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松尾潔 Toni Braxton『Long As I Live』を語る

松尾潔 Toni Braxton『Long As I Live』を語る 松尾潔のメロウな夜
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松尾潔さんがNHK FM『松尾潔のメロウな夜』の中でトニー・ブラクストンの新曲『Long As I Live』を紹介。そこからミント・コンディションやサウンズ・オブ・ブラックネス関連の楽曲などを紹介していました。

(松尾潔)さて、今週それでは本編1曲目とまいりましょう。新曲です。この人も90’sディーバの代表格と言って差し支えないんじゃないでしょうかね。先週もご紹介いたしました。LA&ベイビーフェイスというプロデューサーチーム。彼らが主催したらラフェイスレコードというレーベルのファーストレディーと言いますか。象徴的な存在として90年代そして、ゼロ年代と活躍を続けてまいりましたトニー・ブラクストン。

しばらく、本人が言うところの公私ともに低迷期というのが続きましたが、ここ数年は恩師ともいえるベイビーフェイスとのデュエットアルバムで鮮やかに復活を遂げまして。そしていよいよ今年、久しぶりのソロアルバムがリリースされます。それに先駆けてのシングル、いくつか彼女はドロップしているんですが、今月リリースされたばかりの最新ナンバーをお届けしたいと思います。トニー・ブラクストンで『Long As I Live』。

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Toni Braxton『Long As I Live』

(松尾潔)お届けしたのはトニー・ブラクストンで最新シングル、『Long As I Live』。「生きている限り」という曲ですね。こんな言葉がしっくりくる、そんな年齢です。トニー・ブラクトンは1967年10月生まれ。50才でございまして。まあ、日本の感覚でいうと僕なんかと同世代ですね。同学年ということになるのか。トニー・ブラクストンが50代か……と思うと、「90年代も遠くになったんだな」なんてことも感じたりするんですが。

たとえば、さっきメールご紹介しましたホット・バタフライさんなんかも「50才」っていう風にメールに書かれてますけどね。トニー・ブラクソンの復活に熱い思いを覚えてしまう、そういう方は少なくないのではないでしょうか? トニー・ブラクストン、ニューアルバム『Sex & Cigarettes』のリリースも目前となっております。その中から、『Long As I Live』をお届けいたしました。さて、トニー・ブラクストンといえば、現在はラッパーのバードマンという、ちょっと強面のラッパーにして事業家でもあるというね、そういう人とお付き合いしているという噂を伝え聞いておりますが。

2001年に結婚して、21世紀のR&Bシーンのセレブリティーカップルと当時、言われていたのがミント・コンディションのキーボーディスト、ケリー・ルイスでした。ミント・コンディションといえば、その後見人といいますか、パースペクティブ・レコードというところの所属でしたけども。パースペクティブ・レコードを主催しているのがジャム&ルイスというわけで。これはね LA&ベイビーフェイス、ラフェイスの好敵手と言われた人たちですよ。言わずと知れたジャム&ルイス。ですから、その二大プロデューサーチームのそれぞれの秘蔵っ子のような、トニー・ブラクソンとミント・コンディションのケリー・ルイス。この人たちが結婚したということでね、「音楽っていいな」と思いましたね(笑)。まあ、きれいにまとめるならばね。

そもそもね、音楽の場合はどちらも勝者ということが言える、そんな領域かと思いますから。で、実際にトニー・ブラックストンは結婚したケリー・ルイスと一緒にアルバムを作り始めまして。ただ、それはともなおさず、トニー・ブラクストンがLA&ベイビーフェイスから離れていくということにつながりましたし、ケリー・ルイスにしても、ミント・コンディションを離脱するということで。このあたりがね、やはり音楽とプライベートというのは切り離せない。そしてそこの先に音楽もあったりするってことなんでしょうかね。

まあ、どこが起点になってるかっていうのは定義によりますけれども。そんな話のひとつも出てくるとトニー・ブラクストン、ミント・コンディションの関係。ミント・コンディションといえば日本でもファンが多いですし、いまバック流れております『Breakin’ My Heart』。この曲をはじめとしまして、名曲も多いです。

その中心人物であります、リードボーカルのストークリー。この番組でもよくストークリーの話ししてますよね。この間もご紹介しましたけども。いま、2018年時点でも現役であれだけ活躍しているということで、その母体となるミント・コンディションの名前も輝きを失っていないという、そういうところもあるかもしれません。そんなミント・コンディションの代表曲『Breakin’ My Heart』を女性ラッパーのレミー・マーが……この番組では名前ぐらいご紹介したことがあるかもしれませんが、楽曲ははじめてとなるのかな?

レミー・マーがなんとクリス・ブラウンをフィーチャーしてラップカバーしてますね。まあ、これから聞いてる曲というのは最近のクリス・ブラウンの客演ものとしては指折りの出来じゃないかなと思っております。今年に入ってリリースされたばかりのシングル、聞いてください。レミー・マー feat. クリス・ブラウンで『Melanin Magic (Pretty Brown)』。

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Remy Ma『Melanin Magic (Pretty Brown)』

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Lo-Key『I Got A Thang 4 Ya』

(松尾潔)トニー・ブラクストンのパートナーでしたケリー・ルイスが所属しておりましたミント・コンディション『Breakin’ My Heart』。『 (Pretty Brown Eyes)』というサブタイトルがついてましたけども、その曲を巧みに、美味しいところだけ引用したっていうんですかね? 面白い感じに再構築しておりました女性ラッパーのレミー・マーの新曲『Melanin Magic (Pretty Brown)』。フィーチャリング、クリス・ブラウンでお届けしました。

続いてご紹介しましたのは、そのミント・コンディションのライバルバンドと申しますか、同じジャム&ルイスが主催するパースペクティブレコードの二大看板バンドのもう一方でありました、ロウ・キーの『I Got A Thang 4 Ya』。1992年から93年にかけてロングヒットした曲ですね。もう25年前の曲になりますけれどもね。僕もいまだに大好きな曲をお聞きいただきました。先ほど、ケリー・ルイスの話をしてミント・コンディションという流れで、ちょっと「ミント・コンディションに在籍していた」みたいな言い方をしたんですけども。そうなんですよね。

さっきお話しましたように、直接のきっかけではないにせよ、トニー・ブラクストンと結婚して、トニーのプロデュースをやったり、そういった仕事が増えて、本体・母体でありますミント・コンディションでの活動がなかなか両立できなくなったんでしょうね。ケリー・ルイスはミント・コンディションから独立します。で、プライベートの事でお話しますと、トニーとケリーのカップル。結構ね、長らくおしどり夫婦と言われていたんですけどね、惜しくも2013年に離婚しました。40代のトニー・ブラクストンっていうのは公私ともになかなか思うようにいかないという時期が続いたように見受けられます。

ですが、その40代の後半も後半になって、師弟関係にあると言ってもいいんでしょうかね。ベイビーフェイスが「また一緒にやろうよ」ということでデュエットアルバムを作りまして。それがヒットして、グラミーにも輝き、そしてこのたびのカムバック・アルバムのリリースというわけでね。やっぱり人生長いですから、これからもいろんなことがあるかもしれませんが、こうやって50代でカムバック。・アルバムを出すなんていう人には、本当に勇気づけられますね。ロウ・キーはいま、何をしてるのか?って話になるんですけど。ロウ・キーはバンドとしての活動もさることながら、ミント・コンディション以上にプロデュース・ワークで忙しかった人たちです。

アレクサンダー・オニールの『All True Man』というアルバムを手がけたことは、いまでも語り草になってますが。ある時期に、同じ場所に集ってた人たちが、そこで得たものを他のいろんな場所で伝えていくとも言えますし。後に多岐に渡って活躍するような人たちが、ある時期に集っていたという言い方もできますけども。考えてみますと、そもそもそのジャム&ルイスという人たちが、プリンスというとんでもない、とてつもない天才の下に集ったある時期のミネアポリスの若者たちの中の2人だったわけで。もしかしたら、いや、おそらく音楽の歴史というのはね、そういう求心力のある存在がいつも牽引しているんじゃないかなということを、ラフェイスとかジャム&ルイスのことを考えると、そういう結論になってしまいますね。

そのジャム&ルイス主催の名門パースペクティブ・レコード。もういまは存在しませんが、そこがなかなかにユニークだったのは、こういったバンド物。もともとね、ジャム&ルイスがザ・タイムというバンド出身だっていうところもあって、このあたりはプロデュースはお手の物って感じでしたけども、それ以外に自分たちのルーツ。大きな大きな柱であるゴスペルに目を向けたところなんですよね。しかも、そのゴスペルをモダンな音の意匠で送り出して、ちゃんとポップヒットさせたっていう、このあたりがね、当時「ジャム&ルイスおそるべし」と言われた所以ですね。

一方でね、ジャム&ルイスといえばこの人という形で、ジャネット・ジャクソンのヒットもずっとコンスタントに90年代は生み出しながら、そして一方では伝統に根ざしたゴスペルというところをちゃんと視野におさめて。自分たちのレーベルの「こんなことをやりましたよ」っていう……「名誉職として大先輩をレーベルに顧問にお迎えしました」とか、そういうニュアンスじゃなくて。ちゃんとレーベルの大きな戦力として、決して若者ばかりともいえないゴスペル集団、サウンズ・オブ・ブラックネス。もうミネアポリスに古くから活動していた、そんなチームを改めて、全米に自分たちの地元の先輩にこんな人たちがいるんだ!っていうことを知らしめた。これは大きな功績でしたね。

そんなサウンズ・オブ・ブラックネス、ヒット曲がいくつかございますが、何と言ってもパースペクティブ・レコードから全米に紹介されるような形になってリリースした『Optimistic』というこの曲がファンがいちばん多いんじゃないでしょうかね?

そんな『Optimistic』がこの度、蘇りました。そして、そのボーカルをとっているのはとブランディーでございますね。ブランディー、そしてラッパーのコモン、さらにはロバート・グラスパーですよ。ロバート・グラスパー、いま「ジャズの」と言おうかと思ったんですけども、「ジャズの」というよりも、「いまのアメリカン・ブラック・ミュージックっていうのを新しく定義し続ける男」と言ってもいいかもしれませんね。ジャズ、R&B、ヒップホップ、もう縦横無尽に活動を展開しております。ロバート・グラスパーとコモンが手を組みまして、オーガスト・グリーンというね、ユニットを作ったんですが。

オーガスト・グリーンの話はちょっと後においておきまして、まずは曲を聞いていただきましょう。ブランディーをボーカルにフィーチャーしております。曲はサウンズ・オブ・ブラックネスのカバーとなります。『Optimistic』。

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August Greene featuring Brandy『Optimistic』

オーガスト・グリーンという新しいユニットですね。ラッパーのコモン。コンシャスなラッパーとして、もう不動の地位を確立しております。コモンがロバート¥グラスパーという、さっきもお話しましたように、アメリカの広く黒人音楽っていうのをいま、本気で新しく定義しようとしている男はいますが。ロバート・グラスパーと組んで。そしてあと、この人を忘れちゃいけませんけれどもね。ドラマーのカリーム・リギンス。この人はジャズ・ドラマーですが、才人ですね。日本にもたびたび来てますが、カリーム・リギンス。この3人で作ったユニットがオーガスト・グリーン。そこにブランディーがフィーチャーされるという形。

まあ僕はね、けどここで面白いなと思ったのは、僕ぐらいのまあ「メロ夜世代」いう風に申し上げますね。いま、40代・50代。これくらいの方々にとってはブランディーって言うと90年代に天才少女シンガーとして世の中に出てきた時のイメージが大変に強いと思うんですけど。ブランディーってちょうど今月、つい最近39才になったそうなんですよ。で、90年代にサウンズ・オブ・ブラックネスが『Optimistic』をヒットさせた時、「ずいぶん大人っぽいアプローチでジャム&ルイス、本気でやってるな!」と思いましたけども。その時にリードボーカルだったアン・ネズビーって35才だったんですよね。ベテラン女性シンガーがフィーチャーされてるっていう売りだったサウンズ・オブ・ブラックネスより、いまのブランディーの方が年上なんですよね。そういう意味じゃ、『Optimistic』のこの新しいオーガスト・グリーンバージョンっていうのは十分にアダルトなR&Bということが言えるんじゃないでしょうか。

<書き起こしおわり>

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