松尾潔 Faith Evans feat. Stevie J『A Minute』を語る

松尾潔 Faith Evans feat. Stevie J『A Minute』を語る 松尾潔のメロウな夜

松尾潔さんがNHK FM『松尾潔のメロウな夜』の中で最近結婚したばかりのフェイス・エヴァンスとスティービー・Jのデュエット曲『A Minute』を紹介していました。

(松尾潔)今週もレギュラープログラム「メロウな風まかせ」とまいりましょう。まあね、エラ・メイ、エラ・メイと毎回のように……まあ、あの曲が嫌いな人はこの『メロ夜』リスナーにはいないと思うんですけども。2018年が『Boo’d Up』だけで語れるか?っていうと、もちろんそうじゃなくて。いろんないい曲が出ていますね。これもありそうでなかったデュエットなんですよ。『メロウな夜』では大変なじみ深い名前、フェイス・エヴァンスのニューシングルなんですが。デュエットしておりますのが、スティービー・Jという男性です。

このスティービー・J、ご存知の方も多いでしょう。ショーン・パフィ・コムズ率いるバッドボーイ・レコーズの中心的なクリエイターとして90年代半ばから後半、2000年代頭ぐらいまでは破竹の勢いでヒットを連発していたプロデューサーですね。マライア・キャリーのような大物とも組んでまいりましたけれども。そのスティービー・J、当然ながらバッドボーイのファーストレディーと言われていたフェイス・エヴァンスとも関わりがございまして。

彼女のセカンドアルバム『Keep the Faith』の中の『Lately I』という曲なんかね、いまでも思い出すだけでじんわりとしてくるような滋味深い曲をものにしたりしております。98年のことでしたが。

それから20年経ってなんとこのフェイス・エヴァンスとスティービー・J、結婚したんですね。はい。スティービー・Jっていうのは大変なモテ男でございまして、僕の知る限り5人の女性との間に6人の子供がいます。そしてフェイス・エヴァンス。これも有名な話ですが亡くなった超大物ラッパー、ノトーリアス・B.I.G.、ビギーの奥様だったのは有名な話で。その後もね、マネージャーと結婚生活を過ごしてましたけども、離婚が成立して。昔から知ってるスティービー・Jとまさかの結婚ですよ。はい。

2人とも40代でね、ちょっとこれを聞いて勇気づけられる人と落ち込む人と別れるんじゃないかと思いますけども(笑)。まあ、その2人がデュエットしました。スティービー・J、こんなにボーカル上手いんだなっていうことをね、しみじみと感じます。まあフェイスはもちろんなんですけどもね。これまで裏方の大物と言われていたスティービー・J。歌ってもなかなかだったんだなっていうことがよくわかります。聞いてください。まさかの夫婦デュエットとなりました。フェイス・エヴァンス feat. スティービー・Jで『A Minute』。

Faith Evans feat. Stevie J『A Minute』

(松尾潔)40代の新婚カップル、フェイス・エヴァンスとスティービー・Jによる『A Minute』という曲。「あなたに恋に落ちるには1分あれば十分」っていうね。嘘つけよ、知り合って20年たってるじゃないか!っていうね、そんなツッコミも入れたくなるんですけども(笑)。あの98年の『Keep the Faith』っていうアルバムでスティービー・Jは大変に貢献していたという話をさっき、ちらりと申し上げましたが。昨年リリースされました『The King & I』というアルバム。フェイスの亡き夫でありますノートリアス・B.I.G.の生前のレコーディングをリサイクルした作品でしたね。この番組でもご紹介したアルバムですが。

その中でもスティービー・J、プロデュースをやってましたね。だから1分なんていうのはもちろん、あの歌の世界の話でございまして。もう長年の仕事仲間だったんですね。で、この2人、それぞれに異性に大変おモテになる。これまでのツヤっぽい噂がたくさん飛び交ってきた人たちなんですが。ちょっと下世話な想像で申し上げますとね、『The King & I』のラストに『It Was Worth It』っていう曲が入っていて。これはフェイス・エヴァンスとは大変共演も多い仲良しにして超実力派女性シンガーのケリー・プライスとのすさまじいボーカル合戦でしたけれども。

それをプロデュースしていたのがスティービー・Jで。そこにはビギーの声は入ってない曲でしたね。まあ細かい話ですけども。それにしても、その前の前の旦那さんとの共演アルバムをプロデュースしていた人と今度結婚するっていう。面白いですよね。このあたり、友情が愛に変わるっていうのはどういうタイミングなんでしょうね? もうケニー・ラティモアとシャンテ・ムーアの後釜になる夫婦がまさかここから出てくるとは……っていう感じですね。

<書き起こしおわり>

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