渡辺志保さんが2020年6月5日放送のbayfm『MUSIC GARAGE:ROOM 101』の中でSNS上で広がったドージャ・キャットバッシングについて話していました。
(渡辺志保)それではまず、Spotifyのチャートから気になる楽曲を紹介していきましょう。まず、今週なんですけれども。US、アメリカのバイラルトップ50とワールドワイドのバイラルトップ50、同じ曲が1位にランクインしてるんですね。というわけでアメリカ国内の口コミチャート。そして世界の口コミチャートで同時に同じ曲が1位を制したということになっております。どんな曲なのかと言いますと、バリートというもう超新人アーティストがリリースしている『Times We Had』という曲なんですね。
Barlito『Times We Had』
今、その『Times We Had』を後ろで流していますが。明らかに、歌ってはいるんだけど音程が外れていて。で、いろいろとヤバいんですが。これ、バリートくんの曲なんですが、他にフィーチャリングアーティストも3アーティストぐらいおりまして。みんなで1バースずつ歌っているという曲です。なんでこの曲が1位になったのかをちょっと説明したいと思います。
きっかけになったのはドージャ・キャットの『Say So』という曲なんですね。この番組でも以前にかけたことがありますし、日本のでも今、SNS上ですごく人気を博している曲なのでご存知の方もいらっしゃるかと思います。ドージャ・キャットの『Say So』という曲がリリースされまして先日、ニッキー・ミナージュを迎えたリミックスも発表されました。その時にドージャ・キャット本人がTwitter上で「この曲が1位を取ったら私は胸を見せます」という、結構驚きのツイートをしたんですね。
If say so hits #1 I’ll show you guys my boobs really hard
— FISH DOG (@DojaCat) May 6, 2020
で、結果見事に『Say So』という曲が1位を取ったんですけれども。当然、なんていうかファンの一部は「お前、1位を取ったんだから本当に胸を見せろよ!」っていう感じでワーッとなったんですけれども。その後、ドージャ・キャットがどんな行動に出たかというと、Instagramの動画を使って「あんなの嘘に決まってるじゃん?」という感じで開き直って。「嘘でした」というネタばらしをしたんですね。
で、まあそれもそれでひとつ問題ではあるんですけれども、その後ろにそのドージャのおっぱいを見たがったファンが激怒しまして。彼らが何をしたかと言いますと、「彼女に復讐しよう。その嘘をついてファンを欺いたドージャ・キャットに俺たちが復讐をしよう」ということで戦略を立てたんですね。で、どんな戦略だったかと言いますと、「ドージャ・キャットじゃない他の曲を1位にすればいいじゃん!」ということで、SoundCloudで発表されていたこのバリートの、しかもめちゃくちゃ下手くそな曲をみんなで、ファンたちが何回も再生して。結果、Spotifyの口コミチャートを制してしまったというストーリーがありました。
で、バリートの『Times We Had』という曲。たぶん今もSpotifyの口コミチャートの上位にいるはずだし。興味がある方は検索してSoundCloudででもYouTubeででも聞いていただければと思うんですけれども。敢えて、みんなめちゃめちゃ下手な曲を選んで。この曲を1位に押し上げようということで世界中のアンチじゃないですけれども。ドージャ・キャットに失望したファンたちがそういった策略を持って、素人に近いようなアーティストの曲を1位に押し上げたって言っていいんですかね? 1位にググッと持ち上げたということがありました。
で、まあまあこの事件、なかなか難しいところがあるとは思うんですけど。ただちょっとドージャ・キャットも結構お騒がせキャラみたいな感じになっておりまして。かつ、非常にSNS上でバッシングを受けやすいラッパーに今、なってるんですよね。受けやすい女性アイコンというか。ついこの間も、彼女が昔チャットルーム……昔ね、結構チャットが主流だった時代がありますけれども。
そこでその「オルトライト」って言いますけどね。何て言うんでしょうか? 新しい右翼の団体がありますけれど。そういった人たちと一緒のチャットルームに入って人種差別的なことを言ってたっていう、そういったニュースが流されて。一気にTwitter上でも彼女に対するバッシングの発言。いろんな方がワーッと一斉に発したということがありまして。ただその後、ドージャ・キャットは「全くもってこれは事実ではない」ということを自分でも声明を発表しまして。
その後に「#WeAreSorryDoja」。「ドージャ、ごめんね」っていうハッシュタグがTwitterでトレンドに入りしたっていう、ちょっとよく分からない状況にもなってるですけれども。でも最近、この日本でもね、木村花さんの『テラスハウス』を中心とした事件なんかもありましたし。どんどんやっぱりこの閉じた環境……SNS上ということになりますけれども。広いように見えて実はめちゃめちゃ閉じた環境だなっていう風に個人的にも思いますので。そこでバッシングだったり、逆に彼女を持ち上げるような行為であったり。そういったことがSNS上だけで激化してしまうのは非常に不健全だなという風に思っている私がおります。
まあただドージャ・キャットは本当に、彼女もなにげに10年選手っていうか。最初にSoundCloudに曲をアップしてからそろそろ10年ぐらい経つっていうことなので。その間に、今のブレイクに至るまでも結構いろんな作風に挑戦したりとか。自分のキャラをいろいろ変えながら今回のブレイクに至ったっていう経緯もあるので。彼女も彼女でいろいろ考えていることはあると思うんですよね。その自分のキャリアをいかにブレークさせるかというところにおいては。
なので次のドージャ・キャットの一手に関しても非常に楽しみですし。こういう彼女を取り巻く周りの面白がっているファンっていうか、リスナーの言動もそろそろ鎮火してほしいなという風に思ってています。というわけで、このSpotifyのバイラルチャート1位を引きずり下ろされてしまいましたが、今もなお健闘している。そして私としては非常に応援したいえという意味を込めて、この1曲をお届けしたいと思います。ドージャ・キャットで『Say So Remix feat. Nicki Minaj』。
Doja Cat『Say So ft. Nicki Minaj』
<書き起こしおわり>