R-指定 Creepy Nuts『耳無し芳一Style』を語る

R-指定 Creepy Nuts『耳無し芳一Style』を語る Creepy Nutsのオールナイトニッポン0

R-指定さんとDJ松永さんが2020年8月25日放送のニッポン放送『Creepy Nuts0』の中でCreepy Nuts『耳無し芳一Style』について話していました。

(R-指定)あの……曲に行かなヤバいらしいです。

(DJ松永)すいませんでした。目先のトークとか、本当、やめた方がいいよ。

(R-指定)たしかに(笑)。でも今日のラジオはアングラすぎる!

(DJ松永)アングラすぎる! TOKYO UNDERGROUND CONNECTIONすぎる! やめよう、こんなのは(笑)。

(R-指定)ちょっと、行こう。時間がないんで。さっそく聞いてもらってから解説しましょうか。まあ、発売日なんでね。俺たちCreepy Nutsの新作『かつて天才だった俺たちへ』からブチかまし曲、行きますか。

(DJ松永)ブチかまし!

(R-指定)OK。Creepy Nutsで『耳無し芳一Style』。

Creepy Nuts『耳無し芳一Style』


(R-指定)うまっ!

(DJ松永)うんまっ!

(R-指定)まあ、『耳無し芳一Style』。あの体中にお経が浮かび上がっている有名な怪談「耳無し芳一」っていうのと自分。俺、R-指定というラッパーをなぞらえたというか。「俺を見ればパンチラインが体中に浮かび上がってるぞ」という。「例の琵琶法師のごとく ヒップホップへの恋なら盲目」って言った後に「デアデビル」とか「座頭市」とか。目で見ずに敵を倒していくやつ、そういうキャラクターをならべていて。「ブラインドタッチ」とか「ライム殺法座頭市」とか。

(DJ松永)ああ、そういうキャラクターを。

(R-指定)で、「萬田銀次郎 The トイチ」って言ったのはこの「耳揃えて返せよ切り取り」っていう。で、これは借金を取り立てる時に「耳を揃えて返せ」って言うじゃないですか。で、「耳無し芳一」も耳を2つとも切り取られているんですよ。だから「耳揃えて返せよ切り取り」っていうのは「借金を取り立てる」という「切り取り」ともかかっていて。

で、その後にいろいろな知ったようなことを言っていくやつに「I spit on your grave」っていう。「お前の墓にツバを吐くぞ」っていう。これ、有名なホラー映画のタイトルなんですよ。

(DJ松永)ああ、そういうのがあるんだ。

(R-指定)だから「お前の墓にツバを吐く」っていう意味と、「スピット」っていうのは「(ツバを飛ばすほど)ラップする」っていう意味なんですよ。だから「お前の墓の前でラップするぞ」っていう風にも言っているんですけども、それは耳無し芳一が平家の怨霊に騙されて、平家の墓の前で琵琶を歌ってたんですよね。だからそれと、自分の墓の前でスピット(ツバを吐く・ラップする)っていうのがかかっていて。

(DJ松永)ああ、なるほど。耳無し芳一がやっていた行為と自分のやっている行為を?

(R-指定)まあ、俺の方はより「恨みを晴らしてやる」っていう意味もかかっていたり。だから最後に「平家の怨念すらもchillin’」って言っていたり。で、2バース目は「首のチェーン、腕のアイス、おニューのキックス、黄金のリング より意味と意味かけつなぎ合わす」っていうのは「首のチェーンじゃなくて意味と意味を俺はかける」っていうことで。その次、「背筋凍らす仕掛け」っていうのは「腕のアイス(ダイヤモンド)よりも背筋を凍らせる仕掛け」っていうことなんですね。

(DJ松永)なるほどね!

(R-指定)それで「おニューのキックス(スニーカー)」よりも「蹴り上げるバース」って言った後、「黄金のリング」とかかっているのは「メディアで感染伝染貞ちゃんのCurse」っていう。これ、「貞ちゃん」って「貞子」です。『リング』っていう映画の。「黄金のリングじゃなくて貞子のCurse(呪い)のように」っていうことですね。

(DJ松永)もう地獄のようにつながっていくな!

(R-指定)もういろいろとつながっているのよ。ちょっと解説、時間切れでございます!

(DJ松永)ちなみにこれ、Rさん、声色をどんどんと変えていくじゃん? これ、全部1本で録っているからね。天才!

(R-指定)フフフ(笑)。

(CM明け)

(DJ松永)いやー、やっと最後に曲をかけれたわ。

(R-指定)しかも、なかなか全部は解説しきれなかったですから。

(DJ松永)そう。いや、本当にさっきざっと説明しただけで、ちょっと早口でみんな理解しきれていないと思うんだけども。とんでもなく高度に意味がかかっていたりするからね。

(R-指定)あとはそれは関係なく、聴覚的にも気持ちいいはず。

(DJ松永)そう。俺、あれ、レコーディングの時、ラップがうますぎて震えたもん。「えっ、なにこれ? うまっ! 怖っ!」って。

レコーディングの時、震えた

(R-指定)そう。嬉しかったのがそのレコーディングをブワーッと録り終わったらエンジニアルームで松永さんが「いや、お前は本当にラップが上手いんだな」みたいなことを言っていて。「おっ、いいねえ!」って。

(DJ松永)なんかでも本当に我々のスタッフのオガワさんも、「人間ってこんなことができるんだ」って言っていたからね。あれ、全部本当にマジで1本、一発でバーッと録っていたからね。

(R-指定)そうっすね。あの声を変えるところとか、全部そのまま歌って。

(DJ松永)別に録ってないからね。R、そのまま声帯は一緒でブアーッと行ききるんだから。

(R-指定)そう。声を途中で変えていって。

(DJ松永)でも本当にアルバムを通して、何周したところでもまだ全部の意味がわかりきらなかったり。宝物がいっぱい眠いっているから。何周も何周も楽しめる作品になっているんで、ぜひ買って聞いてほしいですね。

(R-指定)ぜひぜひ。

(DJ松永)でも本当に……今日はCreepy Nutsのアルバムから3曲、かける予定だったんだよ。

(R-指定)全部、ちゃんと贅沢に解説しようとしていたのに……なにがアメリカンドッグじゃ! 黙っとけって!

(DJ松永)キレそう……。金玉とアメリカンドッグの話(笑)。

(R-指定)金玉とアメリカンドッグで終わったよ!

(DJ松永)俺、泣きそうだよ……(笑)。

<書き起こしおわり>

タイトルとURLをコピーしました