松尾潔さんがNHK FM『松尾潔のメロウな夜』の中でBruno Mars『Finesse Remix Feat. Cardi B』を紹介していました。
（松尾潔）先週のメロウトップ20の第3位でございました、ブルーノ・マーズ。その時には『That’s What I Like』をご紹介したんですが。『That’s What I Like』、さらにその前のメロウトップ20の第2位だった『Chunky』。考えてみますとその2つの曲が収められている『24K Magic』というのはもう今日日、異例中の異例のロングセラーアルバムですよね。21世紀における『Thriller』という、そういう声も上がっております。僕もね、そのことに関しては異論の余地はないかなというぐらい、どんどん説得力を増している、そんな凄みを持ったアルバムなんですが。
なんと、2018年に入ってもまたシングルカットされましたよ。曲はアルバムの中でニュー・ジャック・スウィングに正面からブルーノが向き合ったということで、アルバムがリリースされた時点でも大変に話題になりました『Finesse』という曲でございます。満を持してのシングルカット。それも、リミックスでいま人気絶頂の女性ラッパー、カーディ・Bをフィーチャーしております。これね、ビデオの方も大変に話題になっているんですが、その話題はまた後でということで。まずは音の方をお楽しみいただきたいと思います。ブルーノ・マーズ feat. カーディ・Bで『Finesse Remix』。
Bruno Mars『Finesse Remix Feat. Cardi B』
お届けしましたのはブルーノ・マーズ feat. カーディ・Bで『Finesse Remix』でございました。文句なし。満点でございます。満点。テンでございます！ はい、ブルーノ・マーズの快進撃、もう誰か止めて！ 誰も止められないという状態が続いておりますが。先ほどもお話しましたように、この曲はビデオの方も大変に凝っておりまして。『イン・リビング・カラー』という90年代初頭に全米で人気を博したテレビシリーズ、どのぐらいの方がご存じですかね？ 『イン・リビング・カラー』の完璧なるオマージュという仕上がりになっております。
『イン・リビング・カラー』というものをまだご覧になったことがないという方はたくさんいらっしゃるかと思うんですが、そこの出演者の名前を聞くと「ほう！」と興味を増してしまうのではないでしょうか？ なぜならば、そこに出演していたのは、いまをときめくジェイミー・フォックス、ジェニファー・ロペス、そしてジム・キャリーですよ。ねえ。「そんな人たちが出ているテレビ番組があったんだ」といまから気づいても遅くはない。なぜなら、当時はなかなかそれを見るのは大変に難しいことでした。アメリカで1990年から94年にかけてオンエアーされていたんですけども。
それがいまではもちろんインターネットの恩恵と言いますか。90年代の人気テレビ番組を当時よりもいまの方が日本で見ることは容易になっていますからね。ぜひ見ていただければと思いますが。ただ、その時、アメリカでオンエアーされていた時はいま名前を挙げた人たち、そこまでビッグネームじゃなかった。特にジェイミー・フォックスとかJ・ローなんてのはこれではじめて一般的に知られるようになったぐらいですからね。新人として紹介されたりしていましたけども。
中心人物だったのはウェイアンズ・ファミリーと言われている一家でして。デイモン・ウェイアンズとかキーネン・アイヴォリー・ウェイアンズとか、ショーン・ウェイアンズとか、まあ90年代のアメリカブラックカルチャーを語る上では欠かせない、ある種コメディー界におけるジャクソン家のような位置づけの人たちでございました。この人たち、テレビだけじゃなくて映画でもたくさんやりまして。みなさん、サントラでよくご存知でしょうけども。『モー・マネー』ですとか、あとは『ア・ロウ・ダウン・ダーティ・シェイム』とか。日本でもサントラが特に話題になったブラックムービーはこのウェイアンズ・ファミリーによるものだったりもしたわけなんですね。
で、そういったものに90’sカルチャーの刷り込みを受けたブルーノ・マーズとそのブレーンたちが今回、オマージュを捧げるというビデオになっているんですけども。目の付けどころがいいですね。ブルーノ・マーズ・ファミリーはね。
＜書き起こしおわり＞