プチ鹿島 吉本興業・岡本社長会見と普天間基地跡地利用を語る

プチ鹿島 吉本興業・岡本社長会見と普天間基地跡地利用を語る YBSキックス

プチ鹿島さんがYBS『キックス』の中で吉本興業の岡本社長の記者会見についてトーク。最近の吉本興業関連の注目すべきニュースと絡めながら、吉本興業という企業について話していました。

(プチ鹿島)みなさん、こんにちは。……これ、テープ回してないですよね?

(海野紀恵)フフフ、いや、今日は注目されてる方、多いと思いますよ。

(プチ鹿島)ちょっと場を和ます冗談を言いましたけども。でも、やっぱりそんなの効かないよね? こんなの、冗談にはならないよね。いやー、本当にいろんなニュース、記事が豊富ですよね。やはり今日、スポーツ紙も含めて朝刊を見ると、やはり昨日行われた吉本興業の社長の会見の記事が多くて。たとえばデイリースポーツ。「岡本、すべった」って書いてある(笑)。

(海野紀恵)フフフ、たしかに(笑)。

(プチ鹿島)「『お前ら、テープ回してへんやろな』はギャグ 苦しい釈明」っていうね。まあまあ、昨日の会見、ご覧になった方は……あれ、5時間ぐらいあったと思うんです。で、やっぱり吉本に所属してらっしゃる芸人の方。「いまこそ立ち上がるべきなんじゃないのか?」みたいなことをいろいろやっていて、それも大注目なんですが。僕個人で言いますと、じゃあこの吉本関連でこの1ヶ月、いちばん気になった記事……僕は新聞の読み比べをやらせていただいてますから。それをご紹介しようと思うんですよ。

(海野紀恵)ええ。

(プチ鹿島)僕、吉本関連でいちばん気になった記事が約1ヶ月前。朝日新聞の6月24日の記事です。「辺野古、見えぬ対話」っていう記事ですね。「移設ノー、知事強調 沖縄慰霊の日」っていう。これは沖縄の慰霊の日について、その翌日に書かれた記事なんですね。で、その記事を要約してみると、沖縄のみなさんは「辺野古について話そう」って言っているんだけど、その沖縄に向き合わない首相というところに焦点を当てて書かれているんですよ。で、たとえば首相の狙いとしてこういうことが書いてあるんですよ。「むしろ基地の跡地の利用に力を入れることで辺野古埋め立てのイメージを変えようとしている」という。そういうことが書かれた記事なんですよ。

(海野紀恵)ええ。

(プチ鹿島)で、これが吉本とどんな関係があるのかって思う方もいるかもしれませんが、後半を読んでいくと政権の沖縄構想について説明された部分がありました。これは6月20日のことなんですが、「基地跡地の未来に関する懇談会。この初会合には吉本興業会長の大崎氏らが出席。『エンターテイメントやスポーツで世界一の島にする』といった意見が出た」という。

(海野紀恵)へー!

(プチ鹿島)ここで、吉本が登場するんですよ。

(海野紀恵)はい。

辺野古基地跡地利用に関する政府懇親会に吉本興業・大崎会長が参加

(プチ鹿島)つまり、基地の跡地をどうしようかということで安倍さんが。その懇談会に吉本興業の会長さんが出席をしているわけですよ。つまり、政権が主催する会なので国を動かす側に吉本が入っている。吉本はブレーンの1人ということになるんですね。これはすごいことですよね。芸能プロダクションの枠を超えて国政トップの中に入っている。この頃から闇営業の話題が多かったですけども、「闇営業」という言葉があるならばセットで「光営業」という言葉があるとしましょう。そしたらこれって、吉本さんからしてみたら間違いなくピッカピカの光営業ですよね。自慢の躍進ですよ。

(海野紀恵)はい。

(プチ鹿島)だって、安倍さんのブレーンになるわけだから。沖縄の基地の跡地をどうしよう?っていう。それが1ヶ月前。で、僕はメールマガジンっていうのもやっていましてね。で、やっぱりいろいろ気になる記事を紹介していて、1ヶ月近く前にこの記事を紹介していた。だからこそ、僕が言いたかったのは一方で闇営業問題が勃発して。それは「吉本興業はこれだけ超公の、国とも絡む存在になってきたんですから反社会的勢力との接触=闇。そんなものがあっていいわけがない。だから断固とした対応をしているんじゃないか? 社員も含めてクリーンな存在でなければならないんじゃないか? そういう論理で現在は動いているんじゃないか?」と、1ヶ月前にはそう思っていたんですよ。

(海野紀恵)ええ。

(プチ鹿島)だからこそ、闇営業と決然と対峙する姿勢を見せたんじゃないか。国とかかわっているんだから。ところが、昨日の会見。昨日の会見はフタを開けてみたら、どうでしたか? むしろ吉本興業の暗そうな体質。あえて「闇」とは言いませんが。パワハラであるとか、隠蔽であるとか、ブラック企業体質というか。そういった疑惑……「疑惑」と言っておきますけども。でもあの会見を見ると、土曜日の宮迫さん、田村亮さんの会見とは全く違うことをおっしゃっていましたよね。ですからそういった隠蔽であるとかパワハラ体質というものがあるんじゃないかな?っていうのが誰の目にも明らかだったですよね。

(海野紀恵)そうですよね。

(プチ鹿島)そう思うと、じゃあこれから宮迫さんがどうなるんだ? スッキリで加藤さん、かっこいい。いいじゃないですか。僕も応援の気持ちしかないですよ。でも、優先順位を言うとそれも大事なんですが、そういうような体質の会社がここまで国や政権と近くていいのか?っていう。この素朴すぎる疑問を僕はまず最優先で報じなくちゃいけないと思う。考えなくちゃいけないと思う。

でね、これはすでに話題になっていますが。普通に新聞なんかを読んでいて4月ぐらいに「へー、すげえな、吉本!」っていう記事もあるんです。これはプロジェクト。NTTのニュースリリース。誰でもネットで検索すれば見ることができるんですが。「吉本興業とNTTグループ、国産プラットフォーム事業開始、クールジャパン機構も出資」という。これ、どういうことかというと、「吉本とNTTが共同で『遊びと学び』をコンセプトにした教育コンテンツ等を国内外に発信していく国産プラットフォーム事業を開始するという。

だからこれもすごいじゃないですか。お笑いという枠を超えて。素晴らしいことなんですよ。ただ注目は次です。「新会社にはNTTグループと吉本興業からの出資に加えて、段階的に最大100億円をクールジャパン機構が出資します」。つまり、国から100億円が出るということです。これ、すごくないですか? だから僕、この4月の時点でこのリリースを読んだ時には「すごいな、吉本さん! 超メジャー企業じゃないか!」って。教育のことまでやってくれる。昔、「大阪100万円」っていう芸人がいたんですけども、「国から100億円」ですよね。こうなったらね。

(海野紀恵)すごいですね(笑)。

吉本興業とNTTグループの共同事業

(プチ鹿島)でも、そういうぐらいのすごい企業なんだなって4月の時点で思っていたんですが、でも改めて昨日の会見を思い出してください。その体質、あの感じ。ここに国からお金を流していいんですか?

(海野紀恵)いやー、ダメですよね。

(プチ鹿島)いいんですね? で、このリリースにはもっとヒントがありまして。このプロジェクト、どこを拠点にするのか? 「また、沖縄県に、本プラットフォームの拠点となるアトラクション施設を設置します」。沖縄……つながるでしょう? 先ほど申し上げた吉本の会長さんが基地跡地の未来に関する懇談会に呼ばれる意味はここでつながるわけですよ。政権を挟んで。

(海野紀恵)いやー、すごい!

(プチ鹿島)ですから、もう1回、言いますよ。今回の騒動で吉本の芸人さんの待遇改善とか立ち上がる姿。僕は応援しかないです。で、それ一辺倒の報道も、まあしょうがないよね。スポーツ紙とか。どんどんやればいいと思うんだけど、でも最優先すべきはそういう体質の企業がいまのままの状態で、そこに国からお金が投入されるっていうことはこれ、他人事じゃないんですよ。「ああ、芸人の待遇がかわいそうだな!」っていう吉本の問題じゃなくて、これは俺らの税金の問題でもあるから。俺らも立ち上がらなくちゃいけないんですよ。小言を言わなくちゃいけないんですよ。

(海野紀恵)はい。

吉本興業の問題は我々の税金の問題でもある

(プチ鹿島)そういう状況になってきた。静観はできないですよ。だから僕はこのラジオで、もう書いてある記事を言っているだけですからね。根掘り葉掘り、ゴシップ記事を言っているわけじゃないですから。僕、最優先すべきはそこだと思う。「エンターテイメントやスポーツで世界一の島にする」というのも、「段階的に最大100億円をクールジャパン機構が出資する」というのも、これは全部税金ですよ。

だからこれ、方法は2つ。ひとつは吉本さんにそこまで国、政権と絡んで、税金も使って事業をしてスーパー企業になるなら、やはり自身の体質を改めてもらう。もしくは、もうひとつ。体質はいまのままでいい。芸能ゴシップとして消化させてもらう。そのかわり、政権や国との関係、その野心を見直してもらう。あくまでも「芸能ネタ」の範疇に戻ってもらう。そこから体質改善をしてもらう。このどちらかしかないと思いますよ。

(海野紀恵)うんうん。

(プチ鹿島)そうでしょう? だってこれは吉本のギャラの配分の話だけじゃないですよ。100億円云々っていう話が出ている。で、「沖縄をエンタメの島にしよう」なんていうことで政権のブレーンになっているわけだから。これはやっぱりマスコミがいちばん先に問題視しなくてはいけない問題だと思う。だからこれ、本当に笑い事ではないですよ。僕は昨日の会見を見て思いました。

そう考えると、やっぱり首相官邸に吉本新喜劇のみなさんが来たっていうのも、あれはほのぼのニュースではないから。

(海野紀恵)そうですよね。新喜劇に安倍首相が出たりとかもありましたもんね。

(プチ鹿島)まあ、ちょうど先週はジャニーズ事務所に公正取引委員会が「圧力をかけたんじゃないか?」みたいな。期せずしてやっぱりスーパー芸能事務所2つがいままではあったのかもしれないし、なかったのかもしれないけども。でもそれが小さな声、もしくは虐げられてきた人の声。そういうのをきっかけに露わになってきたというのが象徴的ですよね。

(海野紀恵)ねえ。

(プチ鹿島)で、まず最優先でこれ。その後に「宮迫さんがんばれ!」とか「吉本の所属する全芸人の待遇が変わればいいんじゃないか」とか。あと「ファミリー」という言葉ですよね。これ、ひとつだけ言っておくと、昨日の会見でもファミリーっていう言葉が出ましたし、会長さんも朝日新聞のインタビューで「吉本はファミリーだから」っておっしゃっていますけども。芸人側が使うファミリーっていう言葉と経営者側、背広側が使うファミリーっていう言葉、同じ言葉ですけど意味合いは違いますからね。

背広側と芸人側の「ファミリー」の違い

つまり、背広側が言うファミリーっていうのは「世の中のルールじゃなくて、なあなあでいいだろう」っていう。今日もどこかの弁護士の方がスポーツ紙にコメントをしていました。「曖昧なままにする。なあなあのままにする。だからこそ、俺らはファミリーだもんな」っていう。でも芸人側の言うファミリーっていうのは「会社側がそうだからこそ、自分たちがそういう環境に囲まれているからこそ、恵まれない後輩は助けるしかない」っていう……。

だから吉本は1日でも先輩だったら売れている、売れていないに関係なく、ごはんをおごってあげるっていう。あれはファミリーだからなんですよ。会社が守ってくれないから、自分たちで結束をするしかないという。それが本来の意味でのファミリー。その背広側が使うファミリーと芸人側が使うファミリー、これは分けた方がいい。芸人側の言っているファミリーが本当のことだから。そこなんですよ。だから言葉の使い方ひとつでもだいぶ違うものが見えてくるっていう。そうなんですよ。

<書き起こしおわり>

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