吉田豪と松村香織 AKB48選抜総選挙を語る

吉田豪と松村香織 AKB48選抜総選挙を語る SHOWROOM

元SKE48の松村香織さんが『猫舌SHOWROOM 豪の部屋』にゲスト出演。吉田豪さんとAKB48選抜総選挙について話していました。

(吉田豪)客観的に見て、ものすごい肩の力が抜けた感じで活動できていたように見えていたんですけども。他の人たちと比べて。そういう人でも総選挙って苦しいもんなんですか?

(松村香織)選挙は……いや、しんどいですよ。しんどいっていうか、なんか……いつも予想とかしていました?

(吉田豪)僕は全然、そういう側じゃないんで(笑)。

(松村香織)えっ、どれぐらいのあれですか?

(吉田豪)オンエアしていた地上波をぼんやり見るぐらいの。当然、現場にも行ったことないし。

(松村香織)ああ、うんうん。でも、そんなに興味ないでしょ? 1位以外は興味なくないですか?

(吉田豪)うーん、でもなんだろうな? ものすごい追い込まれ方をしているな、大変だな、みたいな。すごい距離を置いて見ている感じでしたね。

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(松村香織)世の中的には「1位が誰か?」がいちばんじゃないですか。だけど、本当の小さい世界の話だけど。だけどみんなそこで本当に……たとえば60位に入ったとか80位に入ったとか。本当にごくわずかな人たちの中での入ったり落ちたりっていうのだけど、それが1年間、うちのグループからしたらそれで運命が変わったりとか。それで多少メンバーとか外仕事が決まったりとか、すごい変わるから。うん。なんか、思ったよりもめちゃめちゃ大変でしたね。なんか。学校で言ったら内申みたいな? もう卒業試験みたいな(笑)。

(吉田豪)ただ、自分ではなかなかなんとかできるものでもないっていう。

(松村香織)そうそう。でも、本当に1人1票じゃないから。正直なお話をすると。自分も、「いちばん最後だ」って自分で決めていたナゴヤドームの総選挙も、もうちょっと昔の自分だったらもっと煽っていたなって思うんですけど、なんか煽りきれなくて。

(吉田豪)なんか申し訳ないとか?

(松村香織)うーん、なんだろうな? なんか……「最後ですよ」ってめっちゃ言ったりもしていたけど、全盛期の煽りができないっていうか、どこかでやっぱり。

(吉田豪)ちょっとセーブされちゃった……。

(松村香織)そうそう。だったりとか。やっぱりあと、下から這い上がっていく時の……。

(吉田豪)楽しさというか。

(松村香織)楽しさ。ずっと私は基本落ちずに……34、24、17、13、不参加、18、17。そんなに悪くないんですよ。基本。だからガンガン、初めて選抜に入る13位までの過程なんて、もう「早く選挙来いよーっ!」みたいな感じだったんですよ、本当に(笑)。

(吉田豪)フフフ(笑)。

(松村香織)もう楽しいというか、それこそ絶対に抜かしてやろうみたいな。ブイブイだったので。思考的にはね。絶対に下がりたくもないし、絶対にもっと上に行こうとか。私はずっと選抜じゃなかったんで、選抜のメンバーよりも絶対に上に行きたいみたいなのがすごいあったから。それはすごい本当に、選挙が終わった次の日が私の中での元旦。そこから1年が始まっている感じ。

だから、もうファンの方もそこから1年を全部、そこを目安にして動こうみたいな計画でやっていたから。それはそれですごい楽しかったけど。でも、やっぱり13位になって追われる立場になるじゃないですか。それで結構もう上って詰まっていたし。その当時ってまだたかみなさんとかもいたので。そうなると、下から這い上がってこられる怖さっていうのをはじめてそれで感じましたね。

(吉田豪)うんうん。勢いでガーッと行ったけど。

(松村香織)そうそう。それでなんかちょっと怖くなった時もあったし。追われる人は追われる人で選挙、こんな感じなんだなって。だからちょっと、病んではいないけどもすごい嫌だった時もあったかな。

(吉田豪)指原さんクラスでも「選挙、辛い」って言っていて。「選挙が不参加になってすごい気楽になった」とか言っていて。あの位置でもそうなの?っていうね。

(松村香織)まあ、たしかにね。どうなんだろう?

指原莉乃クラスでも総選挙は辛い

(吉田豪)盤石の1位みたいなポジションでも辛いんだったら、そりゃあもうね、みんなはもっと辛いでしょう?っていうね。

(松村香織)いや、でも本当にやっぱりなんか、いまのそれこそ5月の時期なんて、なにやってるんだろう? 中間発表とか終わっているのかな? もしかしたら。

(吉田豪)普通にやっていたら。

(松村香織)そうそう。こんな気楽にすごせないですよ。みんなピリピリしているし。メンバーも表には出さないようにしているけど、なんかやっぱり速報が1日で出た日とかも地獄絵図の時は地獄絵図だし。もうみんな泣いて、喜んでいたりとか。だから2週間ぐらいか。選挙の投票が始まってから最終結果まで。生きた心地がしないというか。それこそ毎回、SHOWROOMも絶対にやらなくちゃだったし。モバメとかブログとかで投票をさせるように、1票でも多く投票してもらえるようなことをひたすらやんなきゃいけないし。こっちは……もうファンの人がいちばん辛いですよ。CDを剥いて撮ってやったりするのもの大変さも。昔ってメンバーは基本的にCDは買っていなかったんですよ。

(吉田豪)ん? 昔はメンバーがCDを買っていなかった?

(松村香織)投票の時にメンバー自身がCDを買って投票するっていうのはなかったんですよ。でも、いまは動画があるから、「一緒に投票しましょう」みたいなことができる。「いま、私も一票入れるから、みんなで一緒に打とう!」みたいな。そういう戦法もできてきたから。

(吉田豪)へー! 自分で入れる?

(松村香織)で、そこまで……昔はもし自分で入れていたとしてもそんなに言わなかったのかな? でもいまはもう言ったもん勝ちみたいなところがあるから。すごい、ちょっと過激になってきた。それこそここにダンボールを置いて、本番までに一緒に入れようとか。それは人それぞれのやり方だけど、そういうSNSの発達とともにちょっとこちら側も過激になっていたなっていう部分もすごいあったから。だから今年は1回なしでリセットで、みんなそういうこともなく。変な風にならずに過ごせるのはすごいいいことだと思うけど。でも、ちょっと暇かもね。

(吉田豪)うん(笑)。

(松村香織)なんかちょっと暇だなっていうか。ファンの人もファンの人で「ああ、選挙がないな」みたいな。メンバーも、やっぱり這い上がりたい子たちにとっては選挙は絶対あった方がいいわけですよ。

(吉田豪)チャンスではありますよね。

(松村香織)そうそう。だから選挙がなくなったっていう発表をしたことによって泣いている子もいたし。「悔しい!」みたいな。

(吉田豪)上の力とは関係のないやり方で這い上がる場でもあったんですね。

(松村香織)そうそう。だから私ももし、当時の研究生の自分だったらなくなったことにすごい失望したと思うし。「ああ、もう握手しかないじゃん、本当に……」みたいな。だから、なんだろうな? 難しい。いいこともあるし、それによって損する子もいるし。でも選挙があることによって、嫌な子もいるし。どれが正解か、わかんないですね。本当に。

(吉田豪)アイドルを長年見ていると、アイドルが感情的になる、喜怒哀楽。そういうのをファンは見たくて、それをすごくシンプルなシステム化したのが総選挙だと思っていて。嫌でもあの短い時間でみんなが泣いて……とか。感情的になる様をいくらでも見れるっていう。喜び、悲しみ。

(松村香織)うんうん。たしかに。でも本当にすごい思うのは、その選挙で名前を呼ばれる前のあの心臓のバクバクって一生あれを超えることは基本、ないだろうなって思う。

(吉田豪)快進撃の時でもそんな感じでした?

(松村香織)そうですよ。なんて言えばいいんですかね? 去年のナゴヤドームのとかもそうですけども。あの、なんとも言えない体の感じがたぶん、二度と味わえないと思う。

(吉田豪)恐ろしいシステムですよね。本当に思いますもん。他人事として見ていても。

(松村香織)なんかもう発作が起きて倒れるんじゃないか、みたいな。それぐらいにずっとバクバクしているんですよ。脈が早いし。

(吉田豪)呼ばれない人がそのまま見えるっていう怖さとか。「怖っ!」って思いますもん。いつのか忘れましたけど、ずーっとプルプル震えている感じとか「怖い怖い怖い……」って。

(松村香織)いや、本当にめちゃめちゃしんどいっちゃあしんどいけど。でもそういう、普通の生活していたら味わえない感情もいっぱい味わったし。

(吉田豪)「あれを経験したらだいたいのことは耐えられる」って言っている人もいましたね。

(松村香織)うんうん。たしかに。なんかあの時のプレッシャーだったり、自分の待っている時の感情だったり気持ちだったりとか、本当にないだろうなって。

(吉田豪)(コメントを読む)「かおたんも発作、起きていたもんな。だーすーが先に呼ばれて」。

はじめて過呼吸になる

(松村香織)ああ、そうそう。私、いままで人生で1回も過呼吸になったことなかったんですよ。でも、いつだっけな? だーすーが18位かな? で、いつも一緒に「絶対に選抜に入ろう!」って言っていたんですよ。選抜、基本SKEで私は入れないから、AKBの選抜で一緒に入ろうみたいな。で、ずっと待っていて、来て……だいたい20位台が呼ばれた時に、もう結構来るんですよ。ある程度、自分でもわかるじゃないですか。

(吉田豪)そのぐらいから。「そろそろだな」って。

(松村香織)そうそう。それで「ああ……」ってなっていた時に18位かな? 「SKE48……」って。残っているメンツを見れば、みんなわかるんですよ。

(吉田豪)「この2人のどっちかだ」って。

(松村香織)他にも松井珠理奈さんとかいるけど、ここらへんだなって。見ていたらわかるじゃないですか。それで「チームE!」って言ったから。私はチームK2だったんで。「ええっ?」みたいな。それで「須田亜香里!」ってなって。だーすーは基本的に選抜から落ちることなんて自分の頭の中にもまずなかったし。それで私、まだ呼ばれていないじゃないですか。それでもうパニクっちゃって、はじめて過呼吸になったんですよ。

(吉田豪)人のことで?

(松村香織)そう! なんかやっぱりだーすーってメンバーが絶対に真似できないような部数でクオリティーを全部保ったままやっているし。それこそいちばんの味方ってファンだったと思うんですよ。彼女もいちばん信用しているのもファンだし、いちばん頼っていたのもファンだと思うし。だからそれと一緒に来ていたのに、選抜じゃない18位って裏切られるっていうか、ちょっと……私もびっくりだし、まさかだし。本人もたぶんびっくりだし、会場の人たちもすごいどよめいていたから。本当に「えっ、なにが起きたの?」みたいな感じだったんですよ。それではじめて過呼吸になって泣いて。だから自分が13位で呼ばれた時にはもう顔がグチャグチャだったんですよね。

(吉田豪)フフフ、その頃にはもう(笑)。

(松村香織)そうそう。だーすーので泣いてしまったから。でも、だーすーもだーすーで18位になったから、ちょっと自分のアイドル像みたいなのを変えたというか。いままでは「自分のアイドルの理想はこう。アイドルの須田亜香里でいなきゃいけない」みたいなのがあったけど、たぶんそれによってそういうのはなしでそのまま、ありのままで行こうみたいな感じになって。そのきっかけとして18位になったことはいまとしてはよかったみたいですけども。でも、あの時は「うまくいかないな」って思っていました。

(吉田豪)過呼吸は基本、ならない人だったんですね。

(松村香織)私ですか? ならないです。だからはじめてなりましたもん。なったことにも自分でびっくりしたし。「こんなになるんだ!」って。しかも周りのメンバーが過呼吸の対処法とか知らなくて。で、水が置いてあるんですよ。ずっと4時間ぐらい座っているんで。そしたら隣の子が「かおたん、水、飲もう!」みたいな。いやいや、飲めないから(笑)。「うううーっ!」みたいな(笑)。

(吉田豪)酔っ払いとかじゃないんで(笑)。落ち着かせることがまず重要なんで。

(松村香織)そうなんですよね(笑)。それで「飲んで!」「うううーっ!」ってめっちゃえづいていて。

(吉田豪)「袋でもください」みたいな感じですよね?(笑)。

(松村香織)そうです。それもカメラを回していたから声とか入っていたんで。思い出すとめっちゃ面白いんですけど。しかもその時、どこだっけな? 会場も大きくて、位置もすごい上の方にされていたんですよ。メンバーが。上の方にいて、呼ばれて下にさがって徳光さんたちのところへって。

(吉田豪)お客さんに見えやすいようにって。

(松村香織)そう。めっちゃ上にいて。それで私、こんななっているじゃないですか。そしたらすごい体のめっちゃ大きいマネージャーさんがSKEの担当でいたんですよ。そしたら、私がこんなになっているからその大きいマネージャーさんが「大丈夫か! 大丈夫か!」って行き来しだして。それで大きい人が動くから、なんかちょっと揺れていて(笑)。

(吉田豪)フフフ(笑)。

(松村香織)ここはここで揺れるし、水を飲まされて「うううーっ!」ってなるし、みたいな。めちゃめちゃ散々だったんですよ。その日はね。それで自分、13位で呼ばれてスピーチに行くのも、もう化粧を直したりも全然できなくて。もうそこから、結局16位とかに入るとどこで呼ばれるのかとかって自分でもわからないじゃないですか。だからもうメイク直しに行きたくても、裏に行きたければ行けるんですけども、下りている時に呼ばれたら終わりだし……みたいな。で、他の子のスピーチの時間とかもわからないから。本当に、マジでブスなまま13位で行って。すごいなんか後悔じゃないけども、どうせだったらもっとかわいく行けばよかったなってめっちゃ思っています。

(吉田豪)この松村さんを過呼吸にするぐらいの恐ろしいイベントだっていうことですよね?

(松村香織)いや、そうですよ。もうショックでしたもん。だから本当になんかね、結局私もいろんなお仕事をしてアイドルになって、20代後半の私がこんなになるんだから、10代の子とか中学生の子とか、同じ気持ちで背負ってやっているのってすごく過酷だなって思うし。これからの考え方とかもいろいろと変わるだろうなって思う。いろんな影響があるんだろうなって思う。生きていく上で。いいことも、悪いことも。

<書き起こしおわり>

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