(松尾潔)さて、いよいよトップ3となるわけですが、その前に恒例の……もしかしたらこちらの方がトップテンよりもファンが多いのではないかという気がするのですが。毎年。第20位から第11位まで10曲をフラッシュにまとめておりますので、そちらの方をお楽しみください。まずは第20位は……。
20位:JAMESDAVIS『Something To Talk About』
女性2名、男性1名というやや変則的な構成の『Something To Talk About』がチャートインしてまいりました。第19位は……。
19位:Amber Mark『Mixer』
アンバー・マークの『Mixer』。アンバー・マークはね、元気なたたずまいっていうのが売りなんですけどもね。この曲ではその彼女の魅力っていうのが十全に開花してるんじゃないかと思います。第18位は……。
18位:Ari Lennox『BMO』
アリ・レノックス『BMO (Break Me Off)』が入ってまいりました。この曲は元ネタがバスタ・ライムズやフェイス・エヴァンスでおなじみのガルト・マクダーモット『Space』という曲でして。ガルト・マクダーモットが2018年の暮れに亡くなりましたので、ちょっとその追悼の意味を込めて第18位とさせていただきました。アリ・レノックスは1年間を通して大変な存在感を発揮したような、そんな気がいたします。そして第17位は……。
17位:Anderson .Paak『Make It Better ft. Smokey Robinson』
アンダーソン・パーク feat. スモーキー・ロビンソンで『Make It Better』。アンディさんはね、もうここ数年はもシーンの中でも限りなく中心に近いところにいるような印象がありますけれども。スモーキー・ロビンソンという御大を引っ張り出して、かつスモーキー・ロビンソンがかつて歌ったような曲調を新曲としてリリースするという離れ業を演じてみせました。第16位は……。
16位:PJ Morton feat. JoJo『Say So』
PJ・モートン feat. ジョジョで『Say So』。PJ・モートンはね、もはや「マルーン5の」っていう枕詞は必要ないですね。R&Bシーンで重鎮になりつつあるような気がいたします。ジョジョの起用法もナイスでした。第15位は……。
15位:Leven Kali『1 on 1』
レヴィン・カリ『1 on 1』。これはメロ夜ならではの選曲、メロ夜ならではのランクインと言えるんじゃないでしょうか。何度も聞けば聞くほど味が出てくる、そんなタイプの曲です。第14位は……。
14位:Rahsaan Patterson『Sent From Heaven』
この番組のリスナーでアーティスト別の人気投票をやるとトップ10に入るんじゃないでしょうかね。新譜が出るたびに話題になります。ラサーン・パターソンで『Sent From Heaven』。これはもう極上の美メロでございます。第13位は……。
13位:Jacquees『Who’s』
ジャクイーズで『Who’s』が入りました。ジャクイーズはね、大変優れたアルバムをリリースして、どの曲にしようかなと思ったのですが、アルバム未収録のこちらを選びました。『Who’s』。第12位は……。
12位:Mahalia『What You Did feat. Ella Mai』
イギリスの勢いを今、象徴してるんじゃないですかね。UKが誇る歌姫2人のデュエット。マヘリア feat. エラ・メイで『What You Did』。第11位は……。
11位:Marvin Gaye『My Last Chance SalaAM ReMi Remix』
マーヴィン・ゲイ『My Last Chance SalaAM ReMi Remix』。こちらを選ばせていただきました。マーヴィン・ゲイ生誕80年。サラーム・レミ、昨年も良い仕事を残してくれました。それではいよいよトップ3の発表です。その前に第10位から4位を振り返ってみましょう。
(中略)
(松尾潔)先ほどからバックで流れておりますのはインディア・アリーの『That Magic』。インディア・アリーですとかジョニー・ギルですとかはたまたビヨンセですとか。こういったビッグネームが彼らの元々立っていた場所と言いましょうか。オーセンティックなR&Bへの回帰を見せた、そんな印象もあった2019年でした。
(松尾潔)それではいよいよトップ3の発表です。2017年のトップ1に輝いたのはセヴン・ストリーターの『Before I Do』。そして2018年はタミアで『Leave It Smokin’』でした。さあ、じゃあ2019年の第3位は、カーク・フランクリンで『Love Theory』でした。いや、カーク・フランクリンはね、コンスタントにいい作品をリリースしてますし、もうゴスペルの枠に留まらない活躍を展開して久しいのですが。昨年は来日公演もあって、それが素晴らしかったですしね。ちょっと個人的な思い入れも強くて第3位に選びました。
そして第2位は、サマーウォーカーとドレイクのデュエットバージョンでの『Girls Need Love』。こちらを選ばせていただきました。これはね、もう2018年からこの番組で応援してきた曲なんですが。昨年、ドレイクとのリミックスが出てからまた僕の中で火がつきまして6月にオンエアーして。さらにこれを収録したアルバムが10月にリリースされてサマーウォーカー、ハネましたね。まあこの曲にとどまらない活躍ぶりも込めて第2位とさせていただきました。それでは2曲続けて聞いてください。第3位、カーク・フランクリンで『Love Theory』。そして第2位、サマーウォーカー&ドレイクで『Girls Need Love Remix』。
3位:Kirk Franklin『Love Theory』
2位:Summer Walker&Drake『Girls Need Love Remix』
(松尾潔)お届けしたのは第3位、カーク・フランクリンで『Love Theory』。そして第2位、サマーウォーカー&ドレイクで『Girls Need Love Remix』でした。このドレイクのパートになってパッと景色が変わるようなあの瞬間のゾクゾク感というのはついぞ消えることはございませんね。
(中略)
(松尾潔)さて、楽しい時間ほど早く過ぎてしまうもの。今週もそろそろお別れの時が迫ってきました。ということで今週のザ・ナイトキャップ(寝酒ソング)です。今夜はメロウ・オブ・2019、堂々のナンバー1。サラーム・レミ feat. ギャラントの『Roll The Dice』を聞きながらのお別れです。サラーム・レミはね、2018年版のトップ20ではプロデューサーとしてタミアの『Leave It Smokin’』をナンバーワンに押し込みましたからもうこれは実質的に二連覇ですよね。
このギャラントとの『Roll The Dice』っていうのはサラーム・レミの昨年のマーヴィン・ゲイとのリミックス仕事を踏まえての1曲という言い方もできますし。全編ファルセットで美麗な曲。かつコンテンポラリーなたたずまい。これはね、久保田利伸さんの『Beautiful People』っていうアルバムの中の『2 Beatz』っていう曲と何かこう日米で歩みを合わせたような、そんな印象さえございました。個人的にも思い入れがたっぷりの『Roll The Dice』、こちらを聞きながらのお別れです。
これからお休みになるあなた、どうかメロウな夢を見てくださいね。まだまだお仕事が続くという方、この番組が応援しているのはあなたです。次回は来週1月13日(月)、夜11時にお会いしましょう。お相手は僕、松尾潔でした。今年、2020年もよろしくお願いします。それでは、おやすみなさい。
1位:Salaam Remi ft. Gallant『Roll The Dice』
<書き起こしおわり>
今夜もご清聴ありがとうございます。
番組で発表した2019年メロウTOP20を公式HPの連載コラムに記しました。ご高覧ください。
今年も大人の皆さんに向けてメロウにまいります。どうかよろしくお付き合いのほどを。#メロ夜 #松尾潔メロウな徒然草 – 松尾潔のメロウな夜 – NHK https://t.co/Qu6MTk0wTI
— 松尾潔 (@kiyoshimatsuo) January 6, 2020