SKY-HIとSAKIKO 韓国ヒップホップを語る

SKY-HIとSAKIKO 韓国ヒップホップを語る J-WAVE

Webマガジン『BLOOMINT MUSIC』運営者のSAKIKOさんがJ-WAVE『IMASIA』に出演。SKY-HIさんと韓国ヒップホップについて話していました。

(SKY-HI)J-WAVE『Across the Sky』をお聞きの皆さん、おはようございます。『IMASIA』、ラッパーのSKY-HIです。このコーナーはね、ラッパーである僕、SKY-HIがヒップホップを中心とした音楽を通して世界、そしてアジアの国々のいろんなカルチャーとか価値観に迫っていく。というか、逆を通してもね、いまのアジアの勢いとかカルチャーを語る上でヒップホップとかラップミュージックが欠かせないということで、そこに焦点を当てずっとやって行こうという。

4月から始まってもう何回目ですけど、前回までちょうどアジア旋風をね、全世界的に巻き起こした88risingの話をずっとしていたんですけども。やっぱりそういうホットなところから話をしていこうと。改めていま、アジアのラップミュージックで何が熱いかっていうとやっぱり韓国のヒップホップがものすごいことになっているっていう話を改めてしたいのですけども……。

今日はちょっと様相が違くて。韓国のヒップホップの話を僕は聞き手に回り、もっと韓国のヒップホップのもう生き字引。もう広辞苑みたいな人を呼んで、僕はその広辞苑を読もうという回に今週と来週はしようということで。韓国のヒップアップ、R&Bを中心としたWebマガジン『BLOOMINT MUSIC』運営者のSAKIKOさんに来ていただきました。よろしくお願いします!

(SAKIKO)よろしくお願いします!

(SKY-HI)きっとご謙遜もなさらないと思いますけど、日本でいちばん韓国のヒップホップを理解されて精通しているっていう。これはもう確実だと思いますので。

(SAKIKO)フフフ、そうですね。謙遜はしません。はい。

(SKY-HI)そこでもうね……もう本当に、本当にすごいんですよ。で、これ、ジングルもね、結構ちょこちょこラジオの感想を見てるとあるんですよ。「ジングルがイケてるみ」たいな。ジングルもまさに韓国のレーベル・Hi-LiteのビートメイカーのYosiに。僕が『Doppelganger』っていう自分の曲のビートもそのYosiなんですけど。彼にお願いして作ってもらったジングルだったりします。その時もやっぱりSAKIKOさんがばっちりと……。

(SAKIKO)そうですね。『Doppelganger』の時はつないでました。

(SKY-HI)まあ、そういう意味で韓国の話、韓国のヒップホップの盛り上がりとかね……チャートの上位をヒップホップ、ラップミュージックが独占しているっていう。

(SAKIKO)そうなんですよね。これ、日本だと考えられないと思うんですけど。でも結構日本以外の世界では、その88risingもそうですけど、アジアも含めてヒップホップがいま来てるじゃないですか。で、韓国もやっぱりそうなんですけど。韓国の場合は特にテレビ番組でラップバトル番組みたいなのが人気なんですけど。それが盛り上がってる時期になると、もうチャートのトップテンはほぼ全曲がヒップホップになっちゃうっていうくらい。

(SKY-HI)『Show Me The Money』という番組。

大人気ラップバトル番組『Show Me The Money』

(SAKIKO)はい。そうです。というぐらい、人気で。あとはもうなんか街中歩いてても、もうヒップホップばっかりかかってるっていう感じですね。

(SKY-HI)そうですよね。韓国のヒップホップって本当に並べて聞いてても、「ここまで行くと好みだよね」みたいな。その優劣はつけられないっていうか。USのラッパーとスキルで言っても、そのフロウ、アティチュードで言っても変わらない。「好みで言ったらこっちの方が好き」って言う人がもっといてもおかしくないくらいの音楽性の高さとか。あとは日本人にも好きな人が多い理由の1個で、メロのね、感じとかも。

(SAKIKO)そうそうそうそう。なんかやっぱり結構大衆向けに作られてる曲が多くて。いわゆるヒップホップをよく知らない人が「ヒップホップ」っていう風に聞いた時に想像する感じ、あるじゃないですか。

(SKY-HI)日本でずっとあるね。

(SAKIKO)あの感じよりは、もっとポップで大衆にアピールしやすいようなサウンドが多いっていうのはありますね。

(SKY-HI)ちょっとじゃあもう話をいろいろしちゃったし。曲に1回、行きますか。

(SAKIKO)行きましょうか。

(SKY-HI)それでそれを踏まえてまた、いろいろとお話ができたらなと。韓国ヒップホップのいまを象徴するナンバーっていうね、この非常にもハードルが高い。こんだけ精通してる中で、何をチョイスされたんでしょうか?}

(SAKIKO)『flex』という曲なんですけど。これ、まさにいまの韓国のヒップホップを象徴している曲。なぜかというと、さっき言った『Show Me The Money』っていうラップ番組出身者・出演者なんで。やっぱりテレビに出て人気が上がった。知名度が上がったっていうのがまずあるんですね。その人たちの曲であるということと、あといま韓国ってYouTubeのコンテンツがすごく重要で。日本もそうなってきてますけど。で、YouTubeのコンテンツ制作会社でdingoっていうところがあるんですけど。そこからいろいろ映像を出すともう絶対に当たるっていうくらい信頼性があるという。

(SKY-HI)またまた、そんなー! すごいっすね!

(SAKIKO)で、この曲はそこから出したんですね。だから、『Show Me The Money』での知名度もあったし、YouTubeコンテンツで有名なそのdingoから出したっていう相乗効果で、これ去年の夏に出た曲なんですけども、すでに再生回数が2000万回を超えていて。

(SKY-HI)すごい! 美味しいごはんに美味しい焼き肉かけたら美味しい牛丼ができたみたいな話ですね。

(SAKIKO)そうそうそう! で、このコンテンツ会社がやるのが、曲を出すだけじゃなくて、その後にメイキングとか密着とか、そういうシリーズを出すんですよ。で、そっちがまたすごく当たって。そっちはもう合計で6000万回以上再生されているっていう。もうちょっと尋常じゃない……。

(SKY-HI)おおーっ! すごいですね! ちょうどメイキングとかを楽曲と合わせて公開していくっていう『FLOATIN’LAB』っていう企画をずっとやってたんですけど、なかなかね、日本のヒップホップが思いっきり日の目を浴びるっていうのは、またちょっと難しいなと思ってたんですけど。そんなことになってるんですね!

(SAKIKO)そんなことになっているという(笑)。

(SKY-HI)これね、悔しい思いをして押し殺して、唇をかみながら聞かせていただきたいかなと思います。じゃあ曲紹介をお願いします。

(SAKIKO)GIRIBOY、Kid Milli、NO:EL、Swingsで『flex』。

GIRIBOY, Kid Milli, NO:EL&Swings『flex』

(SKY-HI)さあ、お送りしたのはGIRIBOY、Kid Milli、NO:EL、Swingsで『flex』でした。いいっすね!

(SAKIKO)でも結構韓国のラップとかヒップホップってすごく多様性があって。結構サウンドに縛りがなかったりするんですよ。だからなんか音楽だけで見たら結構全部別ジャンルに振り分けられそうなぐらい、ジャズだったりロックだったりファンクだったり……もうゴリゴリのヒップホップもあるし。なんか、自由度は高いんですよね。

(SKY-HI)それこそね、Sik-Kが思いっきりロックの曲をリードでビデオを出したりとか。ジェイ・パークなんていまだによくディスコの曲とか出すじゃないですか。超歌ってるみたいな。

(SAKIKO)そうですね。

(SKY-HI)あれとかの自由度の高さみたいなのでね、ちょっと顧みましたね。「そうじゃん!」みたいな。ジェイ・パーク、もともとはアイドルなんですよね?

(SAKIKO)そうなんですよ。もともとはアイドルで。これ、よく「ヒップホップアイドル」っていう言葉が韓国独自であるので割と混同されるんですけど。ジェイ・パークは元アイドルで。それでアイドルを辞めたあとにヒップホップに転向したっていう。

(SKY-HI)噂によると、そのアイドル時代に炎上したみたいなのがあったんですけど。なんかそこらへん、どこのアイドルに?

(SAKIKO)2PMっていうグループで。日本でもかなりK-POPブームが最初すごかった頃……少女時代とかあの時代にすごく流行っていたと思うんですけど。2PMのリーダーだったんですよね。で、ジェイ・パーク自体がアメリカ出身で。韓国系アメリカ人。それでアイドルなるために韓国で練習生をやって、2PMでデビューして活動したんですけど……なんていうかやっぱり韓国文化に馴染むのが大変だったっていうのもあって、ちょっとそういうことを愚痴みたいなことを書き込んじゃったんですよね。それがちょっと炎上みたいになって……っていう。

(SKY-HI)でもそれが彼を踏ん切りつけさせたっていうかね。

(SAKIKO)そうですね。それで辞めた後、結構Illionaire Recordsっていうところに入ろうとしたり。「でも君、ビッグすぎるからちょっと僕たちには無理」って断られて。それで別の事務所に入りながらヒップホップの道に……元々子供の頃からB-Boyクルーでダンスとかをやってたので。なのでも自分でヒップホップの道に進んで、いまやもうアイドルだったとは思えないぐらい全身タトゥーの(笑)。

(SKY-HI)そうですね(笑)。上半身裸でステージに出て。本当にラッパーのそれですよね。

(SAKIKO)ラップも上手いし、歌も上手いし、ダンスも上手いし。もうマルチな。

(SKY-HI)そうなんですよ。ジェイ・パークはちょうど同じ世代っていうこともって。俺とSALUとジェイ・パークが同じ世代っていうのを考えると、なんか時系列出てくるかなって。そう。そういう、さっきもちょろっと言ったけど、アイドルがラップするということとか、元アイドルがラッパーになるということがものすごいシームレスになってきているっていうのを本当にね、うらやましくも思うんですけど。

ヒップホップアイドルという文化

(SAKIKO)はい。やっぱりヒップホップアイドルっていう文化もそこに結構絡んでいて。ヒップホップアイドルって、じゃあヒップホップなのか?っていうとそうじゃないんですよね。ヒップホップの要素を取り入れたK-POPアイドルっていう。でも、やっぱり親和性があるんですよ。いまのK-POPアイドルって、ソテジワアイドゥルっていうヒップホップグループから派生してどんどん進展していったというところがあるので。元々、どのグループ見てもK-POPってラップがいるじゃないですか。

(SKY-HI)いるし、複数人いるし。

(SAKIKO)そう。どんな曲にもラップが入ってくるし。だからすごいやっぱりラップが浸透してるっていうのがまずあって。

(SKY-HI)そうなんですよね。だから結構、日本だとアイドルのラップは間奏に入るものなので(笑)。BIGBANGとかも最初G-DRAGONとかが世界的な人気を博している時に日本に来て。「でもG-DRAGONって歌っている人のオマケでしょ?」みたいなことを言っている日本の人とかがいて。「いやいや、彼が中心ですよ!」っていう(笑)。

(SAKIKO)アハハハハハハッ! むしろね、主役ですからね。

(SKY-HI)そういう、ラップというものがいまだに日本だと下に見られがちだったりね。

(SAKIKO)そうですね。BIGBANGで言うとG-DRAGONともう1人、T.O.Pっていう2人のラッパーがいて。その2人でラップデュオを組んでラップアルバムを出したりとかもあるので。

(SKY-HI)その内容がまたすごいんですよね。やっぱりそうなると、「アイドルはこういうことを歌っちゃいけない」みたいなところとの壁もちょうど崩れて。BTSのメンバーがほら、自分の心の病の話とか、アイドルって見られる自分と本当の自分の乖離みたいなののテンションで。それは彼がヒップホップを聞いてるからだと思うんだけども。そういうテンションでちゃんと自分の心を吐くっていうことが……だからBTSの曲とかってめっちゃ普通にポップスだけど、歌詞を見るとめっちゃいいっていう。

(SAKIKO)そうなんですよ。社会的なこととかを言っていたり。

(SKY-HI)そこらへんはちょっとまた来週もね、いっぱいお話しいただきたいんですけども。SAKIKOさんにはまた来週も来ていただいてね、たくさんお話ししたいなと思います。

(SAKIKO)はい。

<書き起こしおわり>

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