高橋芳朗 クリスマスに聞きたいビーチボーイズ楽曲特集

高橋芳朗 クリスマスに聞きたいビーチボーイズ楽曲特集 ザ・トップ5

音楽ジャーナリストの高橋芳朗さんがTBSラジオ『ザ・トップ5』の中で、クリスマスや師走の雰囲気にハマるビーチボーイズ楽曲を紹介していました。

ペット・サウンズ

(高橋芳朗)まあそんなところで、さっそく今週の私の洋楽コーナーに移ってみたいと思うんですけども。

(熊崎風斗)はい。お願いします。

(高橋芳朗)今週はですね、来年4月に東京と大阪で来日公演を行うことが発表になりましたブライアン・ウィルソン(Brian Wilson)にちなんで、そのブライアンが在籍するビーチボーイズ(Beach Boys)のミニ特集を企画しました。以前からね、一度やってみたかった実験企画なんですけども。

(熊崎風斗)満を持して。

(高橋芳朗)じゃあ題して、ビーチボーイズの曲がしっくり来るのは夏とクリスマスだ特集!わーい!(拍手)。

(熊崎風斗)おおーっ!

(高橋芳朗)もう勝手に番組内番組を作っておりますけども。ビーチボーイズ、ご存知ですか?

(熊崎風斗)はい。知っています。

(高橋芳朗)わかりますか。ビーチボーイズ。まあ60年代から活躍するアメリカン・ポップスのレジェンドですね。最近、日本だと2013年に映画の『陽だまりの彼女』。松本潤さんと上野樹里さん主演の『陽だまりの彼女』のテーマソングに『素敵じゃないか(Wouldn’t It Be Nice)』が使われて話題になったのも記憶に新しいと思いますけども。そんなビーチボーイズですよ。なんたってこう、ビーチのボーイズを名乗っているぐらいですから、やっぱり夏の風物詩という印象が強いと思うんですね。

(熊崎風斗)名前だけ聞いたら、そうですよね。

(高橋芳朗)まあ、カリフォルニアの青い空、青い海に合うようなね。『Surfin Usa』!っていう感じですけども。で、まあ実際に夏に聞くとばっちりハマるのは間違いないんですけども。

(熊崎風斗)はい。

(高橋芳朗)実は彼らのね、パブリックイメージと真逆の冬。特にこれからのクリスマスから年の瀬、師走の街のムードと相性がいい曲が結構あるんですよ。まあ、僕のこの理想のシチュエーションとしては、買い物客でごった返す熱気ムンムンの伊勢丹とかで爆音で流したい感じですかね?

(熊崎風斗)ああー、頭に浮かんできましたよ。

(高橋芳朗)そうするとね、かなり師走な雰囲気が出ると思うんですけども。ただこれね、さっきも言ったように実験企画です。あくまで自分にとっての話なんで、みなさんがどう受け止めるか?はわからないということですかね。

(熊崎風斗)なるほど。

(高橋芳朗)ぜんぜんクリスマスっぽくないとか、ぜんぜん師走っぽくねえよ!とかね、いうことになる可能性も大いにあるので。それも含めてね、みなさんなんかメールなりTwitterなりでリアクションいただけたらと思います。一応、番組スタッフには実験済みで、共感を得ております。

(熊崎風斗)共感を得てますか?

(高橋芳朗)お墨付きをいただいておりますので。

(熊崎風斗)で、どうなるか?ですよね。

(高橋芳朗)はい。じゃあさっそく実験スタートといきたいんですけども。まず、ビーチボーイズのクリスマスソングを聞いていただきたいと思います。ビーチボーイズ『Little Saint Nick』。1963年の作品です。聞いてください。

The Beach Boys『Little Saint Nick』

(高橋芳朗)ビーチボーイズ『Little Saint Nick』、聞いていただいております。これ、クリスマスソングとして非常に人気が高くて。スタンダード化しているような曲なんですけども。これ、普通にどうですか?クリスマス感、あると思うんですけど。

(熊崎風斗)そうですよね。最初、『クリスマス』って言う前のテンポから乗っていけるような。明るいクリスマスのイメージですよね。

(高橋芳朗)うん。で、実はこれ、歌詞で『クリスマス』って歌ってましたけども。それ以外ね、特にクリスマスっぽい仕掛けは何もしてないんですよ。割と通常運行のビーチボーイズっていう感じなんですね。だからここからクリスマス的なニュアンスがもし聞き取れたとしたら、もうビーチボーイズの音楽性の中になんかクリスマスっぽい何かが予め含まれてるってことになるんじゃないか?と思うんですけども。

(熊崎風斗)これはわかりますよ。

(高橋芳朗)ちょっとこれを踏まえて、次、こちらの曲を聞いてください。ビーチボーイズで『Why Do Fools Fall In Love』です。1964年の作品。どうぞ。

The Beach Boys『Why Do Fools Fall In Love』

(高橋芳朗)はい。というわけでビーチボーイズ『Why Do Fools Fall In Love』、聞いていただいておりますけども。これ、さっきの『Little Saint Nick』。クリスマスソングよりクリスマスっぽくないですか?

(熊崎風斗)ですよね。これって別にクリスマスのために作った?

(高橋芳朗)これは普通の曲です。通常運行の普通のアルバムに入っている。

(熊崎風斗)これは本当にクリスマスっぽいなと感じましたよ。

(高橋芳朗)伊勢丹でもみくちゃにされている感じがしませんか?

(熊崎風斗)します。サンタクロースとかがいるようなね、雰囲気。

(高橋芳朗)(笑)。要はですね、ビーチボーイズのキレイで美しくて重層的なハーモニー。コーラス、キレイでしょ?さっきから。それからあと、チャイムとか鐘の音なんかも含めたバックトラック。オケ。それらが一体化した時の音の壁みたいな感じがクリスマスや年の瀬っぽい神聖さとか荘厳さみたいなのを醸しだしているんじゃないかな?と思うんですけども。

(熊崎風斗)ええ。

(高橋芳朗)ここまで来るとね、だいたいどれもクリスマスっぽく聞こえてくるんで。続いてはですね、ビーチボーイズ『I Do』っていう曲を聞いていただきたいと思います。1963年の作品です。どうぞ。

The Beach Boys『I Do』

(高橋芳朗)ビーチボーイズで『I Do』を聞いていただいております。これ、出だしからコーラス。最初の序盤は夏っぽいかな?っていう感じもしますけど。サビを越えたあたりから鐘の音が入ってきて、グッとクリスマスムードが、年の瀬感が出てくるかな?と思うんですけど。いかがですかね?

(熊崎風斗)クリスマスっていうテーマで聞かせていただいているっていうのも、もちろんあると思うんですけど。本当にクリスマスっぽく聞こえています。私の耳には。

(高橋芳朗)ありがとうございます。で、いままでとちょっと、若干スタイルが違うと思うんですけど。この曲も非常にクリスマス的と言えます。ビーチボーイズを代表する大名曲ですね。『God Only Knows 』を聞いてください。

The Beach Boys『God Only Knows』

(高橋芳朗)ビーチボーイズの名曲です。『God Only Knows』。1966年の作品を聞いていただいております。これ、もう『シャン♪シャン♪シャン♪』って。もう空から星が降り注いてくる感じというか。トナカイが空をグングン走り回っているような感じが。そういうイメージ、広がりますよね?こういうサウンドがビーチボーイズとかブライアン・ウィルソンのひとつのスタイルとして確立されているんですね。

(熊崎風斗)はい。

(高橋芳朗)だからブライアン・ウィルソンがビーチボーイズ以外でプロデュースした曲も、自ずとクリスマス感があるものが多いんですよ。ちょっと1曲だけサンプルとして聞いていただきたいんですけども。ハニーズ(The Honeys)というガールグループの1963年の作品です。『The One You Can’t Have』。

The Honeys『The One You Can’t Have』

(高橋芳朗)サブのスタッフ全員の同意を得られました。クリスマスっぽいと。

(熊崎風斗)私もやっぱり感じますもん。

(高橋芳朗)ハニーズの『The One You Can’t Have』、聞いていただきました。やっぱりここでもね、重層的なコーラスと音の壁が神聖さ、荘厳さを醸していると思いますけども。どうですかね?みなさん、クリスマス感、感じ取ってもらえたか、心配なところですけども。

(熊崎風斗)でもこの水曜トップ5チームで言ったら100%感じてるっていうところで。リスナーのみなさん、どうでしょうか?

(高橋芳朗)ねえ。ちょっとリアクションいただきたいんですけども。で、最後にちょっと1曲、ちゃんと聞いていただきたいと思います。最後にご紹介するのはダリアン・サハナジャ(Darian Sahanaja)という人のですね、『Do You Have Any Regrets』。これ、ちょっと新しめで1997年の作品なんですけども。このダリアン・サハナジャっていう人はブライアン・ウィルソンのバックバンドを務めている人で、ブライアンの右腕と言えるような存在で。たぶん今度の来日公演も同行するんじゃないかな?と思うんですけども。

(熊崎風斗)はい。

(高橋芳朗)この曲はブライアン・ウィルソンの未発表曲をビーチボーイズ、ブライアン・ウィルソンっぽいマナーで忠実に再現したカヴァー曲になっていて。こちらもちょっとまあ、当然クリスマス感。年の瀬感あふれる仕上がりになっているんじゃないか?と思います。はい。じゃあ聞いてください。ダリアン・サハナジャで『Do You Have Any Regrets』。

Darian Sahanaja『Do You Have Any Regrets』

(高橋芳朗)ダリアン・サハナジャで『Do You Have Any Regrets』、聞いていただきました。いかがですか?なんかこう、ね。アメリカのハッピーなクリスマスっていう感じですかね?ホリデーシーズンにばっちりハマるんじゃないか?と思いますけども。

(熊崎風斗)いままでのこのブライアン・ウィルソンさんの曲も聞かせていただきましたけども。やっぱり、リンクする部分、ありますね。うん。

(高橋芳朗)結構ね、クリスマスソングじゃないけどクリスマスっぽい曲を探すのはね、僕は結構好きで。楽しいですよ。

(熊崎風斗)他の曲を聞いてみて、どういう風に感じるのかな?って気になりますよね。

(高橋芳朗)ぜひクリスマスシーズンをビーチボーイズで楽しんでみてはいかがでしょう?

<書き起こしおわり>
https://miyearnzzlabo.com/archives/32139

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