吉田豪と玉袋筋太郎 指原莉乃を語る

吉田豪と玉袋筋太郎 指原莉乃を語る たまむすび

吉田豪さんがTBSラジオ『たまむすび』の中でHKT48・指原莉乃さんについてトーク。その魅力について玉袋筋太郎さん、安東弘樹さんと話していました。

(安東弘樹)さあ、今日豪さんに紹介していただくのはアイドルグループHKT48の指原莉乃さん。では、まずそのあらすじとその筋をご紹介します。指原莉乃さん、1992年、大分県生まれ。2007年、AKBの第2回研究生オーディションに合格。2012年の選抜総選挙で4位に入るも、その直後に週刊文春に暴かれたスキャンダルを受けてAKB48から博多のHKT48へ移籍。その翌年にはAKB48の選抜総選挙で初の1位を獲得。『恋するフォーチュンクッキー』で初センターを務めました。さらに2015年から選抜総選挙で三連覇を達成するなど、AKBグループの中心メンバーとして活躍しています。

(玉袋筋太郎)うん。

(安東弘樹)そして吉田豪さんの取材による指原莉乃さんのその筋は……その1、不穏なつぶやき。指原莉乃のTwitterの筋。その2、親知らず4本一気抜き。異常な仕事ぶりの筋。その3、いちばん出会えて楽しかった人、杉作J太郎の筋。その4、総選挙ほど辛いことは一生ないの筋。その5、『恋チュン』で終わった。ザ・アイドルソングが好きの筋。その6、過呼吸になってから卒業したいの筋。以上6本の筋です。

(玉袋筋太郎)うーん。6本ありますね。

(吉田豪)ひとつ目から行きますかね。

(玉袋筋太郎)行きましょう。不穏なつぶやき。

不穏なつぶやき

(吉田豪)まず、これはAKBの通算49枚目のシングル『#好きなんだ』のリリースタイミングでのインタビューだったんですけど。まあ、指原さんは何度か共演したり取材したりもしていて。実は初共演っていうか、はじめて最初に仕事をしたのがテレビで。これがスキャンダルの翌日だったんですよね。

(玉袋筋太郎)すごいね、また。レアケースだ。

(吉田豪)すごいいいタイミングで。

(安東弘樹)これ、たまたまなんですね。

(吉田豪)たまたまです。

(安東弘樹)持ってますね!

(吉田豪)持ってると思ったし、なおかつ面白いと思ったのがその後、『anan』でインタビューした時もハロプロの話ばっかりしていたんですけど、基本ハロプロが異常に好きな人で。「ハロプロがなかったら私は死ぬ」みたいな。で、この時も、いろんなアイドルライターの人が集まる企画で。あるアイドルライターの人が「僕はいろんな女の子を取材してきて。仲良くなるきっかけとして、その子の出身地のご当地キティを胸につけたりとか、誕生日の数字をバッジでつけたりとかして、すごい気を使って。今日もだからやってきましたよ!」って言っていたんですけど、その人がそんだけ準備しているのに、その日僕はBerryz工房の人も出ていたんで、ハロー!プロジェクトのスポーツフェスティバルのジャージを着ていたんですよ。

(玉袋筋太郎)ほうほう。

(吉田豪)で、その人がそれをつけているのに、「それ、スポーツフェスティバルのジャージじゃないですか!」って(笑)。まっすぐこっちをいじりに来て(笑)。

(安東弘樹)持っていっちゃダメじゃないですか(笑)。

(吉田豪)釣れるつもりじゃない人が釣れちゃったっていう(笑)。そんな人なんですどね。で、今回のシングルは選抜総選挙の結果を受けてのものだから、選抜総選挙の残酷さみたいな話も転がしやすいだろうし、SNSがテーマの曲なんですよ。『#好きなんだ』って。だから最近の指原さんのTwitterが不穏なことについて聞こうと思ったら、期待以上の答えが返ってきたという。

『#好きなんだ』

(玉袋筋太郎)これがすごいね。

(吉田豪)最近、東京アイドルフェスティバル(TIF)のステージで泣いたりとか、Twitterで「いろいろあるけど、みんなのことは諦められない」とか。「ファンの方にもメンバーにも不安にさせることも多いけど、私は思ったよりもHKTのことが好き」ってつぶやいたりとか。「あれ、何なんですか?」って聞いたら……。

(玉袋筋太郎)謎掛けだね。

(吉田豪)謎掛けなんですよ。そしたら、もうあっさりと答えてくれるんですよ。「ああ、それね。私は掲載していいと思っているんですけど、HKT48メンバーの裏アカがどんどん流出していった時があって……」っていうね(笑)。「ええっ!」っていう(笑)。

(安東弘樹)裏アカウントね。

(吉田豪)そうなんですよ。大量に流出していて。当然、公式にはそのへんは触れないようにしていたのをあっさりと触れて。「ええっ! いきなり使いづらい話ですが……」って言ったら、「ああ、でも大丈夫ですよ。本当のことだから。嘘じゃないし、実際に流出しましたから」っていうね。

(玉袋筋太郎)これ、ハードルを超えてくるね。ピョーンと、軽く。

(吉田豪)そうなんですよ。で、もともとグループLINEで注意をしたらしいんですね。「あなたたちは信頼関係でお仕事をもらって、ファンの方に応援してもらっているので。いまの段階ではまだ大丈夫だけど、これからは気をつけてください。いままでのところはしょうがないけど、これから先には無しにしましょう。それを私たちの決まりにしましょう」って言った後に、「禁止されてるけど、載せちゃいまーす」っていう投稿をしたのが流出して(笑)。で、怒ったと。

(安東弘樹)そりゃそうだ。

(玉袋筋太郎)怒るね。面白いね。

(吉田豪)そうなんですよ。「だから、泣いたのはそういうことで。そんなことがあったのに、メンバーに会ったらどうも反省の色も感じられなくて。私だけがHKTの番組が終わらないように必死にお願いしているのかなって絶望しちゃって。でも、一緒にTIFのステージに出たらやっぱり諦めきれないと思って。感動もしちゃって涙が出ちゃった」というね。

(安東弘樹)はー!

(吉田豪)で、そんな話をして。実はこれ、(原稿)チェックがギリギリまで保留だったんですよ。これは載せるかどうかわかりませんっていう。

(玉袋筋太郎)会社側で。

(吉田豪)そうなんですよ。でも、最終的には本人OKだったんでOKが出て。で、さらには「この話はSNSがテーマのシングルにはふさわしい話ですね」って僕が言えば、「本当ですよ! 『裏アカ禁止条例』。カップリングはそれにすればよかった!」とかね、笑いに転がすっていう。

(玉袋筋太郎)すごいな!

(吉田豪)すごいですよ。

(安東弘樹)面目躍如というか。本当にすごいですね。

(玉袋筋太郎)ねえ。いまナンバーワンっていうことになってくるんだな。

(吉田豪)そりゃ売れるわ!っていう。

(玉袋筋太郎)さあ、そして親知らず4本一気抜き。「4本一気抜き」って聞くとなんかドキッとしちゃうんだけどね。異常な仕事ぶりっていう。違いますよ!

(吉田豪)歯ですよ!

(玉袋筋太郎)これもまたすごい。うん。

(吉田豪)そうなんですよ。そのTIFでは「さすがにすごく疲れていて無理かもと思った」ってつぶやきもあったんですよ。そしたらまあ、「すごく疲れていた。そもそもその時期、ずーっとものすごく忙しくて。死ぬんじゃないかっていうぐらい働いている」って言って。実際にそうなんですよ。親知らずを一気に4本抜いて翌日の握手会が体調不良で途中で中止になったんですよ。明らかにそれが原因で。どう考えても普通、4本を一気に抜いちゃいけないものじゃないですか。

(安東弘樹)1本でもまあ、腫れ上がる人いますもんね。

(吉田豪)せいぜい2本っていう。

(玉袋筋太郎)だって骸骨に入っているもんだからね。骸骨から行くんだから。ちょっとした手術ですよね、これ。

(安東弘樹)僕も奥に入っていて、横に生えていた歯を抜いた時、本当に手術でしたから。

(玉袋筋太郎)相当なダメージなのに、それを4本一気にポンポンポンッて抜いちゃうわけでしょう? ドンペリじゃねえんだから。

(吉田豪)(笑)。医者も止めたらしいんですけど、「時間がなさすぎてこういうトリッキーなやり方しか私には残っていなかった」っていう。

(玉袋筋太郎)でも、あったな。うちの師匠も昔、そうだったな。1日で全部治したって。それで北野屋にその晩、来て。顔をこんな腫らせて飲んでたけどね。うちの師匠は。

(吉田豪)いちばんいけないやつですね(笑)。でも、そんな忙しいのにそのTIFの時も「参加されるアイドルのみなさま、バタバタ動いていてもほぼ暇なので、気にせずお写真とかお話とかありましたらお声がけください」みたいな感じで。「事務所確認なしで何でも載せていいです」っていうね。だからみんな、「指原さん、どこですか?」ってアイドルが探し回っていて。結局寝る時間もなく、とても疲れて……。

(安東弘樹)そりゃそうだよな(笑)。

(玉袋筋太郎)いいな。「事務所なしで何でも載せてもいいです」って言える。気持ちいいね!

(吉田豪)で、疲れ果てていた。実はこれ、インタビューでカットされていた話がありまして。それ以上のこともこの時期、あったんですよ。指原さんがTwitterで「過去最大に迷惑をかけた。観覧のお客さんもびっくりしたと思う」ってつぶやいていたことがあって。これ、インタビューでも聞いたんですよ。そしたら実は某番組の収録中に貧血で突然倒れていたと。

(玉袋筋太郎)あ、俺も聞いたことがある。

(吉田豪)聞きましたよね? まあ、共演者から僕ら、直接聞いているっていう(笑)。

(玉袋筋太郎)直接聞いてるんだよ。

(吉田豪)ある人が番組に出ていたら、司会の指原さんが突然倒れて。

(玉袋筋太郎)倒れちゃって、番組を。そう。聞いた聞いた。

(吉田豪)インサイダー情報を聞いていたんで、即ぶつけて(笑)。実はそれについても答えてくれていたんですけど、「いろんな人に迷惑をかけた話を笑い話にするのは失礼だ」っていうことでカットになっていた。でも実は、それぐらいギリギリの状況で彼女はいま仕事をしているという。

(玉袋筋太郎)すごいな、おいおいおい。そして、その3だよ。いちばん出会えて楽しかった人、杉作J太郎の筋。

(吉田豪)そう。この寝る時間がなくなっている中で、いま指原さんはリリー・フランキーさんと『真夜中』っていう深夜にロケする番組が始まって、更に睡眠時間が削られているんですよ(笑)。で、寝ない上に、指原さんがあんまり不向きなところに連れて行かれるっていう番組なんで。文壇バーとかゲイバーとかに連れて行かれて。で、指原さんはもともとお酒の場とかも苦手な人なんですよ。そこで、そういうとこに連れ回されるという思いをしている中で、僕も出たんですけど、杉作さんと僕で共演したんですよね。1回。みんなでアイドルトークをするという回がありまして。

(安東弘樹)はい。

(吉田豪)それ、しかも親知らずを抜いた直後ですよ。「笑うのも辛い」って言っていた時に、来ました。深夜ロケで。そしたら、大喜びですよ。っていうか、杉作さんと完全に意気投合しちゃったんですよ。同じ時期にハロー!プロジェクトに夢中になって、同じようなコンサートにずっと行っていた人間として、一瞬で意気投合して。「面白すぎる! 今年会った人の中でいちばん面白い!」って言っていて。

(玉袋筋太郎)それは杉作さん、いつ死んでもいいね、これ。

(吉田豪)で、深夜ロケでハロプロのDVDを見まくって。で、最終的には「すごい興奮するロケしていました。寝れない。あと5時間いけた」ってつぶやいていて。もう全然寝れないでいる時にですよ。で、バス移動中も疲れているなら寝ていればいいのに、ずーっと僕らとの無駄話に付き合って。

(安東弘樹)僕、それ見ました。あの時、抜いた直後って全くわからなかったですね。

(吉田豪)だから顔がちょっと丸くなっていたんですよ。で、Jさんに「笑わせないでください! 痛い痛い!」ってずっとやっていたんですよ(笑)。

(玉袋筋太郎)(笑)

(吉田豪)で、「最近出会った人間の中でいちばん面白い発言は信用できると思いました」って言ったら、「Jさん、今年どころじゃなくて本当に芸能界に入っていちばん出会えて楽しかった人」っていうね。「めちゃめちゃ面白いと思う、Jさん。面白かった。優しいんですよね」って、ここに気づくのが素晴らしいですよね。

芸能界に入ってから会った人の中でいちばん楽しい男・杉作J太郎

(玉袋筋太郎)優しいっていうところがね。

(吉田豪)ただのエロおじさんだと思っている人がテレビ的にはすごい多くて。違うんですよ。基本ジェントルな人だっていうことがちゃんとわかってくれていて。だから、Jさんの面白さを伝えるためにがんばってきたわけじゃないですか。こっち、10年以上。そしたら、日本のアイドルのトップがわかってくれたっていう(笑)。

(玉袋筋太郎)これだ! 豪ちゃんが発したJ-WAVEを受信したわけですよ!

(吉田豪)(笑)

(安東弘樹)上手い!

(玉袋筋太郎)ダメだよ、ダイヤルを変えちゃ。TBSだよ!

(安東弘樹)それを一瞬でみんなに伝えられるっていうのもすごいなー。

(吉田豪)この前もTwitterでつぶやいていたんですよね。「年に1回のananのSEX特集、めちゃくちゃ楽しみにしているんだけど、なぜかJさんが出てきてガン萎えしました」っていう(笑)。

(安東弘樹)そこはそうですね(笑)。

(玉袋筋太郎)さあ、そしてその4。

(安東弘樹)総選挙ほど辛いことは一生ない。辛いんだ……。

(吉田豪)今回の総選挙がね、指原さんにとって最後の立候補だったわけですけども。「当然、卒業とか考え始めますよね?」とか言っても、「いや、これマジなんですけど、全く考えてないです」っていうね。「くそっ、辞めたろうかなって思う時もあるんですけど。秋元さんにはお世話になっているし。悔しいことも多いけど、少しでもAKBとがんばりたいと思っているので。ただ、スタッフとの意見が食い違ったりすると辞めたろうかなって思うけども、いまはそういう気持ちはない」という。

(玉袋筋太郎)一応、でもそういうピストルをチラつかせるところも。

(吉田豪)チラつかせるんですよ。本当にTwitterで運営批判とか平気でしますからね(笑)。

(玉袋筋太郎)田村潔司だな、おい。すごいな。

(吉田豪)(笑)

(安東弘樹)それでも認められているっていうのがすごいですよね。

(吉田豪)っていうか、それが許されるAKBの特殊さもすごいですよ。

(安東弘樹)そこで、ダメになっちゃう人も。わかれるわけじゃないですか。

(玉袋筋太郎)昭和の芸能界的なイメージなのかね? 考えるとさ。パンと切られたりとかね、あるわけじゃないですか。干されたりとか。

(安東弘樹)それがなくてやっているということは、それも才能というか。

(吉田豪)バランス感覚。

(安東弘樹)そういうことでしょうね。

(吉田豪)で、「本当にもう選挙は疲れた」って言っていて。あれだけ圧倒的な票差で1位をとっても消耗するという。でも、「それよりもファンの人が疲れているのがかわいそうで。私が悪者扱いされるのはいいけど、ファンの人が、やっぱり40代、50代が中心なので『目がかすんで投票券が見えない』みたいになってくるって言っていて」って(笑)。

(玉袋筋太郎)そこまで? ハズキルーペのCMに出ろよ!

(吉田豪)(笑)

(安東弘樹)えっ、40代、50代が中心なんですか?

(吉田豪)そうなんですよね。大人の信用を勝ち得ている人だという(笑)。

(安東弘樹)50代かー!

(吉田豪)「周りが投票券、(シリアル番号を)打てないです。限界です」って。

(安東弘樹)なるほどね。そういう周りの人にも気を使っているということですね。

(吉田豪)そうですね。「あんなにドキドキする総選挙みたいなことはもう一生ないとは思う」って。「総選挙で揉まれてなにか変わる部分はあるんですか?」って聞いたら、「ありますって言うと洗脳されているっぽいですけど。狭い中でこんなに戦えることもないし、めちゃめちゃ辛いけれども、前田敦子さんが言っていたんですけど、周りのタレントさんとかの悩みを聞くと『えっ、そんなことで悩むんだ』ってびっくりすると。その悩んでいることのサイズ感に」って。

(玉袋筋太郎)うん、わかる。それ。

(吉田豪)「『私たちは総選挙とか乗り越えている分、強い』って言っていた。私もそういう意味ではめちゃめちゃ強いと思うし、総選挙ほど辛いことってもう一生ないと思う」っていう。

(玉袋筋太郎)そりゃあすごい。他のアイドルの悩みって、どんなことだったんだろうね? 本当にちっぽけなんだろうね。

(安東弘樹)逆にそっち、気になりますね。

(吉田豪)精神崩壊するぐらいまで追い込まれて、それを生放送で中継されるみたいな目にはなかなかあわないですからね。ブルブル震えながら……みたいなね。

(安東弘樹)晒されてるんだもんな。

(吉田豪)だから、実際に僕も前田敦子さん取材した時にすごく思って。「僕はアイドルって大変な職業だと思うんですよ」って聞いたら、「えっ、アイドルっていちばん簡単ですよ。誰にでもできます」って返ってきて。やっぱりハートが違うんですよね。あの世代は。

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(玉袋筋太郎)すげえな!

(吉田豪)昭和のプロレスラー感というか。「そういう意味でも総選挙は絶対に出た方がいいと思います。いろんなことを乗り越えられるから」って。いま、立候補制だから、出ないでもよくなっちゃったんですけどね。

(安東弘樹)そうかそうか。

(玉袋筋太郎)俺もこれから言おう。「たけし軍団なんか、簡単ですよ。あんなもん」っつって。「誰でもできますよ、あんなの」って。

(吉田豪)簡単なわけないですよ(笑)。

(玉袋筋太郎)(笑)

(安東弘樹)それ玉さん、本気で言えますか?

(玉袋筋太郎)言えないな! まだ言えねえ。だから、すごい。凄玉だ。彼女たちの方が凄玉ですよ。うん。

(安東弘樹)さあ、その5。『恋チュン』で終わった。ザ・アイドルソングが好きの筋。

(吉田豪)そうですね。総選挙と言えば2013年に指原さんがはじめて1位になって、センターで歌う『恋するフォーチュンクッキー』ができたわけですけど。名曲だと言われてますが。指原さんはあれ、はじめて聞いた時に全然曲を好きになれなかったっていう話が大好きで。それを聞いたら、「本当、全然いいと思わなくて。いまは名曲と思えるようになったけど、最初にみんなで聞いた時、こじはるさんが『えっ、カップリング?』って言ったことが忘れられなくて」って。本当に、周りの評判もあんまりよくなかったっぽいんですよ。

(安東弘樹)へー!

(吉田豪)で、「当時は『はじめてセンターをとったのに、この曲か。終わった……』って思った。秋元さんはもともと『お前が好きな曲なんて目をつぶっても書けるよ』って言っていたのに。それぐらい、私はザ・アイドルというそういう感じの曲が好きなのに、ショックだった。でも、篠田麻里子さんだけは『いい曲じゃん』と言ってくれた。でも、篠田さんだけだし、終わったなと思っていたら、タモリさんも『あの曲、いい曲だね』って言ってくれた。千原ジュニアさんとかも褒めてくれて。最初に公開した時もAKBのファンの人は『えっ?』っていう反応で。でも、一般のリスナーの人からすごい反響があって。それで私も手のひら返しするようになって、『この曲、最高じゃない?』って言うようになった」っていう。

(玉袋筋太郎)このエピソードを語っているだけで、すごいよ。本当。あれだけ売れた曲をね。

(吉田豪)ダメ出しして(笑)。

(玉袋筋太郎)そう。で、「手のひら返しするようになって、『この曲、最高じゃない?』」って言っているって。すごいなー!

(吉田豪)「秋元さんは最初から『この曲は絶対に売れます』って言っていた」っていうね。

(安東弘樹)そっちもすごいしね。でも、そうか。AKBのその村の中では「えっ?」だったんですね。

(吉田豪)まあ、いわゆるザ・AKBソングじゃなかったんで。「えっ?」って感じだったわけですね。で、実はいま出ているこの『#好きなんだ』っていう曲がザ・AKBの曲なんで。「実はこういう曲が好きで、これを待っていた」っていう。

(安東弘樹)なるほどね。指原さんとしてはね。

(玉袋筋太郎)いやいや、面白いなー。

(吉田豪)そしてこの『恋するフォーチュンクッキー』を『真夜中』でクラブで流して指原さんに一緒に踊ってもらうっていう企画の時に指原さんが泣き出すっていう事件が起きるわけですよ(笑)。怖すぎて。「酔っ払いがテンションが上っているのを見るだけで怖い。嫌だ、できない……」って。

(安東弘樹)そっちの涙。怖い、恐怖の。

(吉田豪)怖い。ガチ泣き。それがネットニュースになる。で、そのネットニュースになったことを怒って。「吉田さんから言ってくださいよ、ネットニュースのやつらに! なんであんなテレビを見るだけであんなことを書いて。腹が立っているんですよ!」って。すごい怒っていて。

(玉袋筋太郎)(笑)

ネットニュースに怒る

(吉田豪)「これはネットニュースにしないでほしいんですけど」みたいな感じでたまにつぶやくんですよ。「『指原、目頭切開している』とか書かれますけど、してないですから! これはネットニュースにしないでください」みたいな(笑)。いちいち面白いんですよ!

(玉袋筋太郎)いちいち。本当、面白えなー。

(吉田豪)たしかに目頭切開している顔じゃないんですよ。どう見ても(笑)。

(安東弘樹)それに触れるのもね(笑)。

(吉田豪)そう。いちいち触れにいく(笑)。

(玉袋筋太郎)っていうのがすごいわ!

(安東弘樹)さあ、その6。過呼吸になってから卒業したい。これはどういうことですか?

(吉田豪)まあ、指原さんはそうやってハロー!プロジェクトもAKBもどっちも楽しめる人。そのハロー!とAKBの違いについて聞いたら、ハロー!は完璧なものを見せるジャンル。グループの子が過呼吸になっているような映像は使わないと思う。そもそも私自身、ハロー!のメンバーが過呼吸になっている映像とかは見たくない」と。そして「ハロー!だとイベントが中心だと思うので、メンバーがTwitterで批判とか書かないと思うんですよ」って僕が言ったら、「絶対に書かない!」って。その沖縄での選挙のイベントが中止になった時とか、一斉にみんなが運営批判を始めるっていう(笑)。

(安東弘樹)本当ですよね。

(吉田豪)でも、あれも聞いたら実は、秋元さんに許可を取っているんですよね。「あれ、やっていいですか?」って言って、「お前、書け!」って言われて、「わかりました!」って書きすぎなぐらいに書くっていう(笑)。

(安東弘樹)なるほどね。はいはい。

(吉田豪)「むしろそっちの方が面白くなる」っていう秋元さんの発想もあってというね。その違い。だから、1回秋元さんとつんくさんで対談した時、やっぱり元がバンドマン・ミュージシャンの人(つんく)と元が放送作家の人(秋元康)の違いって言っていて。それなんですよね。

(玉袋筋太郎)なるほどな。うん。

(安東弘樹)たしかに、僕、いまSKEの子たちとCSの番組をやって、地上波でハロプロの℃-uteのお二人とも仕事をやっているんですけど、見事な対比。本当に面白いです。もう、楽屋から違うっていうか。

(吉田豪)異常に礼儀正しいハロー!の人たちと。

(安東弘樹)「あざーっす!」みたいな感じ。SKEの子たちは。

(吉田豪)(笑)

(安東弘樹)いや、でも全然嫌な感じはしない。

(吉田豪)人懐っこいんですよね。

(安東弘樹)全然嫌な感じしない。だから、大好きなんです。全然違って、両方大好きなんです。でも、違いは面白いですね。

(吉田豪)そうそうそう。真逆です。そうなんですよ。だから、指原さんは「ハロー!のメンバーのTwitterとか見たくない。ブログでいい。完璧なものだけ見たい。AKBは全部を見せる。だから完璧なアイドルを見たい人はハロー!を選ぶし、精神的な部分も含めて好きになりたい人はAKBを選ぶ。そういうAKBのスタイルにハマッたのが自分(指原さん)だと思う。ドキュメンタリーに向いている人って言ったら。ただ、過呼吸にはならないですけどね。私、倒れたことないんですよ。学校で突然フラフラッて倒れる子とか見て、『あれってどうなっているんだろう?』って思っていたし。メンバーが突然過呼吸になって倒れるのとかも見ていて、『どういう仕組みでああなっているんだろう?』と思って。こじはるさんとかと『あれ、どうやってやっているんだろうね。うちらもやりたいね』『なんか、かっこいいよね。カメラも一気に集まるし』『うちら、なんでドキュメンタリーで使われないかって、過呼吸になれないからだ』みたいな話をしていた」っていうね。ふざけた話をして。

(安東弘樹)まあ、「なろう」って思ってなっているわけじゃないですからね。

(吉田豪)「前田敦子さんが過呼吸で倒れてから復活するシーンとか、異常にかっこいいじゃないですか。映画の見所で。うちらはああなれないな」って言っていたから、「一度過呼吸になってから卒業したい」ってオチをつけていて。最高じゃないですか。

(安東弘樹)すごい!

(吉田豪)ただ、これ某ネットニュースで叩かれていたんですよ。「過呼吸の人に失礼だ」みたいな。でも、さっきのだから削った部分なんですよ。本人は(実際に貧血で)倒れていて。倒れている話をポップにするための、これなんですよ。実は。

(安東弘樹)ああー。なるほど、そうか。

(吉田豪)気を使って削った結果、ただ「失礼」みたいに受け取る人が出てきちゃったっていうかわいそうな話で。

(安東弘樹)そうだよね。全部で、マクロで見ないとわからないんですよ。こういう話は。

(吉田豪)「私は倒れたけど、貧血なんで」っていう。「過呼吸、なりたいですね」っていう話なんですよ。

(安東弘樹)まあ、ね。

(玉袋筋太郎)そこを読めと。

(吉田豪)なかなかそこの行間は読めないですけどね(笑)。読めないから、僕があえて言いふらすという(笑)。

(安東弘樹)いや、それは大事ですよ。たしかに、普通に過呼吸になったことがない人は純粋にわからないですからね。そういう意味では。いやー、深いな。指原さん。

(吉田豪)頭もいいし、かっこいいと思います。

(安東弘樹)本当ですね。それを痛感しました。

(玉袋筋太郎)4本抜きはすごいよ。やっぱり。できるもんじゃない。

(安東弘樹)いや、できない。ええっ、だって1本抜いて1週間後にまた1本でも辛いですもん。

(吉田豪)しかも、貧血で倒れた瞬間っていうのが、とある俳優さんがとんでもないド下ネタを話した瞬間だったっていうね(笑)。

(安東弘樹)そこのタイミングもすげえな(笑)。

(吉田豪)そう(笑)。

(玉袋筋太郎)でもこりゃあ、引っ張りだこだな。理由がわかるよ。

(吉田豪)それは売れます!

(安東弘樹)さあ、今日はね、本当に盛りだくさんのHKT48指原莉乃さんの筋でした。このインタビューはWEBサイト音楽ナタリーで読むことができます。

AKB48「#好きなんだ」発売記念 指原莉乃×吉田豪インタビュー - 音楽ナタリー 特集・インタビュー
ギリギリトークから読み解く国民的アイドルの強み

(吉田豪)はい。

(安東弘樹)豪さん、なんかありますか?

(吉田豪)うーん、なんかあるかな? まあ、ないです。

(安東弘樹)わかりました(笑)。たぶんネットを見ればわかると思います。

(吉田豪)いろいろあります。毎日のようにイベントやってます。

(玉袋筋太郎)手広くやってる。

(安東弘樹)吉田豪さん、次回の登場は11月3日、文化の日でございます。ありがとうございました。

(玉袋筋太郎)どうもありがとう!

(吉田豪)どうもー。

<書き起こしおわり>
https://miyearnzzlabo.com/archives/16670

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