JUN INAGAWA 影響を受けた音楽を語る

JUN INAGAWA 影響を受けた音楽を語る INSIDE OUT

JUN INAGAWAさんがblock.fm『INSIDE OUT』に出演。渡辺志保さんと影響を受けた音楽などについて話していました。

(渡辺志保)で、いま個展をやってらっしゃるんですよね? 渋谷のディーゼルのお店の地下で。それも普通のイラストだけではなくて、かなり立体的な展示とか。「あ、こんな真ん中にちんこが……」みたいな。

(JUN INAGAWA)ああ、ちんこありますね。あれは僕……みんな聞いてくるようで僕に聞いてこないんですよ。みんな、「あんまり触れちゃいけないトピックかな?」みたいな。「ジュンってちょっと、そういう趣味?」みたいな。

(渡辺志保)フフフ(笑)。

(JUN INAGAWA)あれは僕がいちばん好きな映画のスタンリー・キューブリック監督の『時計仕掛けのオレンジ』って映画見てるオブジェなんですけど。別に置いてる意味も意図もないです。ただ置いただけです。貰い物で、すごい大切にしてて。普通に私物として置いているだけで、別に何の意味もないし。古典には関係しないんで。

(DJ YANATAKE)そうなんだね(笑)。

(JUN INAGAWA)そうなんですよ。あとはまあ、抱きまくらとかも置いてますし。結構今回の個展は僕の集大成と言ってもいいかなという。

(渡辺志保)そう。それをすごい私も、「こんな展示、はじめて」みたいな感じの。リアルな……なんていうか、オタクの精神のリアルに触れたみたいな。

(JUN INAGAWA)そうなんですよ。僕、アメリカで個展もしたかったんですけど、こっちで個展をするのはすごビビっていて。僕、パロディーとかをすごいするんですよ。なので、パロディーとかって著作権のこととかバーバーッ!って日本だとすごい言われそうなイメージがあったんですけど。なんかストリート界隈ってパクってパクりまくる文化なんで。

それで育ってきちゃったから、日本でも受け入れられるかな?って思ったら、意外と受け入れられてるんで。なんか、そういう文化をリスペクトした上でのものというか、そこがちょっと僕の聞いてきた音楽……セックスピストルズとかの、そういうエリザベス女王に安全ピンをぶっ刺すみたいなことが僕、好きだったんで。だから僕もそういうことを個展でやってやろうと思っていて。実際、ビビッてますけど。

(渡辺志保)いや、全然いいんじゃないですか。マジで。

(DJ YANATAKE)そうか。ちゃんとそれがあるから、サークルAのロゴを使っているんですね。

(JUN INAGAWA)『Anarchy In The UK』っていう曲が好きで。僕の今回の個展のコンセプトが『アナーキー・イン・ザ・秋葉原』っていう。オタクがアナーキストになるっていう。あれは全部、『Anarchy In The UK』と『God Save The Queen』のミュージックビデオからインスパイアを受けて。


(DJ YANATAKE)ああー、ヤバいですよね。セックス・ピストルズの話ですね。

(JUN INAGAWA)あと、デッド・ケネディーズとかも好きです。結構。

(DJ YANATAKE)へー! いいですね。

(渡辺志保)だからそういったものが全てエッセンスとなって。しかもそのスケートカルチャーから萌えカルチャーまでを全部ごちゃ混ぜにしてアウトプットしているという。

(JUN INAGAWA)そうですね。ごちゃごちゃにしまくっていて。本当に受け入れられにくいんですよ。僕がいまやっていることって。受け入れてくれる人もいっぱいいるんですけど、受け入れにくい人もやっぱりほとんどだと思うんですけど。なんか難しい立ち位置なんで。

(渡辺志保)そうか。我々さ、ちょっとストリート寄りの人間からするとすごい新鮮で「面白い! もっとやれ!」って思うけど、逆にちょっともとからイラストの世界とか漫画、アニメ、カートゥーンの畑にいる方から見ると、やっぱりちょっと亜種というか?

(JUN INAGAWA)亜種と言うか、「なんだ、こいつ? ナメとんのか?」とかたぶん思われてるんと思うんですけど。俺の勝手な想像で。めちゃくちゃ、やっぱり先生方は先生方なんで。リスペクトをしているんですけども。その中でもやっぱり強くいなきゃいけないなっていうか。ビビんないで、ペコペコするんじゃなくて、頑張って立ち向かおうかな、なんて生意気なことを言ってるんですけど。

(渡辺志保)でもジュンさんのそういう反体制イズムというか反骨精神みたいなものってなにがきっかけで培われたんだろう?って。

(JUN INAGAWA)もともと反骨だったんですけど。なんでもかんでも、流行っているものとか絶対に……トレンドとか、僕はすっごい嫌いで。人が着ている服とかあんまり着たくないとかもともとあったんですけども。それで、僕の友達のノリくんっていう。僕の叔父の友達なんですけど、ノリくんっていう人がパンクが好きで。

「とりあえずこれを聞いて食らってみろ」って言われて、もう『God Save The Queen』だったり、デッド・ケネディーズだったり。あと、日本のバンドだとマッド・カプセル・マーケッツとか。なんだろう? 反社会的な音楽を……悪影響だなとも思ったんですけど。それがなんか裏目に出て、僕にすごいモチベーションになったというか。

(渡辺志保)そうかそうか。でも、本当にすごい話だよね。

反骨精神はめちゃくちゃ怖い

(JUN INAGAWA)でも、怖いっすよ。反骨精神ってめっちゃくちゃ怖くて。やっぱりインスタとかにも「アナーキー」とか「こいつら、ぶっ殺すぞ!」とかって言うのも怖いんですけども。たぶん絶対に当時のセックス・ピストルズのメンバーとかもビビッてやっていますから。ミュージックビデオとかもたぶん、超ビビッて撮っていたと思うんですよ。たぶん、それをビビッていない風に見せる彼らはマジでイカれてます。

(渡辺志保)そうね。だからこそ、クールだしカリズマティックな存在になったのかなとも思いますけども。

(JUN INAGAWA)だから反骨精神を持つのはいいことですけど、めちゃくちゃビビります(笑)。

(渡辺志保)そうだよ。私だってそんなビビッてできないことだらけですから。そこを、やっぱりジュンさんみたいな若い子が先陣をきってアティチュードとして示してくれることに関しては、非常に頼もしいなと思うし。ここで1曲、せっかくなんで。この番組も音楽をかけてナンボっていう感じがするので。今日はJUN INAGAWAさんにご自身の好きな曲を2曲、選んでいただきまして。ちょっと1曲ずつかけようかなと思うんですけども。まず1曲目はなんにしましょうか?

(JUN INAGAWA)1曲目は思い入れのある曲でパブリック・エナミーの『Fight The Power』っていう。あの「権力と戦う」っていう、もうタイトルから僕が大好きな感じなんですけど。歌詞、英語なんですけど是非あの全部を日本語訳で見てみてほしいぐらい僕は好きなので。是非聞いてみてください。

(渡辺志保)ありがとうございます。ちょっとさ、野暮な質問だけど。これとかだってさ、ジュンさんが生まれる前の曲じゃないですか。どうやって聞いたの?

(JUN INAGAWA)これもノリさんの影響で。「パブリック・エナミー、聞いてみれば?」って。ポスターとかももらっていて。それで「聞いてみる」って聞いたら、かっこいいなって思ったんで。

(渡辺志保)ああ、そうなのね。だってまさにヤナタケさんの青春ソングじゃない?

(DJ YANATAKE)僕は高校1年生の時にアメリカで『ドゥ・ザ・ライト・シング』っていう、この曲が主題歌だったスパイク・リー監督の映画を見に行って。英語もわからずに見に行ったんだけど。オープニングでこれがガーン!って流れてきて「うわっ!」って思って。そのまま映画館の帰りにレコード屋さんに行ったんだけど。いま思えば、たぶん客は全員黒人だったし。よくそんなところに高1の日本人の英語も喋れないのが行ったなっていうね。

(JUN INAGAWA)すごいっすね!

(DJ YANATAKE)でもその衝撃を持って日本に帰ってきて、よりヒップホップにハマッたきっかけになった曲なんで。

(渡辺志保)そうか。だからね、本当に世代は変われど、やっぱりすごいインパクトを残す名曲っていうことですよね。

(JUN INAGAWA)そうですよね。最初は歌詞、わかんなかったんですけども。『Fight The Power』ってタイトルがかっこいいと思って。もうジャケ買いみたいな感じで。ぜひ、聞いてみてください。

(渡辺志保)わかるわー。じゃあ、ジュンさんから曲紹介をお願いします。

(JUN INAGAWA)はい。パブリック・エナミーで『Fight The Power』。

Public Enemy『Fight The Power』

(渡辺志保)はい。いまお届けしましたのはPublic Enemy No.1! 『Fight The Power』をお届けしております。

(DJ YANATAKE)いやー、面白い。いま、オフエアーで話を聞いていても。

(渡辺志保)本当だよね。だってその19歳のジュンさんと40ナンボのヤナタケさん。そして30半ばの私がこう……。

(DJ YANATAKE)なんかつながった瞬間が(笑)。

(渡辺志保)シンクロニシティが生まれたみたいなの、ありますね。でもそういうさ、反体制とかアナーキズム的なことがご自身の作品のコアにあるっていう感じですか?

(JUN INAGAWA)そうですね。パブリック・エナミーもそうだし、ピストルズもそうだし、デッド・ケネディーズもそうだし。あとは忌野清志郎さん。タイマーズ。

(DJ YANATAKE)うん!

(渡辺志保)唸りが出ました(笑)。

(JUN INAGAWA)それのそのノリさんっていう人から見せてもらったんですけども。「とりあえずこれ、見てみろよ」って言われて見せられたのが、『夜のヒットスタジオ』っすよね。生放送のやつを見せられて。

(DJ YANATAKE)知ってますか? FM東京の話。

(JUN INAGAWA)「FM東京、腐ったラジオ♪」って。あれを生放送でやっちゃう。「なんだ、こいつら!?」と思って。なんで、インスタを見てる人はわかるかな? 僕、ヘルメットとゴーグルとスカーフでいつも武装してるんですけど。あれは別に俺が変人とかじゃあ……まあ、変人なんですけども。あれはタイマーズの忌野清志郎さんのモロなオマージュでやっていて。それの萌えオタクバージョンみたいな。オタクの清志郎になりたかったみたいな。

タイマーズ・忌野清志郎へのオマージュ

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(渡辺志保)ああ、すごい! でもやっぱり、私もそういう……だんだんやっぱり丸くんっていくわけよ。年をとると。その反骨精神とか忘れちゃうから。で、ビビッてものを言えなくなるし。「これ、ちょっとこういう発言をしたら、誰々さんに迷惑がかかるかもな」とか。そこを多少ね、考えてしまうから。だから本当ね、ジュンさんみたいな方にどんどんと突っ走っていってほしいなってちょっと思います。

(JUN INAGAWA)タイマーズはもう本当に当時……いまもあれは衝撃だと思うんですよ。誰が見てもすげえなって思うし。あと、曲調とかは別にパンクとかじゃないんですよね。ちょっとアコースティックもあるし。

(渡辺志保)フォークっぽいね。

(JUN INAGAWA)そうなんですよ。歌詞がめっちゃパンクなんですよ。だから……。

(渡辺志保)バンドの名前からしてね、タイマーズ。

(JUN INAGAWA)僕的に、ピストルズとかデッケネよりもタイマーズがいちばんパンクだと思っていて。

(渡辺志保)おお、すげえ! そうか。で、まあ個展の話にちょっと戻りますけども。その個展の中でも中心にいるのは「アナーキーちゃん」っていうね。ご自身が作った……。

(JUN INAGAWA)はい。魔法少女アナーキーちゃんです。

(渡辺志保)さっきもちょっと話していたんだけど、魔法少女とアナーキズムを組み合わせるのがパンクっていうか、ヤベえ!っていう。

魔法少女アナーキーちゃん

(JUN INAGAWA)魔法少女……『セーラームーン』とか『魔法少女まどか☆マギカ』とかって正当化されたというか、反骨精神がないっていうか。でも、俺は思っていて。絶対にセーラームーンとかああいう風にキャピキャピしているけど、裏では絶対に「チッ、やりたくねえな」とか思っているはずなんですよ。勝手な想像なんですけども。絶対に、萌え萌えしているけど裏では……だからオフの魔法少女を書きたかったんですよ。

(渡辺志保)そうかそうか。そういうテーマだったんだ。

(JUN INAGAWA)人の前ではキャピキャピしているかわいい……僕、『セーラームーン』も『まどか☆マギカ』も大好きなんですけども、その裏を描きたかったから魔法少女アナーキーちゃんを作ったんで。魔法少女アナーキーちゃん、全然マリファナも吸うし。全然、やりたい放題やっちゃっているんで。僕の分身みたいな子なんて。

(渡辺志保)その個展の中にもさ、いわゆるメガネをかけたザ・オタクみたいな男の子も出てくるじゃないですか。あちらはどちらかというとジュンさんの分身みたいな感じなんですか?

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16歳

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(JUN INAGAWA)そうですね。一応、あいつが主人公なんですけど。あれは僕の分身で、オタクを代表する子。僕のオタク・アナーキズムを代表するキャラで。そいつがアナーキーちゃんを作ったっていう設定なんですよ。一応。で、アナーキーちゃんはもういろいろと考えた上でツインテール・赤髪。まるで初音ミクみたいな。ザ・わかりやすいアニメキャラなんで。別にオリジナリティーとかは全然ないんですけど。

ただただ僕の分身だと思って、みんなかわいがって……僕の萌えの頂点なんですよ。赤髪が好き。ツインテール好き。で、ツンデレキャラなんで。ちょっと照れるのもあるけど、普段はずっと怒ってるみたいな、そういうキャラが好きだっんで。どっちかって言うとドS系な。僕の萌えの何百、何千とアニメを見てきた中の萌えの頂点が魔法少女アナーキーちゃんです。

(渡辺志保)そうなんですか。じゃあそういったものが全て、自分のDNAというかエッセンスが組み込まれている。

(JUN INAGAWA)そうっすね。僕の血が流れているんで。アナーキーちゃんには。僕が言えなかったこと、言いたいことを彼女が言ってくれます。イラストで。だからヒップホップとかラッパーとか、自分の貧富の差とかいじめられてきたこととか、言いたいことをラップにするじゃないですか。どんなアーティストもそうで、自分のストレスとか言いたいことを全部曲とかに表現できるのがすごいかっこいいなって思っていたんで。僕もストレスとかがもしたまったら、絵にぶつけたいと思っていて。代わりに言ってくれるのがアナーキーちゃんだと思っているので。

(渡辺志保)ああ、そうかそうか。

<書き起こしおわり>

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