松尾潔 アレサ・フランクリン追悼ミックス パート2

松尾潔 アレサ・フランクリン追悼ミックス パート2 松尾潔のメロウな夜

松尾潔さんがNHK FM『松尾潔のメロウな夜』の中で亡くなったクイーン・オブ・ソウル、アレサ・フランクリンへの追悼ミックス第二弾を紹介していました。

Medley: Day Dreaming/Think (1972 Live in Philly) (Remastered)

(松尾潔)今夜は先月、8月16日に76歳で亡くなったアレサ・フランクリンに敬意を表しまして、2週間前の放送に引き続きアレサ・フランクリンのノンストップミックス・パート2をお届けしたいと思います。パート1の方……まあ、その時には「パート1」という言い方はしていませんでしたけれども。1回目のノンストップミックスに大変大きな反響をいただきました。ありがとうございます。

松尾潔 アレサ・フランクリンを追悼する
松尾潔さんがNHK FM『松尾潔のメロウな夜』の中でアレサ・フランクリンさんを追悼。80年代から21世紀にかけてのアレサ・フランクリン関連楽曲を15曲、紹介していました。

皆さんのお名前を全てご紹介することができませんけれども、常連の方からこれで初めてお名前を聞く方を含めて、いろんな方々がアレサ・フランクリンへの愛情、リスペクト、そしてノンストップミックスの続編をご希望というメッセージをたくさんいただきまして、ありがとうございます。ありがたいことだと思っております。アレサ・フランクリン、名曲たくさんございます。数多ある名曲の中から僕が「メロウ」、そしてやや「ブギー」も意識してミックスのパート2を選びました。そして番組スタッフ入魂のミックスが完成いたしました。この後40分近く、ノンストップでお楽しみいただきたいと思います。

それでは今日の1曲目。前回の放送では一切ご紹介することなかった、この人もまたアレサ・フランクリンのキャリアの後半の恩人の1人ですね。ナラダ・マイケル・ウォルデンのプロデュースしたこちらの作品から今日はスタートしたいと思います。アレサ・フランクリンで『Who’s Zoomin’ Who』。

Aretha Franklin『Who’s Zoomin’ Who』

(約40分間のミックス終了後に……)

(松尾潔)今年の2月、テンプテーションズのリード・シンガーだったデニス・エドワーズが亡くなりました。そのデニス・エドワーズに恋していたのが30代のアレサ・フランクリンでした。しんみりとお話をすることでもないです。楽しいお話です。アレサ・フランクリンが最初の結婚……テッド・ホワイトという毀誉褒貶の激しかった人物と長くはない結婚生活を終えた後、恋心を募らせたのがデヴィッド・ラフィンに変わってテンプテーション・・まあ、名門ボーカルグループですね。デトロイトっ子であるアレサ・フランクリンとってはモータウンのナンバーワングループのリードシンガーのデニスっていうのは特別な存在だったかと思いますが。

まあ、年齢で言うとアレサの方がひとつ年上ですが、もうこの頃すでにクイーンであるとか、レディ・ソウルっていう言われ方をするアレサ・フランクリンがほのかな恋心を抱いたのがデニス・エドワーズ。で、その気持ちを音楽という形に昇華させた、まあソングライティングの能力も大変高かったアレサ・フランクリンがその恋心を音楽の形にした。それが『Day Dreaming』なんですね。1972年のブラックチャートのナンバーワンヒットです。

で、その恋心というのは結局は成就しませんでした。デニス・エドワーズ、後に「スーパースターと結婚するというのはやっぱり尻込みしてしまった」というような、まあ相思相愛だったことを認めるような発言をしております。アレサ・フランクリンもこれ、70年代から公にこういう話をしていたわけでありませんで。それからもう四半世紀、ずいぶんたってから聞き上手オプラ・ウィンフリー相手に語ったというのは知る人ぞ知る話です。

前回の放送の時に申し上げましたように、アレサ・フランクリンは公民権運動、もしくは女性の自立・社会進出。そういった本当に社会的なムーブメントのアイコンになることが強かった人で、日本ではどうしてもね、そういう切り口の報道が多いっていう話をいたしました。これは本国アメリカにおいてもそういうことに重きをおいて伝えられる、いまの「#MeToo」ムーブメントっていうところともリンクする話ですから。ある意味当然なのかもしれませんが。僕はそういうアレサ・フランクリンにもちろん大きな敬意を持っているんですが、それと同じかそれ以上にこういう女性とをしての恋心を大切にしていた。

決して男性関係に恵まれていたわけではない。サム・クックへの思いが成就しなかったとか、マネージャーでもあったテッド・ホワイトとの仲が本当に悲劇という形で終わってしまったとか、そういう中で本当に人生の中の短いけれども、忘れがたき憩いの日々があったということをまあファンとしてもね、1人の女性としてのそういう幸せ、多幸感に満ちた日々があったことを信じたいなっていうところがありますね。

そういう時はアレサ・フランクリンのことを「女王」とか「フランクリンさん」とかじゃなくて、やっぱり愛称の「リリ」とかっていう名前で呼んでみたいような、そういう衝動に駆られますね。僕にとっては本当にアレサ・フランクリンっていうのは素敵な素敵なチャーミングでセクシーな女性であり続けましたね。奇しくもそのデニス・エドワーズと同じ2018年に亡くなってしまいました。まあ「後を追うように」と言うと大げさですし、この2人は終生にわたって良き友達であり続けて、アレサ・フランクリンがたとえばロックンロールの殿堂入りするとか、もしくはBETで何か功労賞をもらうとか、そういう時にデニス・エドワーズが時には出てきて一緒に歌ってたり肩を組んだりとか、そういったシーンも見ることができました。

まあ、『Day Dreaming』』っていう曲の中でアレサは「もうこの世知辛い場所を飛び出して、どこか知らない遠くへ行きましょうよ」っていう風に恋人を呼びかけるんですけどもね。まあ、そういうことを思い出しながらアレサ・フランクリンの『Day Dreaming』、これを主軸に据えて今日のノンストップミックス、前回と同じく15曲選んでみました。それで最後に曲紹介をしたいと思います。アレサ・フランクリンで『Who’s Zoomin’ Who』。『Take Me With You』。

『Holdin’ On』。

そしていまや押しも押されぬ人気者、トレイ・ソングスがデビューした時にまあ、アトランティックレコードの大先輩にあたるアレサがヘルプしてくれたっていう曲ですね。アレサ・フランクリンとジュヴナイルをフィーチャーした『Gotta Make It (Remix)』。

そして再びアレサに戻りまして『Rock Steady』。

その『Rock Steady』を引用したEPMDの『I’m Housin’』。

そしてまたアレサ・フランクリン『Spanish Harlem』。

『If She Don’t Want Your Lovin’』。この曲を書いているのは前回、『Love All The Hurt Away』っていうジョージ・ベンソンとのデュエットでもご紹介しました、名ソングライターのサム・ディーズでした。アトランティック時代からの付き合いが続いて、その後アリスタにアレサが移籍してもサム・ディーズの曲は歌っておりました。

『A Rose Is Still A Rose』。これはローリン・ヒルがプレゼントした曲です。実際のアレンジはジェイムス・ポイザーがやったと思われます。

アレサ・フランクリン『Oh Me Oh My (I’m A Fool For You Baby)』。これはルルのカバーですね。

そしてアレサ・フランクリン『I’ll Dip』。アトランタの天才クリエイター、ダラス・オースティンがプロデュースした貴重な1曲。

そしてダラス・オースティンがプロデュースしたナタリー・コールによるアレサのカバー『Day Dreaming』。

メアリー・J.ブライジによるライブバージョンで『Day Dreaming』。

そしてアレサ本人によるライブバージョンで『Day Dreaming』。

最後はジャム&ルイスが提供した1曲、『Everybody’s Somebody’s Fool』。

全15曲でございました。『Everybody’s Somebody’s Fool』、こちらにリクエストをくださいましたのはボーイズII坊主さんでしたね。まあアレサ・フランクリンの特集を2回もやるとは僕も正直、思っておりませんでしたが。2回やってしまうと、2回でも足りなかったんだなっていうこともよく分かりましたが。ちょっと3回目は、さすがに考えますね。やるとしても随分先のことになるかと思いますが。来週は普段のフォーマットで「メロウな風まかせ」をお届けしたいと思います。

(中略)

さて楽しい時間ほど早く過ぎてしまうの。今週もそろそろお別れの時が迫ってきました。ということで今週のザ・ナイトキャップ(寝酒ソング)。今夜はアレサ・フランクリンのアトランティック時代のアーメット・アーティガン、トム・ダウドと並ぶ恩人ですね。アリフ・マーディン。そのアリフ・マーディン名義のアレサのカバー『Ain’t No Way』を聞きながらのお別れです。これからお休みになるあなた、どうかメロウな夢を見てくださいね。まだまだお仕事が続くという方、この番組が応援しているのはあなたです。次回は来週、10月1日(月)、夜11時にお会いしましょう。お相手は僕、松尾潔でした。それではおやすみなさい。

ARIF MARDIN『Ain’t No Way』

<書き起こしおわり>

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