宇多丸さんが2020年1月29日放送のTBSラジオ『アフター6ジャンクション』の中で2019年の私的アイドルソングランキングベスト15を発表していました。
(宇多丸)今夜は明後日、1月31日(金)発売の雑誌BUBKA3月号に掲載される予定の私が20年間2000年からやっておりますえアイドルソング時評。まあガールポップ時評という感じです。マブ論の2019年度の楽曲のベスト15を紹介していきます。今週、いつも来ていただいてる白夜書房の森田秀一さん、ちょっとご用事がありましてちょっとお休みでございますが。まあある意味、ちょっと森田くんにしゃべってもらってる時間なんかない! ベスト15全部取りあえずかけようと思いますので。1曲1分としても15分かかってしまいますからね。
で、ちなみにこのベストは連載自体は20年間やってるけども、ベストは最初はハロプロベストみたいなのを共同でやってたのが、それがなくなって。途中から始めたものなんですね。しかもそれも、やっぱりあの曲ごとのベストテンになったり、アルバムベストテンになったり、いろんな形式を年によって変えていたりしたんです。というのは、その年によって豊作度が違って。昔は全然やっぱり全くリリースそのものもなければ、いいものを10個選ぶのが難しい時代も全然あったんですね。
(日比麻音子)ええーっ! そんな時期も?
(宇多丸)それに対して今はですね、はっきり言ってベスト15って言ってますけど、20でもまだ足りないぐらい。しかもそのベスト20より上はもう昔だったら一瞬で「はい、今年のトップ!」とか。「少なくとも今年のベスト3」とか。そのぐらいのクオリティの方が今はもうひしめき合っているような状態です。
(日比麻音子)すごい豊かな……。
(宇多丸)本当に豊かです。もちろんね、シーン全体の経済的なあれとかっていうのはまた一段落したかもしれないけど、作品的にもう、またまた過去最高の充実度を更新ぐらいの感じだと思います。アルバムだけでももう20個じゃきかないという。もうね、はっきり言って本当に2010年代ですら信じられないような状況が今、すでにあるという感じでございます。といったあたりで本日は曲単位のベスト15。サビのところをね、つまんでありますから。で、曲の上から余計なことを言ったりしてますんで。詳しくは皆さん、あとで曲を各自聞いてください(笑)。あ、これはちなみに私の、宇多丸のベスト15ですからね。元祖一人総選挙ですから! シネマランキング、俺のだから! あ、「早く行け」と言われてしまいました(笑)。ということで、宇多丸が選びました2019年のマブ論楽曲ベスト15。一気に発表していきます。第15位はこちら!
第15位:鈴木愛理『Break it down』
(宇多丸)鈴木愛理さん『Break it down』。これ、鈴木愛理さんのセカンドアルバムが12月18日。去年の暮れ近く、ギリギリになって出て。私は1回、連載を休載してしまった分、このアルバムを取り上げられなかったんですが。
(宇多丸)この曲はその中の1曲目で。「おっ、かっこいい!」と思ったら作詞作曲が藤原聡さん。Official髭男dism。やられた!
(日比麻音子)髭男の勢い、ここにも!
(宇多丸)だからクレジットを見て「ああ、やっぱりすげえな!」って。ちなみにBase Ball Bear小出祐介さんもこの曲、非常に高く評価していて。ベストの上の方に入れていたということでございます。15位は鈴木愛理さん『Break it down』でした。第14位はこちら!
第14位:私立恵比寿中学『シングルTONEでお願い』
(宇多丸)フゥーッ! このアトロクでもね、ポセイドン・石川さんと素晴らしいライブをしていただきました。私立恵比寿中学。一昨日でしたね。こちらも12月18日、暮れ近くになって発売されたアルバム『playlist』に収録されています。
(宇多丸)とにかくエビチューさんは『MUSiC』『playlist』と1年間に2枚もすごく充実したアルバムを作って、どれも素晴らしいということで。ちょっとね、どの曲にするかは迷ったところなんですが。やっぱりこの番組の文脈も含め、『シングルTONEでお願い』を14位に選ばせていただきました。何度も言いますが、これも1位ですから。どれもこれも、ここから先も全部1位です。基本、1位です! さあ、続きまして第13位はこちら!
第13位:BEYOOOOONDS『元年バンジージャンプ』
(宇多丸)はい。『元年バンジージャンプ』という曲。BEYOOOOONDSはハロプロの10人組アイドルグループで、ファーストアルバムの『BEYOOOOOND1St』というのがこれも11月27日。結構ギリギリになって発売していて。
それでこれも休載のタイミングで本来なら取り上げるべきアルバムで。これはすごく充実したアルバムで。『高輪ゲートウェイ駅ができる頃には』。この曲もこの番組でオンエアしました。
それとも迷ったんですが。でもこのね、ハロプロのちょっとこうフィリー風味なこういう感じの楽曲。もうハロプロのお家芸でもありますから。素晴らしい曲だと思います。EYOOOOONDS『元年バンジージャンプ』を13位にさせていただきました。続きまして12位、こちら!
第12位:LiLii Kaona『Europa』
(宇多丸)2人組ユニット、LiLii Kaonaのアルバム『sasara』に収録されている『Europa』というこの曲を選ばせていただきました。これもね、この番組で1回、オンエアしましたよね。LiLii Kaonaさん、すごくあのアルバム全体が……僕は全然今までノーチェックで申し訳なかったんですけど。驚くほどのクオリティで。
(宇多丸)2特にこの曲は歌詞のそのSF的スケール感とかも含めて、めちゃめちゃ何度聞いても改めていいなと思ったので12位にさせていただきました。続きまして第11位はこちら!
第11位:Kaede『飛花落葉』
(宇多丸)もうダメだ。サビを聞くだけで涙が出てきそうになる。NegiccoのKaedeさんのソロプロジェクト。ミニアルバム『深夜。あなたは今日を振り返り、また新しい朝だね。』に収録されている曲。
(宇多丸)空気公団の山崎ゆかりさんが書いた曲で『飛花落葉』というこちらの曲を。Kaedeさん、どの曲もすごくいいですし、もちろんNegiccoも相変わらず素晴らしい曲の数々を作ってますが。1曲、やっぱり象徴的に選ぶとしたらこれで。やっぱりもう聞くたびに落涙してしまうという。美しくも切ない……。
(日比麻音子)本当に。またこの透明感。
(宇多丸)透明感とやっぱりこの年齢ならではのちょっと侘び寂びも含めた感じ。素晴らしいですね。11位はKaedeさんの『飛花落葉』を選ばせていただきました。さあ、続いてベストテン……「いよいよ」ってテメエで選んでいるんだろうがっていうね(笑)。すいません。第10位は、こちら!
第10位:RYUTist『センシティブサイン』
(宇多丸)ダメですね。もうこのぐらいの順位になると全曲涙腺が……もう自分で勝手にかけて勝手に泣いているという(笑)。RYUTistさん『センシティブサイン』。これは作曲のシンリズムくんが見事な曲を作りました。RYUTistさんはもうまっすぐな高品質な楽曲、作品でずっと勝負をしてきた。そのRYUTistさんさんのまっすぐな姿勢というのが、まあ1曲象徴するならやはりこのシンリズムくんが作った素晴らしい曲『センシティブサイン』じゃないでしょうか。Live and Directpのこのスタジオライブバージョンも配信中なのでぜひ、そちらも聞いてみてください。第10位はRYUTist『センシティブサイン』とさせていただきました。そして第9位はこちら!
第9位:RHYMEBERRY『俳句FUNK』
(宇多丸)はい。RHYMEBERRY『俳句FUNK』。これはすごく私が好きだということで。番組でもかけたと思うんですけど。2019年5月31日にね、惜しくも解散してしまったんですよね。RHYMEBERRYね。アイドルラップの二大巨頭として、やっぱりlyrical schoolとRHYMEBERRY、ライバルのように切磋琢磨してきたんですが。RHYMEBERRY、惜しくも解散してしまいましたが。4月10日にリリースしたこのラストミニアルバム『Thing For You』というのがね、これがどの曲もめっちゃよくて。
(宇多丸)熱い曲もあれば、こういうちょっとユーモラスな曲もあり。もうどの曲も良くて。「やっぱりRHYMEBERRY、よかったな」って改めて思う。特にこのプロデュースのさいとうりょうじさん。P.O.Pの方。俳句の五七五のフロウをこういう感じで乗せるって誰も今まで思いつかなかった。その手があったか! みたいな。なんかね、バカみたいな感じに聞こえるかもしれないけど、誰も思いついてないし。
五七五を乗せるにしても、こんな風にやった人たちはいないし。よくこれを……っていう感じですね。すごく楽しいし、よくできてるし、かっこいいしっていう感じで。ぜひラストミニアルバム、曲のメッセージとかもやっぱり解散アルバムとしても素晴らしかったです。RHYMEBERRY『俳句FUNK』を9位に選ばせていただきました。そして第8位。
第8位:脇田もなり『風船』
(宇多丸)ということで脇田もなりさんの『風船』。2019年7月31日にリリースされたアルバム『RIGHT HERE』に収録されている1曲目の曲ですね。まあ、脇田もなりさんは正直、どの曲を選んでもいいし、どの曲も別に1位。常に脇田もなりは1位なんです、俺の中で。
(日比麻音子)絶対的存在!
(宇多丸)そうなんです。なんですが、今回この曲を選んだのは……アルバムの中のどの曲にしてもいい感じなんですが。これ、脇田もなりさんご自身の作詞なんですね。作曲は冗談伯爵の新井俊也さん。脇田もなりさん、ライブに来ていただいた時にも言いましたけど、やっぱりソロとして……元々ね、Especiaにいてソロに転じて。いろいろといい楽曲を与えられて、すごく順調に活動してるように見えるけど、本人なりの葛藤がいろいろとあるだんだなっていうところがすごく赤裸々に出ていて。そのちょっと歌詞の悲しいところとかも含めて、もなりちゃんにこんな歌詞を書かせてしまうなんて!っていう。そういう感じで、すごく美しくもグルーヴィーでもありね。さすがな1曲です。脇田もなりさん『風船』を8位に選ばせていただきました。第7位はこちら!
第7位:フィロソフィーのダンス『シスター』
(宇多丸)フィロソフィーのダンス『シスター』を7位に選ばせていただきました。これはね、フィロソフィーのダンスは2019年は『エクセルシオール』という素晴らしいサードアルバムを出してて。
(宇多丸)その中から……まあもちろん上位に入れるのは当然ということですけども。その中から選ぶのが順当かなと思ったんですけど、11月18日にリリースのこの配信シングル『シスター』が連載の中では軽く触れただけだったんだけど、どんどんちょっと僕の中で後効きしてきまして。これ、めっちゃかっこいいんじゃないの?っていう。
(日比麻音子)おお、後味が濃いめの?
(宇多丸)うんうん。なんかちょっとミッドテンポというか落ち着いた感じなんだけど。まあ歌ってる内容がね、ちょっとこう何て言うか、同性愛的なことを匂わせるような歌詞だったり。ちょっとドキドキさせる内容も含めて。で、ずっとワンループで進むこの曲構成とかも含めて、これはやっぱりフィロソフィーのダンスでしかできない曲だよな、みたいなことを思ったりしました。ちなみにDa-iCEの工藤大輝くんも「1曲選ぶとしたら、なに?」ってこの間、雑談で話していたら「もう『シスター』がぶっちぎりすぎて」って言っていましたね。7位はフィロソフィーのダンスの『シスター』でした。まあいつもかっこいいね! そして第6位はこちら。
第6位:lyrical school『Tokyo Burning』
(宇多丸)はい。lyrical school『Tokyo Burning』を6位に選ばせていただきました。これはアルバムにも入ってるし、1月に最初はリリースされたシングルなんですけども。lyrical schoolはそのアイドルラップの草分けにして王道と言うかね。「君たち、キング・オブ・アイドルラップと名乗っちゃいなさい」って。この番組でも、僕はおやすみでしたけども、スタジオ・ライブしていただいて。岡田育さんも大ファンになったlyrical school。リリスクが割とオールドスクールスタイルのラップを得意とする感じでずっと来ていたんだけども、ここに来てこの『Tokyo Burning』。
プロデューサーはPESですね。PESくんなんだけど、なんかそういうトラップ時代とか、あとはドレイクとかのそういう時代の……SUSHIBOYSと組んだりYoung Hastleと組んだりとかしていて、たとえばヤンハスとやっている曲はトラップ、モロにその感じだったりもするんだけども。それを、なんというかアイドルラップ、日本のポップの形に。ちゃんとかわいらしい形のポップに落とし込んでいて。これ、『Tokyo Burning』はすごくレベル高いなっていうか。で、やっぱりキング・オブ・アイドルラップというかアイドルラップのパイオニアであるリリスクが1個、その周りから頭1個抜けてこういう曲を作ったっていうのはすごくかっこいいなって。
(日比麻音子)リリスクさんだからできるというか。
(宇多丸)あとはPESがいい仕事したなと思いましたね。これはね。リリスクとFG、僕らが元々いるファミリー、Funky Grammer Unitは相性がいいなと思っていたけども。PESがこういう形でね、その相性の良さをさらに証明してみせたというのもパイセンとしては嬉しいあたりです。さすが! 第6位はlyrical school『Tokyo Burning』。非常にエポックな曲だと思います。第5位はこちら!
第5位:SAKA-SAMA『空耳かもしれない』
(宇多丸)もう説明不要でいい曲ですね。SAKA-SAMA『空耳かもしれない』。これ、日比さんがすごく気に入って?
(日比麻音子)はい。前回のマブ論の時に紹介していただいてからもう、この寒い時期にぴったりなんですよね。
(宇多丸)もう、いい曲だよね! これちょうど私が休載したタイミングで12月7日リリースということで。直接は扱えなかったですけど、やっぱりこの曲の良さに私も端的にやられてしまいました。
(日比麻音子)「たまらん!」っていう感じですよね。
(宇多丸)たまらんですよね。ちょっと凝ったコード進行とかも含めてね。2人体制で初めて発表された音源でございます。SAKA-SAMA、この涙腺を刺激される感じ。ガールポップのこういうものならではですよね。
(日比麻音子)なんかフワッと香る感じというか。なんか終わってほしくないんですけども。楽しいんですけど、これ!
(宇多丸)まだ第5位ですから。第5位はSAKA-SAMA『空耳かもしれない』でした。そして第4位はこちら!
第4位:connie『月夜の森で feat. 弓木英梨乃』
(宇多丸)はい。connieさんというNegiccoの音楽プロデューサーで知られるconnieさんが8月27日にリリースしたミニアルバム『VOICES』に収録された『月夜の森で feat. 弓木英梨乃』。弓木さんはKIRINJIのメンバーとしても大活躍するシンガーソングライターでもあり、そしてもうスーパーギタリストですね。もうギター弾いてる姿の弓木さんのかっこいいことっていうのと同時に、KIRINJIの諸曲でも聞ける弓木さんのまたボーカルがかわいいんだよな。なんですか、これは!
だからアイドルではないんだけど、本当にアイドル的なボーカルっていうのを持っている。その弓木さんをボーカルとしてフィーチャリングするこのconnieさんの眼力の鋭さ。そしてこの曲調のもう本当に80’sテクノポップ感の一番美味しいところを汲み取ったような感じね。あ、すいません、鼻水が出てしまいました。さっきから私、泣いてますからね! ああ、素晴らしい! こんなの、抵抗できるわけがない! ということで第4位はconnie『月夜の森で feat. 弓木英梨乃』でした。第3位はこれだ!
第3位:寺嶋由芙『Last Cinderella』
(宇多丸)はい。寺嶋由芙さんで『Last Cinderella』。選ばせていただきました。ゆっふぃーはね、今年はすごくいいシングルをいっぱい出していて。これは4月17日リリースの『いい女をよろしく』。これもね、最高の1曲でしたけどね。それのカップリングという感じですけどね。作詞作曲がkiki vivi lilyさんね。まあヒップホップ畑でも活躍されている方で。なんというか、このトラックの感じは90’sテイストなのかな? でもそれに乗せてこの寺嶋由芙さんのアダルティーな……寺嶋さんは曲によってやっぱりすごく知的なアプローチで。毎回全然違うアプローチをするんだけど。久々にちょっと大人ぽいっていうか、セクシーな感じというか。これ、だいたいこういうウィスパー寄りのこういうのに弱いっていうのはあるんだよな。
(日比麻音子)アハハハハハハハハッ! そういう一人総選挙から見る宇多丸さんの趣味嗜好ね(笑)。
(宇多丸)うん。吉田豪さんがさ、ああいう素っ頓狂ロリボイスが好きみたいな感じでツボがあって。俺は基本的にささやかれるとダメですね(笑)。
(日比麻音子)アハハハハハハハハッ! 気づいた(笑)。そういう傾向にあるんですね?
(宇多丸)傾向は間違いなくありますね(笑)。でもまあ、これすごいかっこよくない?
(日比麻音子)耳の奥をギュッと掴まれるというか。ウィスパーだからこそ。
(宇多丸)そうなんですよ。間をバッと詰められるような感じがあるのがウィスパーの良さかなとも思います。はい。寺嶋由芙さんの『Last Cinderella』でした。さあ、第2位……悩んだんだ、1位と! 第2位はこちらとさせていただきました。
第2位:HALLCA『Diamond』
(宇多丸)はい。HALLCAさんで『Diamond』を選ばせていただきました。去年、たぶん僕が一番回数を聞いた曲ですね。間違いなく。全てのジャンルを合わせて。元Especia。先ほどの脇田もなりさんもいたグループEspeciaのリーダーでもあった冨永悠香さんのHALLCA名義のファーストソロアルバム『VILLA』収録ということで。これは9月25日にリリースされているんですけども。
(宇多丸)実はこの曲そのものは1年前にEPの形ですでに出てて。僕、ちょっとそれがね、おなじみの……すいません、不勉強で。チェック漏れしちゃってて。なので厳密には一昨年の曲になっちゃうんだけど、2019年にちゃんとアルバムでリリースされているということで。まあHALLCAさんがいろいろとその間、マネジメント方面のいろいろがあったりして大変だったみたいだけど今、ちゃんとご自身でマネジメントとかもされて。この曲も作詞もされてま寿司。これ、トラックというかプロデュースをされているのはPellyColoさん。
これ、Especiaの素晴らしい曲の数々も手がけられていた。PellyColoさんは1回、直接お会いしたことがあって。また俺も例によって飲んでですね。「あんた、すげえ才能があるんだからさ! すげえよ、あんた!」って。それで連絡先とか聞いて、いろいろやったんですけど。ちょっとね、PellyColoさんがこんな素晴らしい仕事をしてるのに、ちょっとフォローが遅れちゃったのも含めてですね。でも、「あんた! いい仕事したよ!」っていう。
そして「HALLCAさん、こうしてちゃんと立っているの、かっこいいよ!」っていうのも含めて、最高でした。去年、一番聞きました。HALLCAさんで『Diamond』を挙げさせていただきました。文句なしにかっこよくない? それで、そんなこんなで。これを1位にしようかとも迷ったけど、やっぱり2019年マブ論、私が選びました一人総選挙。第1位はこちらです!
第1位:カイ『遊星よりアイをこめて』
(宇多丸)はい。カイさん『遊星よりアイをこめて』。これを今年の1位とさせていただきました。カイさんはBELLRING少女ハートやそれの名前が変わってThere There Theresっていうグループのメンバーだった方なんですけど。お若い方なんだけども、元々80年代テクノポップ的なラインとかもすごくお好きでという、個人の嗜好もあって。それがまさに生かされた1曲というか。プロデュースしてるのはですね、カメラ=万年筆の佐藤優介さん。NegiccoのKaedeさんのソロシングルなどもプロデュースされていて。全然またそれとはトーンが違っていて。「こんな曲もできるのか!」っていう驚きもありましたし。
(宇多丸)こちらの曲は2019年6月12日リリースのファーストEP『ムーンライト・Tokyo』。カイさんのEPに収録されています。
(宇多丸)これはもう最初に聞いた時に「ああ、今年1位はこれかも!」っていう。
(日比麻音子)もうそのファーストインプレッションで?
(宇多丸)そういう感じでしたね。まあ、その80年代テクノポップのリバイバル的なあれなんだけども。この80年代の楽曲が2020年になって発見されたというか、その過去にあった未来。レトロでフューチャーな感じみたいのがすごく今の、それこそわかんないけども。ヴェイパーウェイヴな気分とか、そういう時代の気分にもすごい合ってるし。でも、とはいえ「テクノポップ、テクノポップ」って言うけど、こうはできない。これはすごく、できそうでできないレベルに行っていると思います。すげえかっこいいと思います。で、ちなみに次点以下、あとはアルバムベストテンとか、いろいろね、全部が1位なんで。全部1位です。みんな、大好き! ということで、以上マブ論2019年度ベスト15を一気に発表しましたが、BUBKA3月号は明後日、1月31日(金)発売です。
欅坂46総力特集など内容満載。他の作品も列記していますから。というわけで、入り切らなかった分はすいませんでした!
<書き起こしおわり>
アフター6ジャンクション(1)【カルチャートーク】など | TBSラジオ | 2020/01/29/水 18:00-19:00 https://t.co/Iztw2KIEYl #radiko
宇多丸 2019年アイドルソングベスト15— みやーんZZ (@miyearnzz) January 30, 2020