松尾潔さんがNHK FM『松尾潔のメロウな夜』の中でMac Miller『What’s The Use?』とDRAM『Best Hugs』を紹介していました。
(松尾潔)さて、続いて聞こえてまいりましたのは同じく男女のデュエット。マック・ミラー feat. アリアナ・グランデで『My Favorite Part』。
これは『松尾潔のメロウな夜』が選ぶメロウ・オブ・2016。一昨年の年間トップ20の中の第6位に選出した曲でした。
マック・ミラーはね、当時アリアナ・グランデの恋人でもありました。その後、2人はプライベートでは別々の道を歩んでいるようですが、アリアナ・グランデがね、その後大変な音楽シーンで大きな役割を果たしたことはご存知かと思います。イギリス、マンチェスターでのコンサート会場で起こった悲劇というのがございまして。その後、アリアナ・グランデのコンサート会場でいろんな犠牲者が出たっていうことで、その追悼のコンサートを自ら旗振り役になって務めたりだとか。
まあちょっと、そういう悲劇をきっかけにではありますが、この2年ぐらいで階段をひとつふたつ、もっと上がった印象のあるアリアナ・グランデなんですが。元恋人のマック・ミラーはどうかと言いますと、この人も大変に聞きごたえのあるニューアルバムをリリースしてくれましたよ。先月にリリースされたばかりのアルバム『Swimming』の中から、これは本当に聞きどころの多いアルバムなんですが、『メロウな夜』で言えばこの曲かな? 少なくとも僕の耳はこの曲にとらえられましたね。『What’s The Use?』という曲を聞いていただきたいと思います。
プロデュースを手がけますのはカナダ人のプロデューサーのPomoとデイム・ファンクでございます。デイム・ファンクはもう、ストーンズ・スロウ・レーベルというところのファンクの鉄人みたいな人でして。この番組でも何度かお話をしたかと思います。Pomoっていうのはさっきカナダ人と言いましたけど、同じくハイチ生まれ、カナダ育ちのケイトラナダっていう大変有能な……まあ、現代のJ・ディラとも言われているプロデューサーがいますが。そのケイトラナダとのコラボレーションでも知られる人でございます。
この曲、非常にファンクの色が強くて。ベースはサンダーキャット。そしてスヌープも共作メンバーに名を連ねてますね。まあ、こういった名前をズラズラッと並べましたがやっぱり主役はマック・ミラーですね。この何て言うんでしょうね。気だるい感じのボーカルはカリードとタイプ違いますけど、やはり味がある。ボーカリストとして上手い・下手とかそういうことよりも個性的であり、味わい深いという感じですね。聞いていただきましょう。マック・ミラーで『What’s The Use?』。
Mac Miller『What’s The Use?』
DRAM『Best Hugs』
大変にファンク色の強いナンバーを2曲続けてご紹介いたしました。まずは男性ソロアーティスト、マック・ミラーで『What’s The Use?』でした。これは先月リリースされたニューアルバム『Swimming』に収録されていたナンバーです。サンダーキャットのベースラインが効いてますね。不穏な動きをしております。ですが聞き終わってみるとまあベースもそうですし、上モノのね、粘っこいファンク・キーボード。それも印象に残りますね。デイム・ファンクの仕業です。全体をおそらくは音響設計したのであろうと思われるPomoの手腕も見事です。はい。マック・ミラー『What’s The Use?』でした。
そしてドラムの『Best Hugs』を聞いていただきました。ドラムという人は2年前に『Broccoli』というちょっと変わった名前の曲をリリースしてヒットさせたバージニア出身のラッパーです。
まあラッパーと言う形で出てきましたけども、お聞きのように大変メロディアスな歌ものをモノにしております。ドラム『Best Hugs』。これはまあ、歌詞の内容的にはね、自分の元カノが現れていまの新しい恋人とどうしたこうした……っていうような、まあこの世界でおなじみの歌なんですが。なんかこの曲に限らず、ドラムの楽曲っていつもちょっと飄々とした味があって。そこにちょっととぼけた味わいっていうのが魅力ですね。大変女性アーティストのウケが良いというか。ビヨンセとかエリカ・バドゥとか、この業界の大物女性アーティストたちに「彼がやっている面白いわね」ってかわいがられているアーティストです。ドラムで『Best Hugs』をお聞きをいただきました。
<書き起こしおわり>