吉田豪と後藤まりこ 感情的に生きることの難しさを語る

吉田豪と後藤まりこ トークイベント『友達100人できるかな?』を振り返る SHOWROOM

後藤まりこさんが『猫舌SHOWROOM 豪の部屋』に出演。吉田豪さんと「感情的になると損」というような風潮の中で生きることの難しさについて話していました。

(後藤まりこ)エゴサとかしますよね?

(吉田豪)すごいしますよ。死ぬほどしていますよ。

(後藤まりこ)イヤな気分にならないんですか? エゴサ。

(吉田豪)たぶん本当に褒めの方が8割ぐらいだからダメージにはならないんですよ。

(後藤まりこ)でも、あとの2割は?

(吉田豪)その2割も「本当にそうだな」って思うのはその中の数%で。基本的には「あーあ……」みたいなものが多いからダメージになるわけもなく。「本当にそうだな」は勉強にもなるし。基本、エゴサして損することはなにもないなっていう。

(後藤まりこ)そうか。でもなんかさ、なんて言えばいいんでしょう? 「本当にそうだな」は「もうちょっと痩せたらかっこいいのに」とかは「ああ、そうか」って思うあたり、僕も言われたらそうかもしれへんけども。なんか単純に「あいつ、ムカつく」とか書かれていたらどう思います?

(吉田豪)でもそのぐらいの方が全く響かないですね。

(後藤まりこ)ああ、そうなんや。穏やかですね。

(吉田豪)フフフ、ものすごい穏やかですよ(笑)。怒りは全く無いんで(笑)。

(後藤まりこ)いや、僕のもともと動く原動力っていうのが「怒り」なんですよ。きっと。

(吉田豪)はいはい。デストロイな感情がまず基本で。

(後藤まりこ)ムカつくやつはムカつくんですよ。なんでムカついたらアカンのですか? 世の中的に!

(吉田豪)フハハハハッハハッ!

(後藤まりこ)今日、僕は事前の……吉田さんは知っていると思うけど、念入りなんですよ。準備が。

(吉田豪)1回会ってそれなりに知っているつもりだけど、さらにいろいろと準備をしたんですか?

(後藤まりこ)うん。で、吉田さんに今日、話すことをいっぱい書いてきたんですけども。

(吉田豪)またリストを作って? 本当に真面目な人なんですよね!

(後藤まりこ)そうなんですよ。

(吉田豪)この前も、質問表みたいなのをいっぱい作ってきて。

(後藤まりこ)そうなんですよ。なんでみなさんはムキにならないんですか? 軽くあしらう方がかっこいいとされているんですか? なんで?

(吉田豪)たしかに「感情的になると損」みたいな空気ってあるじゃないですか。

(後藤まりこ)なんでなんですか?

(吉田豪)なんでなんでしょう? 単純に僕はもともと感情的にならないタイプなんですよ。

(後藤まりこ)うん。そういう人もおると思う。でも、なんで世の中の、マイノリティーになっているんですか? 「感情的になったらかっこ悪い」とか、「そんなムキになるなんてダセえ」みたいになんでなるのかが理解できなくて。

(吉田豪)特にツイッター時代だと感情的になりやすい人が挑発されて怒りのスイッチが入って。なにかそれこそアカウントを凍結されたりとか。

(後藤まりこ)「ぶっ殺す」とかで?

(吉田豪)みたいな感じになりやすくて。そういう風に追い込むことを楽しむ人たちも増えているじゃないですか。

(後藤まりこ)性格悪くない?

(吉田豪)悪いですよ。

(後藤まりこ)でもなんでそういう人がさ、「プー、クスクス!」みたいな感じで「勝者!」みたいになるの? やだ!

(吉田豪)嫌ですよね。わかります。僕は単純に感情を出せる人がうらやましいんですよ。

(後藤まりこ)「出せないから」っていうこと?

(吉田豪)僕が基本、こういう温度なんで。

「感情を出せる人がうらやましい」(吉田豪)

(後藤まりこ)でもさ、吉田さんもそんな『まどか☆マギカ』とかなんかいろんな映画とかを見たら泣くでしょう?

(吉田豪)そういうのはありますね。

(後藤まりこ)感情、出せてるやん。

(吉田豪)でも、そういう他の物語とかじゃないと難しいんですよ。そして怒りという原動力があまりないんで。

(後藤まりこ)怒って……みる?

(吉田豪)怒ってみないですよ!(笑)。だから僕、基本パンクなんですけどパンクに向いていないのはデストロイな感情がないことなんですよ。

(後藤まりこ)じゃあいま、ここで通帳を見せたら怒る?

(吉田豪)フハハハハッハハッ! 怒るというか、ただ阻止するだけです(笑)。

(後藤まりこ)ああ、「困る」?

(吉田豪)「困る」アンド「全力で阻止」っていう。カメラ倒したりとかしますよ(笑)。物理的にできないようにするっていう。

(後藤まりこ)そうかー。大人ですね。あ、体が大きいから?

(吉田豪)あんまり関係ないと思いますけども(笑)。後藤さんはだから感情的になって損することがいろいろあるんですよね?

(後藤まりこ)あると思うんですよ。勘違いしたり。だから、ここにも書いているんですけど、「理解できない人がいる」「考え方を理解できない、そういう人との折り合いのつけ方」って書いてあるんですけど、そういう人が世にはいっぱいいるんですよ。

(吉田豪)いるでしょうね。

(後藤まりこ)でも、なんやろう。生きていく上では理解、折り合いをつけていかなきゃ無理なんですけど……。

(吉田豪)「それが大人なんだよ」みたいな感じで言われるけども。

(後藤まりこ)でもムカつくやないですか。

(吉田豪)フハハハハッハハッ!

(後藤まりこ)でもムカついたら、なんかダメみたいな……わからん。ムズい。

(吉田豪)アーティストとしては絶対に正解なはずなんですよ。感情的な方が。間違いなく。

(後藤まりこ)でもね、飲んだら「ムカつく! お前、マジで! オイオイオイッ!」って言えるんやけど、飲まんかったら「いやだ……」って三角座りしているタイプやから……ムカつくんすよ!

(吉田豪)なるほど。言えないから。

(後藤まりこ)うん。ホンマに。なんで、なんで、なんもしてないのにそんなの言われなアカンのかがわかんないんすよ。

(吉田豪)うんうん。すごい気持ちはわかりますよ。たぶんこれを見ている人たちもみんな、気持ちわかっていると思いますよ。

(後藤まりこ)ホンマか……。

(吉田豪)全然後藤さんは孤独じゃないですよ。

(後藤まりこ)いや、でもね、孤独な方がいいんですよ。

(吉田豪)いいんですね(笑)。

(後藤まりこ)なんか結局、死ぬ時は1人なんですよ。だからもう、なんか「みんなつながっている!」とか「1人じゃない!」とか言うけど。

(吉田豪)「仲間だ!」みたいなね。

(後藤まりこ)そうそう。ムカつくんですよ、それも。マジで「なに言ってんねん?」って。

(吉田豪)「なにをわかっているんだ?」って。

(後藤まりこ)そう。なにもわかっていない。マジでムカつくんすよ!

(吉田豪)フフフ、それも(笑)。

(後藤まりこ)うん。ホンマに。(次のストロングゼロを開ける)。

(吉田豪)ペース早いなー(笑)。

<書き起こしおわり>

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