安住紳一郎 25年前の孤独な成人式と記念品サボテンのその後を語る

安住紳一郎 25年前の孤独な成人式と記念品サボテンのその後を語る ラジオ

(安住紳一郎)という話をしてから10年が経ったということですねー。成人式から25年経ちまして。10年前ですね。その後、繰り返すことになる指定校推薦蔑視発言の初出の回だったんですね!

(中澤有美子)フハハハハハハハッ!

(安住紳一郎)ちょっとやっぱりスタジオでも動揺が走っていましたね。

(中澤有美子)そうですね(笑)。

(安住紳一郎)「なんてことを言うんだ?」っていう感じでしたけども。その後もね、私は繰り返しいろんなことに言うことになりまして。すっかりみなさんも慣れてしまったというところはありますけども。やっぱり心からの「ええっ?」が出てましたね。

(中澤有美子)そうでしたね(笑)。唐突になにかすごくブチ込まれた感じがありました。

指定校推薦蔑視トークの初出

(安住紳一郎)あれから25年、いまも実家の縁側で成人式のサボテンは元気に過ごしています。

(中澤有美子)そうですか。

(安住紳一郎)大きな鉢に引っ越しをしまして、いまはもう子株が周りに生姜のようにムクムクとつきはじめまして。砂漠生まれの都会は苦しかろうサボテンが北国の気候がなぜかドンピシャで。

(中澤有美子)フハハハハハハハッ!

(安住紳一郎)育つ育つ! もうピンポン玉ぐらい土にめり込んでいた小サボテンがもうびっくりするような元気いっぱいで。お正月、写真を撮って送ってもらいましたので。最近はなんでも見たがる時代ですね。10年経ちましてね。Twitter上にあげておきますので、私の成人式にいただいたサボテンの現在の様子をみなさんで楽しんでいただければと思います。

(中澤有美子)やったー!

(安住紳一郎)番組ホームページにも月曜日には見られるように写真をあげておきます。パソコンをお使いになる方はぜひ見てみてください。自分の分身のような感じで嬉しいですよね。成人式のお祝いの小サボテンが大きくなって。

(中澤有美子)そうですね。

(安住紳一郎)本来は謙遜すべきところなのかもしれませんけど、なんとなくね、掛け値なくうれしい。一緒にね、社会人の年月をすごしてきて、年々大きくなっていくのは励みになりますね。

(中澤有美子)ええ。ご両親のお世話もよかったんでしょうね。

(安住紳一郎)そうみたいですね。ありがたいことに。また一方ね、大きくなったサボテンを見ながら、人間とはズルいもので。今度は「これが枯れてしまったらどうしよう?」っていう気持ちも当然芽生えて来ますよね。

(中澤有美子)フハハハハハハハッ!

(安住紳一郎)保身っていうんですか?ちょっとね、「俺が関東で築いたこのポジションが一瞬にして立ち消えになるの?」なんて思うわけですよ。

(中澤有美子)ああ、そこまでね。

(安住紳一郎)ちょっとね、自分の分身。重なっているから。「これ、枯れたら俺、ちょっと不安で日常キツいぞ」みたいなところ、ありましてね。実家の年老いた父・母には毎年、脅すような声色で諭していますね。「このサボテンになにかあったら、シャレにならないよ」っていうことを(笑)。

(中澤有美子)言ってるんだ?(笑)。

(安住紳一郎)言ってますよ。「父さん、母さん、このサボテン、ちゃんと手入れしないと。これが枯れたら俺が終わるからね」っていうね。「母の日のプレゼントなんか届かなくなるんだからね! 日当たり、水やり、何をおいても優先してやってちょうだい」みたいなことは言いますよね。いけません?

(中澤有美子)アハハハハハハッ!

(安住紳一郎)いけない? いけないか。いや、言うよね。だってここまで自己投影しちゃっているからね。「父さん、母さん、よく聞いてよ。あなた方がサボテンの面倒を見てると思ったら、大間違いだよ。最後に父さん、母さんの面倒を見るのはこのサボテンだよ!」って。

(中澤有美子)それ、おかしくない?(笑)。

(安住紳一郎)だってそうでしょう。これが枯れたら息子のテンションが下がるわけだから。「そしたら、俺はお前らの面倒を見れなくなるんだよ」っていうことでしょう? だから「父さん、母さん、いいかい? 最終的にはこのサボテンがあなたたちの面倒を見ることになるんだから。しっかり手入れなさい!」っていうことよ。

(中澤有美子)フフフ、なんか納得した(笑)。

(安住紳一郎)納得した? ちょっとやっぱり10年で俺の芸風も変わってきたね(笑)。

(中澤有美子)アハハハハハハッ!

(安住紳一郎)かわいそうにね(笑)。でも、最近ちょっとひとつ懸念があって。5年くらい前に「1年見ない間にずいぶん大きくなったな」っていう年があって。「これ、鉢かえた?」なんて聞いたんだけども。たぶん父母、あまりのプレッシャーからもしかしたら、サボテンを枯らして新しく買ってきてすり替えたんじゃないか?っていう(笑)。

(中澤有美子)アハハハハハハッ!

(安住紳一郎)替え玉疑惑がね、出ていますけども。

(中澤有美子)替え玉疑惑。フハハハハハハハッ!

(安住紳一郎)まあ、そう思うよね。父母もね。枯らしたところを見咎められてグチグチ言われるんだったらホームセンターでちょうどいいのがあったから買ってきたみたいな。

(中澤有美子)「わかんない、わかんない」って(笑)。

(安住紳一郎)わかんないよね。まあ、そんな気遣いも嬉しいところですけども。

(中澤有美子)そうですね。本当に。

(安住紳一郎)サボテンを見るたび、自分の気持ちにムチが入ります。成人式に参加しないという新成人のみなさんもいるかも知れませんけども。自分の気持ちに正直にぜひ、生きてみてください。平成6年、与野市の成人式に参加して本当によかったといま、思っています。そして与野市の市役所のみなさん、サボテンをありがとうございました。お礼が遅くなりました!

<書き起こしおわり>

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