宇多丸 高橋幸宏主演映画『四月の魚』の思い出を語る

宇多丸 高橋幸宏主演映画『四月の魚』の思い出を語る アフター6ジャンクション

宇多丸さんが2023年1月16日放送のTBSラジオ『アフター6ジャンクション』の中で亡くなった高橋幸宏さんを追悼。高橋幸宏さん主演映画『四月の魚』を高校時代、オールナイト上映で見た際の思い出を話していました。

(宇多丸)はい。お亡くなりになってしまった高橋幸宏さんの曲を今日はできるだけかけたいということで。もう一発、行っていいですか? これ、『四月の魚』という大林宣彦さんの監督作。ジャンル的にはいわゆるスクリューボールコメディって感じかな? で、高橋幸宏さんが主演で。

(宇内梨沙)ええっ?

(宇多丸)で、サウンドトラックをやって。主題歌、これが『四月の魚 Poisson d’Avril』という曲です。

『四月の魚 Poisson d’Avril』

(宇多丸)これ、さっきちらっと言いかけたんだけども。この曲、すごく私、思い出深いんですよね。この映画自体は僕らはリアルタイムというよりはですね、2本立て上映で。『パンツの穴』というですね、ちょっとエッチな青春映画みたいなのと2本立てを新宿でやっていて。僕らが高校生の時に。それをですね、RHYMESTERの元メンバーであるDr.LOOPER。彼が当時、1ヶ月近くぐらい家出していて。彼、昔すごく家出をしていたんですけども。

で、その家出しているのを僕とニシカワくんという友人と一緒に「お前、いい加減家に帰れよ」と説得して。まあ、面白半分、説得しに行って。「じゃあ、この『四月の魚』と『パンツの穴』のオールナイト2本立てを見たら家に帰れよ」っつって。「前から幸宏さんの映画、見たかったから」って。それで見て。「ああ、面白かったね」っつって映画館から表に出てきたら、彼のご両親が目に涙をためてお迎えに来ていて。

これはですね、私は母に……私はいい子だったんで。母に「こういう理由でオールナイトの映画、見て帰るから」って報告しちゃっていて。それでその私の母に、このご両親が問い詰めた結果……。

(宇内梨沙)ああ、母から母へ伝わったんですね。

(宇多丸)で、うちの母も「私もそこまで守秘義務もないから」っつって。まあ、そりゃそうだろうって。で、ご両親がお迎えに来て……って。でもそこで、朝焼けでさ、その中でなんかすごい……(笑)。

(宇内梨沙)その時、何歳ですか?

(宇多丸)高1かな? 高2かな? そのぐらいの時で。とにかく「なにこれ? ムダにドラマチックなこの絵面、やめてくれる?」みたいな感じで。そんな思い出があって。で、その2010年の『WORLD HAPPINESS』の時に幸宏さんと打ち上げでお話をした時、その話もしようと思っていて。

(宇内梨沙)「こんな話があって」みたいな。

(宇多丸)それで「『四月の魚』が……」っつったら、幸宏さんはちょっとその時点ではあんまりこの『四月の魚』という映画の話はしたくなかったみたいで。そこはね、「あ、その話はちょっと……」みたいな。

(宇内梨沙)「そこは掘り下げなくていいから」みたいな。

(宇多丸)でもね、2018年のライブの時にはじめてこの曲をライブでやられたみたいな。そのぐらいのことらしいですけどね。僕、でもこのサントラもすんごいかっこよくて、すごい好きで。特にこの曲、いまだに聞きながら帰ったりするんで。『四月の魚 Poisson d’Avril』でございます。

<書き起こしおわり>

宇多丸 高橋幸宏を追悼する
宇多丸さんが2023年1月16日放送のTBSラジオ『アフター6ジャンクション』の中で亡くなった高橋幸宏さんを追悼していました。
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