(星野源)そして、東京都の方。「昨日の『おげんさんといっしょ』、最高でした。最初から最後まで笑いっぱなしであっという間に終わってしまった感覚です。特にタカシ子と石橋英子さんのセッションがカオスすぎたのですが、あのアドリブブロックはどんな経緯でやることになったんですか?」。フフフ、本当にあそこは最高でしたね!
あれはね、僕がその、「こういう曲にしたい」ってなっていって。タカシ子の『ナンダカンダ』のイントロで工藤静香さんの『嵐の素顔』のイントロの「デデッ、デデッ、デデッデデデッデデッ♪」とか入ってくるんだけど。
あそこはもともとSTUTSくんのビートだけでダンスタイムにしたかったの。で、そういう風にまずダンスタイムを作って、そこからイントロに行って。で、キッチンライブだったから今度はアコースティックな楽器だけでやるという、そういう縛りでやって。その中で、ちょっと自分で……リハを僕、ずっと歌いながら。大知くんの『DIVE!』とかも全部歌いながらね、やっていたんだけど。その中で、そのまま普通に最後までサビに行っちゃうのはちょっとつまらないなと思って。で、オチサビっていうね、演奏が静かになったり、リズムが消えたりして。でもサビが続いていて。そのサビの半分ぐらいで演奏が戻ってきてまた盛り上がるみたいな。そういうのを「オチサビ」って言うんですけど。そのオチサビみたいにしようってなって。
で、それをやったんだけど、オチサビだけだとちょっとつまんないから、もうタカシ子のフィーリングに全部任せて。「ナンダカンダ♪」のリズムも全部変えていいです。どんどん自由にやってくださいって。すごいスロウにやってもいいし、本当に何をやってもいいみたいな。で、一応僕が練習してる時は、リズムを速くしたり、遅くしたり。ピアニカ・鍵盤ハーモニカを演奏してる石橋英子さん。僕のバンドでいつもお世話になっている英ちゃんに「とにかく、俺についてきてくれ」って言って、速くやったり遅くやったりってやっていたんだけど。やっぱりね、タカシ子はすごいね。違ったね。全く違う曲をやりだすっていう(笑)。あれはね、やっぱりすごいです。
さきほど放送中に撮影したおげんさんちの家族写真をどぞっ
\まだまだ放送してま~す!/
すでに番組を見ている大きいお友達、ありがとう~!まだ番組を見ていない大きなお友達、見て~~( C・>#おげんさん pic.twitter.com/iiOVDENGjB
— おげんさんちのねずみ~(C・> (@nhk_ogensan) 2018年8月20日
それは、一応リハでもやっていたんだけど。リハでは歌詞は一緒で全く違うメロディーだったんですよ。で、「違う曲だ!」ってなって。もうとにかく笑わないようにしなきゃって石橋さんがもうプルプル震えながらやっていたんだけど。で、本番。当日リハーサルができないっていうのもまた良い方向に転がったと思うんだけど。当日、いきなり合わせたあの感じ。『ナンダカンダ』という曲をもらった時の心境を歌い出すっていう。オリジナルで(笑)。そんなの、誰が思いつくよ? フハハハハハッ! びっくりしたよ。あれは面白かったね。だから非常にスリリングだし。そういうことって、僕がおげんさんでやりたいことのひとつなんですね。
本当にその人の塩梅で全部変わっていく。で、それをみんなで合わせるみたいな。それってライブでは普通にあることで。でも、テレビの番組ではそれって一切ないので。本当に一切ないよね。どんな番組でも。でも、だからそれをやるってとっても貴重だし、それをやらせてくれる番組っていうのは本当にないんですよね。それってやっぱりテレビのみなさんとしては不安なことですから。でもそれを……今日、録画を見てから来たんだけど。ちょっと裏からのショット、バックショットになった時にスタッフさんが手を叩いて笑っているのが(笑)。楽しんでいるな、みんなっていう。あと、NHK中の人が見に来ているから、すごい人の量だったよね。あれ、面白かったね。そういう経緯でタカシ子にちょっとお願いして、「あそこはもう自由にやってください」って。
ただ、想定していなかったのは最後、連獅子をやりだして歌わなくなるっていう。あそこは全く想定していませんでした。札幌の方。「おげんさんの『ナンダカンダ』、最高でした。タカシ子の激しい首振りにおげんさんが合わせて一緒に首を振ったところがすごく良かったです」って。ああ、ありましたね。一応僕もギターを弾きながら、どうしてもおげんさんの髪はほどけないんであれですけども。仙台市の方。「『おげんさんといっしょ』、お疲れさまでした。タカシ子が手に負えないほどイラついていましたが、ディレクターの伊藤ちゃんは大丈夫ですか?」。フハハハハハッ!
「……少し心配です」だって。全然大丈夫。タカシ子、あれはお芝居なの。マジで。タカシ子ってマジで役に入るから(笑)。あれは本当に「反抗期」っていうキャラクターなんですよ。だからその、上の者に楯突くっていう。アハハハハハッ! だからその、ディレクターというものに対して楯突くぞっていう意思の現れなんですよ、あれは。14歳なりの(笑)。だから終わった後に「本当にごめんねー!」ってすぐに藤井さんに戻るっていう。だから全然怒ってませんので大丈夫です。伊藤ちゃん、本当に愛のある人だからね(笑)。マジでこの番組を誰よりも実現させようと頑張っていましたからね、それは大丈夫です。
続いてのメール。「タカシ子、14歳、反抗期の『ナンダカンダ』、大好き。汗は果汁」。ねえ。「汗もツバも果汁よ」って言ってましたよね。ひどかったですよね(笑)。ええと、たくさんメールが届いています。もうちょっと読んでいい? ヒカルちゃん、ありがとう。ヒカルちゃん、見学に来てくれたんだよね? あ、見切れていた? 本当? それ、今度確認しよう。だから本当、僕の友達しかいないみたいな感じで(笑)。インナーな番組なんだけどね、世界一になるぐらいね、みなさん見てくれて本当に……やっぱりそういうのをやれて俺はうれしいよ。
島根県の方……本当に日本中の人からメールが来ているね。「昨日のおげんさん、最高でした。大知くんが源さんが『アイデア』を歌ってる時、カメラが追っていないところで楽しそうに踊っていました。なんだかとてもほっこりして、うれしかったです」。ああ、こういうのね、うれしいよね。あと、雅マモルくんもね、カメラの後ろで踊ってくれていたの。でもすっごい目立つんだ(笑)。あの格好で踊っているから。すっごいありがたかった。うれしかったです。
東京都の方。「『おげんさんといっしょ』、リアルタイムで見て楽しみました。まず世界トレンド1位、おめでとうございます。この間のも紅白歌合戦波の反響でしたが、改めてすごい番組だと思いました。もう世界の星野源の『おげんさんといっしょ』ですね。そして『アイデア』銭湯バージョンでの初披露。次男の大知くんの地下足袋とは思えないキレキレの『DIVE!』、タカシ子と石橋さんの突然始まるミュージカルの『ナンダカンダ』、お父さんでもあり、カホコが歌う『Family Song』。雅マモルくんが地上波でギター演奏で歌う『恋はホップステップジャンプ』w どれも見どころしかなく、源さんがどの曲も編曲したなんてすごいと驚きました。いつ、その作業をやったったんですか?」。そう。だから2日間ですね。だいたい2日間。あとは家でちょっとやりました。
「あっという間だったので、次はぜひ2時間スペシャルをお願いします」だって(笑)。でも、僕もちょっと思ったのは、まったり話す時間が結構なかったなっていう。それはもし次回やれるんだったらね、やりたいと思います。みんなで打ち上げに行って、本当に楽しい打ち上げで。みんな来てくれて。なかなかないんだけど。みんなすごい忙しいから。そこでももう次回のね、「次はこうしよう」っていう話を結構していたので。まあ、いつできるかはわかりませんが、またやれる日が来ると思います。そうですね。まだしっかり話してないのは、お父さんですね。あの『Family Song』、最高でしたね。もう本当に。
ファミリーに焦点を当てる
僕ね、その今回やりたかったことがひとつあって。それは前回は基本的に僕の歌と後はゲストの細野さん。長男の晴臣のね、歌を歌うということだけで。藤井さんも充希ちゃんもコーラスだったり踊りで参加してくれるという形だけだったんで。今回は僕というよりかは、僕のファミリーというか。僕以外の人たちの見せ場をしっかり作りたいなという風に。それをいちばんに一番に考えて打ち合わせをさせていただきました。その中で、お父さんがね、何を歌ったらいいかというところで。その前に、雅マモルくんもね、リクエストがすごい来ていたんで。だから「弾き語りリクエスト」っていうのを募集したんだけど、もうそれでいいっていうことになってね。「それ、やろうよ!」ってなって。で、番台で。銭湯でバイトしているっていう設定がすぐ出来上がり。その中でギターを弾いて僕も歌うという。
なんていうか、それもしっかりそのステージを見せたかったし。彼はやっぱりやってくれる男だと思っていたけど、やってくれましたね! マモはやっぱりやってくれる男だなと、改めて思いました。ただ、すっごい押していたから、「もうちょっと、もうちょっと短くして!」って心の中では思っていたけど(笑)。でも、それも含めて最高でした。で、その中で、ちょっとおげんさんと雅くんが不倫っぽい……みたいな話になって。その中でお父さんが『Family Song』をやったらすごくいいんじゃないか?っていう話になって。それで、『過保護のカホコ』というドラマで主演が高畑充希ちゃんで。その主題歌を僕が作らせていただいて。それが『Family Song』という僕のシングルの曲だったので。
で、それを高畑充希ちゃんが歌うのはとてもいいんじゃないかということになり、キーを充希ちゃんに合わせて弾き語りでやらせていただきました。僕はギター伴奏だけで。非常に楽しかったですね。『DIVE!』でも僕はもうギターだけ弾くっていうのが、たぶんSAKEROCKの解散ライブ以来だったんじゃないかな? だからその、演奏だけをする。人が歌っている伴奏をするという。で、まあ編曲もさせていただきましたけど。なんか、もうすごい楽しかったんですよ。なかなか普段できないことでもあるし、めちゃくちゃずっとやってたことでもあるんで。なんか非常に感慨深いっていうか、自分の歴史みたいなものを改めてを思い出すような70分でしたね。
いやー、楽しかったな。本当にメールの熱量もすごくて。これをじゃあ、最後に読んで。愛知県32歳の方。「昨日は放送が決定して以来、どんな内容になるのだろうかと考えながら、首を長くして楽しみにしていました。こんなにテレビ番組をワクワクしながら待つことが長年なかったので、子供の頃の感覚を思い出したような気分でした。70分の放送時間に驚くほど濃密な内容が詰め込まれているのに、あくまで自由に気の向くままに振る舞う源さんと出演者の方とのやり取りがとても自然で、見ているこちらも心地よく時間が過ぎていきました。
おげんさんを始め、お父さんもタカシ子も、大ちゃんもネズミさんも、みんなそれぞれの形で音楽に対して熱い気持ちを持っていて、おげんさんの家族は星と星を繋いで星座を作り出すような素敵な関係だなと思いました。最後に『アイデア』の生演奏を見て発想の転換こそ、どんな時も自分の人生を豊かにしてくれる最高のエッセンスだなと感じ、その後興奮してなかなか寝付けませんでした。4歳の子供もおげんさんが大好きなので、録画をこれから一緒に何度も見返したいと思います」。ありがとうございます。
ああ、そうですね。そうそう。音楽に対して熱い気持ちっていうのを本当にみんな持ってるんですよ。なんかやっぱり、特に『おげんさんといっしょ』という番組に出ていただく人っていうのはそういう人しか呼ばないというか。僕の友達はみんな、そうで。なんて言うか、音楽に対して気取ってないんですよね。で、自分のアーティスト性に対してナルシスティックな部分が何もないっていう。ただ一生懸命音楽が好きで、ダンスが好きで、目の前の人を楽しませたり、元気を与えたり。で、自分がたぶん元気をもらってきた人たちっていうか。
音楽だったり、ダンスだったり、パフォーミングっていうことに対して自分が突き動かされてきたことに対して、すごく誠実に「自分が今度は表現するんだ」っていうことに対して誠実で向き合ってる人たちばっかりで。もちろんミュージシャンのみんなもバンドのみんなも、ものすごく誠実な人たちばっかりなので。そういう人たちと、ああいう本当の音楽がある音楽番組っていうのをやれて、僕はとってもうれしいです。なので、もし録画した方は、是非また何回も見ていただきたいと思いますし、またたくさん、こういう風に「またやって!」という声をいただければ、また『おげんさんといっしょ』をやると思いますので。是非みなさん、これからも応援、よろしくお願いします。そして世界のおげんさんも……(笑)。今度はね、ニューヨークとかになっているかもしれない。アハハハハハッ! 家が。でもセットは一緒みたいなね。野外でね。わかんないですけど(笑)。これからも応援よろしくお願いします。
それでは、曲に行ってみましょう。昨日、高畑充希ちゃんが歌ってくれたことで、あらためてすごく注目してくれている人が多いみたいで。僕の原曲バージョンではありますが、ひさしぶりにこの番組で流したいと思います。星野源で『Family Song』。
星野源『Family Song』
(星野源)あ、そうだ。1個ね、メールが来ていて。おげんさんの感想です。「『おげんさんといっしょ』、見ました。タカシ子『ナンダカンダ』、しびれました。質問なのですが、なぜ前奏が工藤静香だったのでしょうか? 教えてください」。それ、さっきの話し忘れていた。本当はビートだけのダンスタイムでタカシ子のフリーゾーンにしようと思ったんだけど、練習の時。まだタカシ子が来ていない時に「ドンツッ、タッツッ、ドンツッ、タッツッ……♪」ってビートを鳴らしていたらギターの亮ちゃんがいきなりあれを弾き始めたの(笑)。「デレッ、デレッ、デデッデデデッデデッ♪」ってやり始めて。
亮ちゃんはいつも冗談でそういうことををするんですよ。そのビートから思い浮かんだ曲を勝手にやっちゃうみたいな。おげんさんの本編でも僕が「聞いてください、『恋』」って言おうとしたら、「『恋』」って言う前にタカシ子が「『津軽海峡冬景色』!」って言ってすごい面白かったんだけど。あの時もすぐに『津軽海峡冬景色』のイントロ的なものをすぐ弾いたじゃん? そういうの、すぐできる人で。それを聞いて「よし、じゃあこれをやろう!」って。亮ちゃんは「えっ、やるの?」みたいな感じで。でも、「やっぱりこれ絶対面白いから!」って前奏でやったら、本番で三浦大知くんが振りをやってくれたっていう、そういう……連鎖が起きるんですよね。全く関係がないとしても、音として面白いしタカシ子にはなんか似合う気がすると思って。
「やろうよ、やろうよ、面白いからやろうよ!」みたいな感じを反映させられるというのは、なかなかテレビでは……たぶん一切見れないことだと思うので。ああいうのもね、僕らが普段やっていることです。あれはリハーサルとかでやってゲラゲラ笑って「面白いねー!」なんて言って。「よし、じゃあこれはやめて違う曲をやろうか」なんて言っているあの感じ。そういうのを『おげんさんといっしょ』という音楽番組は表現できたらいいな、なんて思っています。
<書き起こしおわり>