Webマガジン『BLOOMINT MUSIC』運営者のSAKIKOさんがJ-WAVE『IMASIA』に出演。SKY-HIさんと韓国ヒップホップレーベルについて話していました。
(SKY-HI)おはようございます。『IMASIA』、ラッパーのSKY-HIです。このコーナーはラッパーである僕、SKY-HIがヒップホップを中心とした音楽を通して、いまラップミュージックが本当にアジアでものすごい勢いであるというか。アジアのものすごい勢いを象徴しているのがラップミュージックであるということで。そこのカルチャーとか価値観とか現在に焦点を当てて話をしていこうという。で、今回は前回に引き続き、いまアジアで最も盛り上がっているところって言ったら、もう韓国のラップミュージックシーンを語らずに進めるわけにはいかないということで。韓国のヒップホップ・R&Bを中心としたWEBマガジン『BLOOMINT MUSIC』運営者のSAKIKOさんに来てもらっています。よろしくお願いします。
(SAKIKO)よろしくお願いします。
(SKY-HI)今日はね、ヒップホップレーベルの話をしていこうと。韓国は本当にヒップホップレーベル自体が盛り上がっていて。ビルが建ったりね(笑)。
(SAKIKO)そうなんですよね(笑)。
(SKY-HI)本当にすごいんですよ。なので、今日は3つ、レーベルを紹介したいなと思っているんですけども。じゃあ、生き字引のSAKIKOさん、まずはどのレーベルでしょうか?
(SAKIKO)まずはAOMGです。
AOMG
(SAKIKO)AOMGはジェイ・パークっていう韓国系アメリカ人のスーパースターがいて。彼が設立したレーベルなんですよね。
(SKY-HI)ジェイ・パーク。元アイドル(2PM)のね。
(SAKIKO)そうそう。元2PMでいまはヒップホップミュージシャンなんですけども。
(SKY-HI)なんかAOMGの特徴っていうと、なんなんでしょうね? とにかくジェイ・パークが目立つ?
(SAKIKO)そう。やっぱり「ジェイ・パークのレーベル」っていうのがまずあって。でもAOMGは特徴的に言うと、メインストリームに向けた聞きやすい音楽を作っているっていうところが大きいですね。
(SKY-HI)たしかに。結構この曲とかもそうですけど、ディスコとか4つ打ちとかのものが入るけど、嫌味というか臭みというか、そういうのは一切ないですよね。すごい洗練されている。
(SAKIKO)あと、芸能活動も結構積極的にやられている人たちなんで。
(SKY-HI)ああ、そうなんですか? どういう?
(SAKIKO)バラエティーに出たりとかしているので、本当に一般大衆に向けた聞きやすいヒップホップを、でもクオリティーは本当に高くて。で、メジャーのファンもアンダーグラウンドのファンもその両方から支持をされている、そういうレーベルですね。
(SKY-HI)一時期、それこそジェイ・パークはアイドルとしても居場所がなくなって。かといってヒップホップ側からすると「いやいや、ちょっと元アイドルでしょう?」みたいな時期があったことを考えると、もう僕は胸が熱くなる思いなんですけども。
(SAKIKO)いまはもう完全に突き抜けていますからね。
(SKY-HI)そんなジェイ・パークが加入を打診したけど、入れなかったのが……?
(SAKIKO)それが2つ目に紹介したいイリオネア・レコーズです。
1LLIONAIRE RECORDS
(SAKIKO)そう。ジェイ・パークがアイドルを辞めた後に「入りたい」ってイリオネア・レコーズを運営しているドキ(Dok2)とクワイエットっていう2人のラッパーに言ったんですけど、「僕たちには君はちょっとビッグすぎる。荷が重い。そんなにコストをかけてミュージックビデオも作ってあげられないし……」みたいなことを言って。
(SKY-HI)結構アンダーグラウンド志向だったりしたんですかね?
(SAKIKO)そうですね。さっきのAOMGの音楽性がメインストリーム向けっていう話とは反対で、サウスのヒップホップ……トラップとかそういう、いわゆる本格的な方でやっていたので。どっちかっていうとアンダーグラウンド志向ですかね。
(SKY-HI)そうですね。ドキは僕、最初に知ったのは日本のラッパーのSEEDAがフィーチャリングで呼んだので知って。「うおっ、めちゃくちゃラップ上手いな!」って思って気になっていたんですけども。
(SAKIKO)はい。
(SKY-HI)だから結構内容とかもコンシャスだったりして。
(SAKIKO)あとドキは結構特殊なバックグラウンドを持っている人で。韓国人とフィリピン人とスペイン人のミックスなんですけど。子供の時に親が事業を失敗して苦労をして。それでトレイラーボックスの中で育ったみたいなところがあって。それで12歳でラッパーのプロデビューするんですよ。で、そこからすごくサクセスストーリーがあって。ギャグみたいなぐらい儲かっていて。
(SKY-HI)フハハハハハハッ!
(SAKIKO)もうロールスロイスとかベントレーとか乗り回していて。最近、ホテル事業も始めたんですよ(笑)。釜山で。
(SKY-HI)あ、それこそSAKIKOさんの本を読んだら「ビジネスセンスがすごく高い」って。
(SAKIKO)そうなんですよ。だからピザ屋もやっているし。そういうところもでもヒップホップな感じで。
(SKY-HI)たしかに。P-Diddyとかね、本当にそういう感じですよ。
(SAKIKO)Jay-Zとかね。
(SKY-HI)いや、本当にそんなね、成熟の仕方をしているレーベルの中で、次。今日最後に紹介していただくレーベルはどちらでしょうか?
(SAKIKO)ハイライト・レコーズです。
Hi-Lite Records
(SAKIKO)これはもうね、SKY-HIさんおなじみの……。
(SKY-HI)そうですね。気がついたら友達が増えました。ありがとうございます。
(SAKIKO)もうハイライト・ジャパンのメンバーぐらいの(笑)。
(SKY-HI)フフフ(笑)。あるとしたらね。でも本当にハイライト・レコーズ……あと、あれですね。AOMGはジェイ・パーク、イリオネアはドキとザ・クワイエットとか。まあアーティスト主催っていうのがありますけども。ハイライトはパロアルト?
(SAKIKO)そうですね。パロアルトさんというラッパーが2010年に立ち上げたレーベルで。これ、いま現存しているラッパーがやっているヒップホップレーベルではいちばん古いレーベルになりますね。
(SKY-HI)すごいですね。まあ実際、ハイライト・ポッセカットみたいにね、みんなラッパーが参加しているのを聞くと、キャラが違ってめちゃくちゃ面白いんですよね。フロウもそうだし、動画には字幕がついているからその内容を見たりすると、主張が全然違うっていう(笑)。
(SAKIKO)それはまさにハイライトが目指しているところで。なんかやっぱりレーベルカラーを出すよりもアーティスト1人1人の自主性とかカラーを大事にしていくっていうのがあって。それでいて、ポッセカットもやり、「でも俺たち、ハイライト」っていう、そういうのを見せていくみたいな。
(SKY-HI)すごいダイバーシティなんですよ。ものすごい(笑)。だから本当に楽しい曲がいっぱいなんですけども。今日はなんと、そのパロアルトに電話がつながっているということで。
(SAKIKO)おおーっ!
Paloalto・電話インタビュー
(SKY-HI)すごい! そしてここからは韓国語通訳をルーテのピョンチャンさんに担当していただきます。ちょっとパロアルトのいるソウルに電話がつながっています。パロアルト、アニョハセヨ!
(Paloalto)Yeah! What’s up? こんにちは!
(SKY-HI)What’up! こんにちは!
(SAKIKO)アニョハセヨ!
(Paloalto)アニョハセヨ。This is Paloalto from Hi-Lite Records.
(SKY-HI)Congratulations, 9th anniversary. 9周年、おめでとう!
(SAKIKO)おめでとう!
(Paloalto)Thank you, Thank you. ありがとうございます!
(SKY-HI)フフフ、日本語が上手になっている(笑)。
(Paloalto・通訳)フフフ、できる言葉はこれしかないです(笑)。
(SKY-HI)レーベルが発足した時の韓国のヒップホップの状況といま、パロアルトが活動している状況ってどのぐらい変わったかとか、当時の状況とか、ちょっと聞かせてもらえたら……。
(Paloalto・通訳)やっぱりラップやヒップホップ自体がすごく人気になってきて。ラップをする若い世代というのが生まれてきて。特に10代の子たちとかがラップをしたがったり、ヒップホップを好きになってくれたりっていう世代になってきているんですね。で、僕がやっぱりはじめてラップを始める時の10代っていうのは、周りにあんまりそういうのを共有できるような、ヒップホップが好きな人とかラップに興味を持っている友達っていうのが少なかったので。
(SKY-HI)俺と一緒だ(笑)。
(Paloalto・通訳)そういう傾向に変わりつつあるこういう時代っていうのが僕にとってうれしいことですし。ラップを愛する人としても、ラップを仕事としてやっている人としてもこれはうれしい現象ですね。
(SKY-HI)実際に本当に日本から見ていても調子がよさそうに見えるし。パロアルトはレーベルオーナーとしてもそうだけど、アーティストとしてもね、日本に来た時にライブを見せてもらったけども、すごい……すごいImpressed. それが最高に感動して。アーティストとしてもレーベルオーナーとしても、次にどんなことをするんだろう?って。いまは同じラッパーというよりは1リスナー、1ファンとして聞きたいんだけども。さらに広げて世界中で……っていう展望なんかがあったら聞かせてください。
(Paloalto・通訳)LAとかに行ったりしたのもそうなんですけども、行ったついでにラスベガスとかネバダ、LAとかでも公演、ライブをしたんですね。それ以外にもハイライトのみんなで中国の北京とか、いろんな都市を回ったりとか。パロアルトだけじゃなくてハイライトのみんなが海外での活動っていうのを機会があるたびにやっていて。こんな感じで、私たちが何か宣伝をしたり、計画を練って何かをするっていうよりも、自然とそういういい機会に恵まれてきて。
たとえばSAKIKOさんに出会って日本での活動ができたり、SKY-HIさんと一緒にライブができたりっていうのもすごく計画的にやろうと思ったのではなく、流れといい音楽っていうところでそういう機会が集まってきたというところがあるんですね。なので、僕らは今後も世界的な公演とかライブがあったらぜひやりたいとも思っているんですけども。「計画的に進出しましょう!」っていうよりは、常に自分たちがやりたい音楽をやり続けていると、またいい機会にめぐりあえて、世界的な活動ができるんじゃないかっていう風に思っています。
(SKY-HI)いやー、最高。Great! Let’s hang out with me again, soon. Thank you, Paloalto.
(SAKIKO)カムサハムニダ。
(SKY-HI)カムサハムニダ!
(Paloalto)Thank you, thank you for inviting me. Thank you.
(SKY-HI)Yes, Yes!
(Paloalto)さよなら!
(SAKIKO・SKY-HI)さよなら!
(Paloalto)Bye!
(SKY-HI)さあ、2週に渡って韓国のヒップホップ事情を紹介していただきましたし。パロさんにも、ねえ。楽しかったな。でもSAKIKOさんはね、『BLOOMINT MUSIC』っていうWEBサイトで最新の韓国ヒップホップ、ラップミュージックをたっぷり紹介されているので、『BLOOMINT MUSIC』をチェックしていただければなと思います。
(SAKIKO)お願いします!
(SKY-HI)2週に渡ってSAKIKOさん、ありがとうございました。
(SAKIKO)ありがとうございました!
<書き起こしおわり>