宇多丸 ルトガー・ハウアーを追悼する

宇多丸 ルトガー・ハウアーを追悼する アフター6ジャンクション

宇多丸さんがTBSラジオ『アフター6ジャンクション』の中で『ブレードランナー』のロイ・バッティ役などで知られる俳優のルトガー・ハウアーさんを追悼していました。

(宇多丸)あとひとつ、訃報というか。これ、僕は昨日の夜中にAbemaTVの番組をやっていて。そこで書き込みで知って非常にショックを受けたんですが。ルトガー・ハウアーという俳優さん、ご存知ですかね?

(宇多丸)宇内さんが見ている中だと1982年の『ブレードランナー』。SF映画の金字塔。その中でレプリカントを率いるチームのリーダー。ロイ・バッティ。最後にね、リック・デッカードに……。

(宇内梨沙)あの怖いレプリカント。

『ブレードランナー』のロイ・バッティ役

(宇多丸)「怖い」っていうのと同時に、でも彼がすごくテーマ全体を背負っているというか。最後に命、寿命の限られたレプリカントとして、人間が気づいていないような命の価値みたいなものを説いて見せる役でもあるじゃないですか。そのロイ・バッティも演じたルトガー・ハウアーさんが75歳で亡くなられたということで。

『ブレードランナー』はもちろんですけど、ポール・ヴァーホーヴェンという、作品としては『ロボコップ』とか『氷の微笑』とかで知られる僕も大好きなポール・ヴァーホーヴェンさんの初期作の主演俳優としてまずは非常に頭角を現して。『危険な愛』っていう作品とか『SPETTERS/スペッターズ』っていうバイクにあれとか。『グレート・ウォリアーズ/欲望の剣』なんていうのもありますし。『女王陛下の戦士』なんていうのも……とにかく、それで頭角を現して。それらの作品で神をも恐れぬ役というか。割とそういうキャラクターでした。ルトガー・ハウアー。

(宇内梨沙)ええ。

(宇多丸)あとは『ブレードランナー』ですごく世界的に知られた後も、たとえば『ブラインド・フューリー』という、これは『マッドマックス』的な世界観の中での座頭市と思ってください。

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(宇内梨沙)座頭市?

(宇多丸)座頭市です。目が見えないヒーローで、ポスト・アポカリプスっていうのかな? 核戦争後みたいな世界でヒーローが活躍する『ブラインド・フューリー』だとか(注:「ここの箇所は『ブラインド・フューリー』と『サルート・オブ・ザ・ジャガー』を混ぜて話していた」と宇多丸さん後日、訂正していました)。あとはサイコサスペンスの傑作で『ヒッチャー』というね、1986年の作品。これ、いま見てもめちゃめちゃ面白いですよ。

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(宇内梨沙)へー!

(宇多丸)とかね、いろんな作品に出てらっしゃって。ルトガー・ハウアーさんが亡くなってしまった。75歳はちょっと若いなっていう感じで。

(宇内梨沙)オランダ人の方なんですね。

(宇多丸)オランダです。ポール・ヴァーホーヴェンという方はそもそもオランダの監督で、オランダでもう神をも恐れぬすごい過激な作風で人気を博して。それでポール・ヴァーホーヴェンも監督としてブレイク。それでルトガー・ハウアーも俳優としてブレイクというようなね。後にもう1回、ポール・ヴァーホーヴェンとルトガー・ハウアーが組んだ作品もみたかったな。そんな感じもします。ということで、日本式に言えば「ご冥福をお祈りします」という感じです。

宇多丸さんの情報訂正

宇多丸さんが翌週月曜日の番組冒頭で、ルトガー・ハウアーさんについて話したことの間違いを訂正していました。

(宇多丸)ねえ、いま直前までね、ゴソゴソと資料を整理しながらの……資料を整理したり、スマホを充電しようとしたり、いろいろなことをやりながら番組を(笑)。

(熊崎風斗)時計を見たら残り10秒でしたよ(笑)。

(宇多丸)うーん、1週間、慌ただしい。僕、今朝鹿児島から帰ってきたばかりで。なかなかね、桜島のあれの影響で飛行機が飛ぶか飛ばないかみたいな。会社によっては欠航なんかが出たりするような状況の中で帰ってきて。で、ですね、その本チャンが始める前にどうしてもこれ、週末の間ずーっと……あのさ、番組で言ったこととかで「あっ! あれ、間違っちゃったこと、言っちゃった! うわっ、訂正したい!」っていう。

(熊崎風斗)あります、あります。

(宇多丸)で、前のウィークエンド・シャッフル時代だったら本当に1週間、番組上で待たなくちゃいけなくて。どうしてもあれな場合は番組公式のTwitterとかでやったりしていたんだけど。まあ、そんな大げさなことじゃないんだけど、でも「ああっ、あの件が!」みたいなのをずーっと……だから今週末、佐賀と鹿児島でライブやっていたけど、その間ずーっと気が気じゃなくて。俺、このことを早く訂正したい!っていう。なにかと言いますと、先週の木曜かな? オランダ出身の俳優でルトガー・ハウアーさん。『ブレードランナー』のレプリカントのリーダー役で非常に有名な方。なんとなく、わかりますか?

(熊崎風斗)はい。

(宇多丸)その方が亡くなられたという訃報をお伝えして、ルトガー・ハウアーさんの出演作についてコメントしたところがあって。その中で俺、『ブラインド・フューリー』っていう89年の作品。『座頭市』がモチーフなんですよ。たぶん『座頭市』から正式許可かなんかを取っているぐらいのやつで。座頭市的なキャラクターが主人公。それは間違っていないんだけど、そこで「ポスト・アポカリプス的、『マッドマックス』的なものの中で……」みたいなことを言ったんだけど、それは同じ89年のルトガー・ハウアー主演の『サルート・オブ・ザ・ジャガー』という『マッドマックス』フォロワーな作品があって。完全にそれと混ぜて話しちゃっていたんですよ。

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こういうの、ないですか? 昔、80年代後半に見たきりの映画で。同じ時期に同じ主演の人の2本が混ざっちゃっていて。だから、なんとなくたとえばスタローンだったら「いやー、スタローンがさ、地獄みたいな刑務所の中で腕相撲するんだよ!」とか……『ロックアップ』と『オーバー・ザ・トップ』が混ざっているみたいな。そういうことはね、しばしば僕の歳の映画ファン……特に『ブラインド・フューリー』も『サルート・オブ・ザ・ジャガー』も89年のその劇場で見て以来見返してなくて。で、混ざっちゃっていて。すいません!

だから、あの……みやーんの勝手書き起こし。みやーんさん、いつも僕らのムービーウォッチメンは公式でやってくれてますけども。みやーんがこのパート、書き起こししてるんだけど。みやーん、そこは訂正しておいて(笑)。

(熊崎風斗)訂正しておいてください(笑)。

(宇多丸)「宇多丸が追って訂正をしていた」っていう、それを付け加えておいて。勝手に上げてるんだから、それぐらいやっておいて。フフフ(笑)。

(熊崎風斗)モヤモヤは晴れましたか、宇多丸さん?

(宇多丸)それ、みやーんさんがやってくれたら後はモヤモヤが晴れるんで。お願いします。

(熊崎風斗)だいぶ晴れてきましたね。行きましょう。アフター!

(宇多丸)シックス!

(宇多丸・熊崎)ジャンクション!

<書き起こしおわり>

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