宮藤官九郎 久米宏と『ザ・ベストテン』を語る

宮藤官九郎 久米宏と『ザ・ベストテン』を語る ACTION

宮藤官九郎さんが2020年6月29日放送のTBSラジオ『ACTION』の中で最終回を迎えた『久米宏ラジオなんですけど』についてトーク。久米宏さんや『ザ・ベストテン』について話していました。

(宮藤官九郎)いろんなラジオ番組とかテレビで言ってますけど、今年半分終わっちゃうんですね。

(幸坂理加)そうですね。うん、早い!

(宮藤官九郎)俺、たぶん何もしてないに等しい。結果。フフフ(笑)。「何もしてねえ」ですよ。本当、北島康介的に言うならば(笑)。「何もしてねえ」っていう(笑)。

(幸坂理加)ちょっと違いますけどね(笑)。

(宮藤官九郎)ちょっと違うけども(笑)。そんなわけげで昨日から今日とか今週はTBSラジオを聞いていると皆さん、久米宏さんの『久米宏ラジオなんですけど』最終回にコメントをされてますけど。僕も久米さんについてちょっと話そうと思うんですが。僕はラジオの話じゃなくて恐縮なんですけど、あのTBSチャンネル2っていうところで『ザ・ベストテン』が始まったっていうニュースを知ってですね。これはもう大変なことだと思って。僕はもう『ザ・ベストテン』……だから木曜日に「9時以降まで起きていていい」ってことになったのは『ザ・ベストテン』があったからなんですよ。

(幸坂理加)ああ、そうですか。

(宮藤官九郎)「お願いだから木曜だけは夜ふかしさせてくれ!」って言って『ザ・ベストテン』だけ見てたんです。子供の頃。なので、「これは大変だ!」と思って。「うち、TBSチャンネル2って見れるっけ?」っつって奥さんに確認して。「じゃあ、録画してね! かならず録画してね!」っつって。

(宮藤官九郎)それでもう、1回目をみたんですよ。も久米さんがね、40年前の久米さんの早口と……早口なのに全部ストレスなくこっちに伝わってくる情報量、しゃべりと頭の回転の速さがやっぱすごいなと思って。

黒柳徹子さんも当時はまだ若くて。それで声のキーがね、全然違うんですよ。今より全然高い。今、やっぱり低いんだなって。最近の徹子さんの真似をする人たち、ちょっと考えた方がいいですよ。今、だいぶ低いですよ。昔のやっぱり……清水ミチコさんとかってやっぱり研究されてると思うんですけども。「黒柳徹子でございます」って言う時のキーはね、気をつけた方がいいですよ。今に合わせた方がいいですよ。ウーバーイーツのCMとか見ていると、やっぱり低いもん。

(幸坂理加)ああ、そうですか!(笑)。

(宮藤官九郎)やっぱり昔は高かったですよ。それで、『ザ・ベストテン』を見て。これ、毎週見れるとしたらもう大変なことだと思って。しかもね、なんか変な80年の12月の最後の日の放送だったんで。要するにその週のランキング、ベストテンを発表した後に年間ベストテンを発表しなきゃいけないから異常な早回しなんですよ。しゃべりも早いし、曲もワンコーラスずつしか歌わないし。チャッチャカ行って「すげえな!」と思って。

ということは来週、どうなんだろうな?って思って調べたら、「次回は9月です」って書いてあって(笑)。毎日じゃなかったんですよ! 俺、めちゃめちゃもうそのTBSチャンネルに合わせて「毎週見れる!」と思ってたんで。もうなんか知らないけども『ザ・ベストテン』ロスになっちゃって。それで家にあった山田修爾さんっていうその『ザ・ベストテン』のプロデューサーが書いた本を引っ張り出してきて。これを読むことで自分の中の『ザ・ベストテン』欲を満たしてたんですよ。

(幸坂理加)へー!

(宮藤官九郎)で、この本がすごいのはね、文庫なんですけど。最後の巻末にですね、全603回分のベストテンのランキングを書いてあって。それでたとえば幸坂さん、何年の何月生まれですか?

(幸坂理加)1988年5月13日生まれです。昭和最後。

(宮藤官九郎)昭和最後。88年の5月ですね。5月13日は……残念! 木曜日じゃないです。ごめんなさい! やめましょうか?

(幸坂理加)いやいや、聞きたいです。せっかくだから。

(宮藤官九郎)でも、5月12日が木曜日。だから幸坂さんは金曜日生まれ。で、5月12日のベストテンを発表しましょうか?

(幸坂理加)お願いします!

1988年5月12日のベストテン

(宮藤官九郎)第10位、近藤真彦『Made in Japan』! フフフ、知らないでしょう? 9位、渡辺美里『恋したっていいじゃない』。

(幸坂理加)ああ、知らない!

(宮藤官九郎)「D-A-T-E 恋したっていいじゃない♪」ですよ。俺が歌うんですよ、全部(笑)。

(幸坂理加)いい歌ですね!

(宮藤官九郎)そして8位が桑田佳祐『いつか何処かで』。7位が荻野目洋子『スターダスト・ドリーム』。6位が杉山清貴『僕の腕の中で』。5位が少年隊『ふたり』。4位が田原俊彦『抱きしめてTONIGHT』。

(幸坂理加)あっ、知ってる!

(宮藤官九郎)ジャージャージャージャーン! 田原俊彦さんは神奈川県民ホールのコンサートが終わって、お客さんに残っていただいて……とかっていうのがありましたけどね。そういう番組でした。そして第3位、浅香唯『C-Girl』。ああ、懐かしい! さすがに懐かしくないでしょう? 生まれる前の日だから。

(幸坂理加)はい。

(宮藤官九郎)「C-C-C 噂のC-C-Girl♪」ですね。俺が歌うんですけどね(笑)。

(幸坂理加)フフフ(笑)。

(宮藤官九郎)で、2位が松田聖子『Marrakech -マラケッシュ-』。俺、この歌、知らねえな。なんでだろう?(笑)。

(幸坂理加)2位ですよ?(笑)。

(宮藤官九郎)記憶から完全に抜け落ちているなー。そして第1位が光GENJI『パラダイス銀河』です。まだこの時は、たぶん諸星くんとかまだ16歳以下だからね、出れないんですよね。だからあの録画でね……あ、諸星くんは出れたかな? 俺と同い年だから。もっと下のね、佐藤敦啓くんとかは出れなかったはず。だから録音録画でね、8時前に撮ったやつを流すっていう。こういうことができるんですよ(笑)。

(幸坂理加)フフフ、誰かの誕生日で(笑)。

(宮藤官九郎)というわけで今日のメールテーマ、あなたの誕生日を教えてください。あなたの誕生日の一番近い木曜日のベストテンランキングを僕が教えてあげます!

(幸坂理加)すごい(笑)。スペシャル!

(宮藤官九郎)これね、ちょっと楽しくて。たとえば俺が高校に入った時……1986年の4月に僕は高校生になったんですけど。ええとね、4月10日。1位が少年隊『デカメロン伝説』。「ワカチコ、ワカチコ!」ですね。あの、あれじゃないですよ。ゆってぃじゃないですよ。あれの元ネタね。

(幸坂理加)ああ、あれに元ネタがあったんですね!

(宮藤官九郎)これ、「ワカチコ、ワカチコ」って少年隊が言っていたの。少年隊が言っていたのかどうかはわかんないけども(笑)。

(幸坂理加)「ちっちゃいことは気にするな」っていう。ねえ!

(宮藤官九郎)でもいろんな情報がここの世代間で……アクリルがね、やっぱり。アクリル板越しで世代が違いますから。なにしろ88年に生まれていますからね。僕は88年に東京来てますからね。あ、89年か。俺が来たのは。そんなわけで……あと2位は中森明菜『DESIRE』。あの半分肩出した着物を着てね。和服なんだか洋服なんだか……。

(幸坂理加)真っ逆さまの?

(宮藤官九郎)そう。真っ逆さまのやつ(笑)。「真っ逆さま」はわかるんだ?(笑)。

(幸坂理加)はい! わかります!

(宮藤官九郎)なんでわかるの?

(幸坂理加)なんで知っているんだろう? でも、知ってますよ。

(宮藤官九郎)逆にわかることがあると嬉しいね。繋がれる。で、何しろやっぱり1986年ですから。入ってきますよね、当然。2月27日の第2位。本田美奈子『1986年のマリリン』。入ってきますよね。86年ですからね。

(幸坂理加)ああ、そうですか。

(宮藤官九郎)その同じ年。たぶん1986年だから1986オメガトライブも入ってきますよね。

(幸坂理加)ああ、カルロス・トシキ!

(宮藤官九郎)そう。カルロス・トシキ。これ、1986年の5月29日、『君は1000%』が第4位ですね! これだけで俺、2時間ぐらいしゃべれるわ!

(幸坂理加)すごい!

久米宏さんに伝えたかったこと

(宮藤官九郎)今日、俺、2時間やってもいいくらいですね。やめときますけども(笑)。そんなわけで、そう。久米さんといえば僕、何を言わなきゃいけなかったか?っていうと、『あまちゃん』の中で『ザ・ベストテン』のシーンがあったんですよ。で、その時に久米さんの役を糸井重里さんがやって、徹子さんの役を清水ミチコさんがパロディーみたいな感じにしたんですよ。

で、その時に司会の糸井さんが台本っていうか進行表みたいなのを持っていて。で、『ザ・ベストテン』の司会みたいな感じでやって。それをオンエアした後に僕、『久米宏ラジオなんですけど』を聞いたんですよ。「ああ、久米さん見てくれたかな?」と思って聞いたら久米さんが「あの、司会者の方は台本を持っていましたが私は台本を持ってやったことなど一度もありません!」ってえらい怒っていて(笑)。俺、それをいつか謝りたいと思っていたら、終わっちゃいましたね。

(幸坂理加)ああー、残念!

(宮藤官九郎)残念ですね。でも、まあ僕のせいじゃないです(笑)。僕、だって「台本を持って」って書いてないですもん。それは演出ですから。僕の範疇ではないっていう。だから、久米さん。僕のことを嫌いにならないでください(笑)。TBSラジオはともかく、僕のことは嫌いにならないでください(笑)。

<書き起こしおわり>

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