(小袋成彬)前半で「イギリスに移住します」ということと、「なんでイギリスに行くの?」っていう話をさせていただきましたが。まあちょっとね、同じく「海外に出たいな」って思っている人もいるでしょうから。僕がビザを取得するまでの道のりを軽く話そうかなと思います。僕が取ったのは就労ビザの一種で、自分が会社をやってるが故に取れたビザなんですけど。ビザってね、やっぱり取るの結構大変なんですよ。難しいとかじゃなくて、ただただ面倒くさいっていう。
何を用意しなきゃいけないかっていうと、まあ会社の場合だと登記簿謄本とか、公証役場の公証を受けた労務契約書、定款、決算書、銀行の残高証明。あとはビジネスプラン。ファイナンシャルの見立ても立てなきゃいけなくて。まあエクセルで表を作って。っていうのを全部英語で用意しなきゃいけないという。まあ、日本語であるものは翻訳会社に翻訳を頼むんですけど、英語で全部準備しなきゃいけないですよ。
でも僕、そのさっき言ってた10月の東南アジア旅行中に「行かなきゃ!」って決めて、ジャカルタのホテルで僕、エージェントに電話して。「これを用意してください」って言われて、「いますぐ行かなきゃ!」って思っていたんでその場ですぐ行動したんですけど。だからね、法人格を必要とする就労ビザって結構1人でやるのは大変だなっていうのはありました。だから僕もエージェントを使いました。
エージェントが何をしてくれるかっていうと、僕からヒアリングをしてアンケートを取って。ビジネスプランを作るのをサポートしてくれたりとか。あとは必要書類をチェックしてくれたりとか、そういうサポートをしてもらいました。でね、いちばんダルかったのがね、英語のテスト。これがマジでダルくて。英語は僕、そんなに上手くないというか、喋らないんで。高校英語で止まってるんですよ。っていうか高校も立教のエスカレーターだったから。そんな大してちゃんとやってないんですよ。洋楽を聞いてたからまだ脳があったかもしれないけど、英語力で言えばマジでダメダメなんで。
で、もうそれに受からないとそもそも取得できませんから。だからね、朝4時ぐらいまで毎日、三宿のジョナサンでずっとモゴモゴ言いながら英語の勉強をしてました。マジで3、4時間ぐらい、仕事終わってから本当にずっとやってて。そういう英語テストもあります。しかもね、受けた英語のテストが結構団体違いで。受けて証明書を貰ったら「違います」って言われて、また1ヶ月後のテストを予約しなきゃいけないっていう。本当はね、もう今年の初めには行ってる予定だったんですけど。結局そういう……あとは翻訳書類が揃ってなかったりとか、いろんな問題があってこんな時期になっちゃったんですが。そんぐらい大変でした(笑)。
結局、エージェントフィーとか翻訳会社への代金とか、あと申請のお金。ビザ申請のお金でトータルで200万円ぐらいかかってると思います。200万円行くか行かないかぐらいですね。たぶん180から190ぐらい……いや、200行ってるかな? 機会費用とかも考えたら200は行っているから200にしましょう(笑)。そんぐらいかかってます。結構、かかります。これはまあ就労ビザなんで、もちろんワーホリとか、あとは学生ビザはこんなに高くはないですけど、こんぐらい僕は本気でやったということですね。で、ですね、向こうで何をやるかっていうと、いちばん大きなメインはレーベルを復活します。TOKYO RECORDINGSを名を新たにして向こうでレーベルをやろうと思います。
実は東南アジア旅行のもうひとつの目的がジャカルタに住んでるpxzvcくんっていうトラックメイカーに会うことだったんすね。彼、すごくまだ21とか22で、すごく若いんですけども。非常に有能なトラックメーカーで、インスタを介してつながって。わざわざジャカルタまで会いに行ったんすよ。で、彼のとの出会いと、あとは同時にジャカルタで移住を決意しましたから、その決意。その二つが同時に起こったから、イギリスでレーベルをやろうっていう見立て、絵が頭に思い浮かんで。それをビザのエージェントに電話して。いつ取れそうとか、お金がどれくらいかかるとか、いろんなものを計算して。
1日でいまのこの絵を描いたんですね。ジャカルタのホテルの中で。まあ、そういうことです。だから彼を第一弾として向こうでレーベルを開始します。で、TOKYO RECORDINGSは日本ではクリエイティブ会社、制作会社ですね。言ってしまえば。として機能して、レーベル機能をイギリスに移して僕がガンガン頑張るという運びになってます。で、実はもうひとつ、成し遂げたことがあって。あの英国、イギリス拠点のディストリビューターでコバルトっていう会社があって。そこで取引開始しました。
コバルトミュージックと取引開始
どういう会社かっていうと、そもそもデジタルディストリビューターって何だ?っていう話なんだけど。各種サブスクリプションサービス……Apple MusicとかSpotify、TIDAL、いろんなもの含めて、そういうプラットフォームに自分の音源をあげる手伝い。あげてくれて、しかもたとえばSpotifyのプレイリストにプッシュしてくれるとか、そういうデジタル系のプロモーションをしてくれる会社があるんですよ。書籍で言う取次に近い会社ですね。だから20%、取っていくんですけど(笑)。デジタルなのに結構取っていきますけど。すごく有能だと。で、コバルトってたとえばやってスクリレックス、トロ・イ・モア、ムウ、THE 1975も使ってます。
Kobalt changed the rules of the music industry using data – and saved it https://t.co/EW6yECIQFt
— みやーんZZ (@miyearnzz) 2019年2月23日
あとはこの前俺、一緒にライブをやったジャングル。あとはナイン・インチ・ネイルズとか、結構そうそうたるメンバーが契約をしてる会社なんですけど。そこに僕、pxzvcくんをプレゼンして。まあ僕が行ったわけじゃなくて僕のスタッフが行ったんですけど、副社長が直々に会ってくれて。たぶんアジアのレーベルで初めて取引を開始する会社になりそうです。僕は。まあ、アジアの会社ではないんですけどね。英国の会社なんですけど、アジアルーツでっていういことでコバルトとの契約を取り付けました。
ということで、それも成し遂げたことのひとつなんですよ。で、僕らの強みは現状、アジアのネットワークっていうのがありますから、そこを評価してもらったという部分もあって。まあ日本でもね、トラフィックを取れればね、コバルトミュージックの中でも「おお、ここのレーベルは日本で数字取れるな」という評価にも繋がりますから。まあ日本の活動もおろそかにするつもりは全くないんですけど。
ただちょっと呼びかけたいなと思うのは、本気で世界でやりたいなと思うアーティストがいたら、是非僕のレーベルでなんかやりましょう。かっこよければ何でもいいんで。インスタで連絡くれれば、音源とか送ってくれれば、ちゃんと聞いて返事しますので。本気で世界でやりたい人がいたら、是非連絡してください。たぶんイギリスでやる唯一の突破口ぐらいな気持ちで。僕の会社自身がね。なので、よろしくお願いします。はい。
あと、それは会社としてなんですけど、個人的な活動としてはちょっとプロデューサー業にもう1回、戻ろうかなと。向こうのラッパーと連絡を取り合ってどんどん音源、トラックを提供して。まあ、つってもいまんところは当てが全く無いんですけど。いま、たぶん移住して1週間経っているでしょうから友達の2、3人はできていると思いますので。まあこんなもんは気合いですよ(笑)。
音楽はね、死ぬまで続けるんで。なんかしらの作品は作り続けると思いますよ。後はまあ、ちょっといま小説をずっと書いていて。3ヶ月ぐらい、ひたすら書き溜めてるものがあって。それを完成させたいっていうのがひとつあるのと、あとは音楽以外に絵を描いたりとか、いろんな自己表現を追求したいな、鍛錬したいなという気持ちでございます。もちろんね、TOKYO RECORDINGSの仕事もイギリスにいながらやりますので、是非これを聞いている広告関係者の方は速攻でメール下さい。どんどん仕事やるんで(笑)。
俺、お金ないからね、いま(笑)。結構使っちゃったからさ。移住のフィーでさ。是非連絡ください。アーティストと広告関係者のみなさま。よろしくお願いします。まあね、後はね、向こうで一応3年まで住めるんですよ。3年間住めて、プラス2年で合計5年。で、5年住んだら永住権なんで、ちょっと永住権取得を目指して向こうで身を粉にして働こうかなと思うんですが……その永住権を取るまでに、これは芸術家としてではなく1人のビジネスマンとして、マーキュリー賞とか取りたいなってすごい思うんですよ。
自分の音源では取りたくないですけどね。そういうものを目指して作ってるわけじゃないですけど、人に提供するものだったら俺、なんか一丁やってやりたいなって思うんで。ちょっとグラミー賞はあまり興味がないから、マーキュリー賞とか取りたいですね。プロデューサーとかね、なんかのクレジットで載れるように。ちょっとそんぐらいの夢を持って行きたいなと思います。まあまあ、頑張りますわ(笑)。何が言いたいかっていうと、夢を持って明るい未来を描きながら移住をしているということですね。はい。ちょっと曲紹介します。レディへの『House of Cards』を聞きましょう(笑)。
Radiohead『House of Cards』
最後にですね、移住に関して「あいつはパトロンがいるんじゃないか?」とか、あと「メジャーに行って金持ちになったんじゃないか」とかいろいろと言われそうで。まあ、ぶっちゃけどうでもいいんですけど、一応最初から否定しておくと、マジで一文無し、丸腰です。フフフ(笑)。本当にね、シェアハウスの一角でスーツケース一個だけで行くんで。本当にね、ゼロからのスタートなんですよ。
で、パトロンももちろんいないし、友達もほとんどいないし。いま、今朝ね、朝飯食いながら向こうで……就労ビザなんで、売り上げを立てないと強制送還だから、本当にどうしようかなって考えていたんですけど。たとえばね、地元のラッパーにいくらで売ろうとか、いまどれぐらいストックがあるだろうとか。いまの機材でどれぐらいできるだろうとかいろいろと考えてたんですけど。「ダルビッシュからヒット打つのとどっちが難しいかな?」ってずっと考えてたんですよ(笑)。マジで。
でも俺、そんぐらい難しいかもしんないってゾッとし始めちゃって。今朝。だから、本当にそんぐらいゼロからのスタートで、仕事も決まってないんで、変な目で見ないでぜひ応援してくれたらなと思います。応援してほしいです。あと、よく言われるのが「セカンドアルバム、いつ出るの?」って言われんですけど、こればっかりはわかりません。本当に。あと50年ぐらいかかるかもしれないし、明日できるかもしれないんで。まあ、どちらにせよ食いつなぐためにはやらないし、もう1回全身全霊をかけて身を粉にして作り上げようと思うので、気長にお待ちいただければなと思います。
まあ、未完のまま死ぬかもしれないけどね。それそれでいいけど(笑)。後はその、僕は勝手に東南アジアに行って、移住を決めちゃったもんだから、レーベルの人も焦っちゃってて。「えっ、これからじゃないの?」みたいな反応を受けたんですけど……まあ僕が必死に説明をしまして。今日話したことを説明しまして。2年後にどうするか、3年後にどうするかっていうプランもちゃんと説明して、理解をして頂いたので。まあ、ちょっと感謝です。こんなわがままなぺーぺーの新人をイギリスに送り込んでくれるなんて……っていうことですね。この場を借りて皆さんに「ありがとうございます。でも、行ってきます」と伝えたいですね。
あとちなみに『MUSIC HUB』は続けます。続く限り続けます(笑)。こんぐらい変な番組があってもいいじゃないですかね。僕、基本的に表に出るの苦手だから。こんぐらい覆面性があるメディアの方が、なんか自分の心の支えになってるというか。毒を吐くいい毒抜きになっているんで(笑)。実際に向こうに住むと、もっともっと最新の音楽が知れるかもしれないですし。現地の人のインタビューとかもやってみたいですから。
ちょっと来週からは、本当に向こうに移住して、そうロンドン産の……まあ、ロンドンかどうかはわかんないですけど。あ、そうか。俺が住むのはロンドンか。ロンドンの……あそこはロンドンなのかな?(笑)。一応ギリ、ロンドンだな(笑)。ロンドンの空気感をお伝えしようと……まあ正直、伝えるつもりもないな。またやりたい放題やりますわ。このラジオは。まあ、お付き合いいただければなと思っております。
<書き起こし終わり>