宇多丸とcherry chill will 写真集『RUFF, RUGGED-N-RAW』を語る

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フォトグラファーのcherry chill willさんがTBSラジオ『アフター6ジャンクション』にゲスト出演。宇多丸さんとヒップホップアーティストを写した写真集『RUFF, RUGGED-N-RAW』について話していました。

(日比麻音子)ここからは日替わりゲストと旬な話題について語らうカルチャートーク。今夜登場するのはフォトグラファーのcherry chill willさんです。こんばんは。よろしくお願いします。

(cherry chill will)はい。こんばんは。よろしくお願いします。お邪魔します。

(宇多丸)いらっしゃーい! 通称ジュンくんということで。

(日比麻音子)ジュンくん?

(宇多丸)はい。ジュンくん。本名がね。まあ、非常に実は私、本業はライムスターというラップグループでして。私のシーン、ヒップホップシーンと非常に縁が深い方ということで。僕も大変にお世話になっております。

(cherry chill will)いえいえ。

(宇多丸)ただこんな公の場で……なんか不思議な感じ。いつも僕は被写体としてカメラを向けられていて。しかもライブだから。なんつーの? ウワーッていう場じゃないですか。

(cherry chill will)そうですね。こう、改まってしゃべるとちょっと変な感じで。

(宇多丸)しかも、僕側がある意味さ、cherry chill willさん側にスポットを当てるっていうこの構図の逆転。「見る/見られる」関係の逆転! これですから。

(cherry chill will)フフフ(笑)。そうですね。本当に恐縮です。光栄です。ありがとうございます。

(宇多丸)そんな感じでぜひみなさんね、cherry chill willさんという方を知っていただきたいということで。どんな方なのかをご紹介、お願いします。

(日比麻音子)はい。cherry chill willさんは1979年、青森県八戸市出身です。レコードショップ勤務を経て、独学で写真を始め、2009年より本格的に活動を開始。ヒップホップやレゲエアーティスト、DJを中心に国内外で数多くのアーティストを取り続けてらっしゃいます。さらに国内外のブランドカタログの撮影を担当するなど、多方面に活躍されているということです。

(宇多丸)そうなんですよ。といったあたりでそんなcherry chill willさん。このクマちゃん的な感じ。そして長いお髭。口の周りのワーッと豊かに生えたヒゲが割と彼のトレードマークなんですけども。

(日比麻音子)素敵です。

(宇多丸)なんですけどね……とてもお世話になっているジュンくんにこういうことを言うのはちょっと言いづらいんすけど、コーナータイトルなんでやむなく言いますけど……なんで来たんすか?

(cherry chill will)フフフ(笑)。写真集発売の宣伝に来ました!

(宇多丸)よいしょ~! これなんですよね。どんな写真集でしょうか?

(cherry chill will)『RUFF, RUGGED-N-RAW-The Japanese Hip Hop Photographs-』というタイトルの、僕がここ10年ぐらい追いかけてきた日本のヒップホップシーンにフォーカスをした写真集になっています。

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『RUFF, RUGGED-N-RAW-The Japanese Hip Hop Photographs-』

RUFF, RUGGED-N-RAW-The Japanese Hip Hop Photographs-ジャパニーズ・ヒップホップ写真集
Posted at 2018.4.5
cherry chill will., 大野俊也(FLJ)(まえがき)
DU BOOKS

(宇多丸)これ、当然日比さんは日本のヒップホップシーンなんてあんまりご存知ないですよね?

(日比麻音子)全く知らないです。すいません。見に行ったこともなく。

(cherry chill will)本当ですか。

(宇多丸)まあいずれお誘いしますけども。これね私、ヒップホップシーンに長年関わっていて。僕のライブとかちょいちょい写真を撮ってもらって。まあ自分の写真は見るじゃないですか。なんだけど、ここに写っている人たち。だいたい僕は「だいたい友達♪」っていうやつらなんですけど……改めて彼の写真で見ると、要は僕にとってはずっと自分たちでやってきたことだし、仲間だし。まあ生活のあれだから。で、ほら。いろいろと試行錯誤をして、ダメなところもいっぱい知った上でのあれなので。僕にとってはあまりにも現実なので。シーンは。なので、見方が違うんだけどこの写真集で見ると「あっ!」っていう。「俺たちが積み重ねてきたものって、歴史なんじゃん!」っていうか。

(cherry chill will)ああー、そういう見方ですか。

(宇多丸)そう。たとえば海外のヒップホップシーンとかパンクシーンの70年代のシーンの写真集とか。それを見るような感じで。「すげー! かっこいい! こんな瞬間があったんだ!」って。で、ペラペラめくっていると自分が出てくるわけよ!

(cherry chill will)フフフ(笑)。

(宇多丸)で、そうすると「あっ、俺ってこの歴史の一部だったんだ!」っていう。改めて自分で思うのよ。そんな感じ。

(cherry chill will)なにをおっしゃいますか。僕は写真を始めた時、ライムスターさんは「キング・オブ・ステージ」と呼ばれる人たちだったんで。そこを目標にしていたっていうのもあったので、はじめてステージを撮らせてもらった時には本当にうれしかったし。

(宇多丸)いつ頃でしたっけ?

(cherry chill will)僕、いつがライムスターの最初なんだろう?って調べたら、2011年にageHaでやったWoofin’ナイトっていうやつがあったんですけど。そこにライムスターさんが出ていて、そこに僕が入っていて。

(宇多丸)じゃあ、意外と最近だ。

(cherry chill will)そうなんですよ。そこではじめて撮っていますね。たぶんその時、恵比寿マスカッツさんもいらっしゃって。そっちの方に僕、力が入っちゃいたのかもしれないですけども……。

(宇多丸)ふざけんな!(笑)。

(cherry chill will)フフフ(笑)。

(日比麻音子)素直(笑)。

(cherry chill will)それは冗談ですけども。調べてみたらそこがはじめてでしたね。

(宇多丸)なるほど。とにかく我々ライムスターとか、あとこれは表紙になっているD.Lさん。元DEV LARGE。BUDDHA BRANDという日本のヒップホップの歴史に残るグループの、もう亡くなっちゃったんだけども。D.Lさんとか。

表紙はD.L

RUFF, RUGGED-N-RAW-The Japanese Hip Hop Photographs-ジャパニーズ・ヒップホップ写真集

(宇多丸)あとはZEEBRAとかは知っているでしょう? ジブさん。「悪そうなやつはだいたい友達」っていう。

(日比麻音子)ああ、はいはい。

(宇多丸)K DUB SHINE、PUNPEEとか。あと、いまのフリースタイルダンジョンの世代のR-指定であるとか。いまや世界的に人気ですよね。KOHHくんとか。本当に新旧取り揃えて60組以上のラッパー、DJたち。まず、なぜこのタイミングでまとめようと思ったの?

(cherry chill will)去年、はじめて写真展を渋谷でやったんですよね。それも日本語ラップのシーンをまとめたものだったんですけども。それ以外の仕事として、いろんなミュージシャンだったり、いろんなジャンルの方を撮るんですけども。

(宇多丸)ラップだけじゃないんだよね。当然ね。

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(cherry chill will)そうですね。仕事としてはいろんなアーティストさんを撮らせてもらうんですけども。やっぱり僕の中で核になるのはヒップホップのアーティストであったりシーンだったんですよね。そこはやっぱり自分の中でまとめたいという意識が強くなっていって。で、シーン的に近年、盛り上がっているじゃないですか。そこで「写真」というカルチャーがちゃんとあるんだという。いままで日本のヒップホップシーンをまとめた写真集自体がなかったんですよね。雑誌はあったんですけど、それをまとめるっていうことがなかったので。それは先輩たちへのリスペクトを示しながらも、ちょっと僕が総括をさせていただきたいなと思って、まとめさせていただきました。

(宇多丸)いや、まさに。文字で書いた、たとえば日本のヒップホップシーンでこういうことがありましたっていうような本はちょいちょいあるけど、こういうさ……でも、文字で読むのと写真で実施に見るのって全然違う。日比さんなんか見たら、正直おっかないと思うんですよ。

(cherry chill will)フフフ(笑)。

(日比麻音子)いや、本当に開きはじめて2、3ページ。「あっ、ちょっと怖い……」って思うところもあったりするんですが、でも何も私は無知中の無知だったので。これをでも見ていると、モノクロの先の音とか熱さとか色が、無知だからこそかもしれませんが。すごく感じられた写真だったというか。

(cherry chill will)ありがとうございます。

(宇多丸)ねえ。この向こう側にね、その若者たちが熱狂する熱があるのが本当に伝わってくるじゃないですか。これ、見てくださいよ、日比さん。この僕のライブの写真。見て見て!

(cherry chill will)アハハハハハッ!

(日比麻音子)でもこれを見てさらにビビりましたよ。「この人と一緒にラジオやるんか」っていう。

(宇多丸)この人、この人。これ、俺!(笑)。

(日比麻音子)「わあ、別人だな!」って?(笑)。手が1本1本、きれいに見えているところとか。

(宇多丸)あとこれ、見てください。スキンヘッドという特性を見事に生かした、私の頭に水をかけるという……結構宇多丸がたまにやるアクションとしてね。それを見事に、ベストタイミングで撮ってくれたね。

(cherry chill will)そうなんですよ。「おおっ!」って思って。

(宇多丸)なかなかな、いい男に見えますよ!

(cherry chill will)フフフ(笑)。いい男ですよ。はい。いつもいい男です。

(宇多丸)ありがとうございます(笑)。

Cherrychillwill さんによる宇多丸さんのかっこよすぎる一瞬の写真!

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(日比麻音子)「かっこいい」って言うのが本当に悔しいぐらい、本当にかっこいいです。「かっこいい」じゃあ正直足りないです。

(宇多丸)あ、これも俺。これ、俺。

(日比麻音子)あれあれ、ホンマや!っていう(笑)。

(cherry chill will)フフフ(笑)。

(宇多丸)まさにでもおっしゃる通り、cherry chill willなりのヒップホップシーンの歴史的な総括というか。誰もやってこなかったことが見事に形になっていて。ぜひこれは、門外漢の方にもヒップホップシーンの熱気というか。

(cherry chill will)そうですね。感じてほしいっていうのもあるし。まあロックだったりジャズだったり、いっぱいミュージシャンを撮っている写真集っていうのは出ているんですけども。ヒップホップというものの中ではたぶんこれが最初になるし。日本のシーンにフォーカスしたというのは本当に初なので。ぜひみなさんに見ていただきたいという。

(宇多丸)この野音のさ、ステージ側から客席を写したショットがあるんですけど。ここの、この集まった子たちがいい顔していて! 僕、これを見ているだけで泣きそうになっちゃいますよ。本当に。でも、俺はいつもここにいるんだもんねっていう……。

(cherry chill will)そういうことです。

(宇多丸)これ! これ、俺が見ている光景! 俺が見ている光景!

(cherry chill will)フフフ(笑)。そうですね。

(宇多丸)ちなみに、他のジャンル。たとえばロックミュージシャンとかさ、みなさんかっこいいと思うけど。ラッパー特有の、被写体としての特徴ってあったりします?

被写体としてのラッパー

(cherry chill will)特徴……やっぱり、言葉がいちばん詰まっているジャンルだと思うんですよね。メッセージ性もそうですけど。リリック、歌の歌詞の内容という意味でもいちばん言葉が詰め込まれている音楽がヒップホップで、それを伝えようとする作業をしているラッパーの姿とかっていうのは、やっぱりちょっと他のジャンルとは違うっていう感じはありますよね。

(宇多丸)語りかけている感じなのかな? 一生懸命に。

(cherry chill will)うーん。やっぱり熱量はみなさん、ジャンルを問わずあると思うんですけど。それは僕のキャッチの仕方かもしれないですね。僕自身が日本語のヒップホップに対してすごく意識が向いているっていうのもあって。それを僕がアーティストからキャッチしようっていう意識はすごく、特別に持っているかもしれないです。

(宇多丸)そうだ。そもそものところで、cherry chill willさんが日本のヒップホップシーンというかラッパーとかを好きになっていった、最初はどのあたりなの?

(cherry chill will)最初はやっぱり中学生ぐらいでライムスターさんとかBUDDHA BRANDとかキングギドラがデビューしたあたり。それが僕、中学生とか高校生ぐらいですかね。それがいちばん最初の日本語ラップの始まり。だからもう25年ぐらい前ですかね。そこからもうずーっと。

(宇多丸)そうか。最初はヘッズから来ているから。

(cherry chill will)全くのヘッズです。

(宇多丸)「ヘッズ」っていうのはファンね。ヒップホップファンのことを「ヒップホップヘッズ」って言ったりするんだけど。で、さらに輸入レコード屋で。CISCOで働いていたんだもんね。

(cherry chill will)はい。CISCOっていうレコード屋さんがありまして。

(宇多丸)これ、渋谷のCISCOっていうのは東京のヒップホップシーンの結構中心地っていうかね。この番組でもたぶんいろいろお世話になるであろうDJ YANATAKEさんという人なんかもそこで働いていて……というね。

(cherry chill will)僕のもともとの上司ですね。

(宇多丸)上司。だから本当にファンからシーンのド中心にいて。そこからさらにそれを記録する側に回って……というcherry chill willさん。ライブさ、僕は撮られる側じゃないですか。「これはいい!」っていう瞬間、時はどういう時?

(cherry chill will)うーん……やっぱり、ライムスターさんとかも特にそうですけど、自分のリリックの中でたぶん「ここ!」っていうところがあると思うんですよ。宇多さんとかもそうだと思うんですけど、その瞬間って異常な輝きをやっぱり出すんですよね。それをキャッチできるかどうかがそのカメラマンとしてのスキルという部分では大事かもしれないですね。さっきの水をかけるっていうシーンありましたけども。ああいうのって表面的にも「おおっ!」ってなるんですけども。歌っているなんてことのないところでも、合いの手を入れる瞬間とか。そこに結構俺は魅力を感じる時がありますね。

(宇多丸)うんうん。へー! 面白い。

(cherry chill will)「あっ、ここで宇多さん、合いの手を入れるんだ!」とか。「ここでDさん、入れるんだ」っていうのとか。で、合いの手を入れ終わった後のニヤッとした顔とか。

(宇多丸)アハハハハハッ!

(cherry chill will)そういうところを結構見ているんですよ。

(宇多丸)ああ、そう。そこを見てくれているんだ! 僕らはさ、ラッパー2人いるから、実は合いの手ってたしかにすごい重要で。俺ね、自分のバースのところよりも、Mummy-Dのラップのどこに合いの手を入れるかが俺の……だからMummy-Dをいちばん輝かせるサイドキックは俺だってやっぱり思っていて。「普通はここに乗せるけど、ここなんだよね。で、ここは黙る」とか。そういうのはマジでドヤであって。でも、意外とそこを注目している人はいないから。客でもほとんどいないので。これはね……。

(cherry chill will)ああー。僕は結構逆に歌っていない方を見ていたりしますね。Dさんが歌っていたら、結構宇多さんを見ています。俺は。

(宇多丸)ああ、そう? まあね、俺が歌っている時はDがだいたい後ろで水を飲んでいるみたいな……(笑)。だいたいよくあるパターン(笑)。

(cherry chill will)フフフ(笑)。まあ、ありますね。

(宇多丸)でも、っぽい。人間関係としてね、っぽいよね。いやー、いいなっていう感じですね。

(cherry chill will)いろいろと見ています。はい。

(宇多丸)あと、そうだな。そういえばなんかさ、僕との出会いの話があるって言ってなかった?

(cherry chill will)これ、言っていいかどうかあれなんですけども……。

(宇多丸)ちょっと待って。リーガルな話でお願いします。法的に問題ない感じで(笑)。

宇多丸とのはじめての出会い

(cherry chill will)全然リーガルです。全然問題ないです。僕がはじめてライムスターさんにお会いしたのは1997年の『B-BOYイズム』という曲が出た直後に……。

(宇多丸)僕らの代表曲と言われております。

(cherry chill will)ヒップホップクラシックスなんですけども。それがリリースされた直後ぐらいに僕の地元の青森・八戸に営業で来られたんですよ。それがまあ、2回目の青森だったらしくて。来られてライブをやりました。で、僕は当時、ラップをやっていたんですよ。で、ライムスターさんの前座を実はやらせてもらっていて。

(宇多丸)あ、マジか!

(cherry chill will)で、とんでもなく広い、キャバレーを改装したようなクソみたいな箱なんすけど、そこに来ていただいてライブをしていただいたんですよ。で、ライブが終わって「いやー、ライムスターすごいな!」っていう話をしていて。で、宇多丸さんに「僕らもラップやっていて。テープ、聞いてください」みたいな。当時、よくあったと思うんですけども。それをやった時、「ああ、そうなんだ。じゃあ、よろしくね」なんて話をしていて。「君らはなに? いつからラップやってるの?」「まだ2、3年ぐらいですかね」みたいな話をしていて。

(宇多丸)はい。

(cherry chill will)「どこからヒップホップ、聞いてるの?」って。で、僕は入りがパブリック・エナミーというアメリカのグループで。そこから入ったっていう話をしたんです。そしたらもう宇多さんが「なんだと? お前、若いくせにパブリック・エナミーから入ってきてるのか、この野郎!」みたいになって。「ちょっと飲もうか」みたいな話になって。

(日比麻音子)おおっ!

(宇多丸)要するに、僕が上がっちゃったのね。

(cherry chill will)上がっていただいたんですよね。で、僕もその時にいろいろとアメリカの歴史を学んでいて。なぜパブリック・エナミーが政治的な発言をしたのか?っていうのの勉強をしている途中で、それをちょっと語ってしまったんですよ。それ、僕の失態だったんですけど、そこで宇多さんが火が付いてしまいまして……。「てめーら、ちょっとこっち来い!」みたいな。

(宇多丸)フハハハハハッ! 最悪(笑)。

(cherry chill will)で、もうかなり青森ってクラブ営業が短いので、2時ぐらいには終わるんですよ。そしたらもう宇多さんが結構酔っ払われていて。「ちょっとホテル来いよ! ちょっと俺と語ろうか」なんて話になりまして。

(宇多丸)アハハハハハッ! めんどくせー!

(cherry chill will)フフフ(笑)。

(日比麻音子)顔、真っ赤っ赤ですよ。宇多丸さん(笑)。

(cherry chill will)そこで「お前、さっき公民権運動とかパブリック・エナミーとかぬかしやがったけど、どこまで知ってるんだ、この野郎!」みたいな話になり、「ビールを買ってこい!」みたいになって。で、朝方の3時、4時ぐらいですかね。お腹が空いて。「お前、牛丼買ってこい!」みたいになって。で、買って持って帰ってきたら、もう寝ていたっていう(笑)。で、メンバーみんなで「どうしようか?」みたいな。「とりあえず、布団をかけて帰ろう」って、帰ったっていう……。

(日比麻音子)やさしい(笑)。

(cherry chill will)で、その話には続きがあって、その後に何回かお会いしてこの話をしているんですが、一向に覚えていないという。まあ、言う場がよくないんですけど。飲みの場とかなんで。

(宇多丸)たぶん毎回酔っ払っている時に話すから(笑)。

(cherry chill will)で、かならず「ごめん!」って謝られるんですけど、全くそれ自体も覚えていないっていう。

(宇多丸)ねえ。リスナーのみなさん、私はそのような、実はこの業界では怖い先輩として……(笑)。

(cherry chill will)はじめてこの場でしゃべらせていただきました(笑)。

(宇多丸)これでもう絶対に忘れません(笑)。ありがとうございました(笑)。聞くんじゃなかった……。

(cherry chill will)こういう出会いもあって。僕の中ではすごく強烈な……「素晴らしいな!」っていう。知らなかったことも教えていただいたし。で、曲でいろんなことをいままで教えてもらって。さらにカメラマンになって、ステージでもお会いできてっていうのはやっぱり、すごい運命的な物というか。それを勝手に僕は感じております。

(宇多丸)でもね、めぐりめぐって一緒にこうやって仕事できたりしているのもね、すごくうれしいことですね。

(cherry chill will)うれしいです。はい。

(宇多丸)そんなcherry chill willさん、写真集は『RUFF, RUGGED-N-RAW』……俺、どうしてもPMD発音で読んじゃうな。「ラフ、ラギドゥン、ロウ」ってね。DU BOOKSから税別3000円で発売中なんですが……。

(cherry chill will)はい。

(宇多丸)ここなんですよ。ジュンくんとはいままで、ライムスターではガンガンに仕事をしていましたが、せっかくお呼びしてというか、こんな写真集とか出してこういう人がいるんだから、この番組。『アフター6ジャンクション』の番組ポスターというか番組公式アートワークにぜひ、cherry chill willさんの写真を撮っていただきたいという。

(cherry chill will)光栄でございます。本当にもう。

(宇多丸)撮影をご快諾いただいて、実はもう撮ったんですよ。よいしょ~! 『ウィークエンド・シャッフル』の最終回を録った後ですかね。いま放送しているこのTBSラジオ第六スタジオで撮影しました。その時に、タマフルクルー。その時の『ウィークエンド・シャッフル』の最終回の時のメンツと記念撮影もしていただいて。これはもう宝。私、いまトップ写真でございます。

(cherry chill will)ありがとうございます。

(日比麻音子)これ、スタジオのサブの床ってこんなにかっこよかったっけ? みたいな。

(cherry chill will)床の方に注目ですね(笑)。

(宇多丸)でも、ちゃんとグラフィカルな構図のとり方をしているからさ。

(日比麻音子)そうなんです。「かっけー!」みたいな。これ見ていると「すげえかっけー!」みたいに思いました。

(cherry chill will)ありがとうございます。

(宇多丸)でね、これポスター全体のデザインはBLACK BELT JONES DC代表・近藤幸二郎さんということでございます。なおかつ、ロゴは木村豊さんにやっていただいて……ということで。レコードジャケット風にデザインしていただいたんですけども。これ、どうっすか、日比さん!

(日比麻音子)いや、写りたかったー!っていう(笑)。

『アフター6ジャンクション』ポスターアートワーク

(cherry chill will)フフフ(笑)。

(宇多丸)日比さん、奥の方を見たらテレビモニターに写っているっていう、心霊写真的な構図もあり得たかもしれませんよ(笑)。

(日比麻音子)意外と「ここにおるで」っていうアピールもできたかも……。

(宇多丸)初年度だからね。だから、ちゃんと『好奇心家族』から『アフター6ジャンクション家族』になったらね、写真を撮りましょうか(笑)。

(日比麻音子)そうですね。ちゃんといい感じに溶け込めるようになったら。いやー、でもこのポスターのおかげで幸先いいなっていう感じにもなりますよ。

(宇多丸)ありがたいよ。

(cherry chill will)いやいや、光栄です。本当になんか、かっこよくできましたね。

(宇多丸)ありがとう。ちなみにこれ、いろいろと放送の最中も写真を撮ってくれたじゃん。ライブを撮るのと勝手は違った?

(cherry chill will)意外と同じマインドで僕、臨ませえていただきましたね。宇多さんのいちばんかっこいいところを押さえたいっていう気持ちがあったのと、本当にライブ感……それは一緒じゃないですか。ヴァイブスも一緒だし。そこはあんまり「ラジオ用に」っていう意識はなかったですね。ライブを撮っている感覚で撮らせていただきました。

(宇多丸)ありがとう。うれしいです。僕も本当に実は全然垣根はないんですよ。ラッパーとしてライブをやっているのと。だからそのへんをわかっていただけるのは大変うれしいし。まさにそれができている写真、作品になっていると思います。

(cherry chill will)ありがとうございます。

(宇多丸)そしてなんとこのポスターがみなさんのお目に触れる機会がございます!

(日比麻音子)そうなんです。4月16日(月)から22日(日)まで、まずは下北沢の小田急線構内。エスカレーターが2つあるうちの間の休憩スペースに貼ります。

(宇多丸)いまね、下北沢駅、改修が激しくて。なにがなにやら……俺、いまね、スタジオが下北から歩いていけるスタジオを使っているのね。なんだけど、何年も通っているのにこの間、めちゃめちゃ迷っちゃって。「ん? 俺、いまどこにいるんだ?」みたいになっちゃって。でも、その中。下北にも貼られている。そして……。

(日比麻音子)渋谷駅の東急の改札の前の柱。そこにも貼られるということで。

(宇多丸)これは結構目立つ位置じゃないですか?

(日比麻音子)目立ちますよ。乗り換えの方もみんな通りますし。

(宇多丸)誰だ?っていうことになっていると思いますし。そしてさらにこの赤坂TBSの入り口。カードをかざしてピッと入るところの横っちょにいつも、このTBSの今季の一押しじゃないですけども。オラついている番組のポスターが貼ってあるんだけど。そこにも、赤坂にも出るらしいから。俺、いつもね、入る時は「ああ、すいやせんね。テレビの人、すいやせんね……」みたいな感じで入っているけど、もうカマしてやりますよ!

(日比麻音子)そうですよ。もう宇多丸さんオンリーでバーン!って。全TBSを行き交う人が見るんですから。

(宇多丸)「オラ、ボケがっ! 9階のゴキブリ野郎がやったるで、オラ!」ってね。

(cherry chill will)いやいや、すごいっすね。こんな大々的に。うれしいです。

(宇多丸)いや、それにいっぱい使いたくなっちゃうアートワークですよ。本当に。

(cherry chill will)まあ、宇多丸さんが素晴らしかったんで。

(宇多丸)まあ、被写体としてね。フハハハハハッ!

(cherry chill will)アハハハハハッ!

(宇多丸)どんなポスターに仕上がっているかはこの後、番組Twitterやホームページで一足先に発表するので、ぜひご覧ください。cherry chill willさん、お知らせごととかあります?

(cherry chill will)特に目立ったことはないんですけども。

(宇多丸)この媒体でこれを撮りましたとかは?

(cherry chill will)いろいろと、新しいヒップホップアーティストの宣材写真というのをかなりいま、撮っているので。それがこれから徐々に、新人の方が出た時にボンボンボンボン出てくるかなと。

(宇多丸)結構な比率でジュンくんの写真ですから。俺、これを見ていて……要するにさ、他の人の写真を誰が撮っているかなんて知らないから。こうやって見て「あっ、これもジュンだ。これもジュンだ!」みたいな。結構びっくりしちゃって。

(cherry chill will)これからもいろんな、ヒップホップ以外のアーティストも多いですけど。結構いろんな人を撮っているんで。

(宇多丸)いまの若手ラッパーはまたさ、グッドルッキングなんですよ!

(日比麻音子)ああ、イケメンで。

(cherry chill will)かなり、ですね。

(宇多丸)なんかね。

(cherry chill will)何なんでしょうね、あれ。

(宇多丸)もう! 本当に腹立つわ!っていうね(笑)。

(cherry chill will)フハハハハハッ!

(宇多丸)ということで、cherry chill willさんでございました。日比さんもちょっとヒップホップシーンに興味を持っていただけたら幸いです。

(日比麻音子)いや、本当に持ちました。

(cherry chill will)ぜひ、現場で。現場に来てください。現場がいちばん楽しいんで。

(宇多丸)「現場」っていうのはクラブとかライブとかということです。何かが起こっている場ということで。

(日比麻音子)はい。行きたいっす!

(宇多丸)ということでcherry chill willさんでした。ありがとうございました!

(cherry chill will)ありがとうございました!

(日比麻音子)ありがとうございました。

<書き起こしおわり>

RUFF, RUGGED-N-RAW-The Japanese Hip Hop Photographs-ジャパニーズ・ヒップホップ写真集
Posted at 2018.4.5
cherry chill will., 大野俊也(FLJ)(まえがき)
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