松尾潔さんがNHK FM『松尾潔のメロウな夜』でデイブ・ホリスターの新作アルバム『The MANuscript』から『Creation (H.E.R.)』を紹介していました。
(松尾潔)まず最初にご紹介いたしますのは『メロウな夜』では常連アーティスト、デイブ・ホリスター(Dave Hollister)です。この番組で『Definition of a Woman』をお届けしたのはまだ、つい最近のことのような気がしますね。この夏、1曲ご紹介いたしました。その時に、「ニューアルバムがもうすぐ出るそうですよ」と話したんじゃなかったのかな? そのアルバム『The MANuscript』が到着いたしました。
『The MANuscript』、これは直訳すると「原稿・手記」とか、そういう手書きで書いた原稿みたいな意味合いがございます。これを僕なりに意訳しますと、「ある歌唄いの手記」。さらに一歩踏み込むと、「ある男の告白」。これぐらいまでは許されるんじゃないですかね? そのぐらい、パーソナルな意味合い。「俺はリアルミュージックを歌っているんだ!」と言わんばかりの、そういった気概を感じます。デイブ・ホリスター、元ブラックストリート(Blackstreet)という枕詞はもう必要ないかと思います。この番組ではもうすっかりお馴染み。では、聞いていただきましょう。アルバムの中で僕が最もソウルフルな印象を受けました。デイブ・ホリスターで『Creation (H.E.R.)』。
David Hollister『Creation (H. E. R) 』
お届けしたのはデイブ・ホリスターでニューアルバム『The MANuscript』の中から『Creation』でした。ここにはサブタイトルが加えられてますね。『(H. E. R)』でございます。このね、『The MANuscript』なんですけども、『Definition of a Woman』というシングルである程度予想はつきましたけども。デイブ・ホリスター、一時は「R&Bを全部捨てます。自分はもうゴスペルしか歌いません」という宣言をして、再びまた俗世界に戻ってきたわけですから、まあその反動もあって、随分と下世話と言うと変ですけどね。リアルなR&Bに回顧する、その傾向が強まるんじゃないかな? と思っていたんですけど、まあ実際にそうですね。前作で「戻ってきた」という感じだったんですけど、そこをさらに突き詰めて、この番組で以前使った言葉で言うと、よりゲトー・ソウルな印象が強まりました。
高尚なことを歌うのはひとまず置いておいて、いまは目の前の現実を歌おうと。彼にとっていまがそういうタイミングなのか、それともいまがそういう時代だという風に思っているのか。いずれにせよ、デイブ・ホリスター。今回のアルバムは快作と言って差し支えないと思います。このアルバムからは、またもう1曲ぐらい、『メロウな夜』でご紹介することになるかと思います。いま、いちばん聞いているアルバム、デイブ・ホリスター『The MANuscript』をご紹介いたしました。
<書き起こしおわり>