松尾潔 Charlie Puth『Done For Me feat. Kehlani』を語る

松尾潔 Charlie Puth『Done For Me feat. Kehlani』を語る 松尾潔のメロウな夜

松尾潔さんがNHK FM『松尾潔のメロウな夜』の中でチャーリー・プースの新作アルバム『VOICENOTES』からケラーニをフィーチャーした『Done For Me』を紹介していました。

(松尾潔)そんなワム!をこよなく愛していたアメリカ人の少年がいました。チャーリー・プースくんですね。「くん」付けするのもいま、自分でもびっくりしましたけれども。まだ「くん」づけしたくなるぐらい、ちょっと少年っぽさを残しているチャーリー・プース。2015年にウィズ・カリファとのデュエット『See You Again』で一躍有名になった、ボストンはバークリー音楽大学出身の秀才です。

で、チャーリー・プース2枚目のアルバムがまもなくリリースされます。『VOICENOTES』って言うんですが。

1枚目のアルバムっていうのはチャーリー・プースが自分でも、「本来の自分の持ち味と違ったかな」みたいなことを最近になって言ってますね。逆に言うと、このタイミングでそういう話をするっていうのは、「今回は素の自分が出てますよ」っていうことなんだと思います。とは言え、シングルヒットを積み重ねてまいりましたチャーリー・プース。今回のアルバムの期待値は相当高いですし、そのさっき話したワム!に影響を受けたというのはまさにズバリこの曲なんだなっていうのは聞いてすぐわかりました。ワム!の『Everything She Wants』。

たしか日本でのタイトルが『恋のかけひき』というね、もういまだったらまずちょっとそういうセンスの邦題はないかなっていう。僕は大好きですけどね。『恋のかけひき』にインスパイアされたと思しき曲がこちらです。ケラーニをフィーチャーしております。チャーリー・プースで『Down For Me』。

Charlie Puth『Done For Me (feat. Kehlani)』

KYLE『Playinwitme feat. Kehlani』

(松尾潔)チャーリー・プースのセカンドアルバム『VOICENOTES』の中からケラーニをフィーチャーした『Down For Me』。そしてそのケラーニのフィーチャリング物をもう1曲。男性ラッパー、カイルがケラーニをフィーチャーした曲『Playinwitme』を2曲続けてお聞きいただきました。そしていま、バックに流れておりますのが、チャーリー・プース featuring カイルの『Attention』でございます。

これは昨年、全米5位まで上がった、チャーリー・プースの代表曲のひとつですが、お気づきのようにチャーリー・プース、ケラーニ、カイル。この3人はそれぞれとトライアングルを結ぶように共演しあってるんですね。もう才能のある20代がレベルの近さというのもあるにしても、いい共闘戦線と言うか、そうですね。なんかこう、ブルーノ・マーズの包囲網という感じもしなくもないんですが(笑)。この3人にもう1人男性ラッパーのG・イージーを加えてもいいかもしれません。この辺りはもう相互の行き来というか、音楽的な交流というのが盛んだし、豊かですよね。非常にに好ましい組み合わせじゃないかなと僕も個人的に思っております。

チャーリー・プース、女性との組み合わせっていうのを本当に得意にしてまして。この人まだデビューしてない日が浅い……さっきお話した『See You Again』っていうのがあまりに特大ヒットで。それが2015年なんですが、それ自体がね、ウィズ・カリファとのコラボレーションでしたが、その後にメーガン・トレイナーという女性と『Marvin Gaye』というタイトルの曲をデュエットしまして。

いわゆる擬古文スタイルと言いますか、古のスタイルを狙ったオールドスクールマナーでの1曲で、また男女のデュエットも器用なところを見せまして。その翌年ですね。2016年にはセレーナ・ゴメスと『We Don’t Talk Anymore』という曲でトップ10入りを果たしております。

そして『Attention』と連続ヒットになって、もう1曲『How Long』も出しての今回のアルバムになるのか。まあ、飛躍が期待できますね。1枚目のアルバム『nine track mind』という。これもさっきも話もしましたように十分なヒットアルバムなんですが。本人的にはね、やっぱりちょっとウィズ・カリファとのヒットがあまりに大きかったっていうのは、この若いチャーリー・プースにとっては大きな呪縛になったんじゃないかなと思います。

この人、91年生まれなんですよ。まだ26才でございます。ですがまあ、バークリー音楽大学に行ってるということで、もう端的に証明されていますけれども。ジャズをはじめとする音楽的な素養……特に鍵盤も上手いですしね。年に似合わ懐の深さというのを見せてくれる人です。僕はこの人のコメントで面白いなと思ったが、「今回は本当にあの自分が好きなものを作った。89年のニュー・エディションを聞いた時のような感じだね」なんて。それってニュー・エディションの『Heart Break』というジャム&ルイスが手がけた大ヒットアルバムのことを指しているのは明らかなんですね。

そういうことは明らかなんだけど、この人は91年生まれというところがミソですよね。とぼけた男だ。フフフ(笑)。本当僕、チャーリー・プース好きなんで、どうしても話が長くなってしまいますけども。これからも活動を見守っていきたいと思います。

<書き起こしおわり>

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