スポンサーリンク

トミヤマユキコ うおやま『ヤンキー君と白杖ガール』を語る

トミヤマユキコ うおやま『ヤンキー君と白杖ガール』を語る アフター6ジャンクション
スポンサーリンク
スポンサーリンク

トミヤマユキコさんが2020年1月9日のTBSラジオ『アフター6ジャンクション』に出演。宇多丸さん、宇内梨沙さんにうおやま先生の漫画『ヤンキー君と白杖ガール』を紹介していました。

(宇多丸)じゃあ、もう一作品行きましょう。

(トミヤマユキコ)はい。最後はうおやま先生の『ヤンキー君と白杖ガール』です。

(宇多丸)白杖……白い杖ですね。

(トミヤマユキコ)そうですね。目の見えない方などが使われる白い杖を「白杖(はくじょう)」と言いますが、その白杖をついている女子高生と地元の最恐ヤンキー君の恋物語であり、まあ目の見えない方々の世界を知る入門書でもあり、この社会の中にもしかしたら居場所がないのかも……って少し心細く思っている人たちすべての……もう心がすごくあたたかくなるような。これ、3巻まで出ているんですけども、もっと早くご紹介するべきだったと思って反省してるぐらいで。とてもいい作品です。宇多丸さんはすごく……?

(宇多丸)今回、どれも拝読してすごく良かったんですけど。なんかアトロク、この番組とかでやってきた、たとえば音声ガイドのことであるとか。写真のね、視覚障害を持ってる方と一緒に写真を見る、語るという企画であるとかとも通じるような。もちろんその知覚障害の面のこともそうだし、あとやっぱりその社会の中のマイノリティーとして生きる人の立場っていうのは彼はヤンキーで。人から嫌われると立場だからこそ分かるから。その立場になって動き出すじゃないですか。で、それがまた彼の別の……たとえばお年寄りであるとか、いろんな違うその社会で軽視されがちな。

(宇内梨沙)そうですね。いじめられていて社会と迎合できていない女の子だったりとか。

スポンサーリンク

いろいろな人の立場が共鳴していく

(宇多丸)そう。いろんな人の立場というのがやっぱり共鳴していくし。で、それを見ていた他の周りの人間も「そうか、そういう視点があるのか」っていうことに気づかされていくという。だからね、もちろんラブストーリーとしてもかわいいんだけど、こんな射程の長くて広い、深い話になっていくかっていう。「こんないい話なのか!」と思って。読み進めるうちにちょっとね、震撼しました。すげえ作品だと思って。

(トミヤマユキコ)びっくりしますよね。絵柄だけで言うと結構萌え系の漫画なのかなって。で、ギャグとかかなって思うかもしれないですけど、思った以上に人間描写がすごくて。で、もちろんその視覚障害者の方のことをとにかく誤解しないでほしい、分かってほしいっていう熱意は一番最初にあると思うんですけど。一方でそのヤンキーと呼ばれる人たちがどうしてヤンキーになっていったのかとか。その社会の中心ではなく、何となく周縁にいることの辛さみたいなものもあったりとかね。なんか人間ドラマなんですよ。

(宇多丸)あと、そのお姉さんがさ、やっぱり妹が障害を持ってるからすごく心配で。だからこそ、こう守ってあげたいという気持ちから……でも逆にそれがある種の型にはめている。で、彼女は「そうじゃないんだ。私は普通に幸せになりたいだけであって……」みたいな。でも同時に、その彼が買ってきているプレゼントというのが、賢者の贈り物じゃないけども。「お前、気持ちはわかるけど、でも……」って。

(宇内梨沙)でも、普通の女の子として生きたいんだよっていうところが絶妙で。

(宇多丸)あの一連の……こっちの気持ちもわかるけどっていうね、あれもなんて繊細な話なんだ!っていうね。なんかね、この絵柄とギャグ感とかとね。でも、それも面白いし。

(トミヤマユキコ)そう。それでやっぱり完璧な人間がいない。でもみんなで少しずつ良くなっていこうねっていうコミュニティーを形成していくあたりが素晴らしい。本当、学校の指定図書にしていただきたいです。

(宇多丸)なんかこれからの時代の社会とかコミュニティーのあり方みたいなものまで考えさせられるような、本当にすげえ漫画だと思いました。はい。でも、どれも良かったです。どれも素晴らしかったです。ということで、共通するのは……?

(トミヤマユキコ)はい。三作品とも実はヤンキー、ちょっとガラの悪い男の子が出てきているのですが、みんなものの見事に善人であったと。で、心優しいヤンキーというのはいわゆる少女漫画の王道と言えば王道なんですけれども、三作品ともそれぞれなんかアップデート感もあるというか。やっぱりこの令和の時代にふさわしい時代感覚みたいなものがあったのではないかと思うので。ぜひ読んでいただきたいという感じですね。なんかヤンキーこそが多様性を大切にしつつ、めちゃ丁寧な人生を歩んでるなと思わずにはいられないという。この三作品に全て共通してそれは言えるかなと。

スポンサーリンク

令和の時代にふさわしい時代感覚

(宇多丸)いや、本当に……しかもね、この3つをちゃんと並べてチョイスしてくキュレーターとしてのトミヤマ先生、さすがの切れ味でございます。では、おさらいをしておきますと……。

(宇内梨沙)はい。本日、トミヤマ先生にご紹介していただきましたヤンキーこそが丁寧な人生を歩んでいる気がする3選として、まず松虫あられ先生の『自転車屋さんの高橋くん』。

トミヤマユキコ 松虫あられ『自転車屋さんの高橋くん』を語る
トミヤマユキコさんが2020年1月9日のTBSラジオ『アフター6ジャンクション』に出演。宇多丸さん、宇内梨沙さんに松虫あられ先生の漫画『自転車屋さんの高橋くん』を紹介していました。

そして中野シズカ先生の『てだれもんら』。

トミヤマユキコ 中野シズカ『てだれもんら』を語る
トミヤマユキコさんが2020年1月9日のTBSラジオ『アフター6ジャンクション』に出演。宇多丸さん、宇内梨沙さんに中野シズカ先生の漫画『てだれもんら』を紹介していました。

そしてうおやま先生の『ヤンキー君と白杖ガール』。この三作品をご紹介していただきました。

(宇多丸)それぞれまだね、以下続刊。続いている感じですからね。

(トミヤマユキコ)まだ手がつけやすいですね。

(宇多丸)ということでトミヤマさん、これからもお忙しいと思いますが。許される限りこの番組、よろしくお願いしますっていう感じなんですが。お知らせごとがあるそうで。

(トミヤマユキコ)はい。ひとつだけ告知させてください。1月23日(木)に渋谷ロフト9というところで『第0回ラジオドラフト会議』というのがあります。土屋礼央さん、やきそばかおるさん、あと文字起こしのみやーんさん、私も出ます。司会はカルロス矢吹さんです。俺たちの考えた最強のラジオ局をドラフト形式で考えていくという、ラジオオタならの楽しいイベントとなっております。

(宇多丸)楽しそうですね(笑)。はい。今夜のゲストはライターで研究者のトミヤマユキコさんでした。ありがとうございました!

(トミヤマユキコ)ありがとうございました。

<書き起こしおわり>

タイトルとURLをコピーしました