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高橋芳朗と宇多丸 テイラー・スイフト『You Need To Calm Down』を語る

高橋芳朗と宇多丸 テイラー・スイフト『You Need To Calm Down』を語る アフター6ジャンクション
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高橋芳朗さんがTBSラジオ『アフター6ジャンクション』に出演。テイラー・スイフトの最新シングル『You Need To Calm Down』を紹介しつつ、そこに込められたメッセージについて宇多丸さん、日比麻音子さんと話していました。

(日比麻音子)今月のチャートウォッチ! 最新チャートを定点観測することによって浮かび上がる洋楽事情をいち早くお伝えしてまいります。これまではアリアナ・グランデとかビリー・アイリッシュ、先月はカイリー・レイ・ジェプセンなど、本当に自分を振り返るようなストーリーもありまして(笑)。

高橋芳朗と宇多丸 Ariana Grande アルバム『thank u, next』を語る
高橋芳朗さんがTBSラジオ『アフター6ジャンクション』に出演。宇多丸さんとアリアナ・グランデの最新アルバム『thank u, next』について話していました。

(高橋芳朗)フフフ、黒歴史が(笑)。

(日比麻音子)はい。ありがとうございました。いわゆるガールポップ事情を多くご紹介していただきましたが、冒頭でも触れましたけども今度はテイラー・スウィフト。新しいアルバムが8月に?

(高橋芳朗)そうですね。8月23日に『Lover』というアルバムが出て、そのリードシングルとして『You Need To Calm Down』を先日リリースして、今週のアメリカビルボード・チャートで初登場2位を記録しています。

(宇多丸)まあもちろんね、メガヒットを当然するんでしょうけども。今回、歌詞の変遷というところにあえてスポットを当てているわけじゃないですか。やっぱりそんぐらい、今回の曲がすごくテイラー・スウィフトとしては異色っていうか新境地っていうか?

(高橋芳朗)そうですね。テイラー・スウィフトってずっと自分の政治的スタンスについては沈黙を保っていたんですよ。

(宇多丸)ああ、そうですか?

(高橋芳朗)それでここでいきなりそういうメッセージソング、プロテストソングを出してきたからちょっと注目をされているという感じですかね。

(日比麻音子)前にSNSかなにかで「投票に行こうよ。私はこっちなんだ」ってはっきりと投稿をしていたのがすごい話題になっていましたね。

(高橋芳朗)まさにそうなんですよ。

(宇多丸)あんまり言いそうにないというイメージもあったわけですね。

(高橋芳朗)2016年のアメリカ大統領選の時にトップアーティストはみんな自分たちの政治的スタンス、見解を求められるんですよね。でもやっぱりテイラー・スウィフトはカントリーとポップスの両方に軸を置いているというその音楽性のこともあったのかもしれないけども。

(宇多丸)まあ保守層にもアピールしなきゃいけないから。

(高橋芳朗)保守とリベラル両方のバランスを取ったのかもしれないけど。特にトランプに対する見解とかは全く選挙中に明かさなかったんですよね。それで結構批判を受けていたんですけども。それで去年の秋の中間選挙の時に初めて、いま日比さんが言っていたようにInstagramを通じて自身の政治的スタンスを表明したということなんですね。

(宇多丸)なるほど。なぜ、ここに来てっていうのは?

(高橋芳朗)テイラーって地元はテネシー州なんですけど、そのテネシー州の共和党の上院議員候補だったマーシャ・ブラックバーンさんという女性候補がいて。この人がLGBTQの権利や女性に対する暴力防止法、あとは男女の統一賃金とか、こういったものにことごとく反対をしていたんですよ。で、テイラーはいままでなるべく女性議員に投票をするようにしていたんだけど、ちょっとこれは許せないということで。

(宇多丸)女性議員なんだけど、結構ゴリゴリの?

(高橋芳朗)そう。保守の人で。

(宇多丸)「保守」っていうかなんか、ちょっとそっち側に行っちゃっているという。

(高橋芳朗)で、これは看過できないということでInstagramを通じて共和党批判と民主党支持を明らかにしたんですよね。

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中間選挙前に民主党支持を表明

モーリー・ロバートソン テイラー・スウィフト民主党支持宣言を語る
モーリー・ロバートソンさんがBSスカパー!『水曜日のニュース・ロバートソン』の中でアメリカの中間選挙前に歌手のテイラー・スウィフトさんが民主党支持宣言をしたことについて認識を述べた件について話していました。

(宇多丸)そのぐらい危機感が高まっているというのもあるのかな?

(高橋芳朗)そうですね。で、そのインスタでテイラーは性的マイノリティーの人権のために戦っていくことと、あとは人種とかジェンダー、セクシャリティーなどへの差別にも断固抗議していくことを訴えて。同時に若いファンに投票を呼びかけたんですね。そしたら、最初に投稿して24時間で有権者の登録が10万人を超えたんですって。

(宇多丸)ええっ? まさに影響力……。

(高橋芳朗)(10月8日に投稿をして)たった一晩で10万人。それで8月の有権者登録数は5万人だったんですよ。で、9月が19万人。これと比べるとどれだけの影響力を持っていたかってわかると思うんですけども。で、これだけの影響力を見せつけたから、ちょっと共和党としては焦ったというかビビったみたいで。トランプとか保守派の評論家がテイラーのことを攻撃したんですよ。「お前の音楽なんか嫌いになった」とか「どうせエージェントにこういうことを言わされているんだろ?」みたいな風に批判をされていたんですけども。

(宇多丸)はいはい。

(高橋芳朗)で、テイラーがその逆襲として今回のこの曲を出したという。

(日比麻音子)そうなんだ!

(宇多丸)『You Need To Calm Down』って要するに「まあ、落ち着きなさいよ」っていう意味だからね。

(高橋芳朗)まあ「黙ってらっしゃい」みたいなね。

(日比麻音子)まあ、すごい! じゃあ、だいぶ攻撃力っていうかアタック力は高い曲になっているわけですね。

(高橋芳朗)ちょっと歌詞の一部をざっくりと……「あなた、ちょっと一旦落ち着いて。そして平穏な世界を取り戻すように努力して。嫌いな人たちに対してわめきちらしたくなる衝動も抑えるべき。なにを言ったところで彼らがゲイでなくなるわけじゃないんだから」という。これはもうかなり具体的にトランプに標的を絞ったラインだと思うんですけども。

(宇多丸)うんうん。いまこの瞬間の文脈ありきのラインだよね。すごくね。

(高橋芳朗)そうそう。かつてテイラー・スイフトってさっき冒頭でも話したけど、元カレに対するリベンジソングっていうのを歌っていたんですよ。もうデビューアルバムぐらいから歌っているのかな? デビューアルバムでも高校の時の同級生に対して「あんなのボロいトラックに乗せられたのがすごい嫌だった」みたいに歌ったり、あとはジョン・メイヤーと交際していてちょっと遊ばれちゃって。『Dear John』みたいな曲を歌ったりとか。

(宇多丸)まあ、そのイメージがありますね。テイラー・スイフトね。

(日比麻音子)女子会の定番ソング。失恋したらこれを聞け! みたいな感じでしたよね。

(高橋芳朗)で、『Better Than Revenge』みたいな曲もあるんですよ。「私はなによりもリベンジが得意なんだ」っていう曲もあるのね。

(高橋芳朗)だからいままでテイラーのリベンジのアプローチは元カレに対して向けていたんだけど、その手法を今回はそのままトランプに向けたっていうのが結構痛快というか、かっこいいなっていう感じですかね。

(日比麻音子)どんどんと角度が鋭利になって……『Reputation』が出た時も結構なリベンジ力だったと思うんですけども。

(高橋芳朗)そうですね。あの時は「もう過去のテイラーは死んだのよ」って自分でも言っていたりとかしていて。だから、ちょっと変わっていきたいみたいなところはあったんでしょうね。

(宇多丸)まあね、いつまでもワンテーマっていうのもあれだけどさ。ただ、もともとそのディスの切れ味はあるから……っていうことだよね。

(高橋芳朗)そうそう(笑)。その矛先がトランプに向いたっていう。

(日比麻音子)これ、どんどんと広くなっていきますよね。その対象っていうのが。

(宇多丸)でも、そのアメリカのポップソングの歴史の変遷という流れでその女性歌手が歌う非常に男性に対してすごく強い……言っちゃえば攻撃的だったりする曲というのがあって。それがいま、この季節、ポリティカルな季節になってきて今度はこっちになるっていうのはなんかひとつの流れとして。大きな流れとしてもあるなっていう気がするんですけどね。はい。

(高橋芳朗)うんうん。で、テイラーはこういう「#MeToo」とかLGBTを支持する曲を歌うことによってやっぱりカーリー・レイ・ジェプセンの時にも話しましたけど、インディーとメインストリームの女性アーティストの距離感が縮まってくるんですよね。

(宇多丸)歌っていることといい、うん。

(高橋芳朗)みんなやっぱりいま、そのテーマを扱うことが多いから、結構共闘体制になってくるっていうね。

(宇多丸)音楽性なんかももはやね、そこで境目はないし。

(高橋芳朗)じゃあ、ちょっと聞いてみましょうかね。今後、たぶん新しいLGBTQアンセムにもなっていくと思います。テイラー・スイフトで『You Need To Calm Down』です。

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Taylor Swift『You Need To Calm Down』

(宇多丸)はい。テイラー・スイフトの新曲、アルバム先行シングルっていうことですかね。『You Need To Calm Down』をお聞きいただきました。いやー、なんかちょっと不思議な曲だよね。あんまりどれにも似ていないというか。ただ、なんとなく全体の音像とかテンポ感でまあ、トラップの時代みたいなものも感じさせつつ。でも、ちゃんとサビに向けてコーラスが重なっていって、気分がちゃんと……要するにアンセムとして、ちゃんとみんなが上がる。着々と私たちは進んでいくんだっていう感じが音楽性にも出ていて。音の組み上げ方とかやっぱりね、すげえわ。

(高橋芳朗)フハハハハハハッ!

(宇多丸)さすがだわ。かっけー!

(高橋芳朗)ちょっとパッと明るくなるような曲だけど、結構厳しいメッセージも入っているっていうね。

(宇多丸)なんか、「私たちは一歩一歩進んでいくぞ」っていう意志も感じるようなテンポ感かなって。単に騒いで終わりっていうよりは。

(日比麻音子)重みもしっかり感じられますね。

(宇多丸)だからビートもそれこそ「Calm Down」しているわけよ。これで「Calm Down」って言っているのにビートが浮ついていたらしょうがないから。でもね、そういうところも含めて練られているなって。

(高橋芳朗)アンセム化していくことを多少意識しているのかな?っていう気はしますね。

(宇多丸)間違いない。いやー、周到だな。よくできているし、やっぱりかっこいい!

(高橋芳朗)で、これミュージックビデオがまた面白くて。ビデオを見ればまたテイラーのメッセージもより深く理解できると思うんですけども。結構、30人ぐらいかな? LGBTQのセレブリティがカメオ出演していて。

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LGBTQのセレブたちがカメオ出演

(高橋芳朗)最後にテイラーからのメッセージが出て。LGBTQの人々への法的保護を求める嘆願書への署名を呼びかけていて。目標が当初、15万人だったらしいんですけど、今日来る時にサイトを見てみたら50万人を超えていましたね。

(日比麻音子)やっぱり影響力がすごい!

(宇多丸)さらに曲まで加わっちゃったからもうね。

(高橋芳朗)で、さらに先行シングルがこれなんで、もうテイラーも予告していますけども。次のアルバムは割と政治色が入ったアルバムになるだろう、みたいなことを言っていますね。

(日比麻音子)すごいなー! ビッグですね。なんだか。

(高橋芳朗)で、たぶんもう2020年の大統領選も視野に入れた活動をしていこうっていう風に考えているんじゃないかなって。

(宇多丸)だってトランプの再選かどうかっていうね。そんなね……っていう感じだからね。はい。ということでテイラー・スイフトの『You Need To Calm Down』をお聞きいただきました。

<書き起こしおわり>

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