PUNPEE スタン・リーを追悼する

PUNPEE スタン・リーを追悼する SOFA KING FRIDAY

PUNPEEさんがJ-WAVE『SOFA KING FRIDAY』の中で亡くなったアメコミ界の巨匠スタン・リーさんを追悼していました。

(PUNPEE)お送りしたのは『Hero』という曲ですね。去年、自分が出した『MODERN TIMES』というアルバムから『Hero』という曲のマーベルバージョン。マーベルのヒーローだけを歌ったバージョンの曲をお送りしました。

これは今年のホットトイズっていう会社のイベントに参加した時のコマーシャル用に作った曲なのですが1回、この番組でも今年かけてるんですけど。今回2回目、かけさせていただきました。何でかけたかっていうと、先日マーベルのアイコン的な立ち位置の方、スタン・リーさんが亡くなった。95歳ということで、そのマーベルにちなんでこれをかけさせていただきました。

彼は絵を書いていた役割ではなくて、アメリカのコミックスってストーリーを考える人と絵を考える人は結構分かれてるんですけども。ストーリーとライターさん。それもどこまで本人が書いてたかはわからないですけど。「編集者」っていう立場でマーベルに籍を置いてたみたいで。晩年は映画の会社だったりとか、いろんなところにマーベルを売り込む、宣伝する人兼アイコンみたいな感じでいろんなマーベル映画、MCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)の作品にもカメオ出演。毎回どっかで出てくる白髪のヒゲが生えてるメガネかけたおじいちゃんだったんですけど。

亡くなってしまったということで、かけさせていただきました。はい。『ファンタスティック・フォー』っていうキャラクターとか、これは後に一緒に絵を書いたジャック・カービーさんっていう人が「俺が作った!」みたいな感じでモメたりとかもしたみたいなんですけども。まあ『X-MEN』だったり、あとはスティーヴ・ディッコさんっていうアーティスト、絵を書く人と作った『スパイダーマン』とか『マイティ・ソー』『ハルク』、あとは『デアデビル』だったり。いろんな、いますごい有名になったキャラクターの創作に携わったり協力したりしてる方。

で、やっぱりこの人のキャラクターだったとかポップさがマーベルを広げた要因にもなっていると言われる人なので。この人なしではいまのマーベルもなかったんじゃないかなと言われてる人です。で、メッセージですね。大阪府の方。「Pさん、こんにちは。いつもエリアフリーで楽しく聞かせていただいております。Pさんは平成最後の東京コミコン、今年は行かれますか?」。はい、多分行くと思うんですけど。その東京コミコンからの話なんですが、自分も完全にファンとスタン・リーっていう感じで1回、会ったことがあって。

一昨年、東京コミコンという映画だったりコミックスとかの祭典みたいなのか毎年……2016年からかな? 東京でもやってるんですけど、その時に来てて。写真付きチケットみたいなのを2万円ぐらいで買って、一緒に写真を撮ってもらったっていう。その写真、この前Twitterにあげたんすけど。載っけさせていただきました。

その時に自分『BATMAN LOBO』っていう、DCコミックス……マーベルのライバル会社みたいなところのコミックスなんですけど。なんでそれを持って写ってたか?っていうと、当時それの翻訳監修を椎名ゆかりさんという方が翻訳して、自分がそれを翻訳監修したんですけど。なにかのインタビューでスタン・リーが「DCコミックスの中でいちばん好きなキャラクターって何?」って聞かれた時に「ロボ」って答えていたんですよ。「じゃあ、ロボを持っていこう。他の会社のだけど」って。で、その時に話した時に「ロボ、好きなでしょう? 自分、ロボのトランスレートにちょっと携わってるんだよ」って言って。「ああ、じゃあいいよ」って写真を撮ったみたいな。そういう感じでした。

LOBO ポートレイト・オブ・ア・バスティッチ (DC COMICS)
Posted at 2018.11.17
キース・ギッフェン
ジュリアンパブリッシング

自分が初めてこのスタン・リーさんという存在を知ったのは、たしか95年の『マーヴルクロス』っていうアメコミをたくさんオムニバスに収録した日本企画のそういうのが刊行されて。17号まで刊行されたんですけど。それの1号のいちばん最初に「『マーブルクロス』をお読みの読者へ、スタン・リーより」みたいなメッセージがいきなり書いてあって。

Marvel X (1) (マーヴルスーパーコミックス 24)
Posted at 2018.11.17
小学館プロダクション

「何だ、このじいさん?」って。で、その時に書いてあった言葉が結構印象的で、いまも覚えてて。なんか「現実世界じゃない世界と現実世界。この世には2つあるんだけど、君はその非現実世界にいま、足を踏み入れようとしている。私たちが楽しく書いてるのんだから、君たちも楽しくないはずがない!」って書いてあって、それが結構印象に残っていて。「ああ、やっぱり作ってる人が楽しくなきゃ、見てる人もつまんないな」って。「自分たちが楽しく『ああ、こうしよう、こうしよう』って作っていったら、みんなもそれに乗ってきて、その輪が広がってくよな」って思った記憶があって。最近その『マーヴルクロス』を押し入れが引っ張り出して見てみたんですけど。

その最後に「向上せよ!」って書いてあって。スタン・リーの口癖の「Excelsior!」っていうのがあって。「この時にもうすでにそれを言っているよな」って感慨深い気持ちで見たり、最近はしてました。なんか、この方はやっぱりそのキャラクターを生み出したことに協力したっていうのももちろんなんですけど、やっぱりこの人自体がもうキャラクターっていうか。なんかグラント・モリソンさんっていうライターの人が書いた『スーパーゴッズ』っていうスーパーヒーローの歴史を書いた本があるんですけども。その中にスタン・リーさんのことを言ってるところがあって。

スーパーゴッズ アメリカン・コミックスの超神たち (ShoPro Books)
Posted at 2018.11.17
グラント・モリソン
小学館集英社プロダクション

その1960何年ぐらいまでは冷たい感じでコミックスの端っことかに解説を……「○○号参照」みたいに書かれているのが結構普通だったんですけど、そこに友達目線みたいな感じでスタン・リーが一言入れるみたいな。「この号はもちろん読んだよね?」みたいな。なんかいつもウインクをしながらこっちに話しかけてくる解説とか、あとは巻末にある「STAN’S SOAPBOX」っていう……「スタンの石鹸箱」みたいな感じですかね? とか、「Bullpen Bulletins」っていう広告のページとかでも結構読者のお便り、メッセージに答えるみたいな。

Bullpen Bulletins

で、「君もこれで秘密のマーベルコミックスの世界の仲間入りだ」みたいな感じで、あたかも周りにそういう友達のいない読者とかと文通してるみたいな感じで、フレンドリーな感じで読者をひきつけたみたいな。自分もこの番組を始める前にタイトルで悩んでた時、候補としてその『Bullpen Bulletins』っていうのをパクっちゃえ! みたいな。サンプリングなんですけど(笑)。とかもあって、いまだに「これ、こんな番組、誰が聞いてるの? 深夜にこんなボソボソしゃべって……」みたいに。でも、「自分と趣味が近いな、みたいな人とかと話題が共有できたらな」って思って、このスタン・リーの最後のお便りボックスみたいなのは結構参考にしているかもしれない。

「えっ、あれ聞いてたの?」みたいなのを後で共有とかできたら、なんか知らないけど嬉しい、みたいな感じになってくれたらなって。あとはその『スパイダーマン』って当時では考えられなかったぐらい、本当にスパイダーマンは負け犬で。全然女の子にも相手にされないみたいな。で、それをスティーヴ・ディッコっていう人が作ったんですけど、弱い人とか対して希望をちょっと与えるじゃないけど、「そういう人たちもみんなで仲良くやろうよ。楽しもうぜ!」みたいな感じを提示したみたいなことがその『スーパーゴッズ』っていう本でグラント・モリソンさんが言っていて。「へー」みたいな。

でもなんか、やっぱり写真とか撮ったりいろんな人と話す時もすごい人のいい感じで、マーベルの人間っぽいヒーローがいっぱい生まれた秘密っていうか、そういうスタン・リーの存在が大きかったのかな?って勝手に思ったりしておりました。そのマーベルの前身だったタイムリー・コミックスっていうところにに入って、親戚の人がその会社の社長だったんですけど、編集を手伝っていろいろと……吸血鬼物だったりとか、あとは西部劇のコミックスとかいろいろと手がけて。でもなんか、いつ辞めてもいいかな、みたいなのを思っていた時、去年かな? 亡くなった奥さんに「じゃあ最後の最後ぐらい、自分の書きたいものをやったら?」って言われた時に思いついてジャック・カービーっていう絵を書く人と創造したのが『ファンタスティック・フォー』で。

それが決め手になって、そこからいろいろ広がってっいったっていう話も聞いたことがあって。で、その奥さんがたしか去年、亡くなられていて。2人でカメオ出演したりしているんですけど。

自分のじいちゃん、ばあちゃんもそうだったんですけど、やっぱり相方がいなくなったっていう寂しさからとかも、もしかしたらあったんですかね? わかんないですけど。やっぱりそこから1年ぐらいとかですか? なので、なんかそういうのもあったのかな、なんてことも思って。彼自身がスーパーヒーローだったと自分は思います。なので感謝を。ありがとうございましたという感じです。これからもずっと、語り継がれていくでしょう。

で、このスタン・リーのことを考えた時に、なぜか『Fools Rush In』という、フランク・シナトラの曲が思い浮かんでしまって。これは『バッファロー’66』っていう映画の中でですね、ヴィンセント・ギャロのたしか親父さんがヴィンセント・ギャロが連れてきた女の人に向かって歌う曲なんですけど。和訳すると「頭のいいやつが入らないような場所にバカ者は突き進んでいく。夢中で突き進んでいく」みたいな曲で、それは女性のことに対して歌ってるっていう曲なんですけど。

その、なんかすごい古い感じとか、スタン・リー氏がそのコミックスを好きだったんじゃないかなっていうのはなんかリンクしてしまって。って言っても、スタン・リーは最初はなんかコミックスの作家とかじゃなくて小説家になりたいって言ってて、別にそんなに好きじゃなかったのかもしれないですけど。なんかそれがちょっとリンクしちゃって、勝手にしたのでそれをかけようと思います。ヴィンセント・ギャロ・シニアなんですかね? の、親父さんが歌う『Fools Rush In』です。どうぞ。

Buffalo ’66『Fools Rush In』

<書き起こしおわり>

タイトルとURLをコピーしました