小袋成彬 チェコ共和国を語る

小袋成彬 チェコ共和国を語る MUSIC HUB

小袋成彬さんがJ-WAVE『MUSIC HUB』の中で休暇で訪れたチェコ共和国についてトーク。プラハやピルゼンを訪れた際の模様や国民性、チェコの音楽について話していました。

(小袋成彬)本日のテーマはですね、チェコでございます。チェコ共和国です。チェコの音楽というか、チェコに関して話す30分にしようと思うんですが……ちょっといまね、出先のホテルで。2週間ぐらい休暇しようと思い立ってね、チェコに来ちゃったんですよ。まあ4日間ぐらいチェコを回ってまして。地元の人だったり、実際にね、いろんな文化に触れて面白かったことをシェアしたいなと思ってます。

ということで今日は結構ね、話す内容がいっぱいというか、ネタをいっぱい仕込んだんで。楽しんで聞いていただければと思うんですが。まあチェコってね、僕はロンドンからまずプラハに飛んだんですけど。まあ本当に小話だけど、格安航空券で行ったんですよ。本当にギリギリだったんで割と安めのチケットが取れたんすけど。いくらだったかな? 50ポンドぐらいだった気がするんですけどね。格安航空券ってね、チェックインを1時間前にしなきゃいけなくて。できないともう倍払わなきゃいけないんですよ。再発行してくれなくて。

いや、これは結構、時間がもったいなかったっていうか。空港の受付の人もすごいぶっきらぼうだったし。本当に安かろう悪かろうだったな。まあ、俺が悪いんですけどね。あとね、そのスタンステッド空港っていうところから出たんですよ。ロンドンから北東方向に電車で1時間ぐらいの、まあLCCが集まる……いわゆるシェンゲン協定内に行く飛行機が飛ぶ空港なんですけども。すんごいセキュリティ、厳しかったですね。なんかバッグの中も全部事細かに開けられて。なんだろう? リトマス紙みたいなものをそのバッグにいっぱいつけられて。とにかく厳しかったですね。

でも思ったのは、UKはもうEUを離脱しますから。あの空港、EUから外れるとそこ、だいぶパンクするんじゃないかな?っていうか、どうするんだろう?って思いましたね。不思議ですけども。まあ、そんなこんなでチェコに着きまして。チェコってどんな国かっていうと、もしかすると僕より上の世代の人は「チェコ共和国」じゃなくて「チェコ・スロバキア」で覚えているかもしれないですが。元々はですね、チェコとスロバキアは同じ国で93年に別れた背景があります。

それまでは基本的にはね、他国の侵略を受け続けた悲しい歴史がありまして。街に着くとね、すごく旧ソ連時代の匂いを感じるんですよ。区画整理がなんだろうな? なんとなくソ連っぽい。あとは色使いとかですね。ビビットな色使いとか。あとは、なんだろうな? なんか街並みがね、すごいロシアっぽいんですよね。そんな中で、チェコの大きさってね、北海道よりちょっとちっちゃいぐらいなんすよ。で、調べたところGDPはね、埼玉県ぐらいなんで。そんなにね、物価は高くない。実は日本ぐらいか日本よりちょっと安いぐらいかな?

そう思っていただけると結構距離感というか規模感がわかっていただけると思います。だからね、車で結構どこでも行けるんすよ。まあそんなチェコという国なんですが、結構面白いバンドをいろいろ教えてもらって。本当に面白いんで。俺もDJとかでかけたいと思うんですが。1曲目、まず行きますか。Monkey Bussinesで『Saturday Night is Over』。

Monkey Bussines『Saturday Night is Over』

(小袋成彬)それでプラハに俺、着いたんですけども。なんかね、少なくともエイサップ・ロッキーとかああいうアメリカのヒップホップを聞きたい気持ちにはならなかったっすね(笑)。やっぱり伝統的な街並みだし、近代的な建物は全然ほとんどないんで。もう伝統を守っていくっていう方向になっていく街ですよね。いちばん笑ったのが寝、チェコの国民性がですね、他国の侵略を受け続けたっていう背景があるので、割とね、穏やかで忍耐強い人が多いイメージだったんですよ。で、それは意外と間違っていなくて。結構穏やかな人が多かったっすね。

で、チェコの人に「国民の英雄ってどんな人がいるの?」っつったら「ネドヴェド」って言われて(笑)。これ、サッカー知っている人ならちょっと笑っちゃうかもしれないけど。結構ね、ディフェンシブミッドフィルダーっていうか、すごい渋いサッカー選手なんですよね(笑)。「ネドヴェドかよ! 国民性、出てるな!」っていうのですごい笑っちゃいましたね(笑)。

チェコの国民的英雄=ネドヴェド

サッカーはね、昔……90年代は強かったんですけど、いまはあんまりっすね。どっちかというと国民的スポーツはアイスホッケーの方なんで。アイスホッケーは結構強いです。長野五輪で金メダルを取った気がするけど……あれ? 違ったかな? あ、そうですね。1998年の長野で金メダルを取っていますね。世界選手権も結構優勝をしているイメージなので。まあ、そんな国ですね。で、プラハをぷらっと歩いていて、中心にすごい有名な広場がありまして。そこにたとえば7時とか8時とか時間ぴったりになると鐘が鳴って。機械仕掛けの人形が動くっていう有名なからくり時計があるんですけども。もちろん観光客よろしくで見にいったんですが(笑)。まあまあ、すごい動きの小さいからくり時計でしたね(笑)。

ただ、ああいう時計台から広場を見下ろしたんですけども。「ああ、この人並みに人が集まっていたんだな」っていうのを想像しながら見るのがすごい楽しかったですね。ほとんど街並みは変わってないはずなので。それがヨーロッパのすごいところですね。2曲目に行きますか。Monkey Bussinesはいい曲でしたけども。次はMiraiというバンドなんですよ。バンドかな? とにかくね、このボーカルの人が日本人の血が入ってまして。日本にルーツもある。だから「Mirai」っていう名前なんですけども。そのね、チェコと日本のルーツを持ったシンガーが歌うMiraiで『HOMETOWN』。

Mirai『HOMETOWN』

(小袋成彬)お聞きいただいたのはMiraiで『HOMETOWN』でした。じゃあ、後半はチェコのプラハからピルゼンという街に飛んだので、そこの話をしたいと思いますので。引き続きよろしくお願いします。

(中略)

(小袋成彬)今日のテーマはチェコでございます。チェコ共和国。前半でどんな規模感、どんな街の雰囲気なのかっていうのをお伝えしましたが。後半はですね、プラハを離れて西に約100キロぐらいのところにあるピルゼンという街について話そうと思います。ちょっと友達が住んでいて会いに行ったんですけど。電車で行きました。1時間ちょっとかな? まあ車両故障で全然いつもより遅いタイム感で走ってたらしいんですが。道中ずっとね、景色を見てたんですけど。あんまり山がないんですよ。

で、北海道よりちょっと小さいくらいの大きさですが、たぶんチェコの最高峰ってすごい低いですよ。ちょっと調べよう。チェコの最高峰はね……あ、そうそう。スニェシュカ山。ポーランドとの境目にあるスニェシュカ山。標高がなんとですね、1602メートル。だから結構自転車でいろんなところに行けちゃうらしくて。要は高低差が少ないので。で、南に行くとオーストリアがあって、アルプス山脈があるので。そこでね、スキーとかするらしいんですけど。

気候も比較的安定してて。1日中雨が降るっていうことはないっぽいすね。面白いですよね。そんな地形も見ながらピルゼンという街に行ったんですが。ピルゼンってどんな街かっていうと、実はピルスナービールの発祥の地なんですよ。ピルスナービールってなにかっていうと、ちょっと黄金色の単色の。麦芽とノーマルホップと軟水を用いるね、ドライなビールなんです。で、日本の大手メーカーもね、お手本にしたっていうのを聞いたことがあって。アルコール度数も4%から5%ぐらいで結構で飲みやすいビールです。

で、世界中で飲まれるビールのうち実に7割を占めると言われているらしく。日本人が最も好きなビールですね。ちなみにチェコ人って1人当たりのビールの消費量が世界一なんですよ。で、レストランもメシよりもビールが美味しいかどうかみたいなところが結構勝負の分かれ目らしくって。とにかくみんなビールが好きだと。で、ちなみにピルスナービールの工場、僕も見に行きました。すごい面白かった。工場見学。

ツアーに参加して。「これがチェコでいちばんデカいエレベーターだよ」って言われた75人定員のエレベーターがあるんですけど……たぶん幕張メッセのが大きかったな。あのエレベーター(笑)。まあ、そんな街です。ピルゼン。面白いですよね。で、ピルゼンの街を歩いてたら、その教会が街の中心にあるんですけど。そこのストリートにおじさんの遺影が飾ってあって。で、キャンドルがいっぱい置いてあって、なんか弔っていた。

「これ、誰?」って聞いたらKarel Gottっていう、ドイツ語圏では知らない人はいないっていうぐらい有名なおじさんが10月1日にご逝去されまして。で、その国民的なお葬式というか弔いがですね、ちょうど僕が訪れた日にありました。Karel Gottです。聞いてみたらですね、ちょっと「チェコの加山雄三」的な感じですね。そういう方でいろいろと聞いてみたらすごいいい声でね。まあ、国民からすごく愛される人ですね。

で、その人がですね……これまた濃い人が出てくるんですが。ドイツ語圏で非常に有名なラッパーのBushidoっていう人がいまして。もちろん日本の……新渡戸稲造の「武士道」から来ているんですが。「新渡戸稲造の」かどうかは知らないですけど、とにかくあの日本の武士道という言葉から来ているようで。そのBushidoとKarel Gottがコラボした曲があるのでぜひ聞いてみましょう。チェコ語は読めないんですが……『Für immer jung』です。

Bushido feat. Karel Gott『Für immer jung』

(小袋成彬)はい。ということで、こういう新しい音楽文化に対する柔軟性みたいなところもちょっと加山雄三さんにかぶるところがあると思いますが。すごく魅力的な人ですよね。本当、今回亡くなるまで……というか、チェコに行くまで知らなかった人なので。ひとつ知識が増えて嬉しいですね。そうだな。あと何か面白いこと、あったかな? チェコ語はね、「No No No」がね、「Yes」の意味なんですよ。で、「Ne Ne Ne」が「No」っていう意味ですね。たしか。なので、「うんうん、Yes, Yes」っていうのが「No, No, No」ってみんな言うんですよ。それに最初、戸惑ったな(笑)。

あと、なんだろうな? 面白かったこと……次にかける曲がね、すげえ面白いんですよ。Nightworkっていうバンドなんですけど。これはもう完全におふざけポップバンド。「Já jsem gay」っていう言葉……「私はゲイだ」っていうのをずっと歌い続けるバンドなんですけども。「君もゲイになろう」みたいな。当時はたぶんふざけた意味で作ってたんだと思うんだけど。なんかこのLGBTQが発達したいま聞いたら、なんかむしろこの開放的な感じが感動的で。全然違った意味でね、捉えられるんで。面白いなと思って今回、最後の曲に持って来ました。ということで、これも読めないな。NIGHTWORK『Globálníá Oteplování』です。

NIGHTWORK『Globálníá Oteplování』

(小袋成彬)お聞きいただいたのはNIGHTWORK『Globálníá Oteplování』でした。そうですね。チェコ、結構国民性とかね、ちょっと日本に似ているところもあって。すごい親近感がわきましたね。後は、そうだな。プラハは本当に伝統的な街で。クリエイティブな街っていう感じじゃないし、新しくできた新興ブランドの展示会も行ってみたんですけど。まあ正直言ってあんまり……まあ、ロンドンに比べてちゃうとっていう話だけどね。今回、チェコに行ってロンドンがすごく好きになりました。本当にクリエイティブな街なんだなって思いましたね。

チェコ……そうだな。プラハの中で僕、レコード買ったんすよね。結構掘り出し物がいっぱいね、眠ってるものがいっぱいあったりするんですけど。まあ俺、買ったやつ忘れちゃったんだよな。店で店員がかけていたやつがすごいほしくって。「これ、ちょうだい」って買ったんだけど。俺、電車の中に忘れちゃったんだよな。本当、もう! やっちゃったな。

ちなみにですね、日本からは直通便は全くないです。で、韓国だったらあるんですよ。また不思議な話ですけどね。あ、そうそう。いちばん驚いたのはですね、アジア系の移民でいちばん多いのはベトナムの方なんですよ。それは意外なつながりですよね。ただね、ちょっとやっぱり人種差別的な観念もあるらしくって。要は「仕事が移民に奪われた」的なね。だから、ベトナム人に対する親近感はありつつも、やっぱり「移民だ」っていう意識はあるっぽいですね。

「移民だという意識」というか、アジアの移民としていちばん真っ先に浮かぶ対象がベトナムらしいですね。あんまり日本人観光客もいなかったな。まあ直通がないっていうのもありますしね。プラハは本当にきれいな街なので、ぜひぜひ行ってみてください。正直ね、メシはあんまり美味しくなかったな(笑)。海産物がないし、海に隣接してないので。あと肉もちょっとね、固かったんだよな。ドイツっぽい感じですね。メシも。はい。ということで今日の特集はチェコでございました。

で、ですね、僕はチェコで何日か過ごしまして。そこからどうしようかなと思って。ちょっと小説を書きたいなと思って。いま、実はですね、イタリアのヴェニスにいます。水の都ヴェニスですね。で、ヴェニスのホテルでいま、このラジオを収録してるんですが。ヴェニスもなかなかいい街なので。次週はですね、その辺の旅行記を話そうかなと思います。ヴェニスはね、めちゃめちゃきれい。いままででいちばん感動したかも。観光地で。

まあこの後ね、ちょっとドイツにも行こうかな、なんて思っているので。また来週も楽しみにしてください。

<書き起こしおわり>

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