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星野源『夢であいましょう・上を向いて歩こう特集』を語る

星野源『夢であいましょう・上を向いて歩こう特集』を語る 星野源のオールナイトニッポン
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その中で、まずその番組の進行の中でヒットしている各国のそのお国柄のアレンジで中村八大さんのバンドが演奏するの。それ、生で演奏するの。それで「今度はこの国です」「この国です」って言って1人のシンガーの人がその国の言葉でどんどん変えて歌うんですよ。そのアレンジがもうめちゃくちゃかっこよくて。「そうだよな。中村八大さんってジャズピアニストなんだよな!」って思う感じの。いわゆる日本の歌謡曲を作ってるんだけど、その海外のポップスがジャズだった頃の、日本のポップスもジャズであったというような、そんな感じがあって。その演奏の格好よさにまずしびれて。

で、その中でいわゆるアジアの方だとアジア的なアレンジにするんですよ。同じバンドの中で。だからその工夫っていうのが、どんどんアレンジが変わっていくっていうのもあまりにも見事で。で、その中でね、その詩を読むですよ。たしか徹子さんだったと思うんだけど。

「歌は歌われたがっています。タイトルが変わろうが、歌詞が変わろうが、その歌は歌われたいのです」っていう詩を読むんですよ。「ああ、容認してるぞ!」と。その中で自分でたちが作った歌が全然違うタイトルで世界でヒットしてても、その歌自体の気持ちみたいな風に詩を読んで尊重してるっていうことにまず感動したわけ。「そんな広い心だったのか!」って。

海外歌詞を再翻訳して日本語化

で、その後が一番面白かったんですけど。それをやった後に、その海外でヒットしている『SUKIYAKI』の歌詞を永六輔さんが再翻訳して日本語でやるっていうことをやったの。だから、「アメリカはこの歌詞で……」って。その英語で歌われている歌詞を永六輔さんが再翻訳した。つまりそれは各国で全く別の歌詞で歌われているってことなんですよ。それぞれの国で全部、歌詞が違うっていう。それを日本語でやるんだけど、その歌詞がめちゃくちゃなの。

「さよならゲイシャガール」っていう歌詞だったりするのよ。「はあ?」っていう(笑)。「なんだ、そりゃ?」っていうアレンジなんだけども、日本語でそれを堂々と歌うわけ。で、いかにめちゃくちゃか?っていうのを笑顔で歌うわけ。で、その中でコントに移るんだけど、そのコントが「日本は何でこんなに海外で誤解されてるんだろうね?」っていうコントなんだよね。だから全然容認していないわけよ。コントでめちゃくちゃ海外のことを馬鹿にしているの。

でも、その中で「なんでこんなに誤解されるんだろうね?」ってことを笑いにして。まあ、当時のコントなんで正直今、笑えるか?っていうとまたちょっと違う……そのペーソスの方向が違うからあれなんだけど。その海外の人をキャスティングして、日本の人による日本の認識と海外の人による日本の認識っていうのがいかに違うか?っていうコントをやるわけ。で、その中で食事をしてる時に急に2人、柔道の格好をした人が現れるんだけど、それが坂本九さんと中村八大で、その2人がめちゃくちゃ柔道してるわけ。

だからコントに中村八大が参加しているの。ヤバくない?(笑)。その、なんていうか……もう日本一ぐらいの音楽家がコントしているわけよ。で、「こんなところで柔道するなんて日本人は変だね」みたいなオチなんだけど、その中でだんだんカンフーになっていくわけ。もう日本でもないじゃん、みたいな。それでそのいわゆる国柄みたいなのがぐちゃぐちゃになった状態で終わるの。

やっぱり全然納得していない

で、「ああ、そうか。やっぱり全然納得がいってないんだな!」っていうのが最後にわかって。最後に最後にオリジナルの『上を向いて歩こう』をドーンとやって終わるの。もう俺、めちゃくちゃ感動して。それで。なんていうか、番組発で出した曲っていうのが海外でグワーッとヒットして。「いやー、僕は嬉しいな」なんて坂本九さん、言うんだけども、「全然素直に嬉しいっていうことじゃないぞ」というのを面白く見せて、最後に「どう? このオリジナル、最高でしょ?」っていう風に終わるの。実際には言わないんだけども、そういう演出で終わるの。

それを見て、「やっぱりそうだよね!」って思ったし、「そりゃあいろいろ思っているよね」っていう。しかもそれを同じ番組の中で1時間使って……たぶんそんぐらいの時間を使って、ショーにして問題提起とエンターテイメントを両立させたものをちゃんとやっていたんだっていうことを俺、その時に知って非常に感動したというお話でした。それでは聞いてください。坂本九で『上を向いて歩こう』。

坂本九『上を向いて歩こう』

(星野源)お送りしたのは坂本九さんで『上を向いて歩こう』でした。NHKオンデマンドね、見られる人はぜひちょっと見てみてください。今、寺ちゃんも「絶対見ます」って言っていて。面白いですよ、やっぱり。で、フィルムだったからかな? そこだけ生放送ということももしかしたらあるかもしれないけど。噛んでいても全然そのままやっているっていう。噛んで詰まっていても。

でもやっぱり思ったのは「今、日本の番組でちゃんとこれを受け継いでいるのは『おげんさんといっしょ』だけだな」と思いました。それはすごく思って、ちょっと誇らしい気持ちになりましたね。それこそ演奏を抜かないとかさ。引きで映すとか。全体のダイナミクスが見えるとか。ダンスも……だからダンスとかやりたいなと思いました。『おげんさん』でダンスを見せるっていう時間とか。うん。ぜひ皆さん、見てみてください。

<書き起こしおわり>

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