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松尾潔 2001年アメリカR&Bチャートを振り返る

松尾潔 1992年アメリカR&Bチャートを振り返る 松尾潔のメロウな夜
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松尾潔さんがNHK FM『松尾潔のメロウな夜』の中で2001年のR&Bチャートを振り返り。この年にヒットした曲を聞きながら、解説をしていきました。

(松尾潔)続いては、こちらのコーナーです。いまでも聞きたいナンバーワン。2010年3月31日に始まった『松尾潔のメロウな夜』。この番組は、メロウをキーワードにして、僕の大好きなR&Bを中心に大人のための音楽をお届けしています。ですが、リスナーのみなさんの中には『そもそもR&Bって何だろう?』という方も少なくないようです。そこでこのコーナーでは、アメリカのR&Bチャートのナンバーワンヒットを年度別にピックアップ。歴史的名曲の数々を聞きながら、僕がわかりやすくご説明します。

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2001年 R&Bナンバーワンヒット

第17回目となる今回は、2001年のR&Bナンバーワンヒットをご紹介しましょう。どうしてもね、これまでの16回の中では2000年代の曲をご紹介することは少ないです。やっぱり、80年代、90年代が自然と多くなってしまいます。ですが、21世紀に入ってからも、もう後世に残るような名曲っていうのはやっぱり生まれているわけでして。2001年というのも、この1年がなければ・・・という、まあそんな1年であることに変わりがないですね。まあ、もうちょっと俯瞰したところで、偉そうに聞こえるかもしれませんけど、言わせていただくと、『この年は必要なかった』っていう1年はないですよ。うん。

先週のね、久保田(利伸)さんとの放送でも、その話題になりましたけど。ずーっとひとつのジャンルを聞き続けてくると、大きな波と小さな波っていうのがね、まあ縦波と横波みたいに、どちらかだけっていうのはなくて。まあ、もっと言えば2つだけじゃないですよね。複合的な要因によっていまのシーンが形成されているわけで。ある、この頃はいらないな、なんてこと。仮にそういうお話をされる方がいたとしても、僕は支持できないなっていう。どの曲も愛おしいというような、そういう立場で音楽を聞き続けてまいりました。

2001年。この年にナンバーワンヒットを記録した曲というのは、全部で18曲ございます。前の年、2000年から返り咲いて1位になった曲が2曲もあるというのが、ひとつの特徴なんですけども。その2曲といいますのが、ジェイ・Z(JAY-Z)の『I Just Wanna Love U (Give It 2 Me)』という曲。


そして、アウト・キャスト(OutKast)の『Ms. Jackson』という、いずれもラップチューンですね。


で、この年最初の1位というのは、2000年の暮れから大ヒットしておりました映画『チャーリーズ・エンジェル』の主題歌でもございました、ディスティニーズ・チャイルド(Destiny’s Child)の『Independent Women』で幕を開けました。


後に夫婦になるなんて。ディスティニーズ・チャイルドのビヨンセの夫になるなんて、誰も当時、思ってなかったと思いますけども。ジェイ・Zの『I Just Wanna Love U』が1位をつなぎまして。そして、ミィスティカル feat.ニベア(Mystikal Featuring Nivea)『Danger (Been So Long)』というね。これ、ミスティカルという人は、最近マーク・ロンソンのアルバムにフィーチャーされて。21世紀のジェームズ・ブラウン扱いされております。


そしてアウト・キャストの『Ms. Jackson』。先ほど触れましたアウト・キャストの『Ms. Jackson』が2000年12月以来のナンバーワンを獲得するわけですね。そして、ミスティカルがゲストとして参加した、ジョー(Joe)の『Stutter』。これがね、5週連続のナンバーワンで。ミスティカル、1位リレーを成し遂げました。


それからは、ざっと言いますよ。112、ジャギド・エッジ(Jagged Edge)、ジャネット・ジャクソン(Janet Jackson)、ケース(Case)、リル・ロメオ(Lil’ Romeo)、R.ケリー with ジェイ・Z(R. Kelly Featuring Jay-Z)ですね。そして、アッシャー(Usher)。マライア・キャリー(Mariah Carey)、アリシア・キーズ(Alicia Keys)。そして、ネリー(Nelly)を三度フィーチャーしてのジャギド・エッジ。ジェニュワイン(Ginuwine)、メアリー・J.ブライジ(Mary J. Blige)、そしてアッシャーですね。

これ、あの人名と地名が結びつく方であれば、一見羅列のように見えるこの名前の後ろに、ジョージア州アトランタという大都市が透けて見えるんじゃないでしょうか。そうなんですね。2001年。アトランタオリンピックから5年後ですけれども、この頃のアトランタのシーン、まだまだ燃えておりました。中心にいましたのは、ジャーメイン・デュプリ(Jermaine Dupri)という1972年生まれのプロデューサー。僕はね、彼が19才の時から、何度となく会っておりますけれども。本当にこの2001年は神がかり的な活躍を見せましたね。

まあね、この年はね、アリシア・キーズ『Fallin’』。


メアリー・J.ブライジ『Family Affair』。


ジャネット・ジャクソン『All For You』。


そしてマライア・キャリーもね、『Loverboy』っていう曲、ヒットいたしましたけど。


いわゆる歌姫たちが覇権を争っていたっていう印象もあるんですけれども。まあ、あくまでも、引きで見た時は、やっぱりこのジャーメイン・デュプリという男の仕掛けがどんどん成功したなという印象がございました。では、そのジャーメイン・デュプリのプロデュース作を2曲続けてお聞きいただきたいと思います。

3月の終わりから4月にかけて2週連続でナンバーワンを獲得いたしました、ジャギド・エッジの『Promise』。これはもう、求愛ソングでございまして。ジャーメイン・デュプリ本人がオーガナイズしているSo So Defレコードから、ジャーメイン・デュプリ節という
南部のサウンドです。当時のね。そして、年末ですね。11月の半ばから年末にかけて、7週間独走したのが、アッシャーの『U Got It Bad』。これは結果として2001年最大のヒットとなりました。これもどっからどう聞いてもJD節炸裂ですね。もうアッシャーとジャーメイン・デュプリのコンビっていうのはこの後も『My Boo』だとか、名曲がたくさんありますけども。この『U Got It Bad』も忘れがたき1曲です。それでは2曲続けてお聞きいただきましょう。ジャギド・エッジ『Promise』。アッシャー『U Got It Bad』。

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Jagged Edge『Promise』

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Usher『U Got It Bad』


ジャーメイン・デュプリの1年という風に先ほども申し上げました。2001年。なるほど、ジャーメイン・デュプリの音が支配した、そんな2001年のR&Bシーンなんですけども。この年の1月にね、前年2000年からの返り咲き1位を記録しました、ジェイ・Zの『『I Just Wanna Love U』という曲にも注目したいところですね。このジェイ・Z。いまでこそ、HIPHOP界の帝王であることを誰もが認めておりますけども。意外なことにと言うか、まあ悲願のと言いますか。この曲で初めて、R&Bチャートのトップに立ちました。そしてその曲のプロデュースを手がけていたのが、ファレル(Pharrell)を含むネプチューンズ(The Neptunes)なんですね。

えー、ファレルはもう、『Happy』の大ヒット。さかのぼること、ロビン・シック(Robin Thicke)の『Blurred Lines』のプロデューサーとして。そして、ダフト・パンク(Daft Punk)のフィーチャリングシンガーとして、もう本当ここ数年の活躍っていうのは誰もが認めるところなんですけども。ジャーメイン・デュプリと、実は1つ違いです。73年生まれのファレル。まあ、どんな気持ちでね、同世代のジャーメイン・デュプリの活躍を仰ぎ見ていたんでしょうか?いまになってみると、いろんなことを思っちゃいますね。

まあ、ただね、2015年のいまでも、やはり南部では破格の存在感を披露していますから。もう一波、二波、人生の中であるかもしれませんね。えー、そしてジャーメイン・デュプリとたいへん親しい関係にあります、やはり南部、アトランタを本拠地にします男性シンガー、アッシャーがこの年、スターとしての地位を固めたというか。ちょっと前からね、ジャーメイン・デュプリとの共闘戦線でトップスターの仲間入りをしていましたけども。まあ、『U Got It Bad』を含む『8701』というアルバムがこの年を代表するヒットを記録いたしました。

この年、アッシャーは1位を2曲で記録しているんですね。1年を通して最大のヒットとなった年末の『U Got It Bad』はもちろんなんですけども。夏場、アメリカのブラックラジオを占拠したような状態だったのが、『U Remind Me』っていう曲でしたね。


この『U Remind Me』に関しては、僕もちょっと個人的に思い出がございます。この時に、アッシャーの活動をオーガナイズしていたのが、LA・リード(L.A. Reid)というミュージックマンなんですね。ベイビーフェイス(Babyface)とのコンビでも有名ですけども。LA・リードがレコード会社のトップとして、アッシャーの活動を後方支援していたんですが。そのLA・リード時代の、彼の庇護下にある頃のアッシャーのリミックスをね、僕が依頼されまして。極東市場のテコ入れですね(笑)。

それで、『日本のラジオでもかかるようにしてほしい』って言われて。当時、僕がプロデュースを手がけていた日本のケミストリーをフィーチャーしたリミックスを作りました。それがいま、バックで流れております。KC’s Smooth Remixというリミックス名がついています。『U Remind Me』。


この曲ね、1回、LA・リードに『もうちょっと、ここんところ』って言われて。ちょっと手直しした記憶がありますね。まあ、LA・リードに手直しを求められるっていうのは、僕にとって通り一遍の賞賛を受けるより、よっぽどうれしい出来事でしたけどもね。本当、懐かしく思い出されます。もう14年前のことになっちゃうんだな。

えー、他にもひとつひとつの曲に思い出、思い入れがある、そんな2001年のナンバーワンヒットなんですが。男性ソロシンガーというのがね、アッシャーのように歌い踊る人以外はちょっとやっぱり分が悪いというか。いわゆる、スタンダップシンガーとして、マイクスタンドの前に直立して歌うぐらいだと、もう世の中が満足しないような時代に入っていったんですね。そんな中で、ケースの『Missing You』という曲は純粋に歌の良さ、曲の良さで広く浸透したようなイメージがあります。


そんなケース、アッシャーの間ぐらいに位置していたのがジェニュワイン(Ginuwine)という男性シンガーです。ジェニュワイン。最近はTGTというユニットで、タイリース(Tyrese)、タンク(Tank)と3人組でも活動していますけども。ジェニュワインの代表曲となりました。この曲、10月、4週間に渡ってナンバーワンを記録しました。聞いて下さい。ジェニュワイン『Differences』。

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Ginuwine『Differences』


最後にお届けしましたのは、ジェニュワインで『Differences』でした。メロウに酔っちゃいますね。

<書き起こしおわり>
https://miyearnzzlabo.com/archives/32657

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