プチ鹿島「ヤクザと『タピオカ』」記事を語る

プチ鹿島「ヤクザと『タピオカ』」記事を語る YBSキックス

プチ鹿島さんがYBSキックス!の中で週刊ポストで掲載された鈴木智彦さんの「ヤクザと『タピオカ』」という記事について話していました。

(プチ鹿島)一昨日ぐらいですかね。久しぶりにちょっと夜、散歩がてらと言いますか、体を動かそうということで。駅の向こう側……自分の家とは逆の方向まで「走った」って言ったらかっこいいですけども、運動をしたんですね。そうすると、最近ちょいちょい気づくんですけど、坂の上の方から女子たちがなんかカップを持ってキャピキャピいいながら歩いてくるんですよ。今日はもう仕事も終わってただジョギング、ウォーキングしているだけだから、じゃあこれはどこかから来ているんだろう?っていうことで道をたどっていったんですよ。そしたら、タピオカミルクティー屋さんが「ここにできてた?っていうところに、シャレた感じのができていて。「ここか!」って。

(海野紀恵)フフフ(笑)。

(プチ鹿島)それで妻に言ったら「ええっ、それは私、はじめて知った。いつもちょいちょい見ているのは元からある違うお店だよ」って言われて。だから同じ駅の住宅街の近くのところに2、3軒できているんですよね。

(海野紀恵)うわー、流行ってますねー!

(プチ鹿島)流行ってますよ! タピオカ。

(海野紀恵)新宿駅の何口か忘れちゃったんですけど、近くにやっぱりタピオカ屋さんがあって。もうすっごい列でした。何十分待ちなんだろう?っていう。

(プチ鹿島)僕、仕事終わりに渋谷に行きまして。友達があるイベントで商品を出しているっていうことで。シャレたところでね。それで顔を出したんですが、そこの1階がまさにそのタピオカミルクティーを提供している有名な……あれ、9時ぐらいだったですけども。まだ行例していましたね。で、タピオカと言いますと、これは2週間ぐらい前の週刊SPA!に面白い記事がありまして。週刊SPA!ってよく、「儲かるビジネスの裏」みたいなのを調べてやるじゃないですか。僕もその感じ、好きなんですけども。たとえばこういう記事があったんですね。「有名チェーンはボリすぎ? タピオカブーム絶頂期に参入も月収200万超え」。

(海野紀恵)へー!

(プチ鹿島)これ、もうSPA!を読む読者、大好きですよね。自分じゃあやらないけど、人の金儲けは大好きっていう。で、ちょっと夢を見るっていう。で、そこでタピオカドリンクのお店を出してビジネスして儲かった人の話が仮名で載っているんですけども。1年ほど前に日本に一時帰国した時にタピオカドリンクのお店に女性が長蛇の列を作っているのを目にした。驚いたのがその値段。中国では1杯150円ぐらいで売られているのに、その3倍近くもする。だいたいそうですね。500円とか600円ぐらい。で、中国に帰って調べてみるとタピオカがめちゃくちゃ安く手に入ることがわかり、「もうやるしかない!」と思って始めたという。で、そこから開業してわずか8ヶ月で首都圏に3軒のタピオカドリンクのお店を構えているという。

(海野紀恵)はー!

(プチ鹿島)で、これ面白いのは勝因というのが圧倒的なコストの安さ。たとえば400円で販売しているもっともスタンダードなタピオカミルクティーMサイズ。これを例にとって説明すると、原価は約10%。内訳はミルクが約30円。ミルクがいちばん高いんです。で、タピオカが5.5円。紅茶の茶葉が2円。原価率25%と言われているスタバのキャラメルフラペチーノよりもだいぶ利幅がある計算になるということで。うなったのがここ。「うちはタピオカの大盛りが無料」っていう。これ、お客さんにとっては嬉しいサービス。どんどんどんどんあれをストローでフッと、スッとやるのがいいよね?

(海野紀恵)気持ちいいですよ(笑)。

(プチ鹿島)たまっていればたまっているほどいいよね? だから大盛り無料って良心的なお店だなと思ってしまうんですが、実は内幕を言うと、タピオカが入れば入るほど原価が高いミルクを入れなくてすむので原価が安くなるんですって。

(海野紀恵)うわーっ!

(プチ鹿島)さっき、言いましたでしょう? 原価ではミルクがいちばん高いんですよ。ところがタピオカを大盛りにしてしまうと……。

(海野紀恵)すごいですね。お客さんはタピオカたっぷりで嬉しいという。

(プチ鹿島)俺ね、これを読んでタピオカ屋、やろうかな?って思ったよ(笑)。もう遅いっていう。SPA!を読んでから「俺も儲けよう!」って始めるなんて、いちばんの負け組(笑)。

(海野紀恵)アハハハハハハッ!

(プチ鹿島)この記事が面白かったんです。そしたらですよ、昨日、週刊ポストかな? 僕、新聞の面白さって記事だけじゃなくて週刊誌とか本の広告。これを見るのが大好きなんですよ。それだけでなんか面白い。で、パッと目に入ったのが「アンダーグラウンド潜入レポート ヤクザと『タピオカ』」っていう(笑)。

(海野紀恵)なにーっ?(笑)。

(プチ鹿島)これ、めちゃくちゃキャッチーじゃないですか?

(海野紀恵)すごい! 気になります!

アンダーグラウンド潜入レポート ヤクザと『タピオカ』

(プチ鹿島)だから僕、これすごい勉強になったんですよ。「ヤクザと『タピオカ』」ですよ。いちばん極と極にいる……これって実は、人を引きつける。だから『教養としてのプロレス』って本を出して僕、褒められたのが「教養としての○○」と「プロレス」って、僕はプロレスは教養があるものだと思っていますけども、そのマッチングの意外さで「ああ、いいタイトルだね」って言われたという覚えもあって。

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(海野紀恵)はい。

(プチ鹿島)で、しかもこれを書いたのは鈴木智彦さんっていういままでも『ヤクザと原発』とか最新刊だと『サカナとヤクザ』っていう、まあいわゆる現場に潜入取材をして……なんだったら築地市場でずっと働いたりして。

(海野紀恵)ええっ? すごい!

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(プチ鹿島)だからすごいんですよ。ノンフィクションのライターの方って。じっくりと時間と自分の生活を費やして。それで1本のノンフィクションを書くんですよ。その方が今度、「ヤクザと『タピオカ』」っていうので「『ブーム』と『シノギ』の不可分な関係」というのが昨日の週刊ポストに載っていて。ああ、これ読みたいな!って朝、思ったんですよ。そしたらいま、さっきも新聞の話で話しましたけど、誌面に載ったものをどんどんとWebにアップしていくんですよね。そしたら昨日の昼ごろ、NEWSポストセブンっていう週刊ポスト、小学館がやっているWebサイトにこの時期がアップされたんですよ。

(海野紀恵)へー!

(プチ鹿島)ダースレイダーっていうのがいちはやく紹介していたから、「ああ、これ読みたかったやつじゃん!」って。で、読んだんですよ。そしたらやっぱりタピオカドリンクが大ブームだっていうことで。実はこの方、取材相手がアンダーグラウンド専門ですから。ある山手線某駅に近い繁華街の一角に暴力団経営のタピオカドリンク屋があったという。で、当然そこは働いている人もSNS上に写真をアップして楽しんでいる人も、そこがまさかそういう経営母体だとは知らずに……ということで。実はやっぱりタピオカの原価が安くて、これだけビジネスができるということで、いわゆるそういう方たちもいち早く気づいて参入しているという。

(海野紀恵)へー!

(プチ鹿島)これ、誤解がないように言っておきますけども、もちろん全部が全部じゃないですよ。そういう方たちも参入をしているという。だからいかにシノギというか、儲かるビジネスとして注目をされているか。だから流行に乗っかってくるかっていう。そのレポートがもう面白かったんですよ! タピオカ、すごくないですか?

(海野紀恵)すごいですね! なんでこんなにブームなんだろう?って不思議です。

(プチ鹿島)ねえ。だってちょいちょい、昔からあったもんね?

(海野紀恵)なんかどうやらいまは第三次タピオカブームらしくって。

第三次タピオカブーム

(プチ鹿島)第二次UWFとかじゃなくて、もう第三次タピオカブーム? タピオカ、分裂していったりしてね。

(海野紀恵)フフフ(笑)。なんか第二次はいつかは忘れてしまったんですけど、アジアン料理全体がブームになったタイミングでタピオカで……。

(プチ鹿島)ああー。それこそだってコンビニのドリンクとかであるもんね。メーカーさんが作ったやつね。

(海野紀恵)そうです、そうです。で、第一次は日本にはじめて入ってきたタイミング。

(プチ鹿島)出た! 旧UWFみたいな。旧タピオカブーム。「佐山 VS 藤原、見たよ!」みたいな、そういう感じのうるさ型の。

(海野紀恵)で、第三次らしいんですけども。

(プチ鹿島)一気に火がついたよね?

(海野紀恵)ああ、2008年が第二次?

(プチ鹿島)じゃあ、もう10年前に第二次が来ている。

(海野紀恵)でも、考えてみればよっぽどドリンクに色を付けたりしないと、タピオカって黒い丸だからSNS映えか?っていうとそうでもない気がするんですよね。で、やっぱりモチモチ感がハマるのか。第一次は1992年?

(プチ鹿島)じゃあもう、バブルが終わってなんかチーズ蒸しパンだの、いろいろあったじゃないですか。

(海野紀恵)ティラミスとかナタデココとか。

(プチ鹿島)じゃあ、それぐらいなんだね。

(海野紀恵)それぐらいが第一次。

(プチ鹿島)だからこれ、流行とは、ヒットとはなにか?っていうのと通じているかもしれないですね。なんとなくみんな知っているんだけど、あらためてシャレた店を出すとか、ラッピングをするとか、そういう見せ方ひとつで。だって当然、10代の子は10年前なんて知らないわけで。

(海野紀恵)そうですね。最近で言うとわたあめとかも原宿で七色にきれいに色をつけて……でも、すごい大きいんですよ。直径が3、40センチもあるような。で、だんだんととんがってソフトクリームみたいな感じの形に巻いてあるわたあめがSNS映えするってヒットしたり。

(プチ鹿島)こういうのってたとえば10年後、20年後に「ああ、あの頃にタピオカブーム、あったね!」っていう。それこそ「ティラミスブーム、あったね!」みたいに振り返るネタにおそらくはなるんだろうけども。いま、そこに目をつけて商売をしている人はもう、勝ったね。

(海野紀恵)すごいですね!

(プチ鹿島)俺、まだ行けないかな?って思ってるんですけどね。もうダメです。いまからやる準備をしだすなんて。完全に負けるパターンですよ、それ(笑)。

(海野紀恵)でも、よくよく考えると山梨でタピオカを食べられる、飲めるところはあっても、飲み歩き、食べ歩きができるお店はないですねってさっき言っていたんですよ。

(プチ鹿島)だからそこが大きなポイントなのかもしれないね。だってスターバックスだって結局コーヒーって喫茶店でカップで飲むっていうのが、持って……なんだったら出勤できて。机にポンと置けるという、そこのアイデアひとつだけでもだいぶ違ったのかもしれないね。だからいろんなヒントがあると思うんですよ。だから僕、「ヤクザと『タピオカ』」っていう週刊ポストの広告がめちゃくちゃキャッチーで記念に残したいって写真に撮ってTwitterに写真を上げて。「まずタイトルから素晴らしい」って。やっぱりキャッチーさって僕が思うっていうことは、みんなにもパーン!って通じるんだろうね。ものすごいリツイートされて、いまの時点で3300くらい。「いいね」は7430件ついている。

(海野紀恵)すごい!

見出しのキャッチーさ

(プチ鹿島)これ、小学館の広告なんだけど(笑)。俺はただ、自分のメモ代わりにやったんだけど、やっぱり一瞬で通じるものって強いね。いまね。「ヤクザと『タピオカ』」だって。かわいいもんね。なんかね。

(海野紀恵)タピオカ、かわいいですからね。

(プチ鹿島)これ、そのうち菅官房長官がタピオカを飲むぞ。で、また記者会見でさ、大事なことは聞かずに「長官はタピオカミルクティーとかは……?」とか。あと、いま猫耳大臣とか、パキスタンの。「長官は猫耳大臣の映像、見ましたか?」とかってやって。そこでニヤッて笑った瞬間が……どうでもいいものだけ拡散されていくっていう。これもまた広報戦略かもしれません(笑)。

(海野紀恵)やられちゃうかもしれないですね!

(プチ鹿島)猫耳大臣……ああ、嘘見出しのコーナーもまだ募集していますんで。今週もいろいろとネタ、ありましたね。タピオカでもいいですし、芸能ネタもたくさんありましたよ。

(海野紀恵)ありました!

(プチ鹿島)あとは麻生さんの年金もいろいろと……まだまだ受け付けてますんで。タピオカ。で、それで昨日の仕事終わりで僕、渋谷に行く電車の中で意識して見てみると、5人ぐらい見かけましたね。女の子。電車の中でも飲んでいる子がいたし、駅から出るところでも飲んでいる子もいたし。なんだったら目的の場所の1階にもあったから。すごいですね。

(海野紀恵)はー! すごい。大ブームだなー!

(プチ鹿島)タピオカ屋さん、みなさんもやりましょう(笑)。

(海野紀恵)フフフ、儲かるみたいですよ(笑)。

<書き起こしおわり>

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