吉田豪と遠藤舞 アイドリング!!!の特殊性を語る

吉田豪と遠藤舞 芸能界引退ツイートを振り返る SHOWROOM

遠藤舞さんが『猫舌SHOWROOM』火曜日に出演。吉田豪さんと芸能界引退時の連投したツイートを振り返っていました。

(吉田豪)もうすぐ出る僕の本(『吉田豪と15人の女たち』)がさっき、実は見本が上がってきていて。これにアイドリング!!!のメンバーが2人出ていまして。

吉田豪と15人の女たち
Posted at 2018.9.20
吉田 豪
白夜書房

(遠藤舞)あっ、酒井が出てる。

(吉田豪)それと朝日奈央さんが出ていて。そのお二人が言っていたのが、このアイドリング!!!という場所で育ったがゆえの問題っていうのもあるだろうっていう。

(遠藤舞)ああー、そうかもしれないね。

(吉田豪)バカリズムさんとかに「お前、なんか自分がかわいい気になってねえか?」みたいな。

(遠藤舞)「思っているんじゃねえぞ」っていう。

(吉田豪)自撮りとかを撮るだけで詰められるから、浮かれたことができなくなって。

(遠藤舞)そうか。環境もあるのかー。

(吉田豪)だからバラエティーとかで生きていく上では正解だったろうけど、アイドルとして戦う上では、そこは難しかっただろうなっていう。

(遠藤舞)そうですね。じゃああの環境に身を置きながらバランスを取るのって、すごい本当は難しいことだったっていうことですよね、きっとね。

(神原孝)でも酒井と朝日はアイドルとして戦ってなかったぞ(笑)。

(吉田豪)フハハハハハッ! 最初から(笑)。

(遠藤舞)そうですね(笑)。彼女たちもまた別のところで戦おうとしていたから。なんか、意志の強さを感じましたよね。それはそれで。

(吉田豪)まあアイドリング!!!っていう特殊な環境ゆえに特殊な人が育ちやすい場はできていたとは思うんですよ。

(遠藤舞)そうだと思いますよ。そこでアイドリング!!!でがんばればがんばるほど、アイドルとしては違う方向に行きますからね。

(吉田豪)明らかにアイドルとしては正解じゃない世界に行くわけで。

(遠藤舞)それがアイドリング!!!の中では正解っていう。

(神原孝)面白そうな人しか取ってなかったですからね、基本的に(笑)。

(遠藤舞)そうですよね。

(吉田豪)でも途中からちょっと方向が変わってかわいい子を取るようになったじゃないですか。

(神原孝)あれは塩谷から門澤に変わったからですよ(笑)。

(吉田豪)フフフ、わかりやすく言うと、スタッフの変更による。

(神原孝)そうです(笑)。

(遠藤舞)わかりやすいですね。たしかにね。

(神原孝)塩谷の趣味はそっち。ゴリッゴリのバラエティー。

(吉田豪)特に初期は完全にそうだったじゃないですか。「アイドリング!!!が方向を変えてきた!」ってわかりやすく伝わりましたよ(笑)。

(神原孝)三期生で全然違いました(笑)。

(遠藤舞)三期生から全く違いましたね。

(吉田豪)「かわいい子、入れてきたな!」っていう。

(遠藤舞)「コンセプト、変わった!」って思いましたもん。当事者も。

(吉田豪)でも、それもたぶんどこもそうなのかなという気がするのが、48もある段階からかわいい子ばっかりになったじゃないですか。でも、それの問題っていうのもあって。やっぱり認識しづらくなるんですよ。そんなに詳しくない人からすると、だいたい同じに見えちゃう問題っていうのが出てきて。アイドリング!!!の初期メンバーってわかりやすかったんですよ。

(神原孝)キャラクターの宝庫でした。

(遠藤舞)たしかに。

(吉田豪)だからよく知らなくても「あっ、メガネ」とか。わかりやすく(笑)。

(遠藤舞)いまだに言われますもん。あれから10年ぐらいたったいまでも「メガネの子」って言われます。それほどキャッチーなのが真ん中に座っていたっていうことですよ。

(神原孝)「メガネが嫌」って……(笑)。

(吉田豪)フフフ、「メガネが嫌で」(笑)。

(遠藤舞)メガネが嫌で、自分の存在意義を放棄しようとしたってことがありましたね。メガネを置こうとしたということは。

(吉田豪)フハハハハハッ! メガネで認識されたけど。

(遠藤舞)そうそう。「存在、消えるよ」って思いましたから。

(神原孝)「メガネが嫌なんです」って(笑)。

(吉田豪)「押し付けられたメガネ、もう辛いです!」って(笑)。

(遠藤舞)いや、最初自分でかけてきたのに(笑)。懐かしいな。江渡ちゃん(笑)。

(吉田豪)そういうのも難しい問題ですよね。うん。ファンの声とかに本当にすごい左右されるじゃないですか。

(遠藤舞)ああー、でもそれは人によったかな。本当に受け入れちゃう子もいれば、全く気にしない人もいたし。まあ、握手会とかそういう環境も特殊な環境だと思うんですけど。なんか面白いことにその子その子によってつくファンのタイプが全然違うんですよね。

握手会で嫌なことを言うファン問題

(吉田豪)そうなんですよね。最近、だからこの本がらみでいろんな人の話を聞いていて。なんとなくそうかと思ったのは、嫌なことを言うファンっていうのがかならず一定数いるけど、それは言ってもいい人に来るっていう。「こいつに言うとヤバいぞ」っていう人には基本、来ない。

(遠藤舞)私はもう、そういうのは袋叩きにしましたから。

(吉田豪)そういうのが来ると(笑)。

(遠藤舞)絶対に許さないです。そういう関係性であっても人を傷つけることってやっぱり言っちゃいけないと思うっていう。割と正義感の塊っていう。

(吉田豪)「あなた、何をやっているんだ?」ってはっきりと詰めるっていう(笑)。

(遠藤舞)はっきりと詰めていたんで。あんまり私にはいなかったかな。悪いファンの方に苦しめられるっていうのはなかった。いい人ばっかりでした。

(吉田豪)そういう感じみたいなんですよ。「あいつはヤバい、言えない。じゃあ、こいつに言おう」っていう風になるという。

(遠藤舞)その子のキャラクターでね、「言っても大丈夫そう」とか「笑ってくれそう」とか。あったあった。そんなので泣いている子とかもいたし。

(吉田豪)アイドリング!!!でもそうなんだったら、他のグループはもっと大変だろうっていう気がしますよ。

(遠藤舞)でもどんなことを他のグループの子たちとかは言われているんだろう? 自分たちはでも結構バラエティーをやっていたから、たとえばバカリズムさんがいじったことをバカリズムさんが言うのとは……。

(吉田豪)当然ね、関係性が。

(遠藤舞)そう。関係性があって、いろいろと信頼関係が構築された上でおっしゃっているので。ネタだとして消化できるんですけど、同じことをたまにしか会わない人が言うのはやっぱり違うんですよね。

(吉田豪)わかります(笑)。でも、ファンはそこに乗っかっていきたくなっちゃうんですね。

(遠藤舞)そうなんですよね。やりたいことはわかるんだけど……みたいな感じになっちゃうんですよ(笑)。

(吉田豪)フフフ、いきなりそのモードで来られても……っていうね。

(遠藤舞)「違う、違う!」ってなっちゃうから。そのチャレンジ精神はうれしいんですけど。

(吉田豪)よっぽど上手くないとね。

(遠藤舞)そうですね。それを真面目にとらえちゃう子もいたから。それはまあ、人間関係でも難しいなっていうことですよ。

(吉田豪)やっぱりでもみなさん、握手は元気とかをもらえる場でもあり、そしてそういう場でもあり……っていう。

(遠藤舞)うんうん。だから私はエネルギーをすごく交換しているんだなと思っていたんですけど。本当にうれしいことを言ってくれる方ももちろんいたし。人間観察のようなものでもあったし。

(吉田豪)もともとアイドルに興味がなかった人からすると、いろんなことがより客観的に見れるんですかね?

(遠藤舞)そうかもしれないですね。でもすごいやっぱり緊張してらっしゃる方が多くて。私はさっき言ったように、そんなに自尊心とかもないですから。「私に会いに来るのにどうしてそんなに緊張しているんだろう?」って。本当に不思議。

(吉田豪)その自尊心の低さ、なんなんでしょうね?(笑)。

(遠藤舞)わからないです。生まれた時からなんですって。父親曰く。

(吉田豪)へー。たしかにそういうのってすごい感じるんですよ。アイドルって自撮りを撮っているから「自分のことをかわいいと思っているんだろう」とかすごい言われがちだけど、実はそうでもない子が多くて。基本、自尊心低くて、低いからみんなにいろいろ褒められることでなんとなく自尊心を高めていこうとしているだけなんだけど。でも、ファンから言われてもなかなかそれに結びつかない。結局、自信がないままで……みたいな人が僕が見る限り、周りのアイドルとかはすごい多いんですよ。

(遠藤舞)ああー。それは言えているかもしれないですね。わかるわかる。自尊心低い子、多いのか。実は

(吉田豪)自尊心の低さってなかなか幸せに結びつきづらい気がしていて。

(遠藤舞)そうなんですよねー。なんかもっと、アホになりたい。本当は。

(吉田豪)フフフ、真面目なんでしょうね。基本。

(遠藤舞)真面目だとは思いますね。

(吉田豪)なんなんですか? 家庭環境の問題?

(遠藤舞)家庭環境もあると思いますね。でも、本当に生まれた時かららしいです。もう自分ではどうすることもできないというか。うん。

<書き起こしおわり>

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