松尾潔さんがNHK FM『松尾潔のメロウな夜』の中でYouTube出身のアーティストを紹介。オーガスト・アルシーナ、アリシア・カラ、ジャスティン・ビーバーについて話していました。
(松尾潔)こんな新曲が最近出ておりますので、聞いていただきましょう。ニューオリンズ出身で、現在は同じくアメリカ南部アトランタを本拠地にして活動を展開しております。まだまだ新人というイメージも強いですけども、人気シンガーの仲間入りをしていますね。オーガスト・アルシーナ(August Alsina)。彼をこの番組でご紹介するのは初めてなのかな?聞いていただきましょう。その名も『Hip-Hop』。
August Alsina『Hip-Hop』
ニューオリンズ出身の男性シンガー、オーガスト・アルシーナの『Hip-Hop』という曲をお聞きいただきました。まあオーガスト・アルシーナというのは、そうですね。乱暴な言い方をしますと、クリス・ブラウン(Chris Brown)世代の人気シンガーということは言えるんじゃないでしょうかね。まあ、クリス・ブラウンとの共演も実際にございます。オーガスト・アルシーナ。
もう世代的にはR&B、歌唄いでありながら、ヒップホップジェネレーションでもあると。まあ、曲によってはラップしてるようなフロウで歌うこともありますね。で、何よりも音楽に対してのアティテュードっていうのがもう、ヒップホップのそれでございまして。この『Hip-Hop』という曲の中でも、自分が子どもの頃にビギー、ノトーリアスB.I.Gが射殺されたということもリリックに織り込んだりしてますが。まあ要は、ヒップホップ育ちである。その自分のスタンスの表明のような1曲でしたね。このオーガスト・アルシーナという人は世に出てきた方法っていうのが極めて今風です。
ティーン・エイジャーの頃に動画サイトYouTubeにたくさん自分の歌をアップしてましてね。まあ、それは人のカバーだったりもしたわけなんですけども。それで、名前が知られるところとなり、彼が生まれて暮らしていたニューオリンズ、決していい環境にいたわけじゃなかったそうなんです。家庭環境も良くなかったみたいなんですけど。それで、まあ彼の才能をいち早く見出したアトランタのヌーンタイム(Noontime)っていう音楽制作チームがいるんですけども。ヌーンタイムがアトランタに呼び寄せて。そしてまあ、プロデビューへと向かっていくわけなんですが。
やっぱりその、動画サイトでね、世に出てきて。それでその、貧困から抜けだしたっていうのはもう、いかにも今風っていう話ですし。まあ、貧困なんていう言葉を使わずとも、生活を一変させるツールたりうる、そんな動画サイト。この動画サイトで世に出てきた、成功例っていうのは最近本当、増えてますね。ジャンルを問わず。続いては、カナダからYouTubeで世に出て、アメリカ合衆国を含む北米、そして全世界で人気を獲得しようとしている。そんな女性シンガーをご紹介したいと思います。アレシア・カラ(Alessia Cara)という、この番組で初めてご紹介する女性です。
それこそYouTubeに『Alessia Cara』という名前で検索をかけてみますと、彼女がいろんなアーティストのカバーをしている・・・まあその、なかなかにカバー上手ぶりをたしかめることができるんですが。めでたくね、オリジナル曲でデビューいたしました。彼女の才能に目をつけたのはアメリカのデフ・ジャム(Def Jam)でございます。では、聞いていただきましょう。僕はね、彼女の歌声を聞いて想像したのは・・・想像っていうか、容易に頭に浮かんだのは、エイミー・ワインハウス(Amy Winehouse)なんですよね。まだ18才という若い女性です。聞いてください。アレシア・カラで『Here』。
Alessia Cara『Here』
Justin Bieber『All That Matters』
カナダからYouTubeを上手く使ってスターダムにたどり着いた、着こうとしている。そんな二組をご紹介いたしました。まずはこれから注目されるんじゃないですかね。アレシア・カラ『Here』。この『Here』という曲はね、彼女の初めてのメジャー作品なんですが。YouTubeで公開して、初めの5週間ですでに50万ビューを獲得しているそうですね。日本に人気が飛び火するんでしょうか?
で、彼女がたどる道の前の方に立っているのがジャスティン・ビーバー(Justin Bieber)ですね。この番組、メロウな夜でご紹介するのは初めてじゃないでしょうか?今日は『All That Matters』という曲。もう本当にネオ・ソウル風情の曲ですね。聞いていただきました。ジャスティン・ビーバー。どうしてもジャスティン・ビーバーはね、お騒がせセレブっていうイメージが、特にこの2年ぐらいは先行しているわけなんですが。その評判だけでこの歌声に距離を置くのはちょっともったいないなっていうぐらいの、やっぱり才能がある人だと思います。
まあ、人気芸能人でもあるけれども、それ以上に実力派のシンガーという、僕はそう思いますね。ティンバーレイクだけじゃないぞ、ジャスティンは!と申し上げておきたい。まあ、その割には初めてご紹介した、そんなジャスティン・ビーバー『All That Matters』。もうこれは、まごうことなきR&Bでございました。メロウです。
<書き起こしおわり>