宇多丸「俺の黄金コース」を語る

宇多丸「俺の黄金コース」を語る 宇多丸のウィークエンド・シャッフル

宇多丸さんがTBSラジオ『タマフル』の中で自身持ち込みの番組特集案、「黄金コース」について紹介していました。

(宇多丸)はい。ということでこの後のオープニングトークでは、数週間後、この番組でひょっとしたら特集になるやならずや……私がとあるアイデアを出している企画がありまして。こちらが本当に可能なのかどうか、みなさんにお伺いを立てる、そんなトークから始めてみたいと思います。『ライムスター宇多丸のウィークエンド・シャッフル』!

(中略)

で、ツアー中なわけですよ。明日から熊本、鹿児島、沖縄と。その合間合間に映画を見たりして、非常に大変な中で……ここなんです。私、先ほどのオープニングの生鳴きで言いましたけど。タマフル企画会議をするじゃないですか。で、「推薦図書をやろう」とか、「そろそろこの人を呼んでこんなことをやろう」とか、いろいろと話をする中で、やっぱりダベりながら新企画を出すんですけど。その中で私が新企画として提案している企画があって。これが、また現行タマフルクルーの反応が鈍いのなんの。で、その現行タマフルクルーの会議での反応の鈍さを耳にした橋本吉史名誉Pが「はぁ!? めっちゃわかるじゃん! お前ら、なんなんだ?」っつって(笑)。半分キレていたというね。

(古川耕)越権行為です(笑)。

(宇多丸)越権行為。「はぁ? それ全然わかるっしょ? 即特集っしょ!?」みたいな(笑)。さすがです。あの男、私とシンクロ……『シンクロナイズド・モンスター』。モンスターですからね。どういう企画か?っていいますと、仮タイトルはこれですね(笑)。「ターン!っつってターン!っつってターン、ターン、ターンッ、決まった! 俺の黄金コース」というね。

(古川耕)長え(笑)。

(宇多丸)俺の黄金コース。「ターン!っつってターン!っつってターン、ターン、ターンッ、はい、決まった!」っていう。わかるっしょ? これでもう、わかるっしょ?

(古川耕)わかんねえよ(笑)。

(宇多丸)わかるっしょ? だから、平たく言えば段取りくんみたいなことですよ。たとえばね、なぜ私がこれを思いついたか? 私の黄金コース。東京駅の黄金コース。帰りの黄金コース。まあクタクタですよ。ライブを終えて帰ってきて、重い荷物を抱えています。ゴロゴロにしたってさ、そんな汚え……みんな便所とか行った足でこうやって歩いているようなところをそんなゴロゴロと……。

(古川耕)地面の話?(笑)。

東京駅の黄金コース

(宇多丸)ええ、地面ですよ。そんなゴロゴロゴロゴロしたくないじゃないですか。で、まあ重たい……衣装とか結構重たいんですよ。なので、まあ、すいません……タクシーに乗りたいじゃないですか。電車に乗りゃあいいですけどね。誰が、そんな便所とか、犬のウンコとか踏んだような……。

(古川耕)地面のディスはやめて!(笑)。

(宇多丸)なので、タクシーに乗ろうとするじゃないですか。なんですけど、その東京駅の八重洲口のタクシー乗り場がこれがまた混んでいるんです。いつ行っても混んでいるわけです。タクシーはスイスイスイスイ来ますけど、それでもなかなか、数十分待ったりするわけですね。これ、僕は前からアホらしいと思っていたわけですよ。こんな時間を待つんだったら、タクシーが捕まえられる位置まで行けるじゃないかって思っていたわけです。だけど、ウンコだとかなんとかそんなのがある地面にあんまり……あと、雨とか降っていたらそれも厄介ですし。そこで私、いろいろと試行錯誤した結果、出ました。黄金コース。ターン、ターン、ターン、ドーンッ! の黄金コース。

東京駅に帰ってきました。ただこれ、午前中とかあんまり早い時間だと使えないっていうか、ちょっと弱くなるんですけどね。まず、八重洲口なんか出ませんよ。そんなもの。これ、ちなみに橋本吉史は暴言を言ってましたよね(笑)。「東京駅で八重洲口から出るやつは田舎者」って……。アハハハッ! 「お前がだろ!」っていうね。富山県出身のっていうのがありますけども、違うんです。八重洲口は出ない。で、どうするか? というと、丸の内地下中央改札っていうところを出て、ややまっすぐ言ってから太い道を左側方向にガラガラと。非常に広い地下街があって、それを左側にガラガラガラッと行きますよ。そうすると、KITTEという日本郵便がやっている商業ビルがあるじゃないですか。KITTEの地下道を行くわけです。

そのKITTEの地下道からさらに向こう側のTOKIAという、コットンクラブとかが入っているおしゃれビルがあって。そのTOKIAの方まで地下道がずっと続いているわけです。地下道をガラガラガラッと抜けていきます。そしたらもう……この時点でかなり来ているわけです。道はすごい新しいからきれいですから。床なんかもう全然、犬のウンコとか落ちてませんから。それでサラサラサラッと行きますよね。そしたらその途中で……これは11時以降の話になりますが、インデアンカレーをキメるわけですね。ちなみにこのインデアンカレーの食べ方の中にも僕、それは黄金コースありますよ。

ピクルス大盛り、ルー大盛り、卵をつけて。はい、こんぐらいで半分ピクルス食べてからの、もう半分を入れて。ナントカからの、ここで卵を崩して……ターン、ターンと来て、ターン! ターン! ターンッ! 決まった! インデアンカレー、キメた! ちなみにインデアンカレーは東京ではそこ、丸の内のTOKIAしかないですから。そんな、よく見るとやれつるとんたんだのに並んでいるわけですよ。「わかってねえな……つるとんたんなんて他にもあるよ」って思いながら。「ここでしか食えねえ、インデアンカレーだろ?」と。で、そのインデアンカレー、なんなら並びにトイレもありますから。トイレ行ったりして。

んで、そのTOKIAの横のエスカレーターを上がって。するともう向かいは国際フォーラムですから。渡って国際フォーラムサイドに行ったら、もうタクシーなんてすぐ来ますから。どうですか? だから丸の内中央改札(ターン!)、インデアンカレー(ターン!)、で、抜けてからの(ターン!)、国際フォーラム(ポーン!)、(タクシーに)乗って(ドーン!)。家(ドーン!)。もうこれはほぼほぼドア・トゥ・ドアと言っても……(笑)。

(古川耕)ドア・トゥ・ドアじゃないよ!(笑)。

(宇多丸)まあちなみに、結構歩きますけどね(笑)。10分以上は歩きますけどね。ただ、道がすごく広いしきれいだし、混んでいないんで。ストレスがないわけです。これがだから俺の東京駅の黄金コース。こんな感じでツアーとかに行っていると、たとえば羽田空港第2の黄金コースとかあったりする。第1の黄金コースとかも。

(古川耕)映画館は?

有楽町マリオンの黄金コース

(宇多丸)映画館、ありますね。たとえば有楽町マリオンだったら、これはコースというのとは違いますけども。トイレ。ピカデリーとかTOHOシネマズが入っているフロアの1個下。デパートが終わって映画館のフロアに行く間、1個フロアがあるじゃないですか。天井がすごい高いところ。あそこの両サイドのトイレ、超空いているから。ターン、ターン、ドーン! ウンコ、ドーン!

(古川耕)決まった(笑)。

(宇多丸)決まったー!(笑)。とかさ。あと、コレド室町。日本橋のTOHOシネマズだったら、まず半蔵門線よりも銀座線の方が正面ですから。まず銀座線の前(ドーン!)、横のデイリーヤマザキ(バーン!)。で、デイリーヤマザキの横のトイレ(ドーン!)、ション(ドーン!)。

(古川耕)「ション(ドーン!)」って……(笑)。

(宇多丸)で、時間があったらいま、そこの地下のところ、いっぱい飯屋もありますから。そこで軽くイートインで飯(ドーン!)。エスカレーター(トーン!)……まあ、そっから先は普通の導線ですけど(笑)。ターン、ターン、ターン、で、映画(ドーン!)。面白かった(イエーイ!)ですよ(笑)。だからこういう感じで、いま僕は道のりとかの段取りの話をしていますけども。さっき言ったみたいに食べ物でもいいんですよ。たとえば吉牛の黄金コース。みなさんね、それぞれあると思うんですよ。つゆだくでもなんでもいいんですけど、ナントカして。ここでナントカを入れて、ここで……って。こういう、ターン、ターン、ターン、ドーン! みなさん、これ日々やっていると思うんですよ。

で、その僕が言ってもピンと来ないタマフルクルー、お前らは本当に感性がダメね。会議の風上にもおけないよね。感性を閉じちゃってる感じだよね。アドバイザーせのちんさんなんか、アドバイザーにもかかわらず、「俺はねえな!」とか大声で言い張って(笑)。

(古川耕)フハハハハッ!

(宇多丸)「俺は行動を先に決めるのは嫌だ!」とか大声で怒鳴る始末(笑)。

(古川耕)「並ぶの、楽しい」って(笑)。

(宇多丸)本当ですよ(笑)。だから絶対にあんなうるさ型のおじさんさ、あるに決まっているんだから。本当はさ。ということで、みなさんの「俺の黄金コース」。ターンと来て、ターンと来て、ターン、ターン、ターン、ドーン! これを送ってくださいっていう特集なんですけど、いかがでしょうか? こちらのリアクションの雰囲気次第でやるのやらないのを決めたいと思いますので。絶対にあると思うんだけどなー。伊藤聡さん、あるでしょう? ほら、うなずいている! 伊藤さんには絶対あるんだから。下北でカレー屋を効率的に回る方法とか、絶対に考えているんだから。間違いないんだから。

本屋、カレー屋とか……だから、草枕、ドトール、世界堂、バルト9……。

(古川耕)バルトの2階のオアゼ……。

新宿バルト9の黄金コース

(宇多丸)オアゼでコーヒー(ドーン!)とか。あと、世界堂の手前のラーメン屋の狭い路地の異常に品揃え豊富な自動販売機。めちゃめちゃメーカーが豊富な自動販売機。

(古川耕)アハハハッ! 超密集しているところ(笑)。

(宇多丸)そうそうそう。だから、草枕カレー(ドーン!)、ドトールでエスプレッソM(ドーン!)、そこを渡って路地を入って、豊富な自動販売機で「どれ、どれ、どれ? やっぱりこれ!」(ドーン!)。で、ポーンで世界堂に入って最新ボールペン事情(ドーン!)。フハハハハッ! こういうの、あるはずなんだから。ということでぜひぜひ、みなさんのリアクション次第で特集が実現するか決まりますので。あなたのゴールデンコース、黄金コースを。この感じね。○○(ターン!)、△△(ターン!)、で、最後の着地で(ドーン!)って。こんな感じでutamaru@tbs.co.jp まで送っていただきたいと思います。リアクションの量と質ですね。質が低かったらね……フハハハハッ! 質は問いません。

あと、要するに自分しかわからないような黄金コース……たとえば地元だとか。西荻窪のナントカとか、わかんなくてもいいんです。そんなのうちの番組なんか、人がわかんねえようなことばっかやっているんだからさ。全然いいんですから。俺、全然そんなこと気を使った覚えはない!(笑)。わかるとかわかんねえとか、そんなこと関係ないじゃん。関係ないね、そんなの。知らねえよ、そんなもん。面白いとか面白くないとか、関係ないんだよ。面白い雰囲気が出りゃいいんだよ(笑)。そういうもんじゃないんすか?

(古川耕)そ、そういうもんです(笑)。

(宇多丸)フハハハハッ! はい。ということで俺の黄金コース、どしどしお送りいただきたいと思います。

<書き起こしおわり>

宇多丸 羽田空港第一ターミナルの黄金コースを語る
宇多丸さんがTBSラジオ『タマフル』放課後ラジオクラウドの中で羽田空港第一ターミナル利用時の黄金パターンを話していました。 (古川耕)宇多丸さん、明日は何時なんですか? (宇多丸)明日はね、飛行機が11時半なんで、一応1時間前に着くのが……...
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