安住紳一郎「野球部のクソメガネ」だった中学時代を語る

安住紳一郎「そんな彼(彼女)がいまの夫(妻)です」メッセージを語る 安住紳一郎の日曜天国

安住紳一郎さんがTBSラジオ『日曜天国』の中で中学校時代の思い出をトーク。「野球部のクソメガネ」だった当時の自分と同級生について話していました。

(安住紳一郎)三重県伊勢市の35歳男性の方。ありがとうございます。「学生の頃、ストールがおしゃれと思い、よくストールを巻いていました。マフラーではなくストールです。原付バイクで移動していたため、秋口からの寒い時期には必須アイテムでした。田舎の学生だったためおしゃれな店がなく、郊外のイオンに行って買っていました。いまも当時もストールとマフラーの違いはわかりませんが、たぶん薄くて防寒性の弱いものをストール。防寒性が強いものをマフラーだと思っています。

卒業後、在学中の当時の自分を知っている同級生の女の子に会った時に『学生時代のあなたって本当に仮面ライダーみたいだったよね。しかも初期の方のね』と言われ、ショックを受けました。たしかに昭和の仮面ライダーはマフラーをしていましたね。いまの仮面ライダーはしていません。私のおしゃれは昭和の仮面ライダーでした」という。

(中澤有美子)フフフ(笑)。

(安住紳一郎)なかなか、でも……。

(中澤有美子)ねえ。印象に残るぐらい。

(安住紳一郎)男性でストールって。うん。いいと思いますけどね。

(中澤有美子)ショックを受けなくてもいいと思います。

(安住紳一郎)そうですよね。いいじゃないですか。

(中澤有美子)印象に残るっていうことは難しいことですからね。

(安住紳一郎)そう。そうなんです。本当にそう思いますよね。私なんかね、30年ぶりぐらいに記憶をたぐってもらった中学生の時のクラスの違う女性に「ああ、あの野球部のクソメガネか!」って言われましたからね。

(中澤有美子)フフフ(笑)。

(安住紳一郎)それでも嬉しかったからね。心、震えたからね。

(中澤有美子)アハハハハハハッ! 安住さんにそんなことを言われること、あるんですね?

(安住紳一郎)いや、私はね、実際に中学校の時に野球部のクソメガネだったんだよ。

(中澤有美子)ああ、そうだったんですね。

(安住紳一郎)あの、繰り返しになります。本日2回目のご紹介になりますが。私、メガネをかけていたから。

(中澤有美子)フフフ(笑)。

(安住紳一郎)で、性格的には本当に人の下の方だったんで。「野球部のクソメガネ」で大正解ですけども。覚えてもらっていて嬉しかった。すごく記憶に残っていてすごく嬉しかった。ちょっとこの話を正しくしないと面白さが伝わりきらないんだけども。この話……前にもしましたよね? ちょっと5分ほど時間をお借りして……返すつもりもありませんが。私、地元、出身が北海道のはずれの田舎なんですね。

で、公立の中学校に通っていましたけども。地方のど田舎の公立の中学校に通っていると、時に謎の転校生がやってくるんですよね。これは当時、私は全く気づきませんでしたけども。大人になって初めて気づくんですけども。突然ね、ちょっと得体の知れない転校生が1年に1回ぐらいプラッとやってきて、2ヶ月ぐらいでいなくなるんですよね。

田舎の中学校には得体のしれない転校生が来る

だいたいは東京とか横浜とか川崎とか大阪とか神戸とか尼崎とかの大都会で悪いことをして少年院とか鑑別所に入るような悪いことをしてしまった不良少年とか不良少女が施設から出る時に、元の自治体とか元の中学校とかに戻ると昔の友達とまた一緒になって同じような悪の道にまた戻ってしまうので。だいたい、熱心な保護司さんとかボランティアの人がいろいろな話し合いの末に預かるんだよね。

で、だいたいは地方の自然豊かな牧歌的な公立の中学校なんかに入れたら、少し心が和らぐだろうと思って、私が通っていたような中学校とかに突然、大都会の本物の不良たちが……ただ、施設で更生されて出てきたばっかりだから丸刈りのままとか。黒髪を後ろにひとつに束ねた感じとかの、まさに言葉を選ばずに言っちゃうけども。まさに、うん。「出てきたばっかり」の雰囲気で私たちみたいなど田舎の何も知らない中学校にボン!ってね、入れられるんですね。

(中澤有美子)へー!

(安住紳一郎)なかなか雰囲気ありますでしょう? なので、田舎でがんばって突っ張っているような子たちよりも遥かに上を行く感じ? もう目の奥でいろいろ見てきちゃった感じの子たちがいるんだけども。彼ら、彼女らもそこで悪さをするとまた元通りだってわかっているから、決してしっぽを踏まれても、ちょっとちょっかいを出されても絶対に手を出さない。しつけをされつくされた盲導犬のように何も手を出さないみたいな。「えっ、どこから来たの? なにそれ? 変なジャージ!」とか言われても「フン……そうですか……」みたいな。本物の怖さ。

(中澤有美子)本当に? へー!

(安住紳一郎)そう。決して交わろうとしないしね。たぶん向こうにしてみたら、いろいろと思いはあるだろうね。きっとね。「俺も落ちぶれたものさ。こんな田舎に流れ流れて……」なんて。

(中澤有美子)フフフ、そうだったんですかね(笑)。

(安住紳一郎)うん。たぶんきっとそうだったと思うよ。

(中澤有美子)地元の無垢な子たちがキャンキャンキャン!って。

(安住紳一郎)やっていて。たぶん同じ歳だとは思えなかっただろうね。きっとね。「ああ、こういう何も知らない人たちが中学生でいる地方もあるんだな」って思って見ていたんだろうね。で、私は全く交流はなかったんだけども。話、長くなっていますけども。私の同じ学年で1人、すごく社交的な女の子がいて。いまも横浜で暮らしているんだけども。そこの子がとにかく昔、学校が一緒だった子とよく連絡を取る子で。すごい偉いなと思っていて。で、その2年生か3年生の5月から6月の2ヶ月間ぐらいしかいなかった、そのたぶん更生施設から出たばかりでうちの学校に来た女のことも連絡を取っているっていうことで。

「あなた……それはすごいね!」って思って。「たった2ヶ月しか在籍していなくて、なんの交流をみんなとしなかった子ともまだ連絡が取れているの?」「そうだよ。連絡取れるよ」なんて。で、この間、「その子に会いに行く」って言われて。「へー! それはそれは、じゃあいろんなお話を聞いたら教えて」なんて言っていたんですけども。それで、彼女にその子が会いに行く。それで、その彼女は2ヶ月しか滞在していなかったから私のことなんて記憶にはないと思っていたのね。

(中澤有美子)ああ、そうですね。うんうん。

(安住紳一郎)それで「あのさ、うちの学校で1人、男の子がいて……」って。ちょうど私がテレビに出ている時間だったので。「彼のこと、覚えている? いま、ほら。テレビに出ている彼なんだけど」って言ってくれたんだって。そしたら当然、向こうはその後、中学校のことなんか知らないから。「いや、全然知らない。えっ、この人、いたの?」なんて。そしたら話が続いたんだって。それで、なんとか思いだしてもらおうと思ったのかいろいろと情報を言っていったらその、本物の彼女が「ああ! あの野球部のクソメガネかっ!」って言ったんだって。

(中澤有美子)アハハハハハハハハッ!

(安住紳一郎)出た!

(中澤有美子)ここで出るの?(笑)。

(安住紳一郎)「ここで出た!」って思って。「ああっ、あのうるせえクソメガネか!」って。

(中澤有美子)うるさかったの?(笑)。

「あのうるせえ野球部のクソメガネか!」

(安住紳一郎)たぶんうるさかった。そしたらすぐに電話がかかってきて。「安住、安住! 覚えていたよ、彼女! すごいね!」って。「えっ、本当? 嬉しいわ。クラスも違うのに。1回も話もしなかったのに。俺の存在が心の琴線に触れていたの?」って言ったら「触れてたみたいだよ!」なんて。「なんて言っていたの?」「『あのうるせえ野球部のクソメガネか!』って言っていた」って。

(中澤有美子)フハハハハハハハハッ!

(安住紳一郎)「もう……やだ!」って思って。嬉し涙。「なんだなんだ、そうなんだ。もっと交流できたらよかったな」なんて思って。「伝えといて、伝えといて! クソメガネがよろしくって言っているから!」っていう感じ。

(中澤有美子)フフフ、そうなんですね(笑)。嬉しかった話なんですね。

(安住紳一郎)そう。嬉しかった。「人の記憶に残るのは大事」っていう話をしているところです。

(中澤有美子)そう。難しい。そう。

(安住紳一郎)みなさんからのメッセージをお待ちしております(笑)。

<書き起こしおわり>

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