西寺郷太と吉田豪『ネバーランドにさよならを』と町山智浩を語る

西寺郷太と吉田豪『ネバーランドにさよならを』と町山智浩を語る SHOWROOM

西寺郷太さんが『猫舌SHOWROOM 豪の部屋』に出演。マイケル・ジャクソンを扱ったドキュメンタリー作品『ネバーランドにさよならを・原題:Leaving Neverland』と、それをTBSラジオたまむすびで町山智浩さんが紹介した件について話していました。

(吉田豪)(コメントを読む)「たまむすびでマイケルのインチキドキュメンタリー(『ネバーランドにさよならを・原題:Leaving Neverland』)を紹介した町山さんに不満はありますか?」。

(西寺郷太)あのね、「インチキドキュメンタリー、モキュメンタリー」っていう風に僕は思っていますけども……。

(西寺郷太)これね、僕は町山さんといつ会えるかわかりませんけども。会ったらかならず話そうと思っていますし。ただ、ネットとかこういうSNSとかSHOWROOMでも言うのはあんまりフェアじゃないなと思うんですけども。1個だけ言えるのは僕はマイケル・ジャクソンのことを仮に好きだとしても、その人がある種の犯罪を犯していたとしたら、それは「犯していた」っていう風に思う派なんですよ。

(吉田豪)うんうん。

(西寺郷太)だからたとえば「ミック・ジャガーがドラッグを使用していたことがある」「してないですよ」と言う派ではなくて「していましたよね」って言うし。

(吉田豪)調べた限りそうであれば。

(西寺郷太)そう。ジョージ・マイケルもそういうドラッグを確実にしていた。それにトイレでも……僕、ロサンゼルスでそのジョージ・マイケルが逮捕されたトイレまで見に行った。ジョージ・マイケルっていう人は男性が好きで。それはそれでいいんですけども。男性が好きなだけではなくて、自分のことを知らないおっさんが好きだった。だから「あ…ぁ(憧れの視線で)、ジョージ・マイケル~!」って言われるのが嫌で。

そういう人たちが集まる、金持ちたちが集まるスポットにある公園なんですけども。そこに普通になんの気なしにあるトイレがハッテン場っていうんですか? そういう人が集まるようになっていて。そこに行っていたら私服の警官がいて。それを誘って、公然わいせつ罪的なもので捕まって。捕まった後、ジョージ・マイケルは『Outside』っていう曲を出していて。それがめちゃめちゃかっこいいんですけども。僕、大好きで。「外でセックスしてなにが悪いねん?」っていう。

(吉田豪)フフフ(笑)。潔い!

(西寺郷太)で、始まる時に映画調で始まって。女の子にトイレで誘惑されてついていったらそれがおばあちゃんの警官だったみたいな話から、警察の服を着てジョージが踊るみたいな。だから豪さんも日本人やったらめっちゃ好きなタイプの……。

(吉田豪)ですね。確実にTwitterで拡散をしまくる。「最高!」って騒ぎますよ(笑)。

(西寺郷太)最高なんですよ。ジョージ・マイケルってそういう人なんですよ。で、そのトイレにも行っているし。それを「いや、ジョージはやっていません」って言うような人間じゃないっていうことを町山さんにはわかってもらえれば嬉しいんですけどね。たぶん10年前は俺のことを「めっちゃマイケルのことを情が入って好きな人」って彼も思っていたでしょうが。で、あの人も言えば昔のサブカルの差別的な表現をひとつ、武器にしていた。「面白いことを言う」っていうことで。まあ、その証拠はいっぱい残っているけども、それが彼のキャラだったわけじゃないですか。いろんなことをブラックジョークを言うっていう。でもそのブラックジョークがここ数年……。

(吉田豪)明らかに時代が変わってきて。

(西寺郷太)明らかに、特にこの1、2年、ブラックジョークをブラックジョークと言えなくなってきている。そのブラックジョークのいちばん言いやすかった対象っていうのがマイケル・ジャクソンで。肌のことも……これは白斑症という病気なんですよね。整形は僕もしていると思うけど、それも同じような理由で。「いや、整形はしていますよね」って。でも、少年性愛や性的虐待っていうものはいろいろと調べたけども「ない」と。僕が調べただけじゃなくて、FBIが10数年内偵をして。パソコンも全部見て、いろんなところにスパイを仕掛けて。何億も何百億も使って。ものすごい国の税金を使って。FBIと警察が10数年調べて、なかったという。で、マイケルが亡くなった後にジャーナリストから「調べていたんならちゃんと結果を出せ」って。アメリカってそういうのをしなきゃいけないですから。そしたら「無罪でした。そういう証拠はなかったです」っていう風に出たのが2009年の終わりだったんですよ。

(吉田豪)うん。

FBIや警察が10数年かけて調べた結果を公表している

(西寺郷太)で、そこから今回、またあの2人が出てきたんですけども。ドキュメンタリーから。で、僕も最初は黙っていて。なんでかっていうと、本当かもしれないから。だけど……まあまあ、町山さんはあの話だけを聞くと、たまむすびもちょっとどうかな?って思ったのは、「1回、まず俺に聞いてよ」って思ったんですよ。DMかなにか、わからんけども。少なくとも……町山さんはアメリカに住んでいるけど、マイケル・ジャクソンについて追いかけている人ではないんですよ。

(吉田豪)うん。

(西寺郷太)アメリカに住んでいたらアメリカのことに詳しいとか、アメリカの音楽、映画には詳しいかもしれないけども、少なくともマイケル・ジャクソンについて考えてきたり調べてきた量は町山さんが1だとしたら俺は1万ぐらい調べているんで。そうすると「なんで?」って僕は思うんですよ。じゃあ、日本に住んでいる他の国の人。アメリカ人でもなんでもいいんですけども、「日本に住んでいるから空手をやってよ」って言われても、やったことない人はやったことないやんっていう話で。「住んでいるから詳しい」っていう話は違うでしょう?っていう。日本に住んでいたら誰でもラーメン通かっていうと違うやん?っていう。

(吉田豪)味の違いぐらいしか。

(西寺郷太)わからないでしょう。で、結論から言うと、町山さんもそのことをもうしつこくは言っていないんですよ。で、あの放送も聞いたけど、実は町山さんにしては相当丁寧にしゃべっているんですよ。

(吉田豪)ああ、うんうん。10年ぐらい前の僕が同席していた時のあのノリとは違っているわけですね。マイケル死去のタイミングの。

(西寺郷太)そうそう。マイケルが亡くなった時、電話が切れてしもうて。町山さんが激怒していたんですけども。で、僕もしばらく黙っていて。面識もなかったので。

(吉田豪)ちょうど僕とマキタスポーツさんがゲストで、その2人が巻き込まれて(笑)。

(西寺郷太)マキタさんはかわいそうやった。マキタさんがまだ大ブレイクする前で。で、僕は水曜日の担当で、金曜日にマイケルが亡くなって。それで橋本Pが呼んでくれて、僕は泣きながら行って。

(吉田豪)「清原が黒くなっていくたびにマイケルが白くなっていくんですよ!」ってマイケルが死んだタイミングで言って。「シーン」としていた時に「あれ? 聞こえないのかな?」って思って町山さんがもう1回言ったのは笑いましたよ(笑)。「聞こえてるんですよ!」っていう(笑)。

(西寺郷太)あれも、だからあの音源だけを聞いて……どこかYouTubeとかに上がっているあの音源だけを聞いて「郷太さん、すぐに言い返せよ」って言う人がいたんですけども。あれは町山さんのコーナーなんですよ。だからそこで俺がいきなり「違いますよ」って言うのは変で。だからしばらくは黙っていたけども。あの時も町山さんが最後の方で「マイケルが借金を背負っていて、親しい人がみんな逃げていってる」って言っていたんですけども。「いや、借金を背負っているのはそうだとしても、ここから絶対にお金が入ってくるからそういう風にはならないと思いますよ」って僕が言ったんですけども。それも僕の方が正しかったし。で、町山さんが今回やったことは「アメリカでこんな風な話題になっています」っていうことを伝えるという役割で。

(吉田豪)それ自体は問題はないですね。

町山智浩 マイケル・ジャクソン告発映画『ネバーランドにさよならを』を語る
町山智浩さんがTBSラジオ『たまむすび』の中でマイケル・ジャクソンの性的虐待を告発したドキュメンタリー映画『ネバーランドにさよならを(原題:Leaving Neverland)』を紹介していました。

(西寺郷太)伝書鳩みたいな。で、それは本当のことなんで。「アメリカのジャーナリストの間でこんなことが言われていますよ」っていうことを言っている。だから別に僕は怒ってもいないというか。

(吉田豪)その真偽をたしかめるという役割ではないですもんね。「いま、こういうことが起きてます」っていうだけで。

「アメリカではこういうことが起きています」と伝える役割

(西寺郷太)だから町山さんの中にたぶんマイケルについて話す時、僕とは友達かどうかは別としても、西寺郷太がいるなとは思ったんですよ。あの人の頭のどこかに「西寺郷太がマイケルについてすごい調べているな」っていう。そこには踏み込まれないようにちゃんと……賢い人なんで。

(吉田豪)だって町山さんがゴールデン街で飲んでいて、僕が呼び出された時にたしか、来ましたもんね?

(西寺郷太)そうそう。僕、豪さんが……ちょっとケンカみたいになっちゃっていたんで。年上の先輩に歯向かったみたいなので終わっていて。俺は別に「いや、間違っているから間違っているって言ったんだ」ってう話でしたけども。

(吉田豪)結果、その後ゴールデン街でふたりが初めて会うと。

(西寺郷太)僕もいつかお会いしたいな、と思ってていいタイミングだな、と。そしたら町山さん、人懐っこくいきなりちんちんを揉んできて「西寺くんー、あれプロレスだったんだよー(笑)!」って。「いや、絶対にプロレスちゃうかったやん!」って(笑)。

(吉田豪)フフフ、町山さんの「プロレス」っていうのはね、ちょっと世間の考えるプロレスとは違うんですよ(笑)。前からそうなんですよ。あの人は「ほぼガチ」のことを「プロレス」って言うんですよ(笑)。

(西寺郷太)いや、本当にひどいですよ(笑)。だから町山さんのミッションを町山さんは果たしただけだから。それ以上の深追いもしていないし。「アメリカでこう言われている」って言っていることを叩くのは違うと思う。それはだって、そういう仕事だもん。

(吉田豪)それ自体は起きていることだし。

(西寺郷太)本当に起きたことだから。僕はそういう風に思っています。

<書き起こしおわり>

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