町山智浩 ハーヴェイ・ワインスタイン セクハラ騒動の影響を語る

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町山智浩さんがTBSラジオ『たまむすび』の中でハリウッドの大物プロデューサー、ハーヴェイ・ワインスタインによる女優たちへのセクハラ騒動についてトーク。ハリウッド中に波及しつつあるその影響について話していました。


(町山智浩)ということで、今回の本題に行きます。前回はちょこっとしか話ができなかったんで、続きをちょっと。状況も変わりましたので、します。アメリカの映画プロデューサーとしてすごい、アカデミー賞の帝王と言われていたハーヴェイ・ワインスタインがこの30年ぐらいに渡って30人を超える女優さんたちに性行為を強いて。嫌がられて逃げられてもいるんですけども、そのうち最低でも4人か5人はレイプに至っているという事件で大問題になっています。

町山智浩 ハーヴェイ・ワインスタイン セクハラ問題を語る
町山智浩さんがTBSラジオ『たまむすび』の中でハリウッドの大物プロデューサー、ハーヴェイ・ワインスタインによる女優たちへのセクハラ問題についてトーク。その影響などについて話していま...

(海保知里)はい。

(町山智浩)これ、ワインスタインの写真ってそちらにありますか?

(海保知里)はい。ワインスタインさん……。

(町山智浩)まあ「さん」を付けることはねえですね。

(海保知里)そうですね。そうでしたね。ワインスタインですね。失礼しました。

(町山智浩)すごいですよね。この人の顔。

(山里亮太)うん。情報を出た後に見ているから、より一層、「うわっ、そういうやつだな!」って。

(海保知里)悪そうな感じがしちゃいますよね。


(町山智浩)まあ、はっきり言って裏社会の人にしか見えないですよね。見た目がね。これで体重が100キロ以上で、身長が184センチという、まあ巨体なんですよ。で、この顔でとんでもない人なんですけども。で、これがまずどうして急に発覚したか? と言いますと、ニューヨーク・タイムズの女性記者のスクープなんですね。

(海保知里)ああ、そうなんですか?

(町山智浩)このジョディ・カンター(JODI KANTOR)さんっていう人が2013年のアカデミー賞の授賞式を見ていて、『テッド』っていう熊の映画で熊の声をやっていたコメディアンのセス・マクファーレンが司会をやっていて。で、主演女優賞の候補の5人の女性に「これでもうあなたたちはハーヴェイ・ワインスタインを好きなふりをしなくてもいいですね!」って言ったんですよ。

セス・マクファーレン(2013年アカデミー賞)



(山里亮太)ジョークでいじったんだ。

(町山智浩)ジョークでいじったんですけど。そしたら、アカデミー賞の観客っていうのは全員アカデミー会員……俳優とか映画のプロデューサーとかなんですけど、その時にすごく不思議などよめきが起こったんですよ。「ザワザワザワ……うわっ、言っちゃった……」みたいな。

(海保知里)ふーん!

(町山智浩)ところが、それを見ていた視聴者……僕も含めて見ていた視聴者の全員は「なんなんだろう、このギャグは。よくわかんない」ってなったんですよ。

(山里亮太)まだこの頃は全然、そんな噂もなかったんですね。

(町山智浩)噂もなかったんです。ただ、それを見ていた『ニューヨーク・タイムズ』の記者のジョディさんは、「これは私たちは知らないけど、ハリウッドでは誰もが知っている恐ろしいことが女優とハーヴェイ・ワインスタインの間にあるんだ」って気づいたんですね。

(山里亮太)はー! そのジョークから。

(町山智浩)そうなんです。それで10月5日の記事までずっと調査をしていて。その10月5日の記事っていうのは、お金の流れから行ったんですよ。ワインスタインが何人もの女性たちに口止め料を払い続けてきたというお金の流れをすっぱ抜いたんですよ。

(海保知里)へー! はい。

(町山智浩)そこから、いろんな女優がインタビューに応えて、直接の被害がわかっていったという感じなんですね。お金の流れだから、具体的な証拠があるわけですよ。で、どういうことが起こっていたか?っていうとですね、これはいちばんわかりやすいのはアーシア・アルジェントという被害にあった女優さんがこれを映画にしているんですよ。

(海保知里)えっ!?

(町山智浩)映画になっているんですよ。すでに。

(海保知里)自分のその……ワインスタインとの?

(町山智浩)被害を映画にしているんですね。この人はもともと、お父さんが映画監督で。『サスペリア』っていうすごい有名なホラー映画の監督のダリオ・アルジェントさん。だから娘さんも女優兼映画作家なんですね。で、その中で自分自身が主演して、自分の青春時代とかを描いた映画で『スカーレット・ディーバ』っていうのがあるんですよ。その中で、アーシア・アルジェントさんがハリウッドの映画プロデューサーに映画を配給してもらおう、出資してもらおう、主演させてもらおうとして話をしていると、「部屋に来い」って言われるんですね。

(海保知里)はい。

(町山智浩)「そこで、仕事の話をしよう」って言われるんですよ。で、行くと、そのプロデューサーの彼しかいないんですよ。しかも、全裸にバスローブ一枚なんですよ。で、「ヤバい!」って思うんですけど、そのオヤジが「マッサージしてくれ」って言うんですね。で、「マッサージをしてくれ」っていきなり寝るんだけど、そしたらチンコを出しやがるわけです。

(海保知里)ああー……。

(山里亮太)あのニュースの、あのまんまだ。うん。

(町山智浩)それが彼の手口なんですね。これね、「面白い」って言っちゃあなんですけども。「興味深い」と言った方が正しいんですが。手口が全部同じなんですよ。30人もの被害者がいるんですけど、全部同じ。判で押したように。「部屋に来い。仕事だ」って言われて行ってみると、1人。で、半裸ないしは全裸。で、「風呂に入ろう」ないしは「マッサージしてくれ」っつって、「嫌だ」って言うと「マッサージしてやる」って触ってくるという。

(海保知里)いやー……。許せない。

(町山智浩)これね、全員同じなんですよ。

(海保知里)でもこれ、女性側がかわいそうなのは、その部屋にスタッフがいると思って行くわけですよね?

(町山智浩)そうなんです。「パーティーがあるよ」とか「打ち合わせだよ」って行ってみると、ワインスタイン1人なんですよ。

(海保知里)でもそれで、ねえ。逃げられないですもんね。

(町山智浩)部屋に自分で入っちゃっているんですよ。女優さんたちが。もう30人、全員ね。

(山里亮太)なるほど、そうか。だから自分で入ったことによって。

(町山智浩)要するに、「自分で入った」ってことにして、「同意があった」という形に持っていっているんですね。

(海保知里)ひどい……。

(町山智浩)で、『ニューヨーカー』っていう雑誌とか、『ニューヨーク・タイムズ』で女優たちが少しずつ重い口を開いていったんですけど。まあ、その中で実際にレイプをされちゃっている人はこのアルジェントさんともう1人、ローズ・マッゴーワンさんなんですね。

(海保知里)はい。

(町山智浩)ローズ・マッゴーワンっていう人はみなさん、たぶん知っていると思うのは『プラネット・テラー』っていう映画で、足にM16アサルトライフルを付けていた女優さんなんですよ。はい。

(山里亮太)ここに資料ありますけども、すごいですね。


(町山智浩)すごいですね。足がマシンガンになっているんですけども。この女優さんも23才のまだド新人の頃にホテルで……この人の場合には完全にレイプされてしまったんですけども。まあ、新人だったんで10万ドル(約1000万円)で黙らされていたんですよ。で、ずっと言わないで来たんですけど、どうして言わないで来たか?っていうと、その口止め料と同時にこの『プラネット・テラー』っていう映画もワインスタインの映画なんですよ。

(海保知里)ああ、はい。

(町山智浩)だから、レイプされて、お金を積まれて、しかも口止め料として映画に出してもらっているんですよ。

(山里亮太)その手口なんだろうな、いつも。

いつも同じ手口

(町山智浩)いつも、その手口なんですよ。で、グウィネス・パルトロウっていう女優さん……この方はもうご存知ですよね? 有名だから。アカデミー主演女優賞をとっている人ですよ。『恋におちたシェイクスピア』で。

(海保知里)はい。

(町山智浩)この人も襲われて。「マッサージするよ」って抱きつかれて、押し倒されて。まあ、脱出したんですけども……1996年に襲われたんですが、その後もずーっと(ワインスタインの映画会社である)ミラマックスの映画に出続けて。で、ワインスタインのプロデュースした『恋におちたシェイクスピア』でアカデミー賞をとっているんですよ。

(海保知里)なんか、その時にワインスタインと一緒に仲良さそうに写っている写真っていうのがメディアで流れた気がするんですけど……。

(町山智浩)そうです。受賞した後にワインスタインとキスまでしています。彼女は。

(海保知里)ですよね。その時はもう心の中では腸が煮えくり返っていたっていうことなんですかね?

(町山智浩)だからこれは一種の……まあDVの夫婦みたいなものになっちゃうわけですよね。要するに、経済的に仕事の部分でもコントロールされて。1回、襲われたりしている恐怖もあるし。完全に支配されちゃうんですよね。

(海保知里)そういうことなんだ……。

(町山智浩)だから、いわゆる○○症候群みたいなものになっちゃうんでしょうね。逃げられなくなっちゃうんだと思います。ただね、その最初に襲われた時の彼氏だったのはブラッド・ピットなんですよ。ブラッド・ピットはワインスタインに「二度と俺の女に手を出すな!」ってはっきりと言っているんですよ。っていうのはブラッド・ピットはまだその頃は『セブン』に出たばっかりで、そんなに有名スターじゃなかったのに、結構そこで戦ったんでブラピは結構株が上がっているんですよ。

(海保知里)ふーん!

(山里亮太)それでちょっと映画界で出にくくなったりみたいなことはなかったんですか?

(町山智浩)ブラピはだから、ワインスタインの映画には出ていないんじゃないかな?

(山里亮太)なるほど。それ覚悟で行ったんですね。ブラピは。

(町山智浩)はい。ただブラピはその後にグウィネス・パルトロウとすぐ別れちゃって。で、パルトロウはその後にベン・アフレックと付き合っているんですよ。『ゴーン・ガール』の華のない俳優さんですけど。いまは映画監督ですけども。ベン・アフレックは、そのパルトロウが襲われたのと同じ96年に『グッド・ウィル・ハンティング』っていう映画に主演兼脚本を書いて、マット・デイモンと2人で。売れない俳優だったのに、それで大スターになるんです。

(海保知里)はいはい。

(町山智浩)で、ワインスタインにものすごい義理があるんですね。

(山里亮太)ああ、『グッド・ウィル・ハンティング』はワインスタインのプロデュースなんだ。

(町山智浩)そうなんです。で、『グッド・ウィル・ハンティング』の時にベン・アフレックとマット・デイモンっていうのは全く売れない俳優だったのに、彼らがその自分たちが主演する映画として書いた『グッド・ウィル・ハンティング』のシナリオにいきなりワインスタインはお金を出してくれたんですよ。だからマット・デイモンとベン・アフレックにとっては命の恩人みたいな人なんですよ。ワインスタインは。

(海保知里)うーん……。

(町山智浩)で、マット・デイモンは今日、記者会見で「実はベン・アフレックから聞いてグウィネス・パルトロウが襲われたことは知っていたけども黙っていた」と言っちゃったんですね。

(海保知里)うーん、言いましたか。

知っていて黙っていた男たち

(町山智浩)言いました。で、ベン・アフレックはこれだけじゃなくて、ローズ・マッゴーワンが襲われたことも知っていたんですけど、言わなかったんですよ。ワインスタインがこんなことになった時に、すぐに「私は知りませんでした」っていう風にコメントを出したら、ローズ・マッゴーワンから「私がレイプされたってことをあんたに直接面と向かって言ったはずなのに、なにが『知らない』だ? 嘘つき野郎!」ってTwitterで書かれたんですよ。

(海保知里)うわっ、すごい余波が来ている。はいはい。

(町山智浩)しかも、ベン・アフレックは彼女を襲われているわけですよ。ベン・アフレックはかなりヤバいです。

(海保知里)うわー……。

(町山智浩)しかも、その当時彼はチャラチャラした俳優だったんで、バラエティ番組に出た時にレポーターの女の子のおっぱいをカメラに見えないように触ったことまで、そのレポーターにいまになって……20年ぐらいたってバラされて。

(山里亮太)記事になっていました。たしか。ベン・アフレックもそういうことをやっていたって。

(町山智浩)かなり『ゴーン・ガール』状態がリアルに……。

(海保知里)窮地に追い込まれていますね。

(町山智浩)この後、『ジャスティス・リーグ』でバットマンやるんですけど、大丈夫か?っていう感じなんですよ。

(海保・山里)うわーっ!

(町山智浩)これいまね、もうすぐ公開なんですけど、非常にヤバいと思いますね。共演がワンダーウーマンですけどね。で、いまね、すごくいろんなことで問題になっていてヤバいのは、それに関わっていて、ワインスタインの世話になっていた男たちがみんなそれを黙っていたことがどんどん発覚しているんですよ。

(山里亮太)なるほどね。そうなりますね。

(町山智浩)ミラ・ソルヴィーノっていう女優さんがいるんですけど。この人はね、ウディ・アレン監督の『誘惑のアフロディーテ』という映画で1995年にアカデミー賞助演女優賞をとっている女優さんなんですよ。この人も、やっぱりワインスタインに襲われているんですね。この『誘惑のアフロディーテ』もワインスタインの映画なんですよ。

(海保知里)ああー……。

(町山智浩)で、共通するのは全員が21、2なんですよ。襲われた時。ド新人なんです。だからもう、全く新人で力がなくて、「デビューしたいだろ? 映画に出たいだろ?」っていうことでワインスタインは襲っているんですよ。

(山里亮太)典型的な悪徳プロデューサー感だ。

(海保知里)本当、そうですね。

(町山智浩)もう典型的な感じなんですよ。で、しかもミラ・ソルヴィーノはその後、クウェンティン・タランティーノ監督と3年ぐらい、ほとんど一緒に暮らしていたんですよね。タランティーノっていうのはミラ・ソルヴィーノと付き合う前に映画監督として出てきた時に、ハーヴェイ・ワインスタインが最初にお金を出した監督なんですよ。

(海保知里)そうだ。ああーっ!

(町山智浩)『パルプ・フィクション』『レザボア・ドッグス』。あれはワインスタインがそこにお金を出して、それが大ヒットしたお金でミラマックスという会社はそこから映画配給会社ではなく、製作会社として巨大化していくんですよ。だからワインスタインがなければタランティーノはなしで、タランティーノなければワインスタインはないっていう仲なんですね。

(海保知里)ふーん!

(町山智浩)で、いま、ミラ・ソルヴィーノはもう別れているんですけど、『タイム』という雑誌に「私は襲われた」って原稿を執筆しまして。あ、原稿書けるんですよ。この人、ハーバードを出てますから。

(海保知里)おおっ、賢いんですね。

(町山智浩)その中で、「私はタランティーノと付き合っていた」って書いているんですよ。で、タランティーノは逃げ場がなくなっちゃって、とうとう『ニューヨーク・タイムズ』で「僕はミラ・ソルヴィーノとその頃に付き合っていて、ハーヴェイ・ワインスタインに彼女が襲われたことも知っていたけども、ハーヴェイ・ワインスタインは僕の恩人で友人だから黙っていた。すいません」って謝ってます。

(海保知里)うーん。

(町山智浩)これはマズいんですよ。一般の人じゃなくて、自分の彼女の場合だから。で、もうタランティーノは完全に謝っていて。特にタランティーノは映画の中で、さっき言ったローズ・マッゴーワンをレイプしようとして殺される役を演じている人ですからね。『プラネット・テラー』で。

(山里亮太)知っていてそれを入れたってなると、ちょっと意味合いも変わってきちゃうっていう……。

(町山智浩)タランティーノがすごく難しいのは、タランティーノはいつもレイプする男たちを女がやっつけるっていう映画ばっかり撮っているんですよ。『デス・プルーフ』とか『ジャンゴ』とか『キル・ビル』とか。だから、「いままでの映画はなんだったんだ?」っていう話になっちゃうんですよ。で、友達ですけど。僕は。本当にタランティーノはいま、すごいヤバいんですよね。

(山里亮太)やっぱりすごい叩かれているんですか? アメリカで。

(町山智浩)叩かれていますね。ただもう、全面的に謝って。全く一切言い訳をしていないんですよ。

(海保知里)そうなんですね。

(町山智浩)ただ、このミラ・ソルヴィーノもその後、97年に『ミミック』っていうワインスタインの映画に主演しているんですよ。だからもう、役をやるということで絡めとって、支配していくっていう形なんですよね。だからまあ、とんでもないですよね。あと、レア・セドゥっていう女優さんがいるんですけど。この人は『007 スペクター』のボンド・ガールをやった女優さんですよ。この人もワインスタインに襲われて。で、詳しく原稿を書いているんです。この人も原稿を書ける人で、『ガーディアン』に書いているんですけど。とにかく、上に乗っかってきたら体重がものすごいから、もう押しのけられないっていう話を書いているんですよ。

(海保知里)怖い……。

(町山智浩)これは怖いですよね。で、あとルピタ・ニョンゴさんっていう女優さんがいて。この人は『それでも夜は明ける』に出ていた……この人もアカデミー助演女優賞をとっているんですけど。この人も、「マッサージしてくれ」って言われて。そしたらいきなりチンコ出しやがったっていうことを書いていますね。

(山里亮太)はー。全く同じ手口で。また。

(町山智浩)全く同じ手口。だからこれね、全部同じ手口なんで。30年間同じ手口なんで、これはたぶん依存症ですね。依存症っていうのは同じことを繰り返すんですよ。で、いままでみんなが黙っていたからやり続けていたんだと思うんですよ。で、ここからもうすでに、ワインスタインだけの問題じゃなくなってきていて。ワインスタイン自体はもうアカデミー賞どころか、監督協会を除名になったんで、一生映画は撮れないんですよ。まあ、日本に来たら撮れるかもしれないですけど、アメリカでは撮れないんですが。アメリカでは実は、ずっとこういう問題が続いていて。もともとハリウッドでは「キャスティング・カウチ」っていう言葉があるんですね。

(山里亮太)はい。

ハリウッドの悪習

(町山智浩)「キャスティングするかわりに、やらせろ」みたいな話があって。これはサイレント時代から100年ぐらい続いていることなんですよ。だからそれがやっと100年目にしてなんとかなるんじゃないか?っていう話になっているんですけど。ただ、このワインスタインっていう人は実際にニューヨーク警察が2015年に彼を逮捕しようとして、囮捜査で電話を録音しているんですよ。で、暴行の事実を彼が認めて、しかも囮捜査をした被害者に対して「部屋に来い! 部屋に来ないとお前に女優をやらせないぞ!」っていう風に脅迫をしている録音まであるんですよ。

(山里亮太)完璧に録られた。

(町山智浩)完璧に録られた。それで警察が起訴しようとしたら、検察が起訴を止めているんですよ。ギリギリで。

(山里亮太)うわっ、何の力が働いたんだ……。

(町山智浩)地方検事がワインスタインの弁護士からものすごい寄付を受け取っていたんですよ。で、NBCテレビも実は今年の夏に全部その女優たちのインタビューをビデオに撮っていたんですけども、放送をギリギリで取り止めたんですよ。

(山里亮太)はー、それはまた力が?

(町山智浩)それはパワー弁護士に勝てないだろうって思ったんですね。で、どうしてか?っていうと、いままでこういう暴行事件は裁判になってもなかなか有罪にならないんですね。これは、まずひとつはビル・コスビーっていう俳優がいて、この人は50人、やっていたんですよ。デートして食事して、睡眠薬を飲ませて眠らせて犯すっていうのを50人に対してやっていて。で、訴えられているんですけど、この間裁判をやったら、結審に達しなかったんですよ。

(海保知里)そんな……。

(町山智浩)証拠がないんですよ。一緒にもうデートしちゃっていたから、「やっぱり仕事がほしかったんだろ? 枕だろ?」みたいなことを言うやつがいるわけですよ。

(山里亮太)そういう逃げ道も全部計算の上で。ひどい話だ。

(町山智浩)そう。でもはっきり言ってテレビの昼のワイドショーとかでこの事件を報道しながら、坂上忍っていう人が「でも本当は女の方から行ったんじゃないですか?」とか言っているんですけど、そんなことを言っているからこんなやつらがどんどん増えるんですよ!

(海保知里)ちょっともう(時間なので)、これまた来週、スタジオで。ねえ。お願いします。

(町山智浩)あ、来週は『マッドマックス』の話をします。

(海保知里)あ、そうですね。じゃあそれはそっちで。

(町山智浩)まあでも、そういうことで。

(海保知里)はい。町山さん、本当にありがとうございました。また来週、お待ちしております。

(町山智浩)はい。

<書き起こしおわり>

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