星野源と宇多丸 アルバム『POP VIRUS』を語る

星野源と宇多丸 アルバム『POP VIRUS』を語る ラジオ

(宇多丸)で、ちょっとここでもう1曲、行きたいんですけども。さっき、「どれをかけようか?」って、宇垣さんも「この曲が好き」って言っていた『Get a Feel』という曲を行こうと思うんですけども。

(宇垣美里)すごく好き。

(宇多丸)宇垣さん、この曲はどこが好きですか?

(宇垣美里)なんか本当に優しい……「泣いちゃいそう」って思うぐらい優しくて。なんでしょうね? なんか……わからないですけど、すごいクソみたいな世の中だけど。でも……素敵よねっていう感じがするなって。

(星野源)アハハハハハハッ!

(宇多丸)アルバム全体がね、中指を立てながらもがんばりましょうっていうようなことを言っているけども。

(宇垣美里)なんか、すごくそばにいてくれる優しい感じがするなって思って。私は好きでした。

(星野源)うんうん。

(宇多丸)僕、この『Get a Feel』で「おおう!」って思ったのは、その『YELLOW DANCER』のブラックミュージック meets フュージョンイエローミュージックみたいなところを、ある意味歌詞で言語的に説明しているっていうのが面白いなって思って。これ、つまりブラックミュージック論じゃないですか。『Get a Feel』の歌詞って。

(星野源)ああー、そうか。そうですね。

(宇多丸)えっ、そう思って書いているんじゃないの?

(星野源)いや、なんとなくです(笑)。

(宇多丸)嘘だー! だってさ、「心揺らせ 16に乗って 手を叩け 裏側で」ってさ、これはどう考えたって……。

(星野源)いや、そうなんですけども。この楽曲に対してのグルーヴっていうものの共通点っていうことでこういう風に書いてはいるんですけどね。

(宇多丸)あと前半はブルースについてっていうかさ。黒人音楽的なその情感っていうものをもっと普遍化して言うとこうなる、みたいな。

(星野源)そうですね。でも、なんていうかこの感覚ってどの国にもあるんじゃないかな?っていう思いですね。どちらかと言うと。

(宇多丸)まさに、まさに。だからそう。今回は実は『YELLOW DANCER』の時のブラックミュージック meets みたいなことよりは、もっとそれを因数分解して、「それをなぜ日本人の僕がいいと思うのか? これは普遍なんじゃないの?」っていうところまで高めているアルバムだと思うのね。というような……すいませんね。ベラベラとね。

(星野源)ありがとうございます。

(宇多丸)俺ばっかりしゃべってさ。母数が違うのにさー。

(宇垣美里)「母数」ってずっと言ってる(笑)。

(宇多丸)じゃあ宇垣さん、ぜひこれを曲紹介お願いします。

(宇垣美里)じゃあ、星野源さんで『Get a Feel』。

星野源『Get a Feel』

(宇垣美里)お送りしているのは星野源さんで『Get a Feel』でした。

(星野源)ありがとうございます。

(宇多丸)曲がかかっている間もたっぷりね、お話を。宇垣さんのね、「クソな世界を乗り切るんだ!」っていうね。

(星野源)本当にね、世の中はクソですよ!

(宇多丸・宇垣)フハハハハハハッ!

(宇多丸)なんだけど……っていうね。

(星野源)なんだけど、その中の愛みたいなものを描く方が僕には合っているなっていう風に思いますね。

(宇多丸)ということで、あーあ。星野くん、時間が来ちゃった。

(星野源)そうですね。早いですね。

(宇多丸)残念だなー、全くなー。

(星野源)ありがとうございます。楽しい。

(宇垣美里)話足りないですね。

(宇多丸)っていうか、本当に根掘り葉掘りね、1行1行……あと、ライミングがすげー上手いねとか、そういう細かい話も根掘り葉掘りしたいんですけども。まあ、それはいずれ、改めて。よろしくお願いいたします。

(星野源)はい。いつでもよろしくお願いします。

(宇多丸)星野さん、お忙しいんでしょう?

(星野源)ああ、そうなんです。いま、これから、2月2日からはじめてのドームツアーが開催されますんで。星野源 DOME TOUR 2019『POP VIRUS』。2月2日(土)の京セラドーム大阪から始まりますんで。ぜひみなさん、来られる方はよろしくお願いいたしますっていうのと、あとは8月30日から全国公開される映画『引っ越し大名!』という作品で主演をさせていただいておりますので。ぜひ見てください。

(宇多丸)よくまあ、このさ、八面六臂とはこのことですよね。

(星野源)『引っ越し大名!』の撮影をしながら『アイデア』の2番を考えていました。

(宇多丸)ああ、そうですか。このさ、いろいろとやるのは星野くんにとってはプラスですか?

(星野源)ああ、そうですね。人と出会えるっていうのはすごく大きくて。今回も松重豊さんと映画で出会えたのはすごく大きくて。

(宇多丸)おっ、お父さんの話だ!

(星野源)お子とも、息子さんとも。この間、お家にお邪魔して。で、今度、一緒に『Fallout』をやろうっていう話をして。

(宇多丸)なんだよー!……ったくよー!

(宇垣美里)フフフ(笑)。

(星野源)あの子、いい子だよー!

(宇多丸)そうそう。優秀、優秀。鳩特集でホームランを飛ばしましたから!(笑)。さあ、ということであっという間でしたが。星野源さん最新アルバム『POP VIRUS』にかこつけて、いろんなお話をうかがう特集でした。

(星野源)ありがとうございました。

(宇多丸)また、また……呼んだら来てくれるのかい?

(星野源)もちろんですよ! 当たり前じゃないですか。銃の話とかもしたいですし。

(宇多丸)フフフ、ああ、そうそう。いまここに銃が置いてありますね(笑)。

(宇垣美里)なんでちょっと目をそらしながら言うんですか?(笑)。

(宇多丸)この後、『オールナイトニッポン』ね、がんばってくださいね。

(星野源)ああ、今日そうなんですよ。

(宇多丸)よろしくお願いします。

(宇垣美里)明日、水曜日のこの時間はいま知っておきたい洋楽シーンのトレンドについて、音楽ジャーナリストの高橋芳朗さんに語っていただきます。

(星野源)うん!

(宇多丸)高橋芳朗さんといえば、現在予約受付中の星野源さんのオフィシャルブック『YELLOW MAGAZINE 2018-2019』で星野源さんの公式インタビューをしていて。もう星野源からRHYMESTERまで。幅広いね、ヨシくんね。母数が……。

(宇垣美里)また母数って言っている(笑)。

(星野源)フハハハハハハッ!

(宇多丸)ありがとう!

(星野源)ありがとうございました!

(宇垣美里)ありがとうございました。

<書き起こしおわり>

タイトルとURLをコピーしました