松尾潔とCHEMISTRY『メロウな夜』300回記念ゲストトーク書き起こし

松尾潔とCHEMISTRY『メロウな夜』300回記念ゲストトーク書き起こし 松尾潔のメロウな夜

(松尾潔)CHEMISTRYのお二人をゲストに迎えてお送りしております『松尾潔のメロウな夜』300回記念特集。まずは堂珍嘉邦さんにセレクションしてもらった松尾潔この一曲、コーク・エスコヴェード『I Wouldn’t Change A Thing』。上がりますね。これ、テンション上げるためにはもうバッチリの曲なんだが、さっき話にも出てきたけどまあオリジナルを歌っていたのがジョニー・ブリストルっていう人で、この曲の作者でもあるんだけど、実はいま、バックに流れているのはそのジョニー・ブリストルのバージョンなんですが。

この曲のジョニー・ブリストル版、オリジナルバージョンのアレンジを手がけた人というのは実はCHEMISTRY、特に川畑君に非常に関係ある。これね、堂珍くんはそこまで何も考えてたはずはないんだけど……俺の中でジョニー・ブリストルを挟むことで川畑君につながっちゃったの。なぜか?っていうと、この曲のアレンジをやってるポール・ライザーっていう人は『No Color Line』のアレンジャーさんなわけ。これね、奇跡的なデュオの美しいパスになっちゃってるわけ(笑)。

(川畑要)すごいですね(笑)。

(堂珍嘉邦)じゃあ、これのパス、返ってくるかな?

(川畑要)アハハハハハッ! ハードル上げるなよ(笑)。これに関してははっきりイエスは言えないな(笑)。

(松尾潔)フフフ、いいねいいね。なんかデュオ感あるね、いまのトーク。いいね! あったまっているね。けど、真面目な話ね。僕、ほら。この堂珍くんからこの曲がってなった時、実はこれ、リスナーのみなさんにお話をすると3人でやっているLINEがあるんですけど。2人に「曲を1曲ずつ挙げてくれないか? ただ、返しは個人で返してね」って。で、その時に堂珍くんがこのコーク・エスコヴェードを挙げながら「他にもこの曲ってダイアナ・ロスが歌ったりしているみたいなんですけど」みたいな。「……ジョニー・ブリストルの名前は言わないな?」って思って。ちょっとマニアックな話なんだけど。

(堂珍嘉邦)フフフ(笑)。

(松尾潔)で、僕とかからするとこれはジョニー・ブリストルの曲というイメージも強くて。で、ジョニー・ブリストルのこれはたしかセカンドに入っているんだけど。「ポール・ライザーじゃん!」って。俺、『No Color Line』のね、川畑くんのセカンドアルバムに入ったソロナンバーだけども。『No Color Line』のそのポール・ライザーさんが書いた譜面を僕、仕事部屋にずっと飾ってもう毎日見てるわけ。ストリングス・アレンジの……それはもう我が家にいらしたミュージシャンの人は「ああ、これがポール・ライザーですか!」みたいな。まあ、大変有名なスティービーとかテンプテーションズとかをやった人なんで。

(川畑要)だからすごい人に頼んですよね。

(松尾潔)まあ、そうとも言えるよね。そうとも言えるんだけど……「ソロとして1曲挙げてっていう時でもこの人たちはつながっちゃうんだ」って思って。

(川畑要)すごいパスが来ましたね。

(松尾潔)パスが来ましたね。すいません。僕が大興奮したのでどうしても言わずにはいられなかったんだけど。

(川畑要)ちょっとそれ、びっくりです。

(松尾潔)で、「それを受けての」っていうわけじゃないんだけど。別個に出してもらった川畑くんのセレクション。これ、全然違う角度からパスが来ちゃっているんで。本人に言ってもらいましょう。

(川畑要)そうですね。いや、僕がその松尾さんからLINEをいただいて。好きな曲。『メロウな夜』に合うものということで。だからメロウなものということで探そうとも思ったんですけど。

(松尾潔)俺、てっきりUSのR&Bのさ、それこそR.ケリーとかジョーとかそういうのが来るのかなと思いましたよ。

(川畑要)すごい考えたんですけど。それはちょっといいやと思いまして。それよりも僕がその松尾さんからLINEをもらった時、パッと出てきた曲にしようと思って。それが、この曲だったんです。

(松尾潔)その曲とは?

(川畑要)Voices of KOREA/JAPAN『Let’s Get Together Now』です。

(堂珍嘉邦)おおーっ。

(松尾潔)本当にいまね、すごい美しい話として聞けばいいんだろうけど。僕も少々汚れちまった大人なんで……単純にその時、テレビにワールドカップがついてなかった?(笑)。

(川畑要)それはもちろんみなさんね、聞いてもらっている方にも言いたいんですけども。「お前、ワールドカップやってるから選んだんじゃねえか?」と言われると思っていたんですよ。

(松尾潔)思っていました(笑)。

(川畑要)それをちゃんと覆すものを持ってきたので。僕、松尾さんちに先日のお邪魔させて頂いた時に……まだ、あの時はワールドカップはやっていませんでしたよね?

(松尾潔)やってませんでしたね。いい感じの飲みましたね。

(川畑要)飲ませていただいて。その時に松尾さんがこの『Let’s Get Together Now』のミュージックビデオつけてくれたんですよ。

(松尾潔)そうだった! 思い出した! 韓国ロケのね!

(堂珍嘉邦)ああーっ。

(川畑要)思い出したでしょう? 俺、見るまで忘れてたんですよ。そして。で、「おおっ、これ、懐かしい!」って話になって、なんかグッときたんですよ。

(松尾潔)なるほど。僕もあの時、ひさびさに見たもんね。

(川畑要)そうですよね。しかもそこに松尾さんが出ていたんですよ。

(松尾潔)これ、CHEMISTRYファンでもほとんど知らないんじゃない?

(堂珍嘉邦)待てよ、待てよ……。

(川畑要)俺ね、言われて思い出したの。後半。松尾さん、そういえば出てたって言ってた。

(堂珍嘉邦)あれ、松尾さんの処女作ですか? ちなみにそれ、もしかして?

(松尾潔)フフフ、いや、その前にも1本映画に出ていますけども。そんなことはいいんだけども(笑)。まあけど、韓国ロケに行ってね。そうだよね。あのショートフィルムの撮影は2人はいなかったもんね。そうだそうだ。

(川畑要)僕らは僕らでレコーディングシーンを撮ったりとか。韓国の街でいろいろちょっとミュージックビデオを撮っていたんで。

(松尾潔)あの頃は韓国、よく行ったね!

(川畑要)行きましたね。やっぱりまだ日本語の言葉っていうのも流れること自体が本当に歴史として……。

(松尾潔)2002年ですよ。

(川畑要)まだライブ経験ゼロの頃の僕らなんで。

(松尾潔)フフフ、デビューステージがね、開会式っていう(笑)。

(川畑要)5万人ぐらい。スタジアムで(笑)。

(松尾潔)いきなり、世界100何ヶ国で中継されたわけだよね。

(堂珍嘉邦)あれはだから、レコード会社の方だったと思うんですけど。「テレビの向こう側には20億人が見てますから」って。

(川畑要)そう。言ってた(笑)。

(松尾潔)そんな圧のかけ方、するんだよな。あのレコード会社は。

(川畑要)そうなんですよ。他人事だと思って言い出すんですよ(笑)。

(堂珍嘉邦)なんでまあ、ちゃんとした、恥ずかしくないことをやらないといけないし。

(松尾潔)でもそれを、あの時の開会式のもの、いま動画サイトに上がっているものを見たんだけど。つい最近に。堂々としていましたよ。それ、韓国のテレビで中継された、韓国のそれを報じる人も興奮しているのね。だって、公に韓国の電波に乗った初めての日本語曲なのかな? 戦後。だからやっぱりすごく歴史的な一瞬だったんだなと痛感したんだけど。

(堂珍嘉邦)いまでも覚えてますもん。ラジオ局でので『PIECES OF A DREAM』を流した時だったと思うんだけど。「いま、これ初めて日本の曲が流れているんです」みたいなこともありましたし。

(松尾潔)なるほどね。じゃあ、その曲を聞いてみましょうか。

(川畑要)だからこれで僕がワールドカップだったから選んだわけじゃないっていうことをね、理解してもらえたと思うので。

(堂珍嘉邦)これ、いっぱいバージョンあるよね? どれなの?

(松尾潔)今日はせっかく2人に来てもらったので。ジャパンバージョンを。シングルに入っている。

(川畑要)お二人のいいパスになったと信じております。Voices of KOREA/JAPAN『Let’s Get Together Now J.ver』。
Voices of KOREA/JAPAN『Let’s Get Together Now J.ver』

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