吉田豪と渡辺淳之介 BiSHの給料事情を語る

吉田豪と渡辺淳之介 WACKがSHOWROOMをやらない理由を語る SHOWROOM

WACKの渡辺淳之介さんが『猫舌SHOWROOM 豪の部屋』に出演。吉田豪さんとアイドルの給料事情をトーク。ACKやBiSHの給料事情についても話していました。

(吉田豪)だからBiS的な運営が増えたじゃないですか。BiSみたいなことをやる運営って増えたんですけど、渡辺さんはアイドルが好きでやっている感がなかったのが当時、新鮮だったんですね。

(渡辺淳之介)ああ、そうですね。もういまでもそうなんですけど、別にアイドルをやりたいと思ってやっていないんですね。金儲けです。

(吉田豪)フフフ(笑)。

(渡辺淳之介)でも、本当にすごかったですよ。その、旧BiSを始めた時が8年、9年ぐらい前なんですけども。それこそももクロがまだ「Z」じゃなくて「ももいろクローバー」だったんですよ。で、本当にいまじゃ考えられないですけど、日本青年館とかで、1500人とかのキャパでやっていた時にできたグループだったんです。なので、いわゆる地下アイドル。

いま言われているような地下アイドルっていうものの本当の黎明期に産声をあげたのがBiSで。でも、すごかったですよ。その時は新しいものに飛びつこうとするお客さんってめちゃめちゃいたんですね。だから「立ち上げます!」って言って変なイベントに出ても30人とか40人、いきなり……ライブを1回も見たことがないお客さんがチケットを買ってくるんですよ。という、すごいラッキーな時代にあって。その時に、僕はシンガーソングライターとかをやっている事務所にいたんで。「こんなボロい商売があるのか!」って。

(吉田豪)フフフ、シンガーソングライターは儲からないけど(笑)。

(渡辺淳之介)シンガーソングライターはもうCDを買ってもらって、1分も2分もしゃべって。おっさんから変な「こうした方がいいよ」とか「あのMCは……」とかっていうのをニヤニヤしながら。やっていることはアイドルと変わらないのに、アイドルはもう握手して「おらっ、どっか行け!」みたいな。

(吉田豪)すぐに流せますからね(笑)。

(渡辺淳之介)すぐ流せる。こんなボロい商売はないじゃないか!っていう風に思いましたね。いまは結構厳しいんじゃないですか?

(吉田豪)まあ、増えすぎましたからね。

(渡辺淳之介)そうですね。だから選べる。メンバーもそうだし。昔はだから、どこに行ってもパンパンに入っていたんですよ。200人、300人のキャパのアイドルイベントとかも、本当に平日の渋谷でも3、4本あって。そこにみんな300人、400人入っていたんですよね。

(吉田豪)流しやすい時代だった。

(渡辺淳之介)そういう時代だったんで、そこにブワーッと出ることによって結構確立したっていうか、そういう方程式があったんです。いまはたぶん、平日はやっていないですよね?

(吉田豪)休日のライブの多さ、異常ですけどね。

(渡辺淳之介)そうですね。というところはありました。

(吉田豪)タイミングの良さは間違いなくあって。

(渡辺淳之介)いい時期だったです。しかも、震災も起きちゃって。いろんな人たちの活動自粛が多くて。その時、僕たちはインディーズだったんで。「インディーズは自粛するかどうか、任せます」って言われたので。メジャーはたぶんみんなで足並みを揃えようみたいな。だけど僕たち、メンバーたちも命がかかっているので。CDを出す、デビューの直前だったんで。「とりあえず、怒られたらやめればいいから、一旦出そうか」っていう感じで出したので、逆に言うと他のライバルが全くいなかったっていうところはありましたね。

(吉田豪)意外とそれ、あったみたいですね。PASSPO☆が1位を取ったのも、自粛でライバルがいなくなったタイミングだったとか。

(渡辺淳之介)そうなんです。だから結構足並みをそろえようとするとダメな業界かもしれないですね。……いや、どうかな? ちょっとわからないですね。

(吉田豪)フフフ、本当にただね、いろんなところでこれは言っていますけども、BiSの時は画期的なことを相当やっていた割にはメンバーへの報酬は少なかったことで有名なわけじゃないですか。

旧BiSは薄給だった

(渡辺淳之介)ああ、そうですね。簿給中の薄給でしたね。でも、しょうがないんですよ。僕もいま、会社の社長をやっているんですけども、システムを考えると……だからどっちかって言うと従業員が死ぬ気にならないと稼げないんですよね。だから1人で結構、ある意味すき家のワンオペみたいな感覚でやらないとどっちにしろ無理なんですよ。だから結局、セブンイレブンの24時間問題もそうですけど、店長がずっとやっていればすごい儲かるんですよ。でも、そんなこと実際にはできないじゃないですか。でも、ということをアイドルはやらないといけない状況に陥っているといえば陥っていますよね。

(吉田豪)うんうん。

(渡辺淳之介)で、前の会社は従業員の人数が多かったので。だからそういう感じで回していたら、戻りはやっぱり少なくなってしまうというね。

(吉田豪)BiSがあんなに裸になったりとかいろいろとがんばっているのに、その割にもらえていなかった問題っていう。

(渡辺淳之介)いや、そうなんですよ。まあでも、あれですからね。グラビアとかやったって金、もらえないですからね。

(吉田豪)まあね。

(渡辺淳之介)まあ、いくらかは知らないですけど、儲かっている感じはないと思います。脱いだってしょうがないっすよ。

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(吉田豪)フハハハハハハッ! でも、どうなんですかね? 本当にアイドルってピンキリじゃないですか。くれる事務所もあれば、くれない事務所もあって。いま、WACKは正直くれる事務所だと思っていますよ。僕、相当言いふらしていますけども。

(渡辺淳之介)そうっすね。このSHOWROOMでも結構よく言っていただいているみたいで。なんか俺も後から誰かから告発されたらどうしよう?っていう風に言っているんですけども(笑)。まあでも、対等というか、これから会社がどうしても(グループが)5組、所属をしているので。ちょっとやっぱり会社っぽくなっている部分はあるので、もしかしたらこれ以降、本当にどんどんどんどん変わっていくと変えていかなきゃいけないかもしれないですけども。まあ、会社を独立した理由が「アーティストが金持ちであってほしい」っていうのがいちばん最初の理由で。あの、半分戻していますね。

利益を事務所とメンバーで折半

(吉田豪)うん。利益の50%を分配。画期的ですよね。それ、やっているところないと思いますよ。結構僕、最近48とかのメンバーにもこういう話をすると、みんなが絶句しますからね。

(渡辺淳之介)まあ48の利益を半額バックしたら、すごいことになりますよね(笑)。でも、逆に言うとCDの利益とかは基本、原盤権とかは投資案件なんで。彼女たちは関知しないです。なんですけど、いわゆる事務所側の利益は全部バックしていますね。あとは作詞とかも振り付けだなんだとかも……まあ、振り付けはあれですけど。作詞とかは逆に事務所が入っているとだいたい中抜きするんですけども。

(吉田豪)そういうシステムなんですか?

(渡辺淳之介)はい。そういうシステムなんですけども。まあ、事務所によるとは思うんですが、基本的にはたぶん……なので、僕たちはもう計算が面倒くさいんで、そこは全てお渡しするっていう。

(吉田豪)なるべくメンバーに作詞させるようにするじゃないですか。

(渡辺淳之介)そうですね。

(吉田豪)あれはそういう金銭的な意味もあるし、自己表現を学んでほしい的な意味もあるんですか?

(渡辺淳之介)まあでも、金銭がいちばんデカいっすかね。「これだけやったら入ってくるんだ」って思うと、やっぱりやる気が出るので。で、結構なお小遣いになるんですよ。BiSHとかになると。

(吉田豪)そりゃそうでしょうね。

(渡辺淳之介)1曲書ければ。そういう感じなんで、そこもあるし。あとはやっぱりでも、自分で書くと……アイドルってどうしてもやらされているものなんで。名前とかも勝手に決められて、プロデューサーがやっているものなんで。でも、「自分がやっているんだ。参加している」っていうイメージが非常につきやすいというか。「自分の曲だ」っていうところはありますね。

(吉田豪)ご自分で作詞されるのも相当、当然デカいわけですよね?

(渡辺淳之介)僕は……そうですね。あの、結構……たぶんいいサラリーマンぐらいの収入が作詞だけでありますね。いまはね。いまだけですよ。

<書き起こしおわり>

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