池田敏と宇多丸 2016年 いま見るべき海外ドラマを語る

宇多丸 Netflixドラマ『The Get Down』を語る 宇多丸のウィークエンド・シャッフル

海外ドラマ評論家の池田敏さんがTBSラジオ『タマフル』に出演。日本でも動画配信サービスが充実した2016年に見るべきおすすめ海外ドラマを紹介していました。

(宇多丸)ここからは特集コーナー、サタデーナイトラボのお時間です。今夜お送りするのは、こちら! 映画ファンよ、まだ見ていないとは言わせない。いま見るべき海外ドラマはこれだ特集! 2014年8月9日にお送りした、映画ファンよ、もう見て見ぬふりはしていられない。いまからでもギリギリ間に合う海外ドラマ入門特集からおよそ2年ぶりにお送りする海外ドラマ特集第二弾。お話いただくのは前回に引き続き、この方。海外ドラマ評論家の池田敏さんです。よろしくお願いします!

(池田敏)どうも、ご無沙汰しています。よろしくお願いします。

(宇多丸)よろしくお願いします。ということでね、このたび、本を出されたということで。まずはこちらをご紹介させてください。『「今」こそ見るべき海外ドラマ』。そのものズバリですね。星海社新書より発売されたそうで。どのような内容になっているのでしょうか?

新書『「今」こそ見るべき海外ドラマ』

(池田敏)はい。いままで海外ドラマ入門って意外となかったんですね。本としては。

(宇多丸)なるほど。これだけ話題になっているのに。

(池田敏)ええ。ですので、ビギナー。あとはコアな方も楽しめる、「やっと会えたね」的な海外ドラマを入門を上梓させていただきました。

(宇多丸)ということですね。今回はこの本にもとづいてというか。ここから先はお好きな作品などをうかがって行こうと思います。前回が2年前ということなので。あれからずいぶん状況も変わったのではないか? とも思うんですけども。

宇多丸・池田敏が語る 2014年 初心者向け海外ドラマ 6作品
TBSラジオ『タマフル』で海外ドラマを特集!海外ドラマ初心者の宇多丸さんが海外ドラマ評論家の池田敏さんを迎え、初心者向けの6作品とその魅力について話をしていました。 (宇多丸)今夜お送りするのはこちら。『映画ファンよ!もう見て見ぬふりはして

(池田敏)まあ、海外ドラマを見る方法としては動画配信サービス(SVOD)が去年から特にガーッと盛り上がってきて、見きれないというぐらい海外ドラマが増えているっていう。

(宇多丸)後ほどね、お話にも出ると思いますけども。Netflixとかね、もう開くたびに「新着! 参ったな……またこんな面白いのを。参ったな……」っていう感じですね。本当に。

(池田敏)本当に、特にアメリカとあんまりタイムロスがないっていうのが。

(宇多丸)そうですね! 『ハウス・オブ・カード』がずーっとNetflixオリジナルなのにないと思ったら、一気にシーズン4までドーン! と来た時に、「やめてくれ!」っていうね(笑)。

(池田敏)(笑)。完全に僕も何日間か奪われましたね。シーズン3、4を見るので。

(宇多丸)シーズン3、4同時っていうのがありましたもんね。やっぱり、でもうれしいですよね。見たいところまで一気に見れちゃうっていうのは。

(池田敏)そうですね。はい。

(宇多丸)まあ、要は配信サービスが日本でも普及してきたのが大きな違いでしょうかね?

(池田敏)そうですね。圧倒的に見られる本数が変わってきたっていうのがありますよね。

(宇多丸)あと、作品の中身的は変化っていうのもありますか?

(池田敏)そうですね。ちょっと最近、アメリカのドラマで言うとちょっと短めになっていますよね。前に「『24』って1シーズンに24話もあるの、見られねえよ。長いよ!」って言われていたんですけど、いまは10話とか12話が多いんで。なんだったら1日で見られますよね。

(宇多丸)休みの日を1日使えば。

(池田敏)そうです、そうです。

(宇多丸)はい。という感じで、そこも見やすくなっているっていうことで。

(池田敏)あの、門は広がっているという感じですね。

(宇多丸)なんかこう、いま受けている方向性とかっていうのはあったりするんですかね?

(池田敏)そうですね。いま、まあ世界をマーケットにすると逆に「こういう人、絶対にいるよね」っていうようなファンに向けて作るような……

(宇多丸)ああ、意外とニッチな?

(池田敏)そうですね。ですので、さっきおっしゃった『ゲット・ダウン(The Get Down)』みたいな……

(宇多丸)ねえ! もうヒップホップマニアか?っていう話ですけどね。まあ、さっそくちょっとその話もね、うかがっていこうかと思いますが。じゃあもう、具体的な話に行きましょうかね。ということで、映画好きにおすすめの作品を具体的にうかがいつつ、現在の状況なども含めてうかがっていこうかと思うんですが。まずは、どんな感じから行きましょうかね?

(池田敏)そうですね。まあ、前回ご出演させていただいた時に、いま世界的にテレビの多チャンネル化っていうのがあって。それを助走期間にして、その後にやっぱりDVDだったりブルーレイっていう風に海外ドラマがいろんな方法で見られるようになったんですね。そうなると、端的にお金が集まりやすくなるっていう……

(宇多丸)めちゃくちゃ儲かりますよね?

(池田敏)そうですね。たとえばNetflixですと、もういま世界190ヶ国とかで配信サービスしているらしいですからね。

(宇多丸)何人ぐらいが契約しているんですかね?

(池田敏)いまね、8千万を超えたんで。

(宇多丸)8千万でしょ? それが毎月ナンボを払ってやるわけだ。その国なりの。もう、莫大な……

(池田敏)そのへんも僕、計算して。本の方にも書かせていただいたんですけど。某NHKの受信料よりも多いんです。

(宇多丸)ねえ! そうなんですよ。いきなりもう急成長した会社がNHKよりもデカくなっちゃっているっていうことですよね。

(池田敏)ええ。

(宇多丸)ということで、お金があるっていうことは当然質的にも高まっていくと。

(池田敏)そうですね。あとは一方で映画界の方でハリウッドにも変化が起きていて。やっぱりハリウッドって中国とかでも上映できるような大作。ちょっと大味って言っちゃ失礼ですけども、まあ家族揃って見られるような映画がどんどん増えていて。で、もう一方で、アートハウス的な、ミニシアター的な……

(宇多丸)インディー映画ね、ありますよね。

(池田敏)ちょっといま二分化していて、真ん中がいま、すっぽり抜け落ちていて。

(宇多丸)それこそ大人向けの重厚な人間ドラマみたいなもの。で、スターが出ていて……みたいなのはあんまりない。

(池田敏)あんまりなくなってきちゃって。で、その分の人材がもうどんどん動画配信ドラマに流れていっているっていう。

(宇多丸)やっぱりこれは表現の自由度みたいなのが高いっていうのはあるわけですね?

(池田敏)そうですね。いままでやっぱり地上波はアメリカが中心だったんですよ。それがケーブルテレビができたことによって、あんまりCMのスポンサーは気にしなくていいような、HBOっていうチャンネルができたりとかあって。で、まあ動画配信サービスも見ている人がお客さん。スポンサーみたいなもんですから、まあよっぽど公序良俗に反さない限りはOKっていうような感じですね。

(宇多丸)バイオレンスにしろ、セックス描写にしろ、結構「えっ!?」っていうね。

(池田敏)そうですね。あとまあドラッグの描写だったり。

(宇多丸)そうそう。っていうかドラッグ、描写どころか……こんなに作り方を懇切丁寧にやってしまっていいのか?って思う時ありますもん、僕(笑)。

(池田敏)そうですね(笑)。

(宇多丸)へー、コカインってこうか! なんつってね。ありますもんね。まあ、そういう意味で自由度が高いので、クリエイターとしても要は、単純に儲かるから以上に、もうやりがいを感じて来ているところもあると?

(池田敏)そうですね。あと、自分が向いている題材っていうのができる挑戦の場になっているっていうのもあって。で、やっぱりNetflixが『ハウス・オブ・カード』っていうのを作ったのは大きいですよね。デビッド・フィンチャー監督、ケビン・スペイシーが主演ということで。

(宇多丸)まあ、前回の特集の時に言いましたけど。僕はもう圧倒的に『ハウス・オブ・カード』にハマりましたね。参りました、本当に。

(池田敏)で、もういま、今度日本時間の9月19日にアメリカのテレビ界のアカデミー賞と言われるエミー賞が開かれるんですけど。そこももう、動画配信サービスのオリジナルドラマがガンガンノミネートされているような状況なんですよね。

(宇多丸)映画界からもどんどん、まだ大物の流入が続くという話も……

(池田敏)アメリカのアマゾンがですね、ウディ・アレンが監督したドラマ『CRISIS IN SIX SCENES』っていうのがあるんですけど。それがですね、アメリカはちょうど9月30日から配信しますね。ウディ・アレンが!っていう。

(宇多丸)はい。びっくりしちゃいました。これ。

(池田敏)びっくりしますよね。

(宇多丸)なんか、いちばんそういう古いところにこだわってそうな人だからびっくりしちゃいましたけど。やっぱりやりやすいっていうのはあるんでしょうかね?

(池田敏)そうですね。アマゾンの方が作り手の自由を完全に保証してくれている
っていうんで、乗ったということですよね。

(宇多丸)なるほど。これもね、すごい楽しみなんですけどね。はい。ということで状況は非常に整った中で、さあ、では今回はたぶんまだまだどういう作品を見たらいいかわからないという人にとっかかりになるようなお話をうかがっていければと思いますので。池田さんのおすすめ作品を……

(池田敏)まあ、いまですとですね、動画配信サービスっていうのがたくさん見られる人にとってはお得ということもあって。で、なおかつ新しいものも見られるということで、ひとつひとつご紹介していこうと思います。じゃあまず、先ほどからお話に出ているNetflix。

(宇多丸)Netflixね。うん。

(池田敏)もともとはね、レンタルDVDを郵送で送る会社だったんですよ。

(宇多丸)ああー、TSUTAYA DISCASとかああいうような?

(池田敏)ああ、そうですね。延滞金も払わなくていいような。で、それをやっていた会社なんですけども、DVDを送ったり返してもらったりっていうのが会社の方としても、あとユーザーにとってもその両方の手間を省こうということで動画配信サービスに力を入れるようになったと。

(宇多丸)まあインターネットのネットワークがちゃんと普及しないとどうにもならないんだけどね。これはね。特にアメリカで最初にっていうのは当然ね、なるほどなと思いますけども。で、そのNetflixがオリジナルドラマを?

(池田敏)そうですね。Netflixが有利な点っていうのは、要はレンタルDVDのネットで郵送するサービスをやっていた時は、どんどんメガデータっていうのを蓄積していったんですよね。だから、こういうユーザーはこういう監督が好き、こういう役者さんが好きっていう。で、そういうデータに基づいて、だから『ハウス・オブ・カード』もケビン・スペイシーもデビッド・フィンチャーも人気があるっていう裏付けがあったんですよ。実は。

(宇多丸)デビッド・フィンチャーでケビン・スペイシー主演なら、これは実はいちばん固いところなんだっていうのはわかっていたと。なるほど、なるほど。

(池田敏)たぶんそれで……まあ、僕もおすすめ、ぶっちゃけ『ゲット・ダウン』なんですよ(笑)。

『ゲット・ダウン』

(宇多丸)おおーっ! いや、『ゲット・ダウン』行きましょうよ。ぜひぜひ。Netflixおすすめ。これ、僕はさっきね、ヒップホップやっているし、非常に歴史にも興味ある側としてお話したんですけど。池田さん的にその『ゲット・ダウン』のおすすめポイントって話すとなると、どんな感じでしょう?

宇多丸 Netflixドラマ『The Get Down』を語る
宇多丸さんがTBSラジオ『タマフル』の中でヒップホップが誕生した1970年代のサウスブロンクスを描いたNetflixオリジナルドラマ『The Get Down』について話していました。 THE GET DOWN Party powered

(池田敏)そうですね。やっぱり1977年っていうのはヒップホップの黎明期でもあったんですけど、あとディスコが流行った頃ですよね。

(宇多丸)ディスコ全盛期ですね。

(池田敏)映画の『サタデーナイトフィーバー』がアメリカで公開されて大ブームになったりとか。

(宇多丸)みんなで揃って振り付けする場面とか、出てきますもんね。

(池田敏)そういうこともあったり、あと『スターウォーズ』も1977年なんですよ。

(宇多丸)『スターウォーズ』の話題がちゃんと出てくるっていうのがありましたよね。「この後、『スターウォーズ』行こうぜ」っつってね。「なんだっけ? 『マーズウォーズ』?」「『スターウォーズ』だよ!」っていうね。ありましたよね。

(池田敏)(笑)

(宇多丸)時代感がすごくちゃんと出てましたね。

(池田敏)たとえば1977年のアメリカのドラマ界ってどうだったのか?っていうと、要するにいまほどリッチじゃないっていうか。本当に小さいスケールの、映画に全然追いついてない感じがあったんですけど、逆にいま、あの時代のことをお金をかけてやったらどうなる?っていう。

(宇多丸)そうですよね。お金をかけて、しかもアメリカも、ニューヨークも含めてものすごく荒れている時代なわけですからね。それをわざわざ金かけて。金かけて超廃墟のスラム街を描くという……

(池田敏)要するにヒップホップで使ったグラフィティですよね。落書きもいっぱい出てくるじゃないですか。

(宇多丸)そうですね。地下鉄のあれなんか、どうやってやっているのかな?って思うんですけど。

(池田敏)いまは地下鉄、きれいなはずなんで。まあたぶん、全部書き込んでるんでしょうね。

(宇多丸)書き込んでたりとか、当時のフッテージを見つけてきてっていうことなんですかね? でもそのね、時代感の醸し感がすごいな! すごいクオリティーだな! と思って見てましたけど。バズ・ラーマンということで。

(池田敏)そうですね。これ、バズ・ラーマンが第一話を監督しているんですけど、他のエピソードがですね、エド・ビアンキっていう監督が半分ぐらいやっていて。この人、実は1942年生まれで、74才の結構おじいちゃんなんですよね。

(宇多丸)えっ、そうなんすか?

(池田敏)でもこの人、CM界出身で、逆に言うとあの時代をよく知っている人なんですよ。

(宇多丸)なるほど! そういうチョイスだったのか! 僕は当然若い人だと思っていました。ああー!

(池田敏)だからバズ・ラーマンは監督としてやっぱり最新鋭の人なんですけど、ちゃんとそういうわかる人も呼んできているっていうあたりが。

(宇多丸)なるほどー! それは唸らされるな! 面白い!

(池田敏)あと、本当に「えっ?」って思っちゃったのは、(ウィル・スミスの息子の)ジェイデン・スミスくんが脇役にいるっていう……

(宇多丸)あれですよね? グラフィティをやっているアフロヘアーの子ですよね。彼の顛末、なかなか面白いですよね。

(池田敏)まあ、見てのお楽しみで(笑)。

(宇多丸)まさに、ガラージュシーンとクロスするところがあるんだけど。

(池田敏)とにかく本当に、逆に言うと当時を知らない人とか、このリスナーの方でいっぱいいると思うんですけど。もう完全に1から新しい、新鮮なものとして見ていただけると思うんで。おすすめですね。

(宇多丸)青春ドラマとしてすごいいいですよね。彼が憧れの女の子にいったんは拒絶されるところの、あの痛切な感じと、それで自分なりにやってやる!っていうところとね。もうたまんないですね。あれね。という、非常にドラマとしてもよくできている。

(池田敏)はい。

(宇多丸)いまはNetflixで僕、6話までしか見れてないんですけども。全13話、シーズン1ということで。

(池田敏)ええと12話か13話という噂があって。スタッフの方はあと7話、やりたいみたいですけどね。来年配信です。

(宇多丸)あ、そういうことなんですね。なるほど! でも、来年アメリカで配信されたら、ほぼ日本でもたぶん同時に……

(池田敏)たぶんですね。ええ。

(宇多丸)それは素晴らしい。映画だと、どうしても待たなきゃいけないから、うれしいあたりですね。ということで、Netflixからは『ゲット・ダウン』がおすすめということでございます。

(池田敏)それでは続いて、こちらもおすすめ。Huluという動画配信サービスですね。Huluはもともとアメリカの会社だったんですよ。で、何年も前から日本でもやっていたんですけど。ちょっと早すぎたということで、日本では某テレビ局の子会社になっちゃって。いまはそのテレビ局でやっている番組の後追い視聴が売りになっているみたいなんですけど。

(宇多丸)逆に言えば僕、まあHuluも入っているんですけど。そういう意味で便利な時もありますよ。

(池田敏)そうですね。まあ、それはそれで僕、ありだなと思っていて。それで、前からアメリカの会社だったこともあって海外ドラマにも力を入れていて。まあ引き続き目が離せないというところですね。

(宇多丸)それこそ、先ほどおっしゃられていたHBOの目玉作品というか……

(池田敏)そうですね。今年HBOと契約しまして、前回こちらでお話させていただいた『ゲーム・オブ・スローンズ』もいま、ここでシーズン5まで見られますし。

(宇多丸)『ゲーム・オブ・スローンズ』がまとめて見られるのはうれしいですね。ということは、HBOのドラマもこれからいっぱい見られるということですもんね?

(池田敏)あと、『TRUE DETECTIVE/トゥルー・ディテクティブ』っていうのがあるんですけど。これはマシュー・マコノヒーとウディ・ハレルソンが共演してるっていう(笑)。

(宇多丸)ちょっと僕、これ見ていないんですけど。マシュー・マコノヒーとウディ・ハレルソンの2人ってこれね、すごいグッとくる2人じゃないですか。

(池田敏)これ8時間、時間ができたら一気に見てください。

(宇多丸)あっ、そんぐらいの感じだ。作って見ろ!っていう感じ。

(池田敏)そうですね。

(宇多丸)「フゥーーーッ!」(笑)。

(池田敏)(笑)

(宇多丸)ウディ・ハレルソンがすごい調子悪い時にマシュー・マコノヒーがカバーしてあげて『トロピック・サンダー』に出たとか。そういうぐらい、この2人は仲がいいんですよね。これね。

(池田敏)『ダラス・バイヤーズクラブ』の後にこれに出たんですよ。

(宇多丸)痩せた状態で。

(池田敏)だからちょっと鬼気迫る感じですよね。

(宇多丸)ああー、なるほど。これ、ちょっとじゃあ時間とって。

(池田敏)そんなHuluからは、おすすめがこれです。『死霊のはらわた リターンズ』。

『死霊のはらわた リターンズ』

(宇多丸)出ました! サム・ライミの。サム・ライミも進出しての……っていうことですよね?

(池田敏)まあ、サム・ライミ監督。『死霊のはらわた』はもちろんデビュー作なんですけど。で、『死霊のはらわた』を三部作を作ったんですけど。まあいきなり自分でドラマ化しちゃったっていう。第一話も監督しているんですけど。

(宇多丸)ねえ。すごいですね。「ドラマ化して選ぶのがまた『死霊のはらわた』か! どんだけ好きなんだ、お前は?」っていうね。しかも、ちゃんとブルース・キャンベルで。

(池田敏)そうですね。主人公はアッシュって言うんですけど、また出てきて。いま、すごくダメ中年なんですよね。ディスカウントショップの店員をしながらナンパしたりなんて。で、ある日、お薬を楽しんでいた時に、死者の書という悪霊を蘇らせる本。いままで、ありますよね?

(宇多丸)毎度おなじみの。

(池田敏)あれに載っている呪文を呼んじゃって、また悪霊が出てきちゃうんですよ。

(宇多丸)なにをやっているんだ!?っていうね(笑)。

(池田敏)そんでアッシュは、「これは大変だ! 俺にしか状況は打破できない!」って言って立ち上がるんですけど、いちばん悪いのはおめーだろ!っていう(笑)。

(宇多丸)マッチポンプ(笑)。

(池田敏)(笑)

(宇多丸)まあそういう笑えるホラーのはしりっていうかね。ありますよね。

(池田敏)これ、正直言ってストーリー、あんまり考えなくてよくって。演出を楽しむドラマですね。

(宇多丸)ああー。

(池田敏)アメリカでやっていたのが、StarzっていうHBOみたいなチャンネルがあるんですけど。そこはですね、前にライミが製作総指揮をした『スパルタカス』っていうドラマもやっていて。たぶんいちばん過激なチャンネルっていう(笑)。

(宇多丸)『スパルタカス』もすごかったって……すいません! 『スパルタカス』も見ていないんだけど、(高橋)ヨシキさんからいっつも『スパルタカス』を見ろ! 見ろ!って。そうなんですよね。

(池田敏)(笑)。ヨシキさんがね、あの人が言うくらいなら本当に過激っていうことなんですけど。まあとにかくドッカンドッカン倒されていく悪霊たちとアッシュのアホっぷりを楽しむというドラマで。これ1話あたり30分前後なんですよ。

(宇多丸)へー。しかも、全10話。

(池田敏)そうです、そうです。

(宇多丸)わーい、あっという間だ(笑)。軽く見れると。

(池田敏)結構海外ドラマを見るの、しんどいという声をよく聞くんですけども。

(宇多丸)重厚すぎる時があるんですよね。人間関係とか、ちょっとね。

(池田敏)ちょっと間を置いちゃうと人間関係がわからなくなるんですけど。これ、人間関係あんまり関係ないんで(笑)。

(宇多丸)(笑)。頭を空っぽにして見るという。

(池田敏)ライミの作品だと、『スペル』とかああいう感じですね。

(宇多丸)ああー、最高じゃないですか! なるほど、なるほど。

(池田敏)これもちょうど来月ですね、アメリカではシーズン2が再開するということで。

(宇多丸)好評ということですね。要はね。

(池田敏)楽しませてくれるということですね。

(宇多丸)はい。じゃあHuluのイチ押しは『死霊のはらわた リターンズ』。どんどんじゃあ、さらにうかがっていっていいですか?

(池田敏)では続いての動画配信サービスは、アマゾンプライムビデオですね。

(宇多丸)出ましたね。巨人が。最後の巨人が出てしまいましたね。

(池田敏)これ、もともと大手通販サイトのアマゾンの商品が早く届くというサービスのアマゾンプライムっていう会員のシステムがあったんですけど。それに入ると、動画配信サービスも見られるという風になりまして。ここの特徴はですね、いちばんぶっちゃけ安い。年会費3900円。

(宇多丸)しかもね、普段アマゾンを使っている人だったらだいたいプライム会員だったりするわけだからね。僕なんかすでにプライム会員なわけですから。

(池田敏)ええ、ええ。

(宇多丸)なぜ、お前が見ないんだ?っていうね。そういうことになりますよね。

(池田敏)そうですね。ただ、安くてちょっと本数も少ないんですけども、ここもアメリカでさっき言ったウディ・アレンのオリジナルドラマを作ったりとか……

(宇多丸)ああ、そのために。それはマズい。

(池田敏)アマゾン、きっと宣伝費とかも使っているのかな? お金、いっぱいありますよね。もうアメリカでは『トランスペアレント』とか『モーツァルト・イン・ザ・ジャングル』っていう、これもコメディーなんですけど。大人向けのコメディーなんですよね。ちょっとエッチな要素もあり、家族の問題あり、みたいな。

(宇多丸)うんうん。

(池田敏)これはすでに好評なんですけど。まあ、こちらのアマゾンプライムビデオで私がおすすめなのは、『MR. ROBOT / ミスター・ロボット』です。

『ミスター・ロボット』

(宇多丸)おおー。『ミスター・ロボット』。はい。

(池田敏)このドラマ、すでに『たまむすび』の方で町山智浩さんもご紹介されていたんですけども。

町山智浩 ドラマ『ミスター・ロボット』を語る
町山智浩さんがTBSラジオ『たまむすび』の中で、天才ハッカーを描いた人気のテレビドラマ『ミスター・ロボット』を紹介していました。 "MR. ROBOT is an ambitious series ? airing on a pa

(宇多丸)はい。

(池田敏)主人公はですね、天才ハッカーのエリオット。彼はハッカーの腕を認められてサイバーセキュリティーの会社で働いているんですね。ただ、心がちょっと弱いんですよ。病んでいる感じで、みんな嫌いみたいな人なんですよね。で、そんなエリオットにクリスチャン・スレイター演じる謎の男、ミスター・ロボットが接近してきて。「世の中をダメにしてるのは大企業だろ? ハッキングでめちゃくちゃにしてやろうぜ!」っていう風にけしかけてくるっていう話ですね。で、まあそういう新しいタイプのサスペンスですね。サイバーネタというか。で、そのサイバーテロの集団の名前が「F Society」っていうんですよ。「F」はまあ、フ○ックですね。

(宇多丸)はいはいはい。カースワードっていうことですね。

(池田敏)そうですね(笑)。このドラマ、すごいのが大企業とかいろんなものが実名でバンバン出てきちゃって。いいの?っていう感じですね。

(宇多丸)へー! 名前、日本よりは出てきたりするけど。完全に批判の対象として出ちゃうってことですよね? それって、不可避的に。

(池田敏)だから独り言みたいに主人公は「どの国も指導者は最低だ……」なんて言って。ちょっと某マリオの中の方も一瞬映っちゃったりして。

(宇多丸)ああっ、出てくるんだ。あららら……そうですか。

(池田敏)これもちょっと、やっぱり動画配信サービスっていうテレビで見られないものだったり、そういうオリジナル性の高い、ちょっとエッジーなものが喜ばれるということで。いろいろあるんですけど、あえてこのドラマを。世界各地でテロが起きているじゃないですか。ちょっと物騒ですけど、中東系の人が主人公で、テロを起こす側を主人公にしているっていうのはすごいですよね。

(宇多丸)そうですよね。

(池田敏)よくやるな、これを!っていう。

(宇多丸)本当ですよね。

(池田敏)まあ、アメリカはケーブルテレビで放送されているんですけど。これ、結構ご覧いただくと撮り方がキューブリックっぽかったりしてすごいスタイリッシュでかっこいいんですよ。

(宇多丸)シンメトリックだったりとか。へー。

(池田敏)なんでこれは映画ファンの方にも……まあ、ちょっとなるべく予備知識なしで見ていただいて驚いてほしいなと思います。

(宇多丸)なるほど。『ミスター・ロボット』。これ、ちょっと僕も……「お前、プライムなのにダメでしょ!」っていう感じですよ。

(池田敏)(笑)

(宇多丸)スティック、買います。Fire TV Stick、買います。

(池田敏)便利ですよ、あれは。これもシーズン2が配信されたばかりで。シーズン1を見ればすぐにでも追いつけるんで、ぜひぜひ。

(宇多丸)なるほど。全10話だもんね。見やすいなー。やっぱこれ、いいですね。やっぱり20何話で1話1時間以上って言われると「ううーん……」ってなるけど。これはやっぱりいいですわ。見やすいということでございます。その他、どんどん。時間が許す限りお願いします。

(池田敏)それじゃあ、さっき『ゲット・ダウン』が出てきたんですけども。もう1本、ブラックミュージック寄りなドラマがあって。『Empire 成功の代償』。これですね、どんな話かっていうとギャングスタ出身のラッパーからEmpireっていうレコード会社の社長になった男が主人公で。その家族が会社の覇権をめぐって争うというゲスいホームドラマですね、これは。

『Empire 成功の代償』

(宇多丸)うん。はい。これはもちろん私も見ております!

(池田敏)そうですか、はい(笑)。で、これ父親のルシウスを演じるのがテレンス・ハワードで。母親のクッキーを演じてるのがタラジ・P・ヘンソンっていう、これ『ハッスル&フロウ』のコンビなんですよ。

(宇多丸)『ハッスル&フロウ』のピンプと売春婦があの話の後に成功して、10年後か20年後かわからないけども、この話か!?っていう。ちゃんと意識したやつですよね。明らかにね。

(池田敏)ええ。で、特にこのクッキーを演じるタラジ・P・ヘンソンさんがめちゃくちゃ強烈なお母さんっていう感じで。ゲスいホームドラマなんだけど、ちょっと笑えるっていうところですよね。あと、音楽がこれ、ティンバランドがやっているっていうのがあって。とにかく、『ゲット・ダウン』は昔を忠実にやっているんですけど、これは新しいものっていうことで。

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(宇多丸)現在進行形で。息子たちの1人がゲイで……っていう感じも最近のヒップホップのいろんな流れを踏まえていて。非常にいいんじゃないかと思いました。

(池田敏)じゃあ、まだお時間があるんだったら……『ファーゴ』。どうですか?

(宇多丸)『ファーゴ』。当然、コーエン兄弟のドラマ版ということで。

『ファーゴ』

(池田敏)そうなんですよね。ただ、映画版を作ったコーエン兄弟は製作総指揮もしているんですけど。ちょっとコミカルあり、サスペンスありっていうテイストだったり、舞台がファーゴっていう街が近かったりとか。雪がたくさん降り積もっているっていうようなところは映画と似ているんですけど、あとはほとんど関係ないですね。

(宇多丸)全然オリジナルな話になっている。

(池田敏)そうですね。ただ、最初に「これは実話である」っていうのが(笑)。有名な映画版『ファーゴ』の嘘ですよね(笑)。

(宇多丸)抜け抜けとやるというあたり(笑)。

(池田敏)そこは一緒なんですけど。ただ、まあこれビリー・ボブ・ソーントンがなにを考えているかわからない殺し屋を演じていて。で、マーティン・フリーマン演じる小市民が振り回されるという。

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(宇多丸)マーティン・フリーマンはもうマーティン・フリーマン性を全開という感じですね(笑)。

(池田敏)(笑)。そうですね。この後も面白いのが、これもシーズンごとに話がガラッと変わるという。さっきもおっしゃっていただいたように、ちょっと短くて見やすいドラマっていっぱい増えていて。これ、シーズン1は2006年の話なんですよ。で、そこでいったん終わります。で、シーズン2なんですけど、今度は1979年まで戻っちゃうっていう。

(宇多丸)すごいですね! 意外な展開ですよね。

(池田敏)いま本当、シーズン1とシーズン2でガラリと変わるドラマってすごい増えているんですね。『アメリカン・ホラー・ストーリー』っていうのがあったりして。で、これはシーズン2、新たにキルステン・ダンストが主演します。

(宇多丸)ほー! どうなるんだろう?

(池田敏)いやー、楽しみですよねえ。

(宇多丸)でもまだ僕、シーズン1の途中なんですけど、むちゃくちゃ面白いです。『ファーゴ』。さすが。

(池田敏)あと、前回『ブレイキング・バッド』というドラッグを作る先生の話をご紹介したんですけども。あれに出てきたお調子者だけどたよれる弁護士ソウル・グッドマンっていうのがいたんですけど。彼を主人公にしたスピンオフっていうのがいま発進してまして。『ベター・コール・ソウル』っていうんですけど。これも面白いですね。ソウル・グッドマンっていうのは後に弁護士として成功するんですけど、そこに行くまでにいろんな苦労があったっていうのがわかって。やっぱり長いドラマを見る時ってなにが重要か?っていうと、好きな登場人物がいるかどうか?っていうことなんですけど。もうこれ僕、ソウル・グッドマン。ますます好きになりましたね。

『ベター・コール・ソウル』

(宇多丸)みんな大好きソウル・グッドマンの話だから、やっぱりというか。これ、ちなみに『ブレイキング・バッド』を見てない人は?

(池田敏)ギリギリセーフですね。逆でもいいです。

(宇多丸)あ、この順でも。

(池田敏)ソウル・グッドマン、かわいいなと思ったらぜひ、『ブレイキング・バッド』でもいいと思います。

(宇多丸)なるほど。『ベター・コール・ソウル』。これはNetflixオリジナルでしたっけ?

(池田敏)アメリカはね、AMCっていうケーブルのチャンネルでやっていたんですけど。まあいま、Netflixで見られますし、DVDも出ているはずなんで。

(宇多丸)なるほど。失礼しました。さらに?

(池田敏)じゃあ、もう1本だけ行きますか。これ、Netflixで見られてもうすぐDVDも出ると思うんですけど。『デアデビル』。

『デアデビル』

(宇多丸)『デアデビル』ね。

(池田敏)マーベルのヒーローものなんですよ。で、これは映画にもなったんですけど。目が不自由だけど強いっていうヒーローが主人公でして。スーパーヒーローって力がありすぎるともう、わけわからなくなっちゃうじゃないですか。戦いがどんどんスケールアップして。これは本当にビジランテ感のある……

(宇多丸)リアルビジランテ。

(池田敏)ニューヨークのビジランテ感っていうのがよく出ていて。ヒーローもの、派手で苦手だっていう人はこれぐらいがむしろいいんじゃないかな? と。

(宇多丸)これはPUNPEEくんというラッパー/プロデューサーのアメコミ大好き男も本当、『デアデビル』はものすごく高評価してましたね。

(池田敏)おおー、そうですか。これ、Netflixでマーベルのヒーローものっていくつかあるんですけど。そのうち、まとまってアベンジャーズ的に発展していくんじゃないか?っていう噂があって。それはね、『ディフェンダーズ』っていうのがやるんじゃないか?って噂されていて。

(宇多丸)へー!

(池田敏)そういう楽しみが先にあると、ちょっと見たいって気になりますよね?

(宇多丸)たしかに。いまのうちにちょっと追いついていかないといけないっていう気がしますもんね。マーベルもの、結構ちょいちょいやってますもんね。他のやつとかもね。そうかー! 大変じゃないですか、池田さーん!

(池田敏)僕のせいじゃないですよ(笑)。

(宇多丸)池田さーん、仕事とかあんすよ(笑)。っていうぐらい、でもやっぱり。これだけいま選んでご紹介いただいても面白いのいっぱい、山ほどあるってことですもんね。

(池田敏)これ、本当に一部ですからね。僕の主観で選んだようなところもあるんで。

(宇多丸)どれも間違いないと思います。

(池田敏)とにかくやっぱり、前回もお話したんですけども。海外ドラマ、面白いのはどうやって見つければいいのか?っていうと、第一話を片っ端から見るっていうことだと思うんですよ。そういうのに動画配信サービスって実は向いているんじゃないかな?って言う。

(宇多丸)何個見ようが(料金は)同じなわけですからね。たしかに。

(池田敏)まあせっかく、これだけ動画配信サービス盛り上がっていて……ただ、作品によっては契約期間的なものがあって。いきなり終わったりするんで、見られる時に見たいものを見ておかないと!

(宇多丸)あ、いつまでもあると思うな、なんですか?

(池田敏)そうです、そうです。実は。

(宇多丸)マジか!

(池田敏)オリジナルドラマはそうでもないと思うんですけど。オリジナルじゃないと、逆に契約で。

(宇多丸)ああ、そうなんすか。

(池田敏)っていうのもあるんで、見たい時に見てくださいっていう感じですね。

(宇多丸)池田さーん!(笑)。

(池田敏)(笑)。ちょうど今月、先ほどお話した通り、エミー賞がありますんで。そこにね、ノミネートされているだけで一流ですから。

(宇多丸)ああ、そうか。それをとりあえずチェックして。

(池田敏)チェックすると、より面白いドラマが見つかるのが早いと思います。

(宇多丸)はい。一話目だけちょっと見て、とにかく肌に合うやつをまずは……っていうのは絶対にいいですよね。

(池田敏)そうですね。でも『ゲット・ダウン』とか第一話見たら、あとはもっと見たくなりますよね。

(宇多丸)ぶっ飛びますよね! あれはよくできている。で、第68回エミー賞が日本時間で9月19日に発表ということですね。ということで、今回どのようなものが賞をとるのか? というあたりも注目しつつ。じゃあ、とったやつを見ようかな? でも全然いいでしょうしね。

(池田敏)でもいいですね。はい。

(宇多丸)ということで、最後にまたこちらのベストとなるガイド本。池田さんの本のご紹介をお願いします。

(池田敏)はい。私の初の新書で『「今」こそ見るべき海外ドラマ』っていう新書を星海社新書さんから出させていただいたんですけども。動画配信サービスの最新事情も盛り込んでいますし、海外ドラマの歴史って大雑把に言って第二次世界大戦終わってからなんで70年ぐらいなんですけど。まあちょっと駆け足でご紹介もして。

(宇多丸)それ、すっごい勉強になりました。あと、アメリカのドラマ界の仕組みの話がすっごい面白かったです! 全然知らなかったです。映画とまた違うから。すごく勉強になりましたね。

(池田敏)そういうキーワードを知っておくと、これから海外ドラマをチェックする時にそこを着目すれば面白いドラマも見つかりやすくなるはずですので。

(宇多丸)はい。間違いなく映画ファンもテレビドラマ発の人気者が映画館に進出するパターンも当然あるし。だからいよいよこのへん、わかっていないとキツいなっていう感じが。その際の素晴らしいガイドです。

(池田敏)本当にこの本にも書いたんですけど。映画とドラマの垣根がいまハリウッド、どんどん低くなっていますから。僕はちょっと、映画だけしか見ない人は……こっちおいで、こっちおいでって言いたいですね。

(宇多丸)もったいないですからね。なにしろね。

(池田敏)そうですね。

(宇多丸)ということでございます。ぜひこちら、『「今」こそ見るべき海外ドラマ』。新書でお買い求めいただければと思います。

(池田敏)よろしくお願いします。

(宇多丸)ということで池田さん、困りますね。本当に(笑)。非常に迷惑ですね(笑)。

(池田敏)僕も困っていて(笑)。

(宇多丸)みんな困っている(笑)。ということで、以上ここまで、映画ファンよ、まだ見ていないとは言わせない。いま見るべき海外ドラマはこれだ特集でした。池田さん、ありがとうございました!

(池田敏)ありがとうございました!

<書き起こしおわり>

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