プチ鹿島 タブロイド紙の影絵記事のすごさを語る

プチ鹿島 タブロイド紙の影絵記事のすごさを語る 水曜日のニュース・ロバートソン

プチ鹿島さんがBSスカパー!『水曜日のニュース・ロバートソン』の中でタブロイド紙に時々掲載される影絵記事の魅力とすごさについて話していました。

(プチ鹿島)はい。ここからは私、プチ鹿島のコーナー「タブロイドからこんにちは」です。ということでね、僕はたかみなさん、新聞が大好きで。新聞を12紙購読しているんですよ。

(高橋みなみ)12紙ですか。ええっ!

(プチ鹿島)で、そのうち、真面目な新聞一般紙は置いておいて、ここのコーナーではスポーツ紙とかタブロイド紙。まあおじさんが読む、たぶん若い女の人は読まないと思われるそんな新聞でもちょっと面白い記事があるんだよっていうのをみなさんにお知らせしているんです。さあ、10日ぐらい前にこういう記事があったんです。僕、ちょっとうれしくなっちゃって。はい。夕刊フジ。これです。「元大物アスリートの息子X 次の薬物逮捕」ということで影絵が出たんですよ! これ、覚えて帰っていただきたいんですけども。

(高橋みなみ)これ、影絵なんですか?

(プチ鹿島)これ、僕の大好きな影絵記事っていう。芸能トークとかでイニシャルトークとかあるじゃないですか。それと同じ効果がスポーツ新聞とか特にタブロイド紙というものであるんですよ。名前は出せない。裏は取れていない。でも噂はある。なんとか煽りたいということで影絵とか、それとなく「元大物アスリート」っていう肩書を匂わすことで人々の関心を集めて買っていただくという。

(モーリー)でも「X」なんだよね。「S」とか「A」とかにするんじゃなくて「X」っていう。

(高橋みなみ)「X」だとわからないですね。

(プチ鹿島)しかも「アスリート」って言ってもかなり広いですよ。これ、陸上選手かもしれないし、お相撲さんかもしれないし、プロボクサーかもしれないし。だからこれ、わからないんですよ。わからないんですけど、どうやらこういう噂がいま界隈ではあるという。だから実はこれ、「どうせまたこういう飛ばし記事だろ? 読まなくてもいいや」って思うんですが、ただバカにできないのはやっぱり人の噂って意外と火のないところに煙は立たないというか。

(高橋みなみ)まあまあ、たしかに。

(プチ鹿島)でしょう? 後から、実名で逮捕された場合に「あの時のここで報じられていたのがこれだったのか!」っていうのがわかるという。それがスポーツ紙とかタブロイド紙の役目なんですよ。

(高橋みなみ)じゃあ、ちゃんと読んでおかないとダメですね。

いちばん影絵記事が得意な東スポ

(プチ鹿島)これもよーく読むと実は「親から多額の小遣いをもらっていたXは……」とか、「六本木で遊んでいた」とか。噂では確実に個人名があるんですよ。で、実はこれ、夕刊フジというタブロイド紙なんですが、これがいちばんお得意のスポーツ新聞がありまして。それがこちらです。東スポなんです。これね、2013年のスクープだったんですが「超大物シンガー薬物中毒 吸引ビデオで闇社会から脅迫も」ということでこの影絵が出たんです。

(高橋みなみ)へー! そうだったんですね。

(プチ鹿島)で、実はこれがASKAさん。

(モーリー)へー!

(プチ鹿島)しかもモーリーさん、この東スポの記事が出た1週間後に週刊文春がASKAさんの実名を出して報道をしたんです。だからこれ、東スポはある意味自分のキャラに徹したわけですよね。実名は出さなくていい。だけど影絵ぐらいだったらいい。あとは「大物シンガー」とか匂わすだけでいい。だけど噂は本当だった。実際にこの後、文春がスクープして世の中がひっくり返ったわけじゃないですか。で、実際にそのスクープした文春の記者の方に僕、実際に話を聞いたことがあるんですよ。そしたらやっぱりこの1週間前に出た東スポの記事、すごく焦ったっていう。

(高橋みなみ)焦ったんですか?

(プチ鹿島)焦った。「ヤバい! 東スポ、東スポってみんなバカにしているけど、東スポはもう感づいている!」って。

(高橋みなみ)そうか。同じネタというか、それを持っているわけですもんね。

(プチ鹿島)そう。かぶっている。東スポはだって、文春はまだASKAっていう実名を出すためには当然「ASKAさん、やっているんですか?」っていう裏付けを取らなくちゃいけない。その調査に一生懸命だったのが、東スポは自分のキャラで影絵とか超大物シンガーとかミリオンヒットとか、なんとなく匂わすだけで記事にできるわけじゃないですか。

(モーリー)まあ、ミリオンっていうとだんだん絞られてくるよね。

(プチ鹿島)だから文春からすればズルいんですよ。やり方が。

(高橋みなみ)この影絵、すごいですね!

(プチ鹿島)そう。だからこれ、バカにできないんです。もうひとつ、東スポの実例を出しましょうか。これもね、3年ぐらい前に「大物芸能人」っていうことでまた影絵が出たんですよ。これ、誰かな?って思って。この「有名俳優Y、大物俳優Z」ってこれはまだわからないです。だけどこの「肉体派系タレントX」、半年後に逮捕されたんです。これが、清原さん。

(モーリー)おおーっ! あ、タレントっていうことなんだね。

(プチ鹿島)だから清原さんっていうのを頭に浮かべてこれを読んでください。「肉体派系タレントX」。嘘は書いていないわけです。だけど「元野球選手X」だったらアウトなわけです。「じゃあ裏付けを出せ」って言われるわけです。それは出さないけど、「こういう噂があるよ」って。だからここをよく読むと「仲がよかったいわくつき人物が刑務所から出所してこのXについていろいろとしゃべっている」っていうのは清原さんが逮捕された後にいろんな週刊誌にも同じことが書かれていた。だからもう噂はつかんでいたわけです。

(高橋茉莉)このYさんとZさんはまだ?

(プチ鹿島)噂にはなっていた。公にはまだなっていない。だけどもしかしたら本当にやっていたかもしれない。だから僕はここでなにを言いたいか?っていうと、東スポとかタブロイド紙とか、結構バカにする人が多いんですけど。いやいや、こういうことを誰よりも先に影絵というちょっとズルい手だけども。噂をいち早く流してくれるのがこういうマスコミの役目なんですよっていう。だけどこれが朝日新聞とか読売新聞とか日刊スポーツとか、ちゃんとした朝に発行される新聞だとこういうことはできないわけですよ。

(モーリー)無責任になっちゃうからね。

(プチ鹿島)事務所から抗議も来るだろうし。

(高橋茉莉)何%ぐらいで本当なんですか?

(プチ鹿島)結構食いついてきますね(笑)。

(高橋茉莉)どんな感じなんだろう?ってすっごい気になっちゃいます。

(プチ鹿島)ここらへんもだから噂があるみたいです。だから僕、たまに東スポの記者とかにあとで「あれは誰だったんですか?」とか聞くと、結構教えてくれます。

(モーリー)こういうのね、いまソーシャルメディアも出てきているからちょっとネットも東スポとある種の距離を起きつつ。突っ込んでくる「本当かな?」ネットもあるんですよ。でもある意味東スポの方が正統派ですよね。だけどネットも結構こういうの、出ているよね。

(プチ鹿島)そうですね。ネットでこれ、答え合わせしてしまうとそれは記者がやっているわけじゃないから全くのデタラメの名前が出ちゃうから。それはあまり見ない方が僕はいいと思っているんです。あともうひとつ、東スポといえばどんなイメージがあります? ネッシーとか雪男とかUFOを売りにしていた新聞なんですよ。90年代は。

(高橋みなみ)あ、そうなんですか!

(モーリー)東スポっていうのは老舗で。たとえば「カッパが出た」とか。「人面魚」とか「人面犬を目撃!」とかって。最後にコラージュを載せてくれる楽しい新聞で。

(プチ鹿島)だからモーリーさん、80年代、90年代はそれで売っていたんですが、実は時代が変わってシビアになって、いま東スポの未知のもの……雪男とかUFOとかっていうのは次に捕まる薬物逮捕は誰だ?っていう、そこの未知にシフトしているわけです。どんどんシビアな未知になっているわけなんです。だからこれ、相当売れているんですよね。この影絵新聞って。だからみなさんもキオスクとかで影絵がもし出たら、ちょっと買ってみて半年、1年寝かしておいたら面白いかもしれません。

(高橋みなみ)読みたくなりました!

<書き起こしおわり>

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