プチ鹿島 ロシアW杯サッカー日本代表快進撃 新聞各紙読み比べ

プチ鹿島 ロシアW杯サッカー日本代表快進撃 新聞各紙読み比べ YBSキックス

プチ鹿島さんがYBS『キックス』の中でロシアワールドカップで快進撃を続けるサッカー日本代表についてトーク。セネガル戦を終えた段階での新聞各紙の報道を読み比べしていました。

(プチ鹿島)いやー、やっぱり本田だよね。

(塩澤未佳子)アハハハハハッ!

(プチ鹿島)本田ですよ、やっぱり。ねえ。ずーっと俺は言っていたんだ。「本田を使え」ってね。

(塩澤未佳子)言ってましたか?

(プチ鹿島)言ってた、言ってた!

(塩澤未佳子)そうですか。やっぱりね、あの場面で!

(プチ鹿島)そうですよ。これ、見てくださいよ。よく入れた。本田ってご存知ない方にわかりやすくご説明すると、じゅんいちダビッドソンに似た人です。その人が3大会連続ですよ! 本田なんですよ。これ、昨日の夕刊フジ、見てください。一面で「本田大明神」って。こんなに、ここまで変わるもんかね? 大明神ってなってますよ。

(塩澤未佳子)ねえ。それまでの感じとガラッと変わって。

(プチ鹿島)毎日新聞の昨日の夕刊。「なんだかんだ本田」って。

(塩澤未佳子)素晴らしい(笑)。

「なんだかんだ本田」(毎日新聞)

(プチ鹿島)毎日新聞ですからね。これ、見出し王のコーナーじゃないですからね。「なんだかんだ」っていうのは自分で言ってたんだろ?って、そういうことですけどもね。まあ、本田さんですよ。でも、すごいですねー。

(塩澤未佳子)後半で出てきてね。

(プチ鹿島)これは昨日のサンケイスポーツ。「半端ない商戦加熱」っていう。「半端ない」。

(塩澤未佳子)「半端ない」も結構使って。

(プチ鹿島)「半端ないって!」って、「ないって」まで続くんですよね。(越中詩郎の)「やってやるって!」みたいなね。越中グッズがついでにもう売れてしょうがないっていう。

(塩澤未佳子)フフフ(笑)。

(プチ鹿島)違いました?

(塩澤未佳子)違いますね(笑)。

(プチ鹿島)これ、プロレスファンはみんな越中さんの言葉から「半端ないって!」って入るわけですよ。でもトータルテンボスさんも「半端ねえ!」っていうギャグでまたちょっと注目されているなんて。スポーツ新聞に書いてあって。

(塩澤未佳子)面白いですねー!

(プチ鹿島)基本的にこの1週間のスポーツ新聞、まあ日本ががんばっていますから。一言でいうと、酔っ払ってます(笑)。朝刊スポーツ紙なんですけど、酔っ払ってます。まあこういうお祭り……「手のひら返し」とか言いますけども、それがスポーツ新聞の特性というか魅力ですから。

(塩澤未佳子)もうとにかく盛り上がるっていう。

(プチ鹿島)日経新聞に春秋っていう、まあ朝日新聞の天声人語みたいなコーナーがあるんですけど。そこでやっぱりサッカーを取り上げているんです。「意地悪な上司、クレームを言い立てる客、隣人を見下すママ友、そういう理不尽を撃退したできごとを紹介し、スカッとした度合いを測るテレビ番組がある。そのスカッと度で言うならサッカー日本代表はこの高揚感にいま、しびれているだろう。『半端ないって!』『おみそれしました』の声が列島に満ちている」っていう。

(塩澤未佳子)はー。

(プチ鹿島)そもそも、このコラムにも書いていますけどもスポーツ新聞は「忖度ジャパン」って。言ってみればベテラン重視の代表選考で忖度ジャパンなんじゃないかとか。

「忖度ジャパン」と「おっさんジャパン」

(塩澤未佳子)はい。

(プチ鹿島)あとはベテラン重視ということで「おっさんジャパン」っていう。いろいろと飛び交いましたよね。

(塩澤未佳子)名付けました。

(プチ鹿島)まあ僕は西野朗監督の就任会見って……あれもたかだか2ヶ月前ですよね。そこに1回、ラジオ番組で行かせてもらったんですけど。やっぱりその時点では「なんでいま変えるんだ? 変えるならもっと前だろ?」って。その疑問符っていうのはどんなに勝ったところで別のところで必要だとは思うんですよね。だって全部「結果が良かった。バンザーイ!」だったら何回もこれと同じことを繰り返すっていうことじゃないですか。だから実際にあの2ヶ月前に変えたのがよかったのか悪かったのか、その過程は別に論じられるべきだと思いますが。そうは言っても西野さんとおっさんジャパンは今回結果を……。

(塩澤未佳子)おっさんジャパン(笑)。

(プチ鹿島)このおっさんジャパンって批判的な感じで言われてますけど、僕は逆に興味を持ったんですよね。振り子の論理っていうのがあるじゃないですか。振り子って端から端まで極端に行くでしょう? おっさんジャパンとまで半笑いで報道されたら、あとはそれを離したら面白くなるしかないじゃないですか。ビューン!って。だから僕はおっさんジャパンはすごく愛情を持って見ているんですけどね。ネーミングも含めて。これ、サンスポがつけたんですけど。そしたらまだそのおっさんジャパンは面白く報道をされていて。

(塩澤未佳子)ええ。

(プチ鹿島)いいじゃないですか。スポニチなんてこれ、昨日ですよ。「長友、おっさん走りきった」って書いてあって。そりゃサッカー選手だから走り切ると思うよ。だけどそこに「おっさん」が乗ると普段はサッカーを見ないおじさんも「おお、そうか。長友っていうのががんばっているんだな」で。僕はおっさんジャパンは……忖度ジャパンはともかく、おっさんジャパンっていうネーミングは気に入っているんですよね。

(塩澤未佳子)おっさんね。おっさんたちに力を与えたなんて言いますもんね。

(プチ鹿島)おっさんたちに? まあ、おっさんに力を与えてもしょうがないですけどね。さて、そんな中、各スポーツ紙は専門家のコラムや談話を載せていまして。スポーツ報知は一面で「オシムの教え」っていう。これはずっとやっているんですが、オシムさん。ワールドカップに特別寄稿しているということで「今回のセネガル戦、うれしい驚きだった。素晴らしかった。コロンビア戦も驚きだったが、日本がこの試合でも素晴らしいパフォーマンスを見せたのはさらにうれしい驚きだった。なによりもよかったのは自分たちのスタイルを貫き通したことだった。攻撃する勇気を持ち続けた」っていう。

(塩澤未佳子)はー!

(プチ鹿島)まあ、「それができたのもヨーロッパのクラブに移籍し、経験を積んだからだ」っていう。やっぱりそれぞれの個の力を強くすることが大事だなっていう、これはオシムさんも褒めていますね。で、面白いのが岡ちゃんね。「岡ちゃん」って気軽に呼んじゃってますけども……。

(塩澤未佳子)でも「岡ちゃん」って言いたくなっちゃう(笑)。

(プチ鹿島)岡田武史さんが日刊スポーツでこう書いています。「岡ちゃん、驚いた。いまのまま、なにも変えなくていい」っていう。すごいですね。で、やっぱりオシムさんと同じようなことをおっしゃっていて。「自分たちで考えている証拠。ここまで急激に成長できるものなのかと目を細めた」っていう。で、サッカー中継っていま、どの局で見ています? 民放……この間は日テレだったじゃないですか。

(塩澤未佳子)はい。

(プチ鹿島)で、僕は日テレはちょっと、ねえ。いろいろとハンドしそうな名前が……だから僕、NHK BSで見ていたんですよ。そしたら、その副音声で岡ちゃんがやっていたんです。で、それをためしに聞いてみたらそれが本当に「ワーッ!」っていう熱狂型じゃなくて、試合を見ながらNHKの大越健介アナウンサーと淡々と落ち着いてお話をして。結構理論的なお話、でもわかりやすいお話を……だから大越さんがね、「サッカーというのは論理的なスポーツですか?」っていう。つまり、実力のあるチームがちゃんと勝てるのかどうか?っていう質問をしたら、「基本的に不定数(N)が多く混じっているスポーツです」みたいな。もう屁理屈好きにはたまらないですよね。

(塩澤未佳子)へー! そういう話をするんだ。

(プチ鹿島)で、たしか長友さんかなんかが得意なのかな? そこから能の話になるんです。

(塩澤未佳子)ええっ、サッカー中継なのに?

(プチ鹿島)だから面白いんですよ。それを淡々と話しているから。で、途中でシュートとかで「おっ!」とか言うんですよ。だから近所のおじさんと一緒に見ているような感じで。でも、近所のおじさんがわかりやすく教えてくれる感じで。だから能とかは体幹が自然に子供の頃から鍛えられているから、そういったものの中で体幹が鍛えられているんだ、みたいな。「へー!」って。……民放よりよっぽど面白いよ、あれ。

(塩澤未佳子)他ではあまりそういうの、言わないですよね(笑)。

(プチ鹿島)そこで岡ちゃんが言っていたのは、ひとつのキーワードは「勇気だ」っていう。「逃げないこと。それができるかどうか」っていうのをセネガル戦のはじめに言っていたら、どんどんどんどん岡ちゃんも「おっ、逃げない、逃げない。いいじゃないか!」みたいな感じになっていって。僕も一緒に、サッカーのことは詳しくないですけど。「ああ、そうなんだ」って面白く見ることができて。

(塩澤未佳子)ああ、そうですか。へー!

(プチ鹿島)だからスポーツ中継、スポーツ特番っていうのもタレントがワーキャー言って一緒に騒ぐお祭り系もいいですけど、それがもうなんか一周してね、ちょうどこの平成があと1年で終わるっていう時に、専門家が淡々と、野球のノムさんのぼやきみたいにね、話していくのをのぞき聞きする。一緒に見るっていうのも、これからそれが主流になってもいいんじゃないかな?っていうぐらいの面白さを僕は感じましたね。

(塩澤未佳子)へー。聞いてみたいですね。

(プチ鹿島)たぶん次もやるんじゃないですか。BSとかだったらね。で、面白いのがもう一つありまして。日刊スポーツが本日の一面の見出し。「西野85%突破」ってあるんですよ。これ、85%っていうのはいまのデータだと一次リーグを突破する可能性として85%だよっていう、そういうことを書いているんでしょうけども。

(塩澤未佳子)ええ。

「西野85%突破」の裏の意味

(プチ鹿島)これ、前から言っていましたけど日刊スポーツっていうのは西野朗さんとアキラ100%を引っかける見出しが大好きなんですよね。「西野100%」みたいなのをずーっと就任当時からやっていたんです。

(塩澤未佳子)はい(笑)。

(プチ鹿島)で、今日はどういう見出しになっているのか?っていうと、「西野85%突破」っていう。これは普通に読めば「ああ、そうか。85%か」って。だけどこれ、裏テーマのアキラ100%を知っている人なら、まだここにもオフサイドを仕掛けているのか!って。オフサイドかどうかは知らないですけど、仕掛けてきたな!ってニヤリとする楽しみがあるわけです。

(塩澤未佳子)あらーっ!

(プチ鹿島)これ、完全にアキラ100%とセットですからね!

(塩澤未佳子)そことつながっているんですね!

(プチ鹿島)これ、スポーツ紙の深すぎる読み方なんですけども。

(塩澤未佳子)アハハハハハッ!

(プチ鹿島)普通に、いいんですよ。「西野監督85%突破」とかね、「持ってる」って。西野監督がいかに持っているかっていう。「ギャンブルは一切やらないが、出演したラジオ番組の余興などで2回だけ馬券を買うといずれも万馬券という強運の持ち主」っていう。あと、持っている。「久米宏さんと遠い親戚。久米アナはTBSラジオの番組で『コロンビアに負けたらひた隠しにしようと思っていた。西野朗さんは遠い親戚なんです。向こうも知っている』と告白した」っていう。これ、どうでもいい情報ですね。

(塩澤未佳子)いやいやいや(笑)。そうでもないです。そういえば、ちょっと似てるかな?

(プチ鹿島)遠い親戚だし……こういう時、かならず親戚って名乗り出ちゃう人っていますよね。どうでもいい情報です。

(塩澤未佳子)あの、本田選手も大おじさんがよく出てきますよね。コメントしたりしています。大おじ。

(プチ鹿島)ああ、そうですか? でね、スポーツ新聞自体がお祭り騒ぎになっていて、それはすごくいいなと。こういう時期があってもいいじゃないですか。でもやっぱり、辛口の新聞もあるわけです。特にタブロイド紙。タブロイド紙なんていうのは毒があってナンボですから。それが我らが日刊ゲンダイ。ゲンダイ師匠ですね!

(塩澤未佳子)師匠(笑)。

(プチ鹿島)「日本、まさかの快進撃の真相」って。気になりますね。「惨敗予想を覆す勝ち点4。決勝トーナメント進出に大きく前進」って書いてあって。「いままで忖度ジャパン、劣化ジャパン、おっさんジャパンと書いていたスポーツ紙もあっただろう。手のひらを返して騒いでいるけど、なんだ?」って。かならずもう、ゲンダイ師匠は政治とかにも怒りますけども、大きい権力や大きいものが嫌いですから。いわゆる大マスコミっていうのも嫌いなんです。「大マスコミ」っていっつも叱るんですけど。そこに向けられていますね。

(塩澤未佳子)はい。

(プチ鹿島)で、「西野監督の選手起用、選手交代なども諸手を上げて褒めそやし、書いたところもあった」と。そしてゲンダイ師匠は、「『いやいや、内情は全く違う。西野監督の手柄ではない』とあるサッカー関係者が続ける」。これ、気になりますね!

(塩澤未佳子)うん、なる!

(プチ鹿島)これで続きは「31面に続く」ってなるわけですよ。これ、もう買うしかないですよね!

(塩澤未佳子)フフフ(笑)。

(プチ鹿島)そうすると、ゲンダイが聞いたサッカー関係者いわくですよ……タブロイド紙ってそういうところですからね。人がやっていない見方を提供するよ、事情通に聞いてきたよっていうのがタブロイド紙の見方ですから。これ、ゲンダイ師匠が書いているんですが。「日々の練習で陣頭指揮を取っているのは前リオ五輪代表監督の手倉森コーチだ」と。要は、このコーチが陣頭指揮を取っているから、その手柄が大きいとこのサッカー関係者はゲンダイ師匠にそっと教えてくれたという。

(塩澤未佳子)フフフ(笑)。

(プチ鹿島)あと、「戦術的な部分を主導してテストしているのは森保五輪代表監督だ」と。つまり、このお二人を中心にやっていて、西野監督は周囲の人間に担がれた神輿に乗っているだけっていう。これも辛口ですね! 辛口ですよ(笑)。

(塩澤未佳子)そう言っちゃあ……(笑)。

(プチ鹿島)だから、みんながみんな褒めて、「西野、持ってる!」とか「西野アキラ100%」とか言うと、「でも実際のところはどうなの?」って野次馬根性が発生するじゃないですか。そこをちゃんとすくってくれるのがこういうタブロイド紙の面白いところなですね。本当かどうかは知りません。だけどなんか、いいじゃないですか。

(塩澤未佳子)いいですね。それぞれの役割があってね。

(プチ鹿島)そうなんですよね。だから、もうわからないですよね。

(塩澤未佳子)それは当事者じゃないと、わからない。

(プチ鹿島)わからないですね。

(中略)

(プチ鹿島)まあ、本当にわからないですけどね。サッカーもね。1週間ぐらいでこれだけ空気が違うわけですから。こんな怖いことないよ!

(塩澤未佳子)たかだか1週間で!

(プチ鹿島)そうですよ。で、いまゴールキーパーの川島さんがいちばんの標的、ネタにされていますけどね。でも、また次の戦いでがんばれば、またガラッと変わるし。僕なんかはプロレスを見てきましたから。いま叩かれているちょっとマイノリティーになっている人にはシンパシーを感じて逆に応援するのがプロレスファンだと思っていますからね。川島さん、がんばってほしいです。

(塩澤未佳子)がんばってほしいです。でも、がんばってますよ?

(プチ鹿島)そう(笑)。がんばってるんだよね。僕、思わず「がんばってほしいです」って言っちゃいましたけど、がんばってます。

(塩澤未佳子)がんばってる!(笑)。

<書き起こしおわり>

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