって横にいる般若さんに俺、マイクをバッて向けて(笑)。

(DJ松永)フハハハハハハハハッ!

(R-指定)そしたら般若さんがちょっとはにかみながら「般若!」って言ってくれて(笑)。「十、ゼロぐらい不利だぜー!」って全員でもう肩を組んで。ベロベロになって!

(DJ松永)フハハハハハハハハッ! 熱い!

(R-指定)「最高か、今日!」ってなって(笑)。

(DJ松永)熱い! いやー、エロに勝つな!

(R-指定)エロに勝つんよ、熱いのは。男の熱さは!

(DJ松永)「十、ゼロぐらい不利」でもエロに熱さは勝つんだよっ! お前、ラスボスがんばれっ!

(R-指定)がんばりますっ!

<書き起こしおわり>

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