プチ鹿島さんがBSスカパー!『水曜日のニュース・ロバートソン』の中で、日産のカルロス・ゴーン氏逮捕についてトーク。次第に注目が集まりつつある日仏の司法制度の違いと日本の人質司法問題について話していました。
(プチ鹿島)日刊ゲンダイのこちらの記事。「悪名高き日本の人質司法にゴーンは徹底抗戦する」という。これ、どういうことか?っていうと、面白いことにちょうど1週間ぐらい前は新聞……一般紙、スポーツ紙、タブロイド紙、全部含めてゴーンさんの金遣いの荒さ、お金に集中していたわけですけども。日がたつにつれて日産VSルノーの話になりつつあり、いまなんて日本VSフランスにスポットが当たっているわけですよ。
で、この記事で紹介しているのは「人質司法」。つまり、フランスの方から見ると「えっ、日本の検察の取り調べ、弁護士もいないの?」とか「勾留期間が長すぎる」っていうことで、日本の特殊性というのが逆に今回、ゴーンさんを引っ張ったことでそこにスポットが当たってしまうという。これ、たぶん日本の検察からすると想定外だったんじゃないかと。どうですか? こういうのは?
(モーリー)要するに、有価証券報告書の虚偽記載とかってなっているけども、どう考えても欧米基準からいうと、それぐらいはみんな日常的にやっていることで。しかも、会社の他の人たちもそれを知らないわけがない。なのにそれをこんな勾留して見せしめのように連日報道するっていうことはなんか他に含みがあると思われても仕方ない。不透明である。そしてもうひとつ、もし僕がウォール・ストリート・ジャーナルなニューヨーク・タイムズにネタを売るんだったら……「旦那、これいいネタですぜ」っていうのは、入国管理局をやるべきですね。
(プチ鹿島)そうですね。
入国管理局の問題と合わせて報じられると……
(モーリー)入国管理局で難民申請をしている人も含めて、オーバーステイの人をかなり劣悪な状況で、監禁状態で入国管理センターに入れているわけですよ。非人道的に。そことくっつけて報道したら……それこそ日本がそれを人質に取られて、早期に釈放するしかなくなる。
(プチ鹿島)だからゴーンをやって、「よし!」ってなっていたところが、事態がそこまで行くかもしれない。だって言ってみれば、ゴーン氏は究極の外国人労働者みたいなもんですよね。
(モーリー)そうですよ。そこも外交問題として発展した時、どう落とし所を見つけるのか? 検察当局は果たして考えていたのかっていうと、自分らの手柄っていうことでどうも動いていた節が感じられるんですよ。私は。そうすると、これって全然関係ないように見えるけどさっきのドルガバが受けるつもりでやったのに、中国で大顰蹙を買ってお詫びしたじゃない? 最初の狭い目論見が、全然ビッグ・ピクチャーを見ていなかった。ということになりかねないよね。
(プチ鹿島)だから最初に捕まえた時の画というのは2、3日は目論見どおりに進んだんでしょうけど、いまはなんか海外メディアも含め、野次馬的に言うと面白くなってきた構図かなって。
(モーリー)で、仮にゴーンさんが釈放されてね、それこそフランスと日本の政府が手打ちをして。それでフランスに帰ってルノーのCEOに戻ったとしますよね? 彼はこのことを本に書いて、フランスではベストセラーになりますよ。ヒーローですよ。
(紗倉まな)たしかに。報じられ方が全然変わってきますね。
(プチ鹿島)だから報じられ方がどんどん変わってきているので、明日以降もこういう対立点、論点もあるということを頭に入れて見ていただければいいんじゃないかなと思います。
<書き起こしおわり>