町山智浩 ロックダウン部分解除間近のアメリカの状況を語る

町山智浩 ロックダウン部分解除間近のアメリカの状況を語る たまむすび

町山智浩さんが2020年5月5日放送のTBSラジオ『たまむすび』の中でロックダウンが一部の州で部分的に解除されつつあるアメリカの状況について話していました。

(町山智浩)アメリカはずっとですね、外出禁止が続いているんですけども。カリフォルニアの方はね、今週の金曜日からですね、お店とかが徐々に開いていくことになりました。お店の店内には入れないんですけど、お店の外から注文すると商品を持ってきてくれるっていう感じになりますね。

(山里亮太)テイクアウトだけできるようになるんですね。

(町山智浩)はい。これから徐々に徐々に開いていって、6月ぐらいには元に近い形に戻れるかなっていうところなんですけども。

(山里亮太)町山さん、ずっとお店とか休業してたじゃないですか。テイクアウトもやっとできるようになるぐらい休業をしていて。その間に補償みたいなのはしてもらえてたんですか?

(町山智浩)補償はまず、店員の人たちとかウエイトレスさんとかそういった人たちを辞めさせてしまっていたんですね。そういう人たちに対してはいわゆる失業保険が出まして。その通常の失業保険にプラスして、毎週1人600ドル……だから6万5000円ぐらいずつ支給されています。現在。

(外山惠理)毎週?

休業中のさまざまな補償

(町山智浩)毎週です。毎週6万5000円ずつ。あと、家賃は3月の分、4月の分、5月の分は支払いが猶予されています。ただ、それは「猶予」だから、いつかは支払わなきゃいけないんですよ。でも、みんな収入ないから「払え」って言われても払えないじゃないですか。だから今、連邦議会の民主党の下院議員の人たちがその家賃を代わりに国が大家さんに支払いできるような法律を作ろうとしています。

(山里亮太)ええーっ、すごい!

(町山智浩)だってその人たち、結局お金がないから家賃を払えないから、その人たちを追い出したとしても、その払えなかった分の家賃を大家さんたちは損しちゃうわけですよ。だから国が代わりに払った方がいいから、その方向で議会の方で進んでいますね。あとはお店屋さんの方がお金が苦しくなってくる部分に関しては、連邦政府が大企業から中小企業に至るまで、その会社の規模に合わせて融資という話が出ていますね。それで申し込めば融資をしてもらえるという風になっています。ただ、やっぱりこれでもかなりキツくて。アパレル関係は軒並み倒産に向かっています。

(外山惠理)そうか……。

(町山智浩)かなり大手が次々と……ギャップも危ないって言われてますけど。それとデパート。デパートがもう倒産してます。元々ダメだったけど。ショッピングモールとかもガタガタです。

(山里亮太)映画館は大丈夫ですか?

(町山智浩)映画館もすごく危ないんですが、映画館はね、映画館同士で1965年からずっと映画館組合の積み立てをしてたんですよ。こういう事態に対しての相互扶助みたいな。互助会みたいなものがあって。そこから一応、支払われてはいます。ただ、どこまで続くかですよね。そんなにたくさんないから。もう大変ですよ。あとね、ゴールドジムが潰れましたね。

(山里亮太)ああ、そうですか。

(町山智浩)あのシュワルツェネッガー有名なボディビルの。

(山里亮太)日本にもたくさんありますね。

(町山智浩)はい。だからフランチャイズでやってるみたいなんですけども、直営店が全部閉鎖という形になりますね。会社更生法を申請してますけども。かなり大変な事態になってますよ、今。

(山里亮太)でも結構しっかりロックダウンしてたじゃないですか、アメリカって。それだと、その効果というものは明らかに出てるんですか?

(町山智浩)カリフォルニアはすごく出てますね。特に北カリフォルニアのうちの近所の方はすごく感染者数、死者数が少ないんですけども。だからね、アメリカの各地方では全然感染者数が少ないところもあるんですよ。そういうところでは「もういいから休業をやめてそのままオープンしろ!」って言ってる人たちがいて。少しずつそういった州はオープンをし始めてます。テキサスであるとか、フロリダであるとか。あと、ラスベガスはね、感染者数の問題よりもラスベガスって観光ビジネスがほとんどの場所なので。だからアメリカで一番打撃を受けているのはラスベガスなんですよ。観光以外に産業がないから。

(山里亮太)そうか……。

(町山智浩)だから「もうどうでもいいからオープンしろ!」っていう感じになっていますね。でも、客は来ないと思いますけどね。だってさ、ポーカーってカードを配るわけじゃないですか。非常に今、危険ですよ。特にカジノはお爺さん、お婆さんが多いのでね。ラスベガスってね、税金が安いから老人ホームがすごく多いんですよ。で、お爺ちゃん、お婆ちゃんがみんなスロットマシンをやっているんですけども、非常に危険です。

(外山惠理)本当ですね。へー!

(町山智浩)でも、ラスベガスにしてみたら、「他にないだもん!」っていう。大変なことになっていますね。

(外山惠理)でも、融資をしてもらっても返さなきゃいけないですからね。

(町山智浩)そう。返さなきゃいけないんです。だから、議会の方が国が代わりに家賃の滞っている分を払うという方向に持っていこうとしていますね。はい。あとね、カルフォルニアは今、抗体検査を進める方向に行っています。抗体があればもう感染を広めることもないし、感染することもないだろうということで。まあ、非常に不安定なんですけども。

(外山惠理)でもそれもちゃんとはっきりはわからないですもんね。

大規模な抗体検査を実施する方向に

(町山智浩)わからないです。まだはっきりとはわかんないです。ただ、それを特にそのエッセンシャルな仕事……医療関係であるとか食料品関係とか、そういった大事な仕事に就いている人たち。運送関係とか交通関係とか。そういった人たちには無料で全員、検査する方向に行っています。だからすごくもうドラスティックに、かなり過激に徹底的に検査をしてビジネス再開の方に持っていこうとしてますね。

(山里亮太)そうか。「再開をしたい」っていうのはわかるんですけどもね。

(町山智浩)ただ、補償はやっぱりすごくしてるんですよ。

(山里亮太)そうなんです。今、聞いてすごいなって思いました。早いし。

(町山智浩)はい。最低賃金で働いてる人によっては……都会で働いてる人は結構家賃が高くて大変なんですけど。家賃が何十万円もするから。ただ、田舎の人も全部一律の金額だから、田舎の人たちはそれまで働いていたよりももらってますね。

(外山惠理)その差も大変ですけども。でも、しょうがないですよね。そんな風に言っていたらね……。

(山里亮太)そう。配れなくなっちゃう。

(町山智浩)そうなんですよ。で、今日お話をする話もね、ちょっとロックダウンと関連しているんですけども。アメリカで今、『あつ森』がすごい流行っているんですよ。

(外山惠理)『あつ森』?

(山里亮太)外山さん、知らないですか?

(町山智浩)『あつまれ どうぶつの森』。

(外山惠理)ああっ! 「熱男」じゃなくて?(笑)。

(山里亮太)それ、野球の。それとは関係ないです(笑)。

(外山惠理)『あつまれ どうぶつの森』か(笑)。

(山里亮太)アメリカでも流行っているんですか?

(町山智浩)はい。すっごい流行っていて。みんな、家にいるからやることがないからって。で、外に行ってお買い物したりとかできないから、そのゲームの中でやってるんですよ。

(外山惠理)ああ、そうか。ゲームの中でね。ゲームの世界で(笑)。

大人気の『あつまれ どうぶつの森』(Animal Crossing: New Horizons)

(町山智浩)それで今回、紹介する映画はもうアマゾンプライムで日本でも日本語で配信されてるんですけど。ドラマシリーズで、これが『アップロード ~デジタルなあの世へようこそ』っていうものなんですが。バーチャルリアリティーの話なんですよ。

<書き起こしおわり>

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