星野源 所ジョージの世田谷ベース訪問を語る

星野源 所ジョージの世田谷ベース訪問を語る 星野源のオールナイトニッポン

星野源さんがニッポン放送『星野源のオールナイトニッポン』の中で所ジョージさんの世田谷ベースを訪問した際の模様について話していました。

(星野源)ええとですね、募集をしていた星野源のギターの名前について、メールが来ました。香川県の方。「『ジョージ』はどうでしょう? ジョージで作曲したら1日1曲できるかもしれないです」。たしかに。所ジョージさんはね、1日1曲できるんですよね。すごいハイペースなんですよ。で、YouTubeとかの自分のチャンネルであげてたりとかして。じゃあ、所さんの話をしますかね。

先日、『行列のできる法律相談所』という番組に出させていただきまして。その中で「癒されたスペシャル」ということで。僕がアルバム『POP VIRUS』を作ってる時に、自分がね、やっぱり趣味が全然なかなか……まあ、ゲームとかはあるけど。いわゆる、うーん。ゲームっていうのは物語を楽しんだり、バーチャルで楽しんだりっていうテレビゲームが結構好きなんですけども。たとえば物を集めたりとか、何かこうスポーツをやるとか。そういう趣味は全然なくて。

で、その中でたまたま、所さんの番組を見てみようと思って『所さんの世田谷ベース』っていうBSフジの番組を見たらすごく面白くて。で、オンデマンドに登録するとほぼ全部見れるんですよ。何十回、何百回ぐらいの勢いで。それをもう全部ひたすら1日1本とか見ながらずっと生活してて。とにかくやっぱり所さんが楽しそうで。本当に自分が戦車を作っている時の報告とか、「こういう風にやるんだよ」とか。あとはいろんなことを工夫して遊んで楽しんでる様子っていうのをほぼ、所さんの一人しゃべり。それでほぼノーカットみたいな。

だからオープニングからお尻まで、あんまりカットしないみたいな感じなんですよ。もちろん、カットされてるところもあるんですけど。それはいわゆる作った戦車の模型とかをアップにする時とかは編集が入るけど。ほぼそのずーっと1人でおしゃべりしていて、それが全く飽きないっていう番組で。それがすごい楽しくて。それで自分が趣味がないんで、その所さんが趣味で楽しいでいる姿を見て、自分が癒されるっていうか。

それでアルバム制作にまた元気を持って取り組むことができたっていうことで。お礼を言いたいというで。打ち合わせの時に「無理だとは思うんですけど、所さんにはすごくお世話になってます。会ったことないんですけど……」って言ったら、「ちょっと聞いていますね」っていうことで。そしたら、聞いてくださったら「OK!」って言っていただいて。なんか「ぜひ来てください」って言ってくださって。それで世田谷ベースにお邪魔をしたんです。

本当に楽しかったです。もう、本当に……見てくださった方は分かると思うんですけど、本当に素敵でしょう? 所さん。いわゆる司会の番組の感じの所さんとは若干違うっていうか。その若干違う、世田谷ベースの感じの所さんなんですけど。その所さんにちょっとまたお会いできて。本当にあの……いろんなものをもらったんです。本当に「これ、すごいですね」とか「これ、いいですね」とか「これ、番組でよく見てました」とか言うと、「あげるよ!」って言ってもうどんどんくれるんですよ。なんでもう本当に帰りの車の中が物だらけになるぐらい。すごく嬉しくて。

なんかね、本当に素敵な人だなって改めて直で会った時に思いました。メールを一通。東京都杉並区の方。「世田谷ベースのVTR、とにかく所さんの気前の良さに驚きでした。最後、源さんに『カメラを始めたんです』と言われた所さんがカメラを探しに行くシーンで終わっていましたが、あの後カメラもいただいたんですか? 私もカメラが趣味なので気になります」という。

いや、あのカメラはねいただいてないっていうか。もう本当に申し訳ないっていう気持ちになっちゃって。最後僕、顔がちょっと固まったと思うんだけど(笑)。「……」みたいな感じになっていたと思うんだけども。「これはダメだ。こんなにもらいすぎてはさすがにいけない」と思って。「次回! 次回、お願いします!」って、カットされている中で。

気前が良すぎる所さん

でも、そこで持ってきてくれたのが、いまのデジタルカメラに古い8ミリフィルムのレンズを自分でアタッチメントを作ってくっつけたっていう。すごくない?(笑)。その差たるや、50年ぐらい離れてるぐらいのカメラのデジカメとレンズをくっつけたんだよっていう。すごいそれがかわいいの。「こういうの、いっぱいあるんだよ!」って言われて(笑)。「今度見せてください」みたいな。しかも、所さんはその日、もう次の仕事があったの。仕事だよ。で、「1時間」って言われてたんです。でも、やってる間に楽しくなってきて。「でも、そろそろ1時間だな」と思ったら、「いや、いいよいいよ。早めに入ることにしていたから」って言って。結局、2時間ぐらい撮らせていただいて。

あのVTRはたぶん10分ぐらいだと思うけど、本当は2時間ずーっと、物をいただいたりとか。「これ、なんですか?」「いま、これを作っているんだよ」って。もう楽しい楽しい2時間を過ごさせていただきました。で、の放送では流れなかった部分なんですけど、僕はずっと所さんに聞きたかったことがあって。所さん、その世田谷ベースに中でもずっと車をいじったりとか、本当に古いカブをかっこよく仕上げるとか、そういうことをずっとやられてて。それこそ戦車とか模型とか、放送でも流れていたけどもティッシュを引っ掛ける装置を自分で設計して特許を取っちゃうとか。

そういうのをずっとやっていて、自分で作ったグッズを売るとか。でも、これはものすごく原価が高くできちゃったから売らないとか。めちゃくちゃいっぱいあるんだけど、売らない。1個売ると1万円とかになっちゃうから。「金儲けを俺は絶対にしたくないんだ」って言っていて。で、なんかその様子を見てて本当にやっぱり楽しいし。あと、みんながよく言うのは本当にその遊んでる人。「遊んでいて、いいよね。いつも楽しそうだよね」みたいに思うんだけど、俺がなんかすごく思っていたのは、もちろん遊んでいるし、すげー楽しそうなんだけども、日常とか目の前のものに対してすごく不満がある人なんじゃないかな?って思ったんですよ。

日常や目の前のものにすごく不満がある人?

「これよりもっといいものがあるんじゃないか?」とか「これよりもっとよくできるんじゃないか?」とか。それは目の前の買ってきたものとかもそうだし、「日常自体をもっと面白くできるんじゃないか?」とか。「この時間をもっと楽しく過ごせるんじゃないか?」とか。そういうのをずっと考えるっていうか、そもそも納得いってない人なんじゃないか?って思ったんですよ。で、それに対して自分の工夫っていうものをもって、その納得いかなさに正面からぶつかって人生を楽しくしてるっていう印象があったの。でもなんとなく、世間のイメージとしては「遊んでるおじさん」みたいな。

「あんな生活できたらいいよな」ってみんな思うようなおじさん。なんか道楽じゃないけども。そういう風に追われているけど、なんか俺はそれはちょっと違う気がするんだよなって思っていて。それを所さんに「僕、そういう風に思うんです。失礼だったら申し訳ないんですけども、実際はどうですか?」って言ったら僕の目を見て「うん、そうだよ」って言ってくれたんです。「その通り」って言ってくれて。それですごく感動したんですよ。

なんて言うんだろうな? なんかその感じがやっぱり感動するし、元気をもらうんですよ。殺虫剤のビンっていうかスプレーの缶が自分の好きなものであふれているその作業場にはデザインが合わない。でも、虫は出るから起きたい。じゃあ、その上についている割と色が強かったりするキャップを外して、制汗剤のキャップと付け替えて。全部色を塗って、デザインしてかわいくするとか。それってなんか、「ただ楽しいからやってる」とかじゃなくて、やっぱり何か「うん? これは違う」っていう風にいっぱい思う人なんじゃないかなと思うんですよ。で、そのいっぱい思うことに対していつもこう、それをどうにかしよう。面白くしようってやってる感じが、なんかそのクリエイティブをずっとやってるっていうか。

しかもそれをお金儲けじゃなくて、宇宙に向けてやってる感じがするんですよ。宇宙と自分の生活に向けてやってる感じがめちゃくちゃ感動するし、ものづくりの基本みたいな。コアみたいな部分っていうのを思い出させてくれる。なんかそれがすごく僕に元気をくれるんだなと思って。それをお話ができたのでさらに嬉しかったのです。なので『世田谷ベース』を見てないよっていう方はいろいろ見る方法があると思うんで。FODですとか、あとはBSフジも見られ方ぜひ見てみてください。よろしくお願いします。

<書き起こしおわり>

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